「Webのリテラシーがなくて不安」「Webで安全に情報発信をできるようにしたい」とお考えであれば、Webリテラシー試験の合格に向けて勉強してみてはいかがでしょうか。
Webリテラシー試験はWebサイトの運営やコンテンツ制作の現場において、最低限必要な知識やスキルがしっかりと学べる検定試験であり、これからWeb業界で働きたい方にも非常におすすめな試験です。
今回はWebリテラシー試験に関する基礎知識や詳細情報、Webリテラシー試験の資格取得のメリット・デメリット、Webリテラシー試験合格のための参考書の選び方や学習及び対策方法についてお話しします。
目次
1.Webリテラシー試験に関する基礎知識
はじめにWebリテラシー試験に関する基礎知識について解説します。
Webリテラシー試験とは
Webリテラシー試験とは、株式会社ボーンデジタルが運営し、Web制作に必要なリテラシーに関する知識やスキルを問う検定試験です。正式名称は「Webアソシエイト」、英語では「Certified Web Associate」と表記されます。
Webリテラシー試験
Webデザイン試験
Webプロデュース試験
上記は株式会社ボーンデジタルが実施しているWebリテラシー試験とその他のWeb検の種類です。Web検の中でもWebリテラシー試験はWebサイトの運営やコンテンツ制作を行う時に必要なリテラシーを学べるようになっているのが特徴です。
今までパソコンやコンピューター、インターネットが苦手だったという方でも、しっかりと学習することでWeb業界で働くための知識や常識、ルールなどを身につけることができます。
Webリテラシー試験の合格で目指せるキャリア
上記がWebリテラシー試験の合格で目指せるキャリアの一例です。Webに関連するキャリアへの選択肢が広がるようになっており、自分の得意分野に合わせてスキルを身につけるか、すでにスキルとして身につけているものと組み合わせることでキャリアの方向性が決まってきます。
Webの業界での実務経験が増えてくれば、コンテンツやクリエイティブの制作、デザイン担当以外にも、ディレクターやサイト運営者などの責任者としての立ち位置も視野に入ってくるでしょう。その他にもオンライン集客、SNS担当者など、集客や認知拡大のための部門や部署でも活躍できる可能性が期待できます。
Webリテラシー試験と相性の良いスキル
文書作成能力及び校正や編集スキル
画像編集能力及びデザインスキル
CMSに関する基礎知識
マーケティングや広報、営業のスキル
SEOスキル
危機管理能力
プログラミングスキル
ディレクション能力
プロジェクトマネジメント
著作権関連の法的なスキル
上記がWebリテラシー試験と相性の良いスキルです。自分の得意とする分野があればそのスキルを伸ばしたり、関連するスキルを身につけていくことで様々なキャリアチェンジを実現できるようになります。
また、Webに関連する職種での実務経験を積んでいく中で、進捗管理や状況の把握のマネジメントに関する経験を増やしていくことにもつながります。将来的にクリエイターやデザイナーをまとめるリーダー、マネージャー、ディレクターとしての実績を増やすことができるようになれば、キャリアチェンジだけでなくキャリアアップも期待できるようになるでしょう。
2.Webリテラシー試験の詳細情報
次にWebリテラシー試験の詳細情報について解説します。
Webリテラシー試験の詳細
正式名称 | 公益社団法人 全日本能率連盟登録資格 Web検定 Webアソシエイト |
---|---|
試験会場 試験日時 | ・J-Testingによるリモート受験 ※随時開催 ・J-Testingテストセンターによる会場での受験 ※場所と日時の確認はこちら |
試験時間 | 90分 |
出題形式 | CBT(Computer Based Testing)方式 |
出題数 | 85問 |
合格基準 | 正解率70%以上 |
受検料 | 10,000円+税 |
前提資格 | 特になし |
試験結果 | ・リモート受験の場合は約1週間後にマイページにログインして確認 ・テストセンターでの受験の場合は受験後にディスプレイに表示 |
参考元:https://webken.jp/literacy/
上記がWebリテラシー試験の詳細です。自宅でのリモート受験やテストセンターでの受験が選べるようになっているため、ご自身の状況に合わせて都合の良い方を選ぶようにしましょう。
テストセンターの場合はパソコンやカメラの準備が不要なことから、パソコンはあるけれどリモートでの受験が難しそうであればテストセンターでの受験の方が無難です。
ただし、お住まいの地域の近くにテストセンターがない場合は自宅での受験が想定されることから、自宅での受験の条件を満たした上で受験の申し込みをするようにしましょう。
