「フリーランスとして働く中で、やる気が出ない時がある」「日によってモチベーションの波が激しい」お悩みではありませんか。
自由な働き方が魅力のフリーランスですが、やる気やモチベーションの維持ができないと、収入やキャリアに直結するため、自分自身で解決する必要があります。
本記事では、フリーランスエンジニアがなぜやる気を失いやすいのか、根本的な原因、モチベーション低下が招くリスク、やる気が下がっているサインをご紹介しつつ、解決に役立つ考え方や具体的な行動についてお話しします。
目次
1.フリーランスエンジニアがやる気を失う原因
はじめに、フリーランスエンジニアとしてやる気が出ない原因が知りたい方のために、やる気やモチベーションが下がってしまう主な原因について解説します。
フリーランスが陥りがちな「怠け癖」とは
フリーランスがやる気を失う原因として、会社員時代にはなかった自由な環境、すなわちフリーランスとしての魅力でもある自由な環境によって「怠け癖」が身についてしまうことが挙げられます。決まった出退勤時間や上司・同僚の監視がないため、自己管理能力が低いと、つい作業を後回しにしたり、休憩時間が際限なく長引いたりしがちなのが理由です。
仕事に余裕があるタイミングだったとしても、「今日はこれくらいでいいか」と楽な方に流れてしまうと習慣化してしまい、集中力が必要な作業が億劫になり、やる気を出すのが困難になる悪循環に陥る可能性があります。
また、自分自身としては怠けているつもりはなくても、実際に進捗が進んでいなかったり、パフォーマンスが低下していることに気づかないことで、怠けている状態と変わらないということも認識しておく必要があるでしょう。
フリーランスとしてやりたくない仕事をしている
せっかく、フリーランスになったのに、やりたくない仕事をしている場合もやる気やモチベーションが失われてしまいます。稼ぐためとはいえ仕事内容そのものに興味を持てなかったり、自分自身の価値観やスキルセットと合わないと感じたり、強い抵抗感が生じたりするのが理由です。
生活のため、あるいは関係性を考慮して断れなかったなどの理由で、本来やりたくないと感じている仕事にエネルギーを注がなければならない状況は、精神的な消耗が激しく、日々のモチベーションを維持するのが難しくなっても仕方がありません。
もちろん、フリーランスの方が必ずしも好きなことばかりできるわけではないものの、やりたくない仕事ばかりが積み上がってしまうと、フリーランスエンジニアとしての働き方に疑問を感じてしまうこともあるでしょう。
業務内容と報酬が見合っていない
自分自身の提供するスキルレベル、投入する時間や労力に対して、得られる報酬が少ない、あるいは見合っていないと感じることも、やる気を失ってしまう要因となります。自分の働きがクライアントから正当に評価されていない、あるいは市場価値と比較して低く評価されていると感じると、仕事に対する満足感が得られず、モチベーションが低下してしまうのが理由です。
特に、フリーランスエンジニアとして経験が浅い時期に安価で案件を受けてしまったり、その後の単価交渉がうまくいかなかったり、市場価値よりも低い報酬で案件を受け続けていたりすると、不満や徒労感が蓄積しやすくなります。
新規顧客獲得に注力し、単価を上げていくことも視野に入るものの、日々の忙しさや単価を上げることによる案件獲得の可能性が低くなるという不安から、行動に移れないこともあるでしょう。
新規案件の獲得や収入の不安定さ
フリーランスは常に新規案件を獲得し続けなければならないというプレッシャー、同様に案件が獲得できる可能性や収入の不安定さも、やる気低下の無視できない原因になります。継続的な案件が予期せず終了したり、閑散期などで新規案件がなかなか見つからなかったりすると、将来への経済的な不安が大きくなり、目の前の仕事に集中できなくなるのが理由です。
一時的な問題だったとしても、収入が不安定な状況を経験してしまうことで、精神的な余裕がなくなり、リスクを取るような新しい挑戦への意欲も削がれ、仕事への意欲そのものが失われてしまうこともあります。
