フリーランスエンジニアはIT人材不足が課題となっている昨今、さまざまなシーンで活躍しています。20代の若いうちから、フリーランスエンジニアになることも考えられるため、今後のエンジニアキャリアの1つとして検討してみるのもおすすめです。
しかし、事前にフリーランスエンジニアとして働くための準備や、成功のためのポイントを押さえておかないと、生活が安定しなくなる可能性もあります。
そこで本記事では、20代からフリーランスエンジニアを目指す人に向けて、メリットや必要なスキル、成長のためのポイントや成功のコツなどについて解説します。20代でフリーランスエンジニアという働き方に興味がある人は、ぜひ参考にしてください。
目次
1.20代でもフリーランスエンジニアになれる?
そもそも、「20代でもフリーランスエンジニアになれるのか?」と不安になり、現状を変える一歩を踏み出せない人もいるでしょう。以下では、20代でもフリーランスエンジニアになれるのかという基本について解説します。
20代でもフリーランスエンジニアとして働くことは可能
結論から言えば、20代でもフリーランスエンジニアとして独立することは可能です。フリーランスになるために特別な資格はなく、開業届を提出して個人でフリーランス案件・求人を受注すれば、それだけでフリーランスエンジニアと名乗ることができます。
フリーランス向けのエージェントや求人・案件紹介サイトなどを活用すれば、20代でも仕事を獲得できる可能性があります。昨今はIT人材の不足が、大きな問題となっています。経済産業省の「IT 人材需給に関する調査」によると、2030年には最大で79万人のIT人材が不足すると予想されています。
そのため年齢に関係なく、フリーランスエンジニアの手を借りたいと考える企業は、今後も増える可能性があります。これらの理由から20代という若さでも、フリーランスエンジニアとして活躍できる可能性があると言えるでしょう。
20代でフリーランスとして働いている人の割合
フリーランス協会の「フリーランス白書2025」によると、調査に参加した回答者属性の年齢における20代の割合は、4.1%となっています。
(引用元:フリーランス白書2025)
全体で見ると40代以上が圧倒的ですが、20代でフリーランスとして独立している人もいます。むしろ20代ならではのポテンシャルや体力をアピールすることで、他のフリーランスエンジニアと差別化を図れる可能性もあるでしょう。
20代フリーランスエンジニアの平均年収
20代からフリーランスエンジニアを目指すのなら、平均年収を把握しておくことも重要です。どのくらいの年収を確保できるのかわかっていれば、無理のない生活を構築できるでしょう。フリーランスボードの「フリーランスエンジニアの実態調査【2025年版】」を参考にすると、フリーランスの年収の割合は以下のようになっています。
(引用元:フリーランスエンジニアの実態調査【2025年版】)
上記データによると、年収1,200万円以上が16.1%と最も高く、続いて500万円以上600万円未満と400万円以上500万円未満がともに12.5%という結果になっています。年収1,000万円以上を得ているフリーランスエンジニアが全体の21.5%であることから、働き方次第で高収入を得ることが可能だと言えるでしょう。
フリーランスの年収は稼働時間に比例する傾向があるため、体力のある20代のフリーランスエンジニアは、働き方次第で早い段階から収入を高められる可能性があるでしょう。「フリーランスボード」では、高単価のITフリーランスエンジニア向け求人・案件が多数掲載されているため、スキルや経験があれば年収アップを目指せます。
2.20代からフリーランスエンジニアになるメリット
20代からフリーランスエンジニアになることには、多くのメリットがあります。将来を考えて新しい働き方を実践したい人や、他のエンジニアとの差別化を図りたい人などは、得られるメリットを有効活用するのもポイントです。以下では、20代からフリーランスエンジニアになる主なメリットについて解説します。
エンジニアとして成長できる
20代からフリーランスエンジニアとして働き始めることで、エンジニアとして成長できる可能性が高まる点はメリットです。自分の選択次第でさまざまな経験ができるため、フリーランスエンジニアとしての立ち回り方や仕事を効率良くこなすコツなどを学び、経験を軸に成長していくこともできるでしょう。
会社員として働く場合、若い頃は特に雑務や行事参加などに時間が取られるケースもあります。フリーランスになることで自分の生活に集中できるので、成長につながる勉強や仕事を中心にスケジュールを組めるのも魅力です。
柔軟な働き方ができる
20代からフリーランスエンジニアになることで、柔軟な働き方ができる点もメリットの1つです。いつ仕事をするのか、1日の労働時間をどの程度に設定するのかなど、働き方に関するスケジュールはすべて自分で管理できます。例えば日中に休んで夜から仕事をしたり、週休3日で働けるスケジュールを構築したりと、自分らしい自由な働き方を実現可能です。
最初の頃はスケジュールを作るのに失敗して仕事を入れすぎたり、逆に仕事が少なすぎて収入に影響したりすることもあるかもしれません。柔軟な働き方が実践できるように、まずは自分に合った働く時間や労働スタイルを見つけることがポイントです。
将来の選択肢を増やせる可能性がある