Webリテラシー試験の出題範囲
Webの基礎知識
インターネットビジネス
プロジェクトマネジメント
Webサイトの企画・設計
Webデザイン・制作実務
Webマーケティング
※公式テキスト『ウェブの仕事力が上がる 標準ガイドブック1 Webリテラシー 第4版』を中心に出題
参考元:https://webken.jp/literacy/
上記がWebリテラシー試験の出題範囲です。公式サイトには大まかな分類しか記載されていないため、出題範囲とされている公式テキストの購入は必須となるでしょう。
主にWebに関連する業務や作業において必要な知識が問われる内容であり、プロジェクトに参加する側、プロジェクトを管理する側の両方を学んでおく必要があります。その他にもWebサイト運営、Webデザイン、Webマーケティングなど、インターネットを通じて認知拡大や興味関心の育成のために何が必要かを学ぶことができるでしょう。
Webリテラシー試験の受験者数・合格率
受験者 | 合格者 | 合格率 | |
---|---|---|---|
受験実績(2023年度) | 594名 | 480名 | 80.8% |
受験実績(2022年度) | 811名 | 589名 | 72.6% |
受験実績(2021年度) | 945名 | 727名 | 76.9% |
受験実績(2020年度) | 546名 | 431名 | 78.9% |
参考元:https://webken.jp/about/result/
上記がWebリテラシー試験の受験者数・合格率です。合格率が70%超であることを考えると、公式のテキストをしっかりと読み解いて理解を深めておくことで、合格できる可能性が高まることが推測できます。
Webリテラシー試験はこれからWeb業界で働きたい方、もしくはWebリテラシーを高めたい方にとっては基礎から学べるという点において、受験しやすい試験でもあるため、まずは自分自身の現在の理解度を把握するためにも挑戦する価値は十分にあると言えるでしょう。
受験者数は3桁であるため、年間で数千〜数万人程度の受験者数であるIPAなどの国家試験と比べると認知度は低いでしょう。
Webリテラシー試験の申し込み手順
・J-Testingによるリモート受験の申し込み手順
公式サイトの受験者ログインフォームで新規会員登録
登録した情報でJ-Testing IDにログイン
受験する日時を指定
受験料の支払い
※クレジットカード支払い、コンビニ支払い、Pay-easyで支払い可能
指定した日時に受験
・J-Testingテストセンターによる会場での受験の申し込み手順
公式サイトの会場・日時選択で任意の場所と日時を指定
受験者ログインフォームから新規会員登録
登録した情報でJ-Testing IDにログイン
受験料の支払い
※クレジットカード支払い、コンビニ支払い、Pay-easyで支払い可能
指定した場所と日時に受験
上記がWebリテラシー試験の申し込み手順です。受験を申し込むタイミングとしては、公式のテキストをしっかりと読み解き、理解度が深まった後、収録されている問題に挑戦して難なく解けるようになってからが良いでしょう。
また、就職や転職で活かせるように資格を取得したいと考えている場合、おおよその書類提出や面接などのタイミングから逆算して、無理なく勉強時間の確保と受験ができるように計画を練っておくことをおすすめします。
Webリテラシー試験の有効期限
Webリテラシー試験の有効期限は2年間となっています。2年間の有効期限が切れる前に、検定事務局より案内通知が届くとのことなので、見落とさないためにも普段よく使うメールアドレスで登録しておきましょう。
更新のための試験については、受験費用4,400円+消費税が必要であり、更新のために勉強することで自分自身の知識のアップデートにもつながるため、積極的に更新することをおすすめします。
Webリテラシー試験の難易度・勉強時間
Webリテラシー試験の難易度については、試験時間が90分、問題数が85問、合格率が70〜80%であることを踏まえると、難易度が低く、合格しやすい試験であることが推測できます。
出題範囲を前提とした上で考えると、技術的な領域よりもWebに携わる方に必要な知識やノウハウの習得であることから、その他のIT関連の資格と比べても、理解しやすい内容と言えるでしょう。
しかし出題範囲が広くWeb業界の基礎知識に加え、マーケティングやプロジェクト管理など多岐にわたるため、初学者にとっては簡単ではないでしょう。
ただし、試験時間90分に対して85問ということは、1分あたり約1問をスピーディーに解いていく必要があることから、油断をすると間に合わなくて合格基準を満たせない可能性もあるので注意してください。