営業力の強化やクライアントワークを見直していくことで解決できる問題ではあるものの、不安な状態では自信も失われてしまうため、何を改善すべきかと悩むだけで時間ばかりが過ぎてしまうこともあるでしょう。
在宅ワークで様々な誘惑がある
在宅ワークは通勤の手間がなく、自分のペースで働けることがメリットであるものの、仕事の妨げとなる様々な誘惑が身近にある環境でもあります。テレビ、ゲーム機、漫画、映画、趣味、SNSなどオフィス環境には存在しない個人的な誘惑によって集中力が途切れやすく、一度中断するとなかなか仕事モードに戻れないのが理由です。
フリーランスとして、好きなことをしながら自由に働いているつもりが、誘惑に負けてしまうことで計画通りに仕事が進まないストレスが溜まってしまい、やる気を維持することが難しくなります。
仕事専用のスペースや部屋を作ることができれば解決できる可能性はあるものの、家庭環境や経済的な理由によってはすぐに引っ越しするのも難しい場合もあり、改善しにくい原因と言えるでしょう。
プライベートの事情が割り込みやすい
フリーランスは働く時間や場所を比較的自由に調整できる反面、プライベートな用事や家族の事情など、予期せず仕事に割り込みやすいという側面もあります。例えば、日中に子供の学校からの急な呼び出しや家族の体調不良での看病など、細々とした用事が作業時間を減少させる要因となります。
仕事とプライベートの物理的及び時間的な境界が曖昧だと、集中してまとまった作業時間を確保するのが難しくなり、結果として仕事の遅延や質の低下を招き、モチベーションが低下してしまいます。
心身の健康がおろそかになっている
フリーランスは体が資本であり、自己管理が基本となるため、意識的に注意しないと心身の健康管理がおろそかになりがちです。納期に追われて不規則な生活になったり、運動不足や栄養バランスの偏った食事で済ませたりすることが続くと、体調不良を引き起こし、肉体的なパフォーマンスの低下が直接的にやる気を低下させてしまうことがあります。
また、孤独感や将来への不安など、精神的なストレスを溜め込みやすい働き方でもあるため、精神的な不調が意欲減退の根本原因となることも留意する必要があるのです。同時に自分自身の不調はなかなか気づきにくいこともあるため、おろそかにしていないつもりが徐々に心身の健康を損ねているということも考えられます。
フリーランスとしての成長が実感できない
フリーランスとして日々の業務に追われる中で、自分自身がエンジニアとしてスキルアップしている、もしくはキャリアとして前進しているという実感が得られないと、モチベーションを維持するのが難しくなることがあります。同じような技術領域や難易度の作業の繰り返しであったり、新しい技術トレンドに触れる機会や挑戦する機会がなかったりするのが原因です。
自分の得意分野で仕事をしていくこと自体は、フリーランスエンジニアとして正しいことでもありますが、成長している実感がないことで、仕事への張り合い、探求心、興味関心が徐々に失われてしまいます。
また、成長に対する焦燥感ばかりが強くなってしまい、新しい技術を学んでいる時間がない、もしくは身につけたとしても稼げるスキルとは限らないという思い込みが生じてしまうことも解決しにくい課題と言えるでしょう。
ルーティンに飽き飽きしている
フリーランスとしての働き方や日々の作業が完全に固定化し、変化のない単調なルーティンになってしまうと、飽きやマンネリ感からやる気を失うことがあります。毎日同じ時間に起床し、同じデスクに向かい、同じようなコミュニケーションを取り、同じような作業を繰り返すだけでは、新鮮味や知的な刺激が失われてしまうのです。
人間は適度な変化や新しい挑戦によって活性化される側面があるため、あまりに変化がない環境はモチベーションを高く保ち続ける上で障害となります。
もちろん、ルーティンワークにはやる気に左右されずに仕事ができるという利点があるものの、心理的にはつまらないと感じてしまい、順調に仕事できている状況を実感できなくなってしまうのです。
1人だと無気力になってしまう