20代からフリーランスエンジニアとして経験を積むことで、将来のキャリアプランに広がりを持たせられる可能性もあります。フリーランスエンジニアは自分で仕事内容を選べるため、途中で別ジャンルの領域に挑戦したり、働き方を大きく変えたりできます。さまざまな仕事を経験し、豊富な知識・技術を習得できれば、将来活躍できる職場を増やすことも可能でしょう。
フリーランスとして働き続けることはもちろん、就職・転職したり、別業界に挑戦したりといったことも考えられます。将来の選択肢を増やすための行動を起こしやすい点も、20代からフリーランスエンジニアになるメリットだと言えるでしょう。
仮に失敗しても軌道修正がしやすい
20代からフリーランスエンジニアになると、仮に失敗してもその後の軌道修正がしやすいのもメリットです。一般的に年齢を重ねるごとに、転職先などのキャリアに関する選択肢は狭まります。一方で20代なら、フリーランスに向いていないとわかってからでも、就職をやり直すことも検討しやすいです。
失敗しても挽回しやすいため、積極的にチャレンジしていく意欲を高められるのもメリットになります。
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3.20代フリーランスエンジニアに必要なスキル
20代のフリーランスエンジニアとして活躍するには、いくつか必要とされるスキルがあります。事前にスキルを習得しておくことで、スムーズに求人・案件を確保できるようになる可能性もあるでしょう。以下では、20代フリーランスエンジニアが習得すべきおすすめのスキルについて解説します。
自己管理スキル
20代のフリーランスエンジニアとして働く際には、自己管理スキルが重要となります。先の解説通り、フリーランスエンジニアは仕事のスケジュールなどを自分で管理・調整する必要があります。自己管理ができないとスケジュール通りに仕事が進まず、休みを削るなど無理をして働かなければならなくなることもあるでしょう。
スケジュール通りに休みが取れないと、ストレスが溜まったり心身が疲弊したりと、さまざまな問題に悩まされる可能性が出てきます。そのため早い段階から自己管理スキルを伸ばすことを意識し、不摂生な生活を避けるのがポイントです。スケジュール管理アプリを導入するなど、フリーランスエンジニアとして働くための環境の最適化を進めるのもおすすめです。
プログラミングなど仕事で使うスキル
プログラミングなど普段の仕事で使用するスキルは、積極的にブラッシュアップしていくのが大切です。フリーランスエンジニアは、スキル不足が原因となって、応募できる案件・求人の選択肢が狭まるケースもあります。現状のスキルで満足せずに、習慣的に学習を重ねて高い能力を持つフリーランスエンジニアを目指すのもポイントです。
生活に余裕が出てきたら、既存のスキルだけでなく新しいスキルの習得にもチャレンジしてみましょう。フリーランスエンジニアとしてできることが増えれば、収入源を増やしてより安定した生活を実現できるようになります。
コミュニケーションスキル
フリーランスエンジニアになる場合、コミュニケーションスキルはより一層重要なスキルとなります。フリーランスになると、自分でクライアントと交渉したり、こまめに情報を共有して仕事を進めたりといったことが増えます。スムーズに意思疎通が行えるコミュニケーションスキルを身につけていないと、効率良く仕事が進められなくなる可能性もあるでしょう。
フリーランスエンジニアはリモート案件・求人に参画することもありますが、直接顔が見えないからこそコミュニケーションが重要となるため、良好な人間関係を構築できるように普段から意識して周囲との交流を深めると良いでしょう。
最新技術をキャッチアップするスキル
最新技術をキャッチアップするスキルや意識も、フリーランスエンジニアに必要となります。エンジニア業界で使われる技術は、日々進化を続けています。従来の手法や考え方が古くなる可能性もあるため、フリーランスエンジニアとして働き続けるには、最新情報を収集して、必要に応じてスキル習得を目指すことも重要です。
IT関係の技術は海外で誕生することもあるため、世界の情報に目を向けるのもポイントです。海外の情報をキャッチアップして、国内で活かせるフリーランスエンジニアになれれば、周囲との差別化につながって高待遇を受けられるようになる可能性もあります。海外の情報サイトやコミュニティなどを参考に、世界のIT事情に通じておくのもおすすめです。
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4.20代のフリーランスエンジニアが成長するためのポイント
20代のフリーランスエンジニアはこれからのことを考慮して、自身の成長につながる行動を積極的に起こしていくことが重要です。現状に甘んじて成長につながる機会を逃してしまうと、将来的に収入などに影響する可能性も懸念されます。以下では、20代のフリーランスエンジニアが成長し続けるためのポイントについて解説します。
目標を明確にして行動を決める
20代のフリーランスエンジニアが成長するには、まず自分なりの目標を明確にしたうえで、やるべき行動を決めるのがポイントです。目標がないと具体的に何をすればいいのか判断できず、行動を起こしづらくなる可能性があります。「将来どんなフリーランスエンジニアになりたいのか」といった長期的な目標と、「〇月までに〇〇ができるようになる」といった短期的な目標を組み合わせて、成長の機会を増やす方法もおすすめです。