「ITパスポート試験」と比較すると、ITパスポート試験がより技術的・専門的な内容を含むのに対し、Webリテラシー試験は、Web業務に特化した実践的な知識が求められる点で異なります。そのため、技術者というよりもWebディレクターやマーケティング職の方に適している試験と言えるでしょう。
Webリテラシー試験の勉強時間については、おおよそですが初めてWebの領域について学ぶ方で100時間から150時間、実務経験がある方で50時間から100時間を見込んでおくと良いでしょう。勉強期間としては3ヶ月から半年程度を計画しておき、無理のない勉強計画を立てることをおすすめします。
公式テキストの説明文や問題文にある専門用語が理解できない、もしくは日々忙しくて勉強時間が捻出しにくい方は勉強時間と勉強期間をさらにプラスアルファして考えるようにしましょう。
3.Webリテラシー試験の資格取得のメリット
次にWebリテラシー試験の資格取得のメリットについて解説します。
Web制作に関わる際に必要なリテラシーが身につく
Webリテラシー試験の資格取得のメリットとして、Web制作に関わる際に必要なリテラシーが身につくことが挙げられます。
Webについて初めて学ぶ方の場合、難しそうなイメージ、もしくはわからないものというような苦手意識を持ってしまいがちですが、Webリテラシー試験の合格に向けて勉強することで、Webに関する解像度が上がり、Web業界で働く土台が手に入るのもメリットと言えるでしょう。
現代においてWeb、すなわちインターネットによる情報網はごくごく身近な存在になりました。誰でもスマートフォンやタブレット、もしくはパソコンなどで様々な情報を手に入れることができるようになっています。Webリテラシー試験では情報を発信する側として必要な知識が身につくということも覚えておいてください。
Webリテラシーについて理解をしている人材として評価される
Webリテラシー試験の資格取得のメリットとして、Webリテラシーについて理解をしている人材として評価されることが挙げられます。
Webはごく身近な存在になったとお伝えしましたが、Webに関するリテラシーをしっかりと備えている人はそう多くはありません。そのためWebリテラシー試験に合格することで、業務上必要なWebリテラシーが身についていると評価されるということです。
企業や組織にとって、Webリテラシーを身につけてもらうことは、研修や啓蒙活動のための時間及び労力を伴います。また、企業や組織としてWebリテラシーについての知見が足りずに、従業員教育が進んでいない現場もあることから、Webリテラシーを理解している人材として、啓蒙活動やルールの策定などの役割を任せてもらえる可能性もあるでしょう。
Webリテラシーを学ぶことでも様々なリスクを回避できる
Webリテラシー試験の資格取得のメリットとして、Webリテラシーを学ぶことでも様々なリスクを回避できることが挙げられます。Webによる情報発信においては、表現の仕方による炎上、様々な権利が絡むリスク、場合によってはブランド力の低下を招くというようなネガティブな結果につながってしまう可能性も否めません。
Webリテラシーについて理解を深めることで、企業や組織は安心・安全な情報発信が可能になり、リスクを回避しブランド力を維持できます。特に昨今ではCMSやSNSなど、情報発信自体は誰でもできるようになりました。
Webに関する深い理解がなくても情報発信ができてしまうということの危険性を理解し、不要なリスクを避け、Webにおけるポジティブな影響のみを得られるようになると覚えておきましょう。
4.Webリテラシー試験の資格取得のデメリット
次にWebリテラシー試験の資格取得のデメリットについて解説します。
Webリテラシー試験に合格するためのコストが必要になる
Webリテラシー試験の資格取得のデメリットとして、Webリテラシー試験に合格するためのコストが必要になることが挙げられます。合格のために要する勉強時間、試験日の日程調整、公式テキストや受験料などが必要になるということです。
ただし、検定試験に挑戦し、合格によって評価されること自体がリターンとなっていることを考えると、自分自身の将来に投資するというイメージを持って、コストを惜しまない方が良いでしょう。
例えば、履歴書や面接などにおいても、Webリテラシーについて理解があると言葉で伝えるよりも、Webリテラシー試験に合格したという結果があった方が有利になると覚えておきましょう。
Webリテラシー試験の合格のみでは高い評価を得にくい