フリーランスエンジニアとして在宅ワークや1人で作業する時間が長いと、周囲からの刺激や競争意識が薄れ、無気力な状態に陥ってしまうことがあります。会社員であれば同僚の頑張る姿やチーム目標などがモチベーションに繋がることもありますが、在宅ワークで仕事が自分自身のみで完結してしまう場合は外部からの刺激はありません。
また、誰かに見られているわけでもなく、相談相手もいない環境、むしろ自分自身で解決し続けなければならない状況でもあるため、本質的には自己管理と自律できている状況でもあるのに、日々の変化に乏しいことが無気力を生じさせてしまいます。
仕事は仕事と割り切って進めていくことで解決できる問題ではあるものの、燃え尽き症候群(バーンアウト症候群)に陥ってしまえば、元の自分を取り戻すのも難しくなってしまうのです。
2.フリーランスがやる気やモチベーションを失うリスク
次に、やる気が出ない状態を放置してしまうと、フリーランスとしての活動で具体的にどのようなリスクが生じる可能性があるのかを解説します。
クライアントワークがおろそかになる
やる気やモチベーションが低下すると、最も顕著に表れやすいリスクの一つが、クライアントとのコミュニケーションや対応といったクライアントワーク全般がおろそかになることです。メールの返信が遅れたり、必要な報告・連絡・相談を怠ったり、打ち合わせに集中できなかったり、あるいは約束した連絡を忘れてしまったりするなど、クライアントに対して不誠実な印象や不安感を与えかねません。
今まで時間をかけて築いてきた信頼関係を著しく損ねてしまう可能性があり、今後の取引継続にも影響を及ぼします。特に案件の受注を基軸として活動しているフリーランスエンジニアの場合、良いクライアントとの関係を失ってしまうことは大きな損失です。
特定のクライアントに依存しないこと、複数の収入源を持つこと、フリーランスエンジニアとしてアプリ開発やオンラインサービス提供など、別の収益モデルを模索することでリスク分散は可能です。しかし、やる気やモチベーションが下がっている状態では改善することが難しい問題と言えます。
品質の低下や納期の遅延による信頼の失墜
モチベーションの低下は、集中力や注意力の散漫を招き、結果として成果物の品質低下や、約束した納期の遅延を引き起こすリスクを高めます。フリーランスにとって、クライアントから依頼された成果物の品質を担保し、納期を厳守することは、プロフェッショナルとしての信頼の基盤であり、重要な責務の一つです。
契約条件や一定の品質が守れない状態が続くと、クライアントからの評価は著しく低下し、「仕事ができない人」というレッテルを貼られてしまう可能性も考えられます。一度失った信頼を取り戻すのは非常に困難であり、継続的に仕事をもらえていた状況を失うことを覚悟しなければなりません。
契約不履行による損害賠償のリスク
やる気の低下が深刻化し、自己管理が完全にできなくなり、納期の大幅な遅延、求められる品質を著しく下回る成果物の納品、あるいは最悪の場合、途中で作業を放棄してしまうといった事態に至った場合、クライアントとの契約不履行とみなされ、損害賠償を請求される可能性があります。
契約内容によっては、クライアントが被った損害、プロジェクトの遅延による損失、代替リソース確保の費用などに対して、損害賠償を請求されるというリスクです。単なる金銭的な損失に留まらず、フリーランスとしてのキャリアや業界内での評判にも関わる極めて深刻な問題でもあるため、やる気やモチベーションを失うことを軽視してはならないと強く認識する必要があります。
仕事ができない状態でも補償がない
フリーランスには、有給休暇、傷病手当金といった、働けなくなった時に生活を支える公的な補償はほとんどありません。そのため、やる気の低下が深刻化し、精神的・身体的な理由で一時的に仕事ができなくなったとしても、その間の収入は完全に途絶えてしまうというリスクがあります。
会社員であれば保障される部分が、フリーランスの場合は全て自己責任となります。自身の貯蓄や加入している民間の所得補償保険などで備えるしかなく、準備が不十分な場合は生活基盤そのものが揺らいでしまうことも考えられるでしょう。
収入が途絶えている状態は強い不安を感じる可能性も高いため、持ち直すためには相当な労力や時間が必要となることも推測できます。