新しい領域や技術にも積極的に挑戦する
新しい領域や技術の習得に挑戦することも、20代フリーランスエンジニアの成長につながります。例えばフリーランスのインフラエンジニアとして働きつつ、今後の需要拡大を見込んでAIエンジニアの勉強を始めるなど、エンジニアという職業のなかから新しい技術を学ぶのが1つの方法です。
その他にも、IT業界以外に目を向けて、これまでの経歴やスキルが活かせる仕事でフリーランス活動を始めることも考えられます。
新しいことへの挑戦は成長を促すきっかけになるため、興味のある分野や技術の情報をこまめにチェックしておくのもおすすめです。
周囲と交流して学習機会を探す
20代のフリーランスエンジニアは、周囲との交流をきっかけにして成長できるケースもあります。フリーランスになると長く付き合う同僚、先輩、後輩などがいなくなるため、人との交流機会が減ることも考えられます。だからこそ積極的に周囲と交流し、学ぶ機会を作っていくのがおすすめです。
例えばフリーランスエンジニア向けのセミナーやイベントに参加したり、コミュニティに入って交友関係を作ったりといった方法があります。
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5.20代のフリーランスエンジニアが成功するためのコツ
20代のフリーランスエンジニアが将来的に、「成功した」と思えるようになるには、いくつかのコツを押さえておくことが重要です。以下では、20代のフリーランスエンジニアが成功するためのコツ・準備について解説します。
実績を重ねてアピールポイントを増やす
仕事の実績を重ねて、アピールできるポイントを増やしていくことは重要です。フリーランスエンジニアとして具体的にどんなことをしてきたのか、どんなスキルを使って働けるのかを明確にアピールできるようにしておくことで、新規案件・求人を獲得しやすくなります。まずはコツコツと仕事に打ち込み、実績を積んでポートフォリオを充実させることを目指しましょう。
貯蓄や保険など万が一に備える
貯蓄や保険への加入など、万が一を考慮して備えをしておくことも成功の秘訣です。仮に病気やケガで仕事ができなくなると、フリーランスはその期間無収入となってしまいます。状況によっては生活に支障が出る恐れもあるため、収入が減少・途絶えても対応できるように準備をしておきましょう。
エージェントや求人・案件の紹介サービスをチェックする習慣をつける
20代のフリーランスエンジニアとして成功するには、安定した収入を継続することが大切です。そのため複数のエージェントや求人・案件紹介サービスに登録し、収入源をなくさないための準備をしておきましょう。サービスによっては仕事の紹介だけでなく、情報収集や悩みの相談など、さまざまな形で利用することも可能です。
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6.20代フリーランスエンジニアは「やめとけ」と言われる理由
20代からフリーランスエンジニアになることに対して、「やめとけ」というネガティブな反応が返ってくることもあります。以下では、20代フリーランスエンジニアになるのは「やめとけ」と言われる理由を解説します。
実力がないと年収が低くなりやすい
フリーランスは実力主義・成果主義の世界であるため、実力がないと収入が低くなる恐れがあります。20代だとエンジニアとしてスキル不足に悩んでいる人もいることから、「やめとけ」と言われるケースがあると考えられるでしょう。
しかし逆に言えば、実力さえあれば20代でも重要な仕事を任されたり、高収入を実現できたりする可能性があります。エンジニアとしての能力に自信がある人や、自分のスキルを認めてくれる人脈を構築できている人は、20代からでもフリーランスエンジニアとして活躍できるでしょう。
社会保障が充実していない
フリーランスエンジニアは正社員などと比べて、社会保障が充実していないと言えるでしょう。例えばフリーランスは国民年金に加入するため、厚生年金と比較して将来受け取れる年金額が少なくなる可能性があります。退職金や傷病手当などの制度もないため、仕事をするうえでのリスクが高いから「やめとけ」という意見もあります。
対策としては、先にも触れたフリーランス向けの保険やサービスを活用することがおすすめです。万が一のことを考えて、家族など身近な人に頼れる環境を作っておくのも1つの方法となります。
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7.まとめ
20代からでも、フリーランスエンジニアとして独立し、求人・案件に参画していくことは可能です。20代ならではの体力やポテンシャルを活かすことで、高収入を得られる可能性もあるでしょう。
一方で無計画に独立しても、仕事が見つからず収入が不安定になる恐れもあります。まずは20代からフリーランスエンジニアになることについての情報を集めて、具体的なプランを考えてみるのがおすすめです。
本記事が皆様にとって少しでもお役に立てますと幸いです。
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