インターネットの発展やSNSの普及などに伴い、現在業種問わず多くの企業がWebマーケティングを自社のビジネスに役立てています。
Webマーケティングでは細かなユーザー属性や行動履歴などに応じてアプローチすることができるため、従来のマーケティング施策よりも精度が高く、集客だけでなく商品購入やサービス申込といったコンバージョン獲得にもつなげやすい特徴があります。
ただ、Webマーケティングといってもその種類は幅広く、それぞれの要素で最適な施策を講じる必要があります。
そこで今回は、Webマーケティングの仕事について、フリーランスで活躍する上で押さえておくべきスキルや、効率よく稼ぐための方法などについて紹介していきます。
目次
1.Webマーケティングとは?
Webマーケティングは、販促活動の手法としてユーザーを自社のWebサイトやSNSなどに集客させ、購入や申し込みといったコンバージョンを促す施策のことを指します。
ユーザー行動を数値やデータによって可視化することができるため、より精度を高めることで運用効果も向上させる効果が期待できます。
なお、Webマーケティングに近しい言葉としてデジタルマーケティングという用語も存在します。
デジタルマーケティングは、デジタルを駆使したマーケティング施策全てを指すため、Webマーケティングよりも広範囲の販促活動が対象となります。
Webマーケティングでは、主にWebサイトやSNSの運用、Web広告の出稿、SEOやメール配信などが対象となります。
これらの対象によって施策内容は異なるため、運用効果を高めるためには施策に応じて適切に対応する必要があります。
Webマーケティングが重要視される背景
スマートフォンの普及や5G回線の登場など、近年のIT技術の発展に伴いインターネットは日々の生活に欠かせない存在となっています。
中でもSNSの浸透は目覚ましく、FacebookやInstagram、X、LINEの他にもYouTubeやTikTokといった動画SNSも注目を集めています。
このような媒体によっては、日に何度もアクセスするユーザーも多くいます。
多くのユーザーが集まれば、企業としても媒体を自社の集客に活用する傾向が強くなり、現在では業種問わず多くの企業がWebマーケティングに注力しています。
Webマーケティングの大きな利点の一つが、ユーザー行動を数値・データをもとに可視化できる点にあります。
漠然としたターゲットに対するアプローチに比べ、ユーザー属性や過去の行動履歴、興味関心などに応じてアプローチすることができれば、運用効果を飛躍的に高めることが期待できます。
また、Webマーケティングでは実施後の反響も数値として計測できるため、効果検証を行いやすく、その後の施策にも効果的につなげることが可能になります。
このような魅力も相まって、近年ではWebマーケティングの重要性が高まっています。
2.Webマーケティングの主な仕事内容
一口にWebマーケティングといってもその種類は幅広く、それぞれ求められる知識やスキルも異なります。
代表的な仕事内容について紹介していきます。
データ分析
Webマーケティングではさまざまな指標に応じた数値が取得できます。
Webサイトに訪れたユーザー数やPV数、コンバージョン数をはじめ、訪れたユーザーの性別や年齢、地域といった属性も詳細に把握することが可能です。
このような数値に対し、目的に応じて分析することでWebサイトの運用や広告出稿などに活かすことができます。
ただ、効果的に運用するためには適切なデータ分析が求められます。
仮に数値の集計を間違えたり、目的と異なるデータ分析をしてしまうと、その後の施策にも影響を及ぼしかねません。
また、データ分析には専門ツールを使いこなす必要があります。
代表的なデータ分析のツールには、Googleのアナリティクスや広告管理ツールなどが挙げられます。
このようなツールを活用し、客観的な視点で数値・データを分析していきます。
Web広告の運用
Web広告の運用もWebマーケティングには求められます。
Web広告は、主にリスティング広告とディスプレイ広告、ソーシャルメディア広告に分類されます。
それぞれ専用の広告管理ツールがあり、この管理ツールをもとに広告クリエイティブを入稿し、出稿していきます。
ユーザー行動の多様化や流行の短期化などが進む昨今においては、何がユーザーに対して響くか分かりません。
このような中で運用効果を高めるためには、目的をふまえターゲティングを明確化し、興味関心を促すクリエイティブで訴求していく必要があります。
先ほどのデータ分析も活用しながら効果検証を行い、PDCAサイクルを回していくと効果的です。