なお、フリーランスエージェントを活用する場合、補償制度が備わっているエージェントもございます。どのような補償制度があるのか、確認したい方はこちらからご確認ください。
フリーランスエンジニアの働き方を失う
モチベーションの低下を放置し、信頼失墜、収入減、損害賠償などの様々なリスクが現実のものとなった場合、最終的にはフリーランスエンジニアとしての働き方そのものを継続できなくなる可能性があります。
クライアントからの信頼を完全に失い、業界内での評判も悪化し、新規案件も獲得できず、収入も途絶えてしまえば、フリーランスとして生計を立てていくこと自体が困難になるのが理由です。
一時的なやる気の問題が、取り返しのつかないキャリアの断絶となる可能性もあるため、やる気のない状態が続いてしまう場合、早い段階で解決する必要があると覚えておきましょう。特にやる気やモチベーションの低下は誰にでも生じることであり、ほとんどの方が乗り越えていける問題でもあります。
軽視すべきではないものの、重く考えすぎないこと、上手に気持ちを切り替えて仕事に集中できるようにすることなど、ネガティブな循環に巻き込まれないように、気軽で前向きな自分を維持するくらいの気持ちで取り組んでみることも大切です。
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3.やる気やモチベーションが下がっている時のサイン
次にやる気やモチベーションで生じるリスクを避けるため、早い段階で自分自身の心の状態を客観的に把握するためにも、やる気や意欲が低下している時に現れやすい、具体的なサインについて解説します。
簡単なタスクが消化できない
やる気がある状態ならすぐに取り掛かり、短時間で終わらせられたはずの簡単なメール返信、ちょっとしたコードの修正作業といったタスクになかなか着手できず、気づけば後回しにしてしまっていることが増えるのは、やる気が低下しているサインかもしれません。
行動を起こすための精神的なエネルギーが不足し、簡単な作業に対しても心理的なハードルが高くなっているのが理由です。簡単で小さなタスクだとしても溜まっていくと、「やらなければいけないこと」が増え、さらに大きなストレスや焦りの原因になってしまいます。
普段の仕事が楽しめなくなる
エンジニアという職業が好き、自分の技術力だけで働くのが楽しいからこそ、フリーランスになったはずなのに、やる気があればコーディングや問題解決にやりがいを感じていた業務に対して、楽しさや面白さを全く感じられなくなるのも、モチベーション低下の重要なサインです。
仕事が単なる「こなすべき作業」「生活のための義務」に感じられ、ポジティブな感情が伴わず、ただ時間だけが過ぎていくような状態は、心が疲弊している状態と言っても過言ではないでしょう。やりたくない仕事をしているという状況を、自分自身が生み出している状態とも言えるため、仕事をすればするほどやる気がさらに失われていきます。
自信や自己肯定感が下がっている
「技術力がないからうまくいかないのかもしれない」「他のフリーランスエンジニアはもっと高単価で稼いでいる人もいるのに」といったように、自分自身の能力や価値に対する自信、すなわち自己肯定感が著しく低下していると感じる場合もやる気やモチベーションが下がり始めているサインです。
思うように仕事の成果が出なかったり、SNSなどで目にする他のフリーランスの華やかな活躍と比較して落ち込んだりすることで、自己評価が必要以上に下がり、それが更なるやる気の低下を招くという悪循環に陥ってしまいます。
クライアントワークが後回し
クライアントへの定例報告、質問への返信、打ち合わせの日程調整や準備など、本来であれば迅速かつ丁寧に対応すべきクライアントワークを、面倒に感じてつい後回しにしてしまう傾向が出てきたら、モチベーションが低下しているサインかもしれません。
クライアントとのコミュニケーション自体が精神的な負担に感じられたり、あるいはネガティブなフィードバックや難しい要求をされることを無意識に恐れたりする心理は誰にでも生じることです。しかし、一緒に仕事をする上で必要なコミュニケーションであるのに、避ければ相手にネガティブな印象を与えますし、クライアントとの信頼関係に直接影響するため、すぐに改善する必要があります。
