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IaCとは?導入メリット・デメリットをわかりやすく解説|Terraform等のツール比較

公開日:2025/06/06最終更新日:2025/06/06

IaC (Infrastructure as Code) は、コードを用いてインフラ構成を管理する手法です。手動作業によるミスを減らし、迅速に環境構築が可能となり、DevOpsの実現に貢献します。


しかし、IaCの概念やツールは多岐にわたり、導入方法や運用を誤ると、期待した効果を得られないばかりか、かえって管理が煩雑になるケースもあります。IaCを成功させ、DevOpsの推進力とするためには、その基本的な考え方から実践的な知識までを体系的に理解しなければなりません。


本記事では、IaCの基礎知識、重要視される背景、導入のメリット・デメリット、そして具体的なツールや導入アプローチについて網羅的に解説します。IaC導入に必要なインフラ構成管理の自動化やDevOps導入に必要な情報を提供します。

最後までお読みいただき、IaCへの理解を深め、自社のインフラ運用を次のステージへ進める一助となれば幸いです。

1.IaCとは

IaC(アイエーシー)は、「Infrastructure as Code」の略称で、サーバー、ネットワーク、ストレージといったITインフラの構成情報を、プログラミングコードや設定ファイルを用いて定義し、その構築や管理を自動化する考え方や手法です。


従来の手作業や個別のスクリプトによる場当たり的な設定ではなく、コードによってインフラの状態を記述し、Gitなどのバージョン管理システムで変更履歴を厳密に追跡します。このアプローチによって、インフラ構築の再現性、一貫性、そして迅速性を高められるのがメリットです。


設定ファイル自体がインフラの設計書としての役割も担うため、ドキュメントと実際の環境との間に生じがちな状況を防ぐ効果も期待できます。

2.IaCが重要な理由

IaCが重要となっている主な理由は以下の2つです。それぞれを解説していきます。

  • 手作業による操作に限界がきている

  • ITインフラの管理が複雑になってきている

手作業による操作に限界がきている

従来のインフラ管理では、GUI操作やコマンド入力による手作業での設定変更、サーバー構築が一般的でした。しかし、システム規模の拡大やビジネススピードの加速、変更頻度の増加に伴い、この旧来の方法では多くの深刻な課題が生じています。


手作業にはヒューマンエラーがつきもので、些細な設定ミスがサービス停止といった重大な障害を引き起こすリスクが常につきまといます。また、複雑な作業には多くの時間がかかり、ビジネス部門からの要求スピードに対応できないケースも少なくありません。


さらに、作業手順が特定の人にしか分からない属人化も進みやすく、担当者不在時には対応が大幅に遅れたり、貴重なノウハウが組織内で共有されず失われたりする事態も発生します。


このような状況がIaC導入の動機付けとなっている理由です。

ITインフラの管理が複雑になってきている

近年、クラウドコンピューティングが普及しています。特にAWS、Azure、Google Cloudといったパブリッククラウドの利用拡大は、インフラの柔軟性と拡張性を向上させましたが、管理が複雑になりやすくなっています。


オンプレミス環境とクラウド環境が混在するハイブリッドクラウドや、複数の異なるクラウドサービスを戦略的に使い分けるマルチクラウドも一般化しました。さらに、コンテナ技術やマイクロサービスアーキテクチャの採用が進むと、管理対象となるリソースやコンポーネントの数は増加し、それらの依存関係も極めて複雑になります。


これらの分散化・複雑化したインフラ全体像を正確に把握し、一貫性を保ちながら手動で管理することは簡単ではありません。この管理が難しくなっていることが、コードによるインフラ管理、つまりIaCの必要性を一層高めている理由の一つです。


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3.IaCに疲れたといわれる理由

多くのメリットが語られるIaCですが、導入や運用において「疲れた」という声が聞かれることもあります。この章では、IaCに疲れたと言われる理由を2つ解説します。

  • IaC化に合わない工程がある

  • 多くのツールを理解する必要がある

IaC化に合わない工程がある

IaCに合わない工程があることが、疲れたと言われる理由の一つです。


IaCは多くのメリットをもたらす手法ですが、全てのインフラ管理作業がスムーズにコード化できるわけではありません。


例えば、データセンターでの物理的なハードウェアのケーブリングやラッキング、あるいは古いネットワーク機器や専用アプライアンスなど、APIが提供されていなかったり、そもそも外部からの自動操作を想定していなかったりする領域も存在します。