SNS運用
近年のWebマーケティングでは、SNSの運用に力を入れる企業が増加傾向にあります。
SNSは、ユーザーと直接コミュニケーションを取ることができるため、効果的に運用することで自社のファン化につなげる効果も期待できます。
ただ、SNSといってもFacebookやInstagram、X、LINE、YouTubeやTikTokなど多岐に渡り、媒体ごとに機能や利用ユーザー層も異なります。
例えば、承認制のSNSであるFacebookはビジネス利用するユーザーが多い傾向にあり、ショート動画SNSのTikTokは若年層に人気の傾向があります。そのため、自社の目的とするターゲットを意識し、展開するSNSを選定していくことも重要です。
また、SNSは拡散性の高さが魅力の一つでもあります。
そのため、ターゲットユーザーに対して興味を惹く投稿を行うことができれば、いいね!やシェアなどによって一気に拡散され、多くのユーザーにリーチさせることも期待できます。とはいえ、拡散性の高さはマイナスに影響する可能性もあります。
間違った投稿などは炎上につながり、企業の信用問題などにも関わってくるため、慎重に運用していく必要もあります。
Webデザイン・制作
Webサイトの運用や、デザイン制作に関する仕事もあります。Webサイトの運用には、ドメインやサーバー管理の他、ページの更新やコンテンツ追加などが挙げられます。
このような運用には、システム面での知識やコーディング技術なども求められます。また、デザイン制作に関しては、Webサイトに掲載するものだけでなく、SNSの投稿用デザインや広告用のバナー制作なども含まれます。
特にSNSや広告用のデザインにおいては、ユーザーの興味関心を促す必要があります。そのため、過去の実績やデータを分析するだけでなく、新たなクリエイティブを生み出すスキルも求められます。
SEO・コンテンツ制作
デザイン制作に関連して、近年ではSEOを意識したコンテンツ制作もWebマーケティングの仕事として注目されています。
SEOは、対象のキーワードにおけるGoogleの検索結果で上位表示化させる施策のことを指します。
上位表示につなげる上で、Webサイトにおけるコンテンツは重要な指標となります。
単に文字数を増やすだけでなく、ユーザーの興味関心を惹くコンテンツを作成していくことが重要です。
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3.Webマーケティングの仕事に求められるスキル
Webマーケティングの領域は多岐にわたるため、さまざまな知識やスキル、ノウハウが求められます。
その中でも、効果的な運用につなげるためには、最低限以下のスキルを押さえておくと効率よく仕事につなげることが可能です。
ロジカルシンキング
ロジカルシンキングとは、論理的な思考力のことを指します。
Webマーケティングでは、これだけ行えば大丈夫といった施策があるわけではありません。ユーザーの興味関心は常に変わるため、一度効果につながったからといって次も成功につながるとは限りません。
このような中で、主観に頼り過ぎると間違った施策につながりかねず、無駄なコストで終わってしまう可能性も高まります。経験や実績はWebマーケティングにおいて欠かせません。
ただ、あくまで客観的な視点にて仮説を立てながら運用していく必要があります。その上で、ロジカルシンキングはWebマーケティングに欠かせないスキルとなります。
データ分析・解析スキル
データ分析や解析を行うことが多いWebマーケティングでは、さまざまな数値・指標を適切に捉えるスキルも重要です。特に、Webマーケティングの業務においては、指標に応じて多くの専門用語が存在します。
コンバージョンやエンゲージメントの他にも、CTRやCVR、CPC、CPAといった用語も業務内で飛び交います。
このような用語を正しく理解するとともに、目的に応じた使い分けを行い、適切に活用していく必要があります。また、データ分析にはGoogleアナリティクスなどの専用ツールを使いこなすスキルも求められます。
見るべきポイントや要素はツールによっても異なるため、実践しながら身につけていく必要もあります。
最新情報の収集・検索スキル
ユーザー行動は日々多様化し、ブームやトレンドといった流行の短期化が進む中にあって、Webマーケティングの運用効果を高めるためには最新情報の収集し続けるスキルが求められます。
トレンドを予測した施策を講じることができれば、ふとしたキッカケでバズり、多くの集客やコンバージョン獲得につなげることも可能です。