フリーランスとして働く上で、やる気がない状態はクライアントには全く関係ありません。関係のないことを押し付けるのではなく、契約したことを粛々と全うすること、迷惑をかけないことを前提に自分自身の状態を直していくことに集中しましょう。
物忘れやケアレスミスが増える
普段ならしないような物忘れや、ケアレスミスが頻繁に起こるようになるのも、集中力や注意力が散漫になっているサインと考えられます。モチベーションの低下が、脳のワーキングメモリや遂行機能といった認知機能にも影響を及ぼしている可能性があるのが理由です。
物忘れやケアレスミスが発生している場合、自分自身としては仕事が順調に進んでいると勘違いしている可能性も高く、実はやる気やモチベーションが下がっていて嫌々仕事している可能性も否めません。
ミスが続くと、手戻り作業が増えて非効率になるだけでなく、仕事の品質低下や重大なトラブルの原因なる可能性もあるため、確認する手順や順番を見直してみたり、作業効率が落ちたとしても丁寧かつ慎重に進めていくことを意識してみてください。
4.やる気の向上やモチベーションアップに役立つ考え方
次にやる気の向上やモチベーションアップにどのような考え方があるのかを知りたい方のため、物事の捉え方や思考の癖を見直すきっかけにするために、いくつかの考え方について紹介していきます。
自分自身の知識やスキルは失われていない
やる気が出ない時、「もう自分はフリーランスとして通用しないのではないか」「スキルも錆びついてしまった」などと悲観的に感じてしまうことがあります。しかし、実際には一時的な意欲の低下や気分の波であり、今までに懸命に培ってきた知識や技術的スキル自体が完全に失われたわけではないと考えることが大切です。
仕事のパフォーマンスが一時的に低下しているのは、あくまでモチベーションやコンディションの問題であり、自分自身の実力と分けて考えるようにしましょう。スキルそのものが劣化したわけではないと客観的に認識することで、過度な自己否定や絶望感を防ぎ、冷静に回復策を検討する心の余裕を持つことができるようになります。
やる気が出ない自分を責めずに甘やかす
「やる気が出ないのは自分が怠けているからだ」「もっと頑張らなければならないのに」と自分自身を厳しく責めてしまうと、罪悪感や自己嫌悪、プレッシャーからさらにモチベーションが低下するという負のスパイラルに陥りがちです。特に怠けていると感じているような状態、そして普段から自己管理に注力しているのにと落ち込んでしまうと、さらに自分自身に厳しくしてしまうので注意しましょう。
やる気が出ない時は、まずその状態を否定せず、「人間だからそういう時もある」「今は少し疲れているのかもしれない」と受け入れてみてください。自分を責めずに意識的に休息を取ったり、好きなことをしてリフレッシュしたりして、ある意味で自分を「甘やかす」ことも必要だと考えることが大切です。無理に鞭打つのではなく、心身が回復すれば、自然とやる気や仕事に対する意欲も戻ってくると気持ちを切り替えていきましょう。
頭が動かずフリーズする時は諦める
パソコンの前には座っているものの、全く頭が働かず、何から手をつけていいか分からず時間だけが過ぎていく、いわゆる「フリーズ状態」に陥ってしまった時は、無理に思考を巡らせたり、作業を進めようとしたりせず、一旦その状況を「諦める」という考え方も時には必要です。
思考が完全に停止している状態で無理に作業を続けても、効率が極端に悪く、質の低いアウトプットしか出せず、かえって自己嫌悪やストレスが溜まってしまうばかりで良いことは何もありません。諦めるという選択肢を取ること自体が気持ちの切り替えとなり、自分に対する無理なプレッシャーを少なくする効果も期待できます。
やる気が出ないことを認めて、まずは諦める。諦めた状態から気持ちを切り替えていくと段階を踏むこと、悩み続けている状態を一度終わらせるということを意識してみてください。
仕事そのものを好きになるのも大切
