システム開発やWebサイト制作などのプロジェクトでは、「フロントエンド」と「バックエンド」の領域に分かれて仕事を進めます。フロントエンドとバックエンドにはそれぞれ特徴があり、求められる役割やスキルも違います。これからエンジニアを目指す際には、フロントエンドとバックエンドの違いを把握し、自分に向いている方を選ぶ準備をするのがおすすめです。
本記事では、フロントエンドとバックエンドの特徴や違い、仕事内容や必要なスキルについて解説します。これからエンジニアへの就職・転職を考えている方は、ぜひ参考にしてください。
目次
1.フロントエンドエンジニアとバックエンドエンジニアの違いについて
エンジニア職に興味があるのなら、フロントエンドとバックエンドの違いを理解しておくことが重要です。以下では、フロントエンドとバックエンドの特徴や違いについて詳細を解説します。
フロントエンド・バックエンドとは?
そもそも「フロントエンド」と「バックエンド」は、エンジニアとして以下のような特徴があります。
フロントエンド:ユーザーが直接触れる部分の開発・デザインなどを担当する
バックエンド:ユーザーからは見えない部分の開発を行い、サーバーやデータベースなどの管理を担当する
フロントエンドとバックエンドは、システムやサービスにおける「表側」と「裏側」をそれぞれ担当すると言えます。仕事内容などには大きな違いがありますが、どちらを担当するエンジニアでも重要性は変わりなく、プロジェクトに欠かせないIT人材になるでしょう。
フロントエンドとバックエンドの役割の違い
フロントエンドとバックエンドには、それぞれ求められる役割が違います。フロントエンドを担当するエンジニアは、主にサービスやアプリの操作画面などの開発を進めるのが役割です。実際に利用するユーザーの気持ちを考えつつ、操作の快適性などにも気を遣う繊細さ・想像力を活かした仕事を行います。
バックエンドを担当するエンジニアは、サーバー側の処理やデータの保存・読み込みなどのシステム面を構築します。サービスやアプリが問題なく想定通りの動きをし、安定性を担保するのが役割だと言えるでしょう。
フロントエンドとバックエンドの役割には大きな違いがありますが、両者は連携して仕事にあたる必要があります。例えばフロントエンドエンジニアが設計したUI(ユーザーインターフェース)を、正しく表示して動かすには、バックエンドエンジニアがユーザー側のリクエストに合わせてデータ出力を行うシステム設計が欠かせません。
このようにフロントエンドとバックエンドは別のエンジニア職であると同時に、プロジェクトにおいては協力関係が必要不可欠な存在となっています。
フロントエンドとバックエンドの仕事の難易度の違い
フロントエンドとバックエンドは、仕事の難易度の面でも違いがあります。一般的にはバックエンドエンジニアの方が、難易度の高い業務を担当したり、難しいスキルを求められたりする傾向にあるでしょう。使用するプログラミング言語も難易度の高いものが多いため、しっかりと時間をかけて勉強する必要があります。
一方、その難易度ゆえに競合するエンジニアが少なく、フロントエンドエンジニアよりも就職・転職しやすいと言われることもあります。単価が高い案件・求人も探しやすいため、実力を身につけてフロントエンドエンジニアを目指すのも1つの選択肢です。
フロントエンドとバックエンドのキャリアパスの違い
フロントエンドとバックエンドでは、将来のキャリアパスにも違いが出てきます。例えばフロントエンドとバックエンドの将来には、以下のようなキャリアパスが想定できるでしょう。
フロントエンドのキャリアパス | ・エンジニアとしてのスペシャリスト ・マネージャー ・デザイナー など |
---|---|
バックエンドのキャリアパス | ・システムエンジニア など |
フロントエンドエンジニアは仕事の経験を活かして、マネージャーやディレクターといった、現場を管理するキャリアを目指せます。また、デザインに関する知識・技術が必要になるため、デザイナーとして仕事を始めることも検討できるでしょう。
バックエンドエンジニアの場合、インフラ・クラウド・セキュリティなど、専門分野に特化したエンジニア職へのキャリアパスを考えられます。システムエンジニア(SE)に転職し、プロジェクトの進行に携わる道も1つの選択肢になるでしょう。
また、フロントエンドエンジニアとバックエンドエンジニアの、両方を経験するキャリアも考えられます。お互いに連携する機会もあるため、スムーズに仕事に馴染める可能性があります。