とはいえ、何が流行っていて、どういったニーズがあるのか把握するためには、ユーザー行動に対して常にアンテナを張り情報収集していく必要があります。
また、ユーザー行動とあわせ競合他社の動向にも注視することも重要です。
トレンドワードなどを検索し、競合のアプローチ状況などを把握することで、次の施策につなげやすくもなります。
ライティングスキル
SNSやSEO需要の高まりに伴い、ライティングスキルもWebマーケティングでは重要視されつつあります。
SNSや広告出稿などにおいては、デザインとあわせキャッチコピーによってユーザーの興味関心を惹かせることが求められます。
情報過多によって流し読みされる傾向が強い昨今では、ユーザーが知りたい情報をすぐ見つけてもらえるよう端的に分かりやすく訴求する必要があります。
少しの言い回しで運用効果が大きく変わる可能性もあるため、仮説と検証を繰り返しながら随時ブラッシュアップしていくと効果的です。
また、SEOの観点でもライティングスキルは重要です。
SEOでは、ユーザーが知りたい情報をより詳しく説明し、さらに興味関心を促すことが求められます。
事例や効果・効能なども含めコンテンツを作成していくと効果的です。
円滑なコミュニケーションスキル
Webマーケティングは、一人で行うのではなくチームや外注先企業などと連携して取り組むケースが多くなります。
そのため、円滑に仕事を行う上でコミュニケーションスキルも求められます。
特にWebマーケティングでは、データ分析・解析スキルでもふれた指標や専門用語が多く飛び交います。
これらも適切に活用し、分かりやすくコミュニケーションを取ることが重要です。
また、近年ではメンバーとのやり取りに、メールだけでなくチャットやオンラインコミュニティツールなどを用いる傾向もあります。
このようなツールの活用は、対面の会話とは異なるため、伝えたい内容はよりシンプル且つ簡潔にまとめることも重要です。
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4.Webマーケティングの仕事を受注する方法
Webマーケティングの仕事は、フリーランスとして働くことも可能です。
ただ、フリーランスとして働くためには仕事を受注しなければなりません。この仕事を受注するための方法について紹介していきます。
知人からの紹介
前職や過去の取引などで実績があるようであれば、知人からの紹介でWebマーケティングの仕事を受注することが可能です。
知人からの紹介であれば、案件の把握や金額交渉なども行いやすいため、スムーズに業務に取り組むこともできます。
ただ、知り合いが少なかったり、フリーランスとして働き出したばかりの場合には、なかなか仕事を紹介してもらえない可能性もあります。
その際には、小さな案件であってもコツコツと実績を積み重ねるとともに、交流会やコミュニティなどに参加し、知り合いを増やしていくことも有効です。
クラウドソーシングの活用
クラウドソーシングとは、発注者と受注者が集まり案件をマッチングさせるプラットフォームのことを指します。
働き方改革などの影響から、フリーランスや副業などでクラウドソーシングを利用するユーザーは増加傾向にあり、伴って仕事を依頼する企業も増えつつあります。
クラウドソーシングでは、Webマーケティングに関する仕事も多く募集されているため、効率よく仕事を受注することが可能です。
ただ、こちらも報酬単価の高い案件は実績が求められるため、まずは実績を積み重ねることが重要です。
フリーランスの求人サイトの活用
フリーランスの仕事受注には、専門の求人サイトを活用する方法もあります。
求人サイトでは、専門の担当者が自分に合った仕事を紹介してくれるため、効率よく受注することもできます。
また、フリーランスエージェントは案件や報酬などの交渉をはじめ、サポートが受けられるケースもあるため、フリーランスとして働き始めたばかりであっても安心して業務に注力することが可能です。
直接営業
フリーランスとして、Webマーケティングの仕事に対してある程度の実績があるのであれば、直接企業に営業を行い、案件を受注するという方法も存在します。
クラウドソーシングや求人サイトの場合には、案件受注に対して手数料が発生するケースが多くなります。
これに対し、直接営業であれば手数料が無い分だけ利益につなげることが可能です。
ただ、交渉や請求手続きなども個人で対応しなければならないため、取引先と円滑にコミュニケーションを進めていくことが重要です。
5.Webマーケティングに向いている人って?
