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転職後の住民税に注意!いつから天引き?切り替え手続きは?納付方法やよくある質問など解説

公開日:2025/02/17最終更新日:2025/02/17

転職や退職後に「住民税はどうやって切り替えるのか?」「退職時に給料からいつもより多く天引きされていたけど、どういうこと?」と疑問を感じる方は少なくないでしょう。


給与所得者の住民税は通常「特別徴収」として、給与から天引きされます。6月からはその年の所得が反映されて1月1日から5月31日までに退職すると、1月から5月分の住民税が一括で徴収される仕組みです。


もし「住民税が多く引かれている」と感じる場合、1月から5月分の税額が一括で徴収されている可能性があります。転職時の切り替えは転職先に給与所得者異動届出書を提出するか、担当者に切り替えの希望を伝えることで手続きを行えます。


そこで今回は住民税の徴収方法・税率・計算方法について、そして転職や退職後の住民税の手続きや引っ越し時の注意点についても解説します。

1.住民税とは?

公的なサービスは国と地方が協力して提供しており、その費用は主に税金で賄われています。


教育・福祉・消防・救急・ゴミ処理など、私たちの日常生活に密接に関わる行政サービスの多くは市区町村や都道府県によって実施されています。地方税はこれらのサービスの費用をまかなうために使われ、地域に住む人々が広くその負担を分担する仕組み(地域社会の会費)となっています。


地方税の中でも私たちにとって身近な税金が住民税で、住民税には、都道府県に納める「道府県民税」(東京都では「都民税」)と、市町村に納める「市町村民税」(東京23区では「特別区民税」)の2種類があります。実際に支払う住民税は、これらを合算した金額となります。


住民税には「個人住民税」と「法人住民税」があり、その地域に住民登録している個人が負担するのは「個人住民税」です。

住民税は前年の所得に応じて増減する

住民税は、主に「所得割額」と「均等割額」の2つの部分で構成され、その合計が最終的な税額を決定します。

この2つの項目がどのように計算され、税額にどのような影響を与えるのかを理解することは納税者にとって重要です。


まず、所得割額は前年の所得を基にして計算されます。所得が多ければ多いほど、税額も増える仕組みとなっており所得割額の計算においては各種控除が適用されます。これにより一定の条件を満たす場合には、税負担を軽減することができます。控除を受けた後に課税額が決定され、これに基づいて住民税が算出されます。


一方均等割額は、一定の金額で設定されています。ただし一部の市町村や都道府県では超過課税を行っているため、超過課税部分は地域によって異なる場合があります。


そのため地域ごとに住民税額に差異が生じることがありますが、この違いは一般的にそれほど大きなものではありません。特に極端に高額になる地域は少なく、多くの地域では住民税の金額は似通っています。


住民税は所得に基づく所得割額と均等割額という固定金額の2つの要素によって決まるため、自分の所得や住んでいる地域の税制を理解して適切に納税を行うことが大切です。


また住民税は自治体によって異なるため、転居などで地域が変わった場合には新しい地域での住民税額を事前に確認しておくことも重要です。

2.住民税の支払い方法は2種類

住民税の納付は重要な義務です。怠ると延滞金やペナルティが発生する可能性があるため、適切に納税を行うことが非常に重要です。


住民税は各自治体が管轄しているため、税金の支払い方法や納付の仕組みも地域によって異なる場合がありますが基本的には納税方法の種類や違いを理解しておくことが求められます。


個人の住民税の納付には「特別徴収」と「普通徴収」の2つの支払い方法があります。


給与所得者つまり会社員や公務員などの職に就いている人々に関しては、原則として特別徴収が適用されます。特別徴収とは勤務先の会社が納税者に代わって住民税を給与から差し引き、直接市区町村に納める仕組みです。


給与所得者が手取りを受け取る際に額面給与から住民税が引かれている理由は、まさにこの特別徴収によるものです。つまり住民税は給与が支払われる際に自動的に天引きされ、個別に納税者が納める手間を省いてくれる仕組みです。


この方法は納税者にとって非常に便利であり、納付の手間を軽減してくれますが逆に言うと納税額を意識することが少なくなる可能性もあります。


一方で普通徴収は、納税者自身が住民税を納める方法です。この方法を選択するのは主に自営業の人やフリーランスの人々などで特別徴収が適用されない場合です。


普通徴収の場合には市区町村から送られてくる納付書に基づいて、納税者自身が住民税を支払うことになります。納税者は住民税を一括で支払うこともできますし、分割で支払うことも可能です。