フリーランスとして、請け負う仕事の全てが心から楽しいと感じられるわけではありませんが、現在の仕事の中に少しでも「好き」な部分、「面白い」と感じる点、「やりがい」を感じる瞬間を見つけ出し、そこに意識的にフォーカスするという考え方もモチベーション維持に役立ちます。そもそも仕事が嫌なものや辛いことだと思い込んではいないかと自分自身を疑ってみても良いでしょう。
技術的課題を解決するプロセスそのものをゲームのように楽しむ、クライアントから直接感謝の言葉をもらえることにやりがいを見出す、自分の開発したシステムやサービスが実際に誰かの役に立っていることを具体的に想像するなど、仕事に対するポジティブな側面を能動的に再発見し、意味付けを行うことが、日々の意欲の源になります。
特に日々の仕事が楽しめない時は、自分自身の仕事に自分で価値を見いだせていない可能性も否めません。自分が仕事をすること自体が変化であり、収入となること、実務での経験は必ず身につくということも意識することが大切です。
新しい技術に興味を持って学ぶ
やる気やモチベーションを維持していくためにも、新しい技術やツールに対する知的な好奇心や探求心を持ち続けること、どんなことでも興味関心を持つことは大切な刺激になります。日々の業務に停滞感やマンネリを感じている時こそ、意識的に新しい技術トレンドに関する情報収集を行ったり、簡単な個人開発プロジェクトを始めてみたりすると良いでしょう。
新しい知識を得る喜びや、「できなかったことができるようになる」というスキルアップの実感が、仕事全体への意欲を高め、自身の市場価値向上にも繋がり、結果としてより良い案件獲得の可能性も広がっていきます。
特にフリーランスエンジニアの場合は身につけた知識やスキルが、収入とキャリアに直結するという強いメリットがあるため、未来の自分のための自己投資として、楽しく学び続けられる姿勢を身につけてみてください。
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5.やる気やモチベーションの維持に役立つ具体的な行動
最後に考え方や気持ちの切り替えだけではどうにもならないと感じている方のため、日々の具体的な行動習慣を見直すためにも、やる気を引き出し、維持するために役立つ具体的なアクションについて解説します。
短時間で片付く仕事から手をつける
なかなか仕事に取りかかるやる気が出ない、エンジンがかからないと感じる時は、まず簡単な作業や短時間で確実に終わるタスクから手をつける「肩慣らし」の習慣を取り入れるのが効果的です。具体的にはメールのチェックと簡単な返信、開発環境の起動と整理、前日の作業ログの確認、簡単な資料のファイリングなどが挙げられます。
心理的な抵抗感が少なく、すぐに完了できる作業から始めることで、「作業興奮」と呼ばれる、作業を始めると脳が活性化する状態を作り出し、集中力が増す現象を促すことができます。
具体的に仕事がしたくないと感じるのであれば、指先を動かすためにタイピングの練習をしてみたり、今日の予定や目標などをタイピングする習慣をつけたりするなど、自分自身の仕事のスイッチを入れる方法を模索してみると良いでしょう。
やる気に関係ない作業をする
どうしても目の前の仕事へのやる気が出ず、集中できない時は、一旦その仕事から意識的に離れ、全く関係のない別の作業に意図的に取り組んでみるのも一つの有効な方法です。気分転換に部屋の掃除や整理整頓をする、軽いストレッチや筋トレなどの運動をする、趣味であるプログラミングや手芸などの手作業に没頭する、近所を少し散歩するなど自分自身の好みに合わせて模索してみましょう。
頭や体を動かすことで、煮詰まっていた思考がリフレッシュされ、新たな気分で仕事に向かえるようになりますし、悩み続けている時間を1秒でも有効な時間に変換することができます。また、仕事以外の活動で小さな達成感を得ることも、間接的に自己肯定感を高め、仕事以外からやる気を回復させることも期待できるでしょう。
意識的に頭を仕事モードからリセットする時間を持つことで、結果的に早く思考がクリアになり、作業を再開できる場合があるということを覚えておいてください。