Webマーケティングの仕事内容は、先ほどもふれたように多岐に渡ります。その中で活躍していくためには、スキルとあわせ以下の要素を備えていると効果的です。
向き不向きがあるため、自身の性格や特性をふまえ検討していくといいでしょう。
物事をロジカルに考えられる
スキルでもふれたロジカルシンキングは、Webマーケティングにおいて欠かせません。
運用効果を高めるためには、施策に応じた数値の変化やユーザーの心理を適切に読み取る必要があります。
主観や思い込みにとらわれず、常に客観的な視点で論理的に仮説立案と検証を繰り返すことができれば、効果的な運用につなげることが可能になります。
その上で、Webマーケティングには常に物事をロジカルに考えられる人が向いています。
数字を使った分析が得意
ユーザーの行動をさまざまな指標をもとに数値やデータとして集約できるWebマーケティングでは、数字を使った分析が多くあります。
PV数やコンバージョン数などを、目的に応じた指標をもとに計算・検証していきます。
この際に扱う計算式は、CTRやCVR、CPC、CPAなど専門用語による指標が多数存在します。
間違った計算や異なる指標を算出した場合には、目的と異なる結果になりかねないため、数字の扱い方法や見方、分析方法などにはセンスも求められます。
そのため、数字を使った分析が得意な方は、Webマーケティングの領域では重宝される傾向にもあります。
最新情報やトレンドに敏感
ブームやトレンドといった流行の短期化が進む昨今においては、常にユーザーニーズや動向を把握する間隔も求められます。
例えば、どのようなジャンルであっても最新情報には常にアンテナを張り、実際に自分で試してみるようなモチベーションであれば、ユーザー行動や心理状態に応じたアプローチも行いやすくなります。
広告クリエイティブや投稿内容の作成には、企画力が重要になります。
その上で、最新情報やトレンドに敏感な方は、Webマーケティングにおける企画力も高めることが期待できます。
失敗を恐れずチャレンジできる
Webマーケティングでは、どれだけ数値をもとに思案した施策であったとしても、100%成功するとは限りません。
魅力的な施策であってもユーザーには響かず、コストだけがかかって終わってしまう可能性も起こりえます。
ただ、それでも負けずにさまざまな観点から何度もチャレンジする精神が求められます。
安定だけを追い求めるのではなく、常に失敗を恐れずチャレンジする方は、Webマーケティングの仕事に向いているといえます。
6.Webマーケティングスキルを高める方法
Webマーケティングの仕事をフリーランスとして受注していくためには、受注方法でもふれたように、実績・スキルを高めることが重要です。
このスキルを高めるためには、以下の方法で学習していくと効果的です。
関連書籍による学習
Webマーケティングに関する知識やスキル、ノウハウなどは、関連書籍によって学ぶことが可能です。
書籍では全般的な内容から、仕事内容でもふれたデータ分析やWeb広告、SNSの運用、SEOなどの細かなカテゴリ別に詳しく紹介されたものも多く存在します。
そのため、自身が身につけたい要素に応じて効率よく学ぶことが可能です。
ただ、Webマーケティングの領域は常にアップデートされ続けているため、最新情報に特化した書籍を選択することが重要です。
古い書籍であると、紹介している内容が既に意味をなさない場合もあるため、発刊した日付に注意しながら選択すると効果的です。
関連動画による学習
Webマーケティングの情報は、インターネット上から収集することも可能です。
特に、YouTube動画などには仕事内容別にポイントを紹介しているものも多くあります。
動画の場合には、文章を読むよりも分かりやすいため、身につけたいスキルを効率よく学習することができます。
ただ、動画で紹介している内容も古い情報が含まれている場合があります。
また、中には間違った情報や営業目的の動画などもあるため、目的を明確化し信頼できる配信者からの動画を視聴することが重要です。
資格取得を目指した学習
近年では、Webマーケティングに関連した資格も多く存在します。
このような資格取得を目指して学習することで、必要な知識やスキルを無駄なく身につけることができます。
特に、資格取得のためのスクールに通えば、プロの講師から学ぶことで、都度の質問にも対応してもらいつつ、実践的なスキルを見つけることが可能です。
また、資格を取得することができれば、その資格が実績となり仕事の受注につなげやすくもなります。
生徒どうしでコミュニケーションが取れれば、フリーランスとして活躍後にも相談できたり、コミュニティ構築という点でも効果が期待できます。
自身でWebサイトやSNSを運用する
自身でWebサイトやSNSを運用することも、Webマーケティングのスキルアップには有効です。
明確な答えが無い中で、自分なりの実績を積み重ねていくことは何よりもスキルアップにつながります。
例えば、SEOによって自身のWebサイトのアクセス数が向上したり、SNSの投稿によってフォロワーを獲得することができれば、それが実績となり受注のキッカケになるケースも少なくありません。書籍や動画などによって知識を学びながらも、実践としてWebマーケティングを展開していくと効果的です。
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7.まとめ
インターネットの普及に伴い、Webマーケティングは今や業種問わず欠かせない販促活動の一つとなっています。
数値・データによってユーザー行動を細かく可視化できるため、より精度の高いアプローチによって集客やコンバージョン獲得につなげることが可能です。
ただ、Webマーケティングといっても幅広いため、仕事内容に応じて指標や要素など適切に把握・活用していく必要があります。
今回紹介した内容も参考に、Webマーケティングのスキルを磨き、運用効果を高めていきましょう。
本記事が皆様にとって少しでもお役に立てますと幸いです。
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