また、長年にわたり運用されてきた大規模な既存システムの中には、設計思想が古く、IaCの原則と相容れない複雑な依存関係や、ドキュメント化されていない場合があります。


こうした部分を無理にIaC化しようとすると、膨大な調査と改修コストが発生し、かえって工数が増大し、現場が疲弊してしまう原因となり得るのです。

多くのツールを理解する必要がある

IaCを実現するためには、Terraform、Ansible、Packer、Chef、各クラウドプロバイダー固有のツールといった多種多様なツールが存在します。


それぞれのツールは得意とする領域、記述言語、動作アーキテクチャ、そして背景にある設計思想が異なります。プロジェクトの特性、既存環境、チームのスキルセット、さらには組織の文化などを総合的に考慮して、最適なツールを選定しなくてはなりません。


新しいツールを導入する際には、その学習コストや習熟にかかる時間、そして既存の運用プロセスや他のツールとの連携方法を慎重に検討する必要が出てきます。


複数のツールを組み合わせて利用するケースも多く、それぞれのツールに対する深い理解と、それらを効果的に連携させるための広範な知識が求められるでしょう。


この継続的な学習と適応の過程が、一部のエンジニアにとっては大きな負担となり、「IaCに疲れた」と感じさせる一因にもなっています。

4.IaC導入のメリット

IaCがもたらす具体的なメリットを5つ解説します。

  • 手作業による設定ミスが減り生産性が向上する

  • コスト削減ができる

  • 環境複製が簡単にできる

  • システム全体の連携を柔軟に対応しやすくなる

  • DevOpsやCI/CDへの対応がしやすい

手作業による設定ミスが減り生産性が向上する

IaCを導入する最大のメリットの一つは、手作業による設定ミスを削減できる点です。


インフラ構成がコードとして定義されるため、誰が作業しても同じ結果を得られる再現性が確保されるため、設定漏れや誤操作といったミスを防ぎ、システムの安定稼働に貢献します。


また、一度コード化すれば、同様の環境構築や変更作業を自動的に、かつ迅速に実行できるようになります。ケースによっては数時間〜数日の作業が数分で完了し、エンジニアはより創造的な業務に時間を割けるようになり、生産性の大幅な向上が期待できるのもメリットの1つです。

コスト削減ができる

IaCの導入は、多方面からのコスト削減に繋がります。最も直接的な効果は、インフラ構築や定型的な管理作業の自動化による人件費の抑制です。


手作業が減ることで作業時間が短縮され、エンジニアはより付加価値の高い業務に集中しやすくなります。


また、ヒューマンエラーに起因する設定ミスが減ることで、障害発生率の低下に繋がり、その結果として障害対応にかかるコストや、サービス停止によるビジネス上の機会損失のリスク低減が可能です。


さらに、コードでインフラを管理することで、必要なリソースを必要な時にだけ動的に確保し、不要になれば即座に解放するといった、オンデマンドなリソース活用が格段に容易になります。


特にクラウド環境においては、このような柔軟で効率的なリソース管理が、インフラ利用料金の最適化に大きく貢献し、無駄な支出を削減します。

環境複製が簡単にできる

IaCを活用するメリットの一つは、本番環境と全く同じ構成の開発環境やステージング環境、テスト環境などを、迅速かつ容易に複製できることです。


インフラ構成がコードとして定義されているため、そのコードを実行するだけで、必要なサーバー、ネットワーク、ストレージなどのリソースが自動的に作成できます。


環境構築にかかる時間と手間が劇的に削減され、開発者は新しい機能のテストやバグ修正の検証を、本番に近い環境で安全かつ効率的に行えるようになります。


また、災害発生時や大規模障害時においても、あらかじめコード化されたインフラ定義を用いて、迅速にシステムを別のリージョンやデータセンターに復旧させられるため、環境の再現性とポータビリティが高まることは、事業継続計画の観点からも非常に大きなメリットといえます。

システム全体の連携を柔軟に対応しやすくなる

IaCは、モダンなシステム構成と非常に高い親和性を持っています。各マイクロサービスやコンポーネントが必要とするインフラ構成を個別のコードとして管理し、それらを柔軟に組み合わせることで、システム全体のインフラを効率的に構築、変更できます。


新しいサービスの追加や既存サービスの仕様変更、あるいはトラフィック増減に応じたダイナミックなスケールアウト・スケールインといった要求にも、迅速かつ正確に対応可能です。