2.フロントエンドエンジニアの仕事内容・スキル
フロントエンドエンジニアに興味があるのなら、仕事内容や必要なスキルを事前に確認しておくのが重要です。以下では、フロントエンドエンジニアの主な仕事内容やスキルについて解説します。
フロントエンドエンジニアの仕事領域や流れについて
フロントエンドエンジニアが担当する仕事領域には、以下のものがあります。
サービスやアプリの操作画面の開発
使用するコンポーネントに関する選択
操作画面におけるアクションの定義
レスポンシブデザインの作成 など
上記のような仕事を軸に、以下の流れで実際の業務を進めます。
画面全体の設計図を作成し、レイアウトや必要な機能を決定して初期設定を明確にする
共通のパーツを設定してコンポーネントを決める
ユーザーの行動を想定して、アクションに対するレスポンスを設定する
HTMLやCSSを用いて決めてきたデザインや機能を構築する
定義したアクションや表示されるアニメーションを実装する
実際のサービス・アプリの画面で想定通りに動くがテストする
フロントエンドエンジニアの仕事は、上記の流れで進行すると想定できます。
フロントエンドエンジニアに求められるスキル
フロントエンドエンジニアとして働く際には、以下のスキルが業務のなかで求められます。
プログラミング(HTML、CSS、JavaScriptなど)のスキル
活用する開発言語ごとのフレームワークやライブラリを有効活用できるスキル
「Chrome DevTools」など、ブラウザの開発ツールに関するスキル
デザインに関するスキル など
フロントエンドエンジニアはHTML、CSS、JavaScriptなどのプログラミング言語を用いてコーディングを行います。また、フレームワーク・ライブラリ・ブラウザ開発ツールの知識などがあると、業務最適化を進めやすくなるでしょう。
その他、UI/UXを意識したデザインを制作するスキルがあると、高品質な成果物の作成につながる可能性があります。
3.バックエンドの仕事内容・スキル
バックエンドエンジニアとして働く場合、フロントエンドエンジニアとはまた違う仕事内容・スキルが必要です。以下では、バックエンドエンジニアの主な仕事内容と求められるスキルを紹介します。
バックエンドエンジニアの仕事領域や流れについて
バックエンドエンジニアの仕事領域には、以下のものが含まれます。
サーバーサイドの処理に関するシステム開発
データベースの設計および管理
APIの実装
セキュリティ対策
ネットワークの設定作業
エラーやシステム障害への対応 など
サーバーに関する業務だけでなく、インフラエンジニアの代わりにネットワーク関連の設定を行ったり、エラーや障害への対処などをしたりと、臨機応変に対応する能力が必要です。
バックエンドエンジニアの仕事の流れに関しては、以下のケースが考えられます。
クライアントとのヒアリングなどを通して要件定義を行う
システム開発に必要な設計を構築する
プログラミングによる実装を行う
テストを繰り返して動作状況をチェックする
バックエンドエンジニアの仕事は、システムエンジニア(SE)に近い流れで行われると言えるでしょう。
バックエンドエンジニアに求められるスキル
バックエンドエンジニアになるのなら、以下で紹介するスキルの獲得が優先されます。
サーバー構築に関するスキル
開発に使用するハードウェアの選定および導入スキル
セキュリティ対策と緊急時の対応スキル
サーバー運用や保守のスキル など
基本的にバックエンドエンジニアはPython、Java、Ruby、PHPなどのプログラミング言語を習得しておく必要があります。その他、サーバー構築や実装後の運用・保守に関するスキルを、体系的に学んでおくことが重要です。
セキュリティに関しては知識だけでなく、その重要性をきちんと理解することも大切です。バックエンドエンジニアがセキュリティについての理解を深めておくことで、同じプロジェクトに参画しているエンジニアたちへのアドバイスや注意喚起が行えます。
4.フロントエンドエンジニアに向いている人の特徴
フロントエンドエンジニアを目指す際には、向いている人の特徴を把握することも重要です。以下では、フロントエンドエンジニアに向いている人の特徴について解説します。
ユーザーの気持ちをイメージできる