10分固まったままならその場を離れる
パソコンの前で腕を組んで考え込んでしまい、10分以上全くキーボードを打つこともなく、作業が完全に停止してしまうような状態になったら、潔くその場を物理的に離れて短時間の休憩を取る、という自分ルールを決めておくのも有効なテクニックです。
前述したようにやる気と関係のない作業をしても良いですし、むしろ何もしない時間にしてみても良いでしょう。何もしない状態がもったいないと感じればやる気が出る可能性もありますし、悩む時間を1秒でも減らせばストレスも少なくなることも期待できます。
ポイントとしては悩み続けてしまうこと、何もできないというストレスを極力避けるということです。何もできないまま自分に負荷をかけることを避け、まずはやる気のない状態からフラットで何も考えていない状態まで引き戻すという考え方も持ってみてください。
調子が良い日の行動をメモしておく
やる気やモチベーションが失われている状態と同じように、やる気やモチベーションが高いこともあるでしょう。特に自分が「今日はなぜか調子が良いな」「すごく集中できたな」と感じた日に、その日具体的にどのような行動をとっていたかを、できるだけ具体的にメモしておく習慣をつけること、そして同じことを実践することで、やる気やモチベーションの維持がしやすい可能性があります。
何時に起きたか、朝食に何を食べたか、午前中にどんな作業をしたか、どんな環境で作業したか、休憩をどう取ったかなど、些細なことでもメモしておくことが大切です。やる気が出ずに困った時にそのメモを見返すことで、自分にとって効果的なモチベーションアップのパターンや、良いコンディションの再現が可能な行動のヒントを見つけ出してみてください。
やる気やモチベーションの維持は、心理的な心のゆらぎや感覚だけに頼るのではなく、具体的な行動、そして客観的な記録に基づいて自己分析を行い、改善していくことで、維持しやすいルーティンや生活習慣が身につくようになるでしょう。
仕事が楽しくなる環境を整える
日々の仕事が少しでも楽しく、快適に感じられるように、自分の作業環境に自分なりの「好き」や「こだわり」を取り入れることも、モチベーションを維持・向上させる上で意外と効果的な行動です。
集中力を高めるお気に入りの音楽を作業用BGMとして流す、デザインが気に入っている高品質な文房具やキーボード、マウスを使う、デスクに小さな観葉植物を置いて癒やしを得る、長時間座っても疲れない快適なデスクチェアに投資するなど、自分が「心地よい」「気分が上がる」と感じる空間を作ることで、仕事に対する心理的な抵抗感を和らげ、よりポジティブな気持ちで作業に向かいやすくなることが期待できます。
心理的に仕事を楽しむという気持ちを持ち続けるためにも大切であり、仕事する空間そのものが快適に感じられるようにすること自体が、仕事の一部であると考えると良いでしょう。自分自身にとっては些細で小さなストレスだとしても、少しでも感じないように配慮し、常に「仕事をする自分自身を大事にする」ことを心がけてみてください。
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6.まとめ
本記事では、フリーランスエンジニアが直面しがちな「やる気が出ない」問題について、根本原因からリスク、サイン、そしてモチベーションを高めるための考え方や具体的な行動について解説しました。
フリーランスエンジニアの場合、案件の獲得や収入の波など、不確定な要素によって常に不安を感じてしまいがちです。しかし、不確定な要素を少しでも排除していくためには、やる気とモチベーションを維持し、順調に案件の獲得と仕事の完了を繰り返すことが最も大切です。
どんなに優秀な技術力を持っていても、やる気やモチベーションの管理がうまくいかなければ、稼ぐことはできないと考え、心も体も健全な状態で働けるように意識することをおすすめします。
最後までお読みいただきありがとうございました。
本記事が皆様にとって少しでもお役に立てますと幸いです。
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