アプリケーションの変更とインフラの変更をAPI経由などで連動させやすくなり、システム全体の俊敏性や回復力を高める効果が期待できます。

DevOpsやCI/CDへの対応がしやすい

IaCは、開発と運用が密接に連携・協力し、ビジネス価値を迅速かつ継続的に提供することを目指すDevOpsを実現するための技術的な基盤として極めて重要な要素です。


開発チームと運用チームが、コードという共通言語を通じてインフラを管理することで、サイロ化を防ぎ、相互理解を深められます。インフラの変更もアプリケーションコードと同様にGitなどのバージョン管理システムで管理され、プルリクエストを通じたレビューや自動テストを経て本番環境へと安全に適用されるプロセスを構築可能です。


これは、CI/CDパイプラインにインフラの構築や構成変更をシームレスに組み込むことを容易にし、導入完了までのリードタイムを大幅に短縮します。


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5.IaC導入のデメリット

この章では、IaC導入を検討する上で現実的に考慮すべき主なデメリットを2つ解説します。

  • 導入コストがかかる

  • スキル習得が必要

導入コストがかかる

IaCを導入する際には、初期コストが発生することを十分に考慮しなければなりません。


まず、TerraformやAnsibleといったIaCツールの選定と導入、そして既存のインフラ環境をコード化するための初期作業には、相応の時間と専門的なスキルを持った人材の労力が必要となります。特に、長年運用されてきた大規模で複雑な既存環境をIaC化する場合、その調査、設計、実装にかかる作業量は膨大になる可能性があります。


また、商用ツールのライセンス費用や、導入支援のためのコンサルティング費用、エンジニア向けのトレーニング費用なども予算に計上する必要があるでしょう。これに加えて、学習期間中の生産性の一時的な低下といった、目に見えにくいコストも考慮に入れるべきです。

スキル習得が必要

IaCを効果的に活用し、その恩恵を最大限に引き出すためには、インフラエンジニアや開発者が新たなスキルセットを習得する必要があります。


単にツールを使えるようになるだけでなく、プログラミングの基礎知識、選択したIaCツールのDSL(ドメイン固有言語)の文法やベストプラクティス、Gitなどのバージョン管理システムの操作とブランチ戦略、そして対象となるクラウドプラットフォームのAPIやサービスに関する深い知識も求められる知識です。


これらのスキル習得には時間と教育コストがかかりますが、一度習得すれば終わりではなく、技術の進化に合わせて継続的な学習努力が不可欠です。チーム全体で知識を共有し、スキルレベルを底上げするためのトレーニングプログラムの実施や、学習文化の醸成も重要になります。


IaC導入の際には、こうした人材育成計画も併せて検討することが成功の鍵を握ります。

6.IaCの導入アプローチ方法

IaCを組織に導入する際には、いくつかの代表的な進め方が考えられます。ここでは主要な導入アプローチとその特徴を紹介します。

  • 宣言的アプローチ

  • 最小限アプローチ

宣言的アプローチ

宣言的アプローチは、インフラの「あるべき最終的な状態」を定義ファイルに記述する方式です。


例えば、「Webサーバーが3台、ロードバランサーが1台、特定のネットワーク設定がされている状態」といった形で記述します。IaCツールは、この定義ファイルと現在のインフラ状態を比較し、差分があれば自動的に必要な変更を実行して、定義された状態に収束させます。


TerraformやAWS CloudFormationなどがこのアプローチを採用しており、何度実行しても同じ結果になることが保証されやすいのが特徴です。利用者は詳細な手順を記述する必要がなく、インフラの状態管理に集中できるメリットがあります。

最小限アプローチ

最小限アプローチとは、既存のインフラ環境に対して、一度に全てをIaC化するのではなく、影響範囲を限定した小さな部分から段階的にIaCを適用していく方法を指します。


例えば、まずは新規に構築する小規模な開発環境や、特定のコンポーネントのみを対象にIaCを導入し、そこで得られた知見や課題を元に、徐々に対象範囲を広げていく進め方です。このアプローチは、大規模な変更に伴うリスクを低減し、チームがIaCのスキルや運用ノウハウを習得しながら無理なく移行を進めることを可能にします。