フロントエンドエンジニアは、サービスやアプリを実際に利用するユーザーが触れる部分の開発を担当します。そのため「ユーザーが何を求めているのか」「どんな機能やアクションが欲しいのか」など、相手の気持ちになってイメージできる人が向いています。
もちろんイメージするだけでなく、それを言葉や設計図に起こして、実装につなげる能力も必要です。
デザイン関係の業務に興味がある
フロントエンドエンジニアは、サービスやアプリの画面デザインに関する業務を担当することもあります。プロジェクトの内容に合わせてデザインを考案したり、自分で構成したりすることも仕事のうちです。そのためフロントエンドエンジニアはIT系のスキルだけでなく、デザインの勉強にも興味がある人が向いている職業です。
最新の情報を収集することが好き
フロントエンドエンジニアは、最新のトレンドや技術を積極的に取り入れることが重要視される職業です。そのため最新の情報収集が好きで、仕事に応用できる人ほどフロントエンドエンジニアとして活躍できる可能性があるでしょう。特にデザインに関しては、流行を取り入れつつ独自性を発揮するなど、柔軟な対応が求められます。
5.バックエンドエンジニアに向いている人の特徴
バックエンドエンジニアにも、向いている人の特徴があります。以下では、バックエンドエンジニアとして働くの際に参考になる「向いている人の特徴」を紹介します。
細かい点に気付ける
バックエンドエンジニアは、細かな点に気付ける人ほど向いている職業だと言えます。システムやサーバーサイドの構築では、全体を通して細かい部分までチェックをする必要があります。そのため繊細な性格をしている人は、バックエンドエンジニアに向いている可能性があるでしょう。
保守や管理業務が得意
バックエンドエンジニアは、保守や管理業務が得意かどうかも重要なポイントになります。システムの裏側が正常に動作していないと、機能に不具合が起きる可能性があります。保守・管理に関する業務が苦にならず、どんなときも冷静に取り組める人ほどバックエンドエンジニアに向いています。
ユーザーから見えない部分にも力を入れられる
バックエンドエンジニアの担当領域は、ユーザーから見えない部分です。そのため自分の成果を目で見て実感したい人からすると、仕事での充足感が物足りなくなる可能性があります。ユーザーから見えない部分にも力を入れることができ、かつその状況に満足できる人なら、バックエンドエンジニアに向いている人材だと言えるでしょう。
6.フロントエンドエンジニア・バックエンドエンジニアの仕事は未経験でもできる?
フロントエンドエンジニアやバックエンドエンジニアの仕事を、未経験から始めてみたいと考える方もいるでしょう。以下では、未経験からフロントエンドエンジニア・バックエンドエンジニアの仕事ができるのか解説します。
未経験でも請け負える案件・求人はある
フロントエンドエンジニアやバックエンドエンジニアの仕事は、「未経験OK」のものもあります。エンジニア向けの求人サイトや、「クラウドワークス」「ランサーズ」などのクラウドソーシングを活用して、未経験でも対応できる求人・案件を探してみるのがおすすめです。
事前に必要なスキルを身につけておく
「未経験OK」の案件・求人でも、ある程度のスキルや仕事で必要な能力は求められます。そのため未経験からフロントエンドエンジニア・バックエンドエンジニアを目指すのなら、スクールや自宅学習などでスキルアップを図るのもポイントです。
エンジニア向けの専用スクールに通ったり、書籍やネットで勉強したりと、未経験でも事前にできる準備は多数あります。先に紹介した必要なスキルや仕事内容を参考にして、自身の能力向上につながるプランを計画してみてください。
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7.まとめ
フロントエンド・バックエンドのエンジニアは、あらゆるプロジェクトに欠かせない人材です。その需要は今後も高くなると予想されるため、今から必要なスキルを身につけて就職・転職に備えておくのも有効です。
フロントエンドエンジニア・バックエンドエンジニアを目指すのなら、仕事内容や必要なスキルの習得が重要となります。具体的にどんなスキルを身につけるべきなのか把握し、最適な学習方法を考えることで、未経験からでも就職・転職を叶えられるでしょう。
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本記事が皆様にとって少しでもお役に立てますと幸いです。