Webリテラシー試験の資格取得のデメリットとして、Webリテラシー試験の合格のみでは高い評価を得にくいことが挙げられます。民間資格であり、同時に年間の受験者数がそう多くはないため、認知症が低い可能性があること、同時に内容的にもWebに携わる方であれば常識として覚えておくべき内容であるということが理由です。
初めてWeb業界で働く方にとっては、即戦力とは言わないまでも最低限の知識やスキルが得られるというメリットがあること、実務経験のある方でも対外的な評価が得られるというメリットがあることは忘れてはなりません。
同時に、自分自身の今までの経験で得た知識やスキル、もしくはこれから興味のある領域のスキルを身につけていくことで、自分自身の市場価値を上げて解決しましょう。
特定の技術領域に特化した試験ではない
Webリテラシー試験の資格取得のデメリットとして、特定の技術領域に特化した試験ではないことが挙げられます。例えば、Webにおける情報発信のためのWebサイトの作成、プログラミング、コーディングなどの領域ではなく、コンテンツ制作やサイト運営に関する分野であるということです。
ただし、これからWebマーケティングなどに挑戦したい方、もしくはエンジニアになりたい方の土台になる知識が学べることは間違いありません。Webマーケティングやエンジニアは専門用語が多く、文章を読み解くことも難しいですが、Webリテラシー試験の合格に向けて勉強していくことで、さらに難しく、価値のある検定試験にも挑めるようになるということも知っておきましょう。
5.Webリテラシー試験合格のための参考書の選び方や学習及び対策方法
次にWebリテラシー試験合格のための参考書の選び方や学習及び対策方法について解説します。
公式で紹介されているテキストやYouTube動画を見る
Webリテラシー試験の合格に向けて、公式で紹介されているテキストの購入やYouTube動画の視聴がおすすめです。Webリテラシー試験は公式サイトで詳しい出題範囲については記載がないため、公式で用意されている情報は幅広くチェックしましょう。
また、公式サイトではWebリテラシー検定を含むWeb検定の全4種類の公式問題集の第1章分だけPDFでダウンロードすることが可能です。受験を悩まれている場合やどんな問題が実際に出題されるのかチェックしたい場合に活用してみてください。
IPAの資格取得を並行して学ぶのもおすすめ
Webリテラシー試験の合格に向けて勉強するとともに、さらに自分自身の市場価値を上げるためにもIPAの資格取得を並行して学ぶのもおすすめします。
IPAのITパスポート試験はエンジニアを目指す方、もしくはエンジニアではなくWebマーケティングを目指す方の両方に必要な知識を学ぶことができますし、興味が出たら基本情報技術者などに挑戦していくことで、スキルアップに繋がるのは間違いありません。
また、それぞれの勉強をしていく中で受験される方の視野も広がり、新しい技術や考え方、仕組みなどに興味を持てるようになるのも大きな利点と言えるでしょう。理解が深まることで、さらに理解できることが増えていくというイメージを持ち、積極的に勉強していくことが大切です。
自分が希望するキャリアに合わせた基礎も学んでいく
Webリテラシー試験の合格に向けて自分が希望するキャリアに合わせた基礎を学んでいくことも進めていきましょう。
マーケティング領域であれば、広報や営業、SNS運営、CMSの仕組み、エンジニアであればプログラミングやCMSのカスタマイズができるような分野を学ぶことで将来必ず役に立ちます。
また、自分自身が望むポジションについても、時間の経過とともに考えておくようにしましょう。現場でコンテンツ制作をする立場がいい、マーケティングでユーザーと近い位置にいたい、またはプロジェクトやチームをまとめて結果を出す側になりたいなど、目標を立てておくことで知識やスキルを身につける際のモチベーションが上がっていくということを覚えておいてください。
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6.まとめ
今回はWebリテラシー試験に関する基礎知識や詳細情報、Webリテラシー試験の資格取得のメリット・デメリット、Webリテラシー試験合格のための参考書の選び方や学習及び対策方法についてお話ししました。
Webリテラシー試験はWebやITに関する知識が全くない方でも、Webに関わる仕事に従事する時に最低限必要な知識やスキルを身につけることができます。自分自身の今まで得たスキルや経験、もしくはこれから身につけるスキルと組み合わせて、Webの業界で活躍できるよう合格に向けて勉強を頑張ってみてください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
本記事が皆様にとって少しでもお役に立てますと幸いです。