初期の学習コストや心理的なハードルを下げ、IaC導入の成功確率を高めるための現実的な戦略といえるでしょう。


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7.IaCを構築するツール一覧

IaCの概念を実現するためには、多種多様なツールが開発され、活用されています。この章では、代表的なIaC関連ツールを挙げ、その概要と用途を解説します。

  • Terraform

  • Packer

  • Ansible

  • Chef

  • AWS CloudFormation

  • Azure Resource Manager

  • Serverspec

  • GitHub

Terraform

Terraformは、HashiCorp社が開発したオープンソースのIaCツールで、インフラ構成をコードで記述し、自動的に構築・管理します。


HCLという独自の宣言的言語を用いて、AWS、Azure、Google Cloudなどの主要なクラウドプロバイダーから、VMwareのようなオンプレミス環境まで、非常に多様なインフラリソースを一元的に管理できます。プロバイダープラグインという仕組みにより対応プラットフォームが豊富で、マルチクラウド環境のインフラ管理にも適しています。


「terraform plan」コマンドで実行前に変更内容を詳細に確認できる点や、インフラの状態を記録するtfstateファイルの適切な管理が重要となる点も特徴です。多くの企業で採用実績があり、活発なコミュニティが存在するため、学習リソースやサポートが得やすい代表的なツールといえるでしょう。

Packer

PackerもHashiCorp社が提供するオープンソースのツールで、主にゴールデンイメージと呼ばれるマシンイメージの作成を自動化することに特化しています。


JSONまたはHCL形式のテンプレートファイルに、ベースとなるOSイメージ、OSのアップデート、必要なソフトウェアのインストールや設定といったプロビジョニングの手順を記述します。これにより、複数のプラットフォームに対応した均一なマシンイメージを一度の定義で効率的に生成可能です。


OSの初期設定やセキュリティパッチの適用、ミドルウェアの組み込みなどを自動化し、常に最新かつ一貫性のある状態のイメージを維持するのに役立ちます。Terraformと連携して、Packerで作成したイメージを元にインフラを構築する、といった使い方が一般的です。

Ansible

Ansibleは、Red Hat社が開発・提供しているオープンソースの構成管理・自動化ツールです。


管理対象のサーバーにエージェントをインストールする必要がないエージェントレスアーキテクチャを採用しており、主にLinux/Unix系であればSSHやWindows系であればWinRM経由でサーバーに接続し、設定変更やアプリケーションのデプロイ、タスク実行を行います。


YAML形式の可読性の高いPlaybookと呼ばれるファイルに、実行したいタスクを順序立てて記述する手続き型のアプローチが特徴ですが、モジュールの多くは同じ結果を担保するように作られているのが特徴です。


学習コストが比較的低く、既存の多数のサーバー群の構成管理を迅速に自動化したい場合に特に適しています。プロビジョニングだけでなく、オーケストレーションや日常的な運用タスクの自動化にも幅広く活用できる汎用性の高さが魅力です。ネットワーク機器の構成自動化にも強みを持っています。

Chef

Chefは、Rubyをベースとした非常に強力で柔軟性の高い構成管理ツールであり、主にサーバーの設定自動化やアプリケーションのデプロイメントに使用されます。


「Recipe(レシピ)」と呼ばれるRubyのコードでインフラの構成手順やあるべき状態を記述し、それらを「Cookbook(クックブック)」という単位でまとめて管理します。宣言的な記述と手続き的な記述の両方をサポートしており、複雑なロジックや条件分岐も実装可能です。


その反面、Rubyの知識がある程度求められるため、他のツールと比較して学習コストはやや高めになる傾向があります。大規模で複雑なインフラ環境の一貫した構成管理や、Test Kitchenなどのツールを用いたテスト駆動開発の手法をインフラ管理にも厳密に取り入れたい場合に適しています。管理対象ノードにはChef Clientというエージェントの導入が必要です。

AWS CloudFormation

AWS CloudFormationは、Amazon Web Services (AWS) が提供するネイティブなIaCサービスです。


JSONまたはYAML形式のテンプレートファイルに、EC2インスタンス、S3バケット、VPC、IAMロールといった多種多様なAWSリソースの構成を記述することで、これらのリソース群を「スタック」として一括で、かつ自動的にプロビジョニングし、管理できます。AWS環境に深く統合されているため、AWSの各種サービスとの連携が非常にスムーズで、新しいサービスや機能への対応も迅速です。変更セット機能を利用すると、スタック更新前に変更内容をプレビューし、意図しない変更を防げます。


また、ドリフト検出機能により、テンプレート外で行われた手動変更を検知することも可能です。AWSをメインで利用しているユーザーにとっては、最も親和性が高く、第一の選択肢となる強力なツールです。

Azure Resource Manager

Azure Resource Manager (ARM) は、Microsoft Azureプラットフォームにおけるデプロイメントと管理の中核をなすサービスです。


ARMテンプレートと呼ばれるJSONファイルを使用して、仮想マシン、ストレージアカウント、仮想ネットワーク、Webアプリなど、Azureのあらゆるリソースの定義、デプロイ、構成管理を一貫して行うことができます。リソースグループという単位で関連リソースを論理的にまとめ、依存関係の定義やデプロイ順序をきめ細かく制御可能です。


ロールベースのアクセス制御(RBAC)と緊密に連携し、リソースへのアクセス権限やセキュリティポリシーを一貫して適用することも容易です。Azure Portal、Azure PowerShell、Azure CLI、REST APIなど、様々なインターフェースから利用できます。Azure Blueprintsなどのサービスと組み合わせることで、より大規模な環境ガバナンスの実現も支援します。Azure環境におけるIaCの基盤であり、Azureユーザーには必須の知識といえるでしょう。

Serverspec

Serverspecは、サーバーが期待通りの状態に正しく設定されているかをテストするための、Rubyベースのオープンソースフレームワークです。


RubyのテストフレームワークであるRSpecの構文に似たDSLを用いて、OSのバージョン、特定のパッケージがインストールされているか、必要なサービスが起動しているか、ポートがリッスンしているか、設定ファイルの内容が正しいか、といった項目を具体的に記述し、テストコードとして実行できます。


IaCツールで構築・構成変更したインフラが、意図した通りに仕上がっているかを確認するのに非常に役立ちます。


また、手動で設定変更を行った場合でも、Serverspecで定期的にテストを実行することで、設定がいつの間にか意図しない状態から逸脱していないかを継続的に監視し、インフラの品質と一貫性を保証することに貢献するツールです。

GitHub

GitHubは、分散バージョン管理システムであるGitを利用したソースコードホスティングサービスであり、現代のIaCの実践において中心的な役割を担うプラットフォームです。


インフラ構成を記述したコードをGitHub上のリポジトリで管理することで、誰がいつどのような変更を行ったかの完全な履歴追跡、複数人での効率的な共同作業、プルリクエストを通じたコードレビュープロセスの導入、そしてブランチ戦略を活用した安全な変更管理が可能になります。


さらに、GitHub ActionsのようなCI/CDサービスと緊密に連携させることで、構成コードのリポジトリへのプッシュやマージをトリガーとして、自動的な構文チェック、テスト実行、インフラへのデプロイといったワークフローを構築できます。IaCにおけるコードのライフサイクル管理と自動化プロセスの基盤として、事実上不可欠な存在です。


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8.まとめ

今回は、IaCについて、その重要性や導入のメリット・デメリット、具体的なアプローチ方法、そして主要なツールについてお話ししました。


IaCは、複雑化するITインフラの構成管理を自動化し、手作業によるミスを減らし、迅速な環境構築を実現するために欠かせない手法です。


さらに、IaCを正しく導入・運用すれば、生産性の向上、コスト削減、そしてDevOpsやCI/CDの推進に大きく貢献し、ビジネスの俊敏性向上にもつながるでしょう。IaCを効果的に活用し、効率的で信頼性の高いインフラ運用を目指しましょう。


最後までお読みいただきありがとうございました。

本記事が皆様にとって少しでもお役に立てますと幸いです。


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目次

1.IaCとは

2.IaCが重要な理由

手作業による操作に限界がきている

ITインフラの管理が複雑になってきている

3.IaCに疲れたといわれる理由

IaC化に合わない工程がある

多くのツールを理解する必要がある

4.IaC導入のメリット

手作業による設定ミスが減り生産性が向上する

コスト削減ができる

環境複製が簡単にできる

システム全体の連携を柔軟に対応しやすくなる

DevOpsやCI/CDへの対応がしやすい

5.IaC導入のデメリット

導入コストがかかる

スキル習得が必要

6.IaCの導入アプローチ方法

宣言的アプローチ

最小限アプローチ

7.IaCを構築するツール一覧

Terraform

Packer

Ansible

Chef

AWS CloudFormation

Azure Resource Manager

Serverspec

GitHub

8.まとめ