通常納付は年4回に分けて行われ、納期は6月末、8月末、10月末、翌年1月末が一般的なスケジュールです。分割払いにすると、各期ごとに決まった金額を納めることができます。


また近年では、納税方法に柔軟性が増しておりクレジットカードやインターネットバンキングを利用して住民税を支払うことも可能です。これにより納税者は自分の都合の良い方法で税金を支払うことができ、納付の手間や負担を軽減することができます。


納税を滞納してしまうと、延滞金が発生したり場合によっては催促が来るため、納付期限を守ることが重要です。住民税の支払いが遅れることで最終的に支払うべき税額が増えることも想定されますので、納付期限をしっかりと把握し期日内に納税を行うことを心掛けましょう。

3.転職後の住民税はいくらになる?

給与から会社を通じて天引きされる住民税ですが、転職するとその後の納付方法はどのように変わるのでしょうか。

住民税の算出方法

住民税は前年の所得を基に計算されます。納税額は前年1年間の収入に応じて課される「所得割額」と、所得に関係なく定額で課される「均等割額」を合計した金額です。


これらは納税する年の1月1日時点で居住している自治体へ納めます。特別徴収の場合には6月に支給される給与から翌年5月までの1年間、12回に分けて天引きされて自治体が決定した住民税額が会社を通じて通知されます。


所得割額は、前年の所得に応じて変動し、以下の計算式で求められます。

住民税の所得割額 =(所得額 - 所得控除額)× 所得割税率 - 税額控除額

所得割税率は自治体によって異なる場合がありますが多くの地域では合計10%が基本で、一般的に都道府県税が4%、市町村税が6%とされています。


所得額とは給与や賞与の総収入額ではなく、そこから所得控除額を差し引いた金額です。所得控除額は会社員に一律で適用される必要経費に相当するものであり、自営業者のように個別の経費を申請して控除する仕組みはありません。


そのためスーツ・靴・かばん・ネクタイなどの購入の有無にかかわらず、収入に応じた一定額が控除される制度となっています。


給与所得控除額は給与額に応じて決まり、例えば給与が500万円の場合を考えてみます。

給与所得控除額 = 500万円 × 20% + 44万円 = 144万円

実際には配当控除・寄附金控除・住宅ローン控除などの税額控除が適用されるケースも想定されるため、最終的な住民税額はさらに減額されるでしょう。

住民税に関する控除

この節では住民税に関する控除について解説します。

収入に関連する控除

給与所得控除と公的年金等控除があります。これらの控除は所得金額を合計する前に、所得税の申告方法の一つである年末調整で差し引かれます。


フリーランスや自営業の方の場合、総所得金額を計算する際に必要経費を差し引くことになります。住民税を計算する際は、各種控除がいつ差し引かれるかを理解することが重要です。

  • 給与所得控除および公的年金等控除

    給与所得控除は給与収入から差し引かれる控除であり、公的年金等控除は・国民年金・厚生年金・確定給付企業年金などの公的年金収入から差し引かれる控除を指します。

働き方の多様化を受けて、2021年からはこれらの控除額が10万円引き下げられました。給与所得や公的年金所得がある場合、年末調整や年金受給者が受け取る源泉徴収によって一定の金額が控除される仕組みとなっています。

住民税の所得控除

日本の税制では住民税の負担が各市民の生活や経済状況により公平に反映されるよう、いくつかの控除が設定されています。


住民税においては、地域住民一人ひとりの税負担を公平にするための所得控除が設けられています。住民税で適用される所得控除には、以下のものがあります。

  • 基礎控除

    全ての納税者が対象となる控除で合計所得金額が2,400万円以下の場合、最高43万円の控除を受けることができます。

  • 配偶者控除

    控除対象の配偶者がいる場合に受けられる控除です。世帯主の年間所得が1,000万円以下で、配偶者の合計所得が48万以下の場合が対象です。最高控除額は33万円で、配偶者が70歳以上の場合は最高38万円です。

  • 配偶者特別控除

    配偶者特別控除は配偶者を扶養している納税者の所得金額が1,000万円以下で、配偶者の年間所得が48万円超133万円以下の場合に適用される控除です。

  • 扶養控除

    扶養親族がいる場合に適用される控除で、16歳以上の扶養親族が対象です。年齢に応じて控除額が異なります。

  • 障害者控除

    障害者控除は、障害者や特別障害者である配偶者・扶養親族がいる場合に受けられる控除です。

  • 寡婦控除

    寡婦(または寡夫)の場合に適用される控除で、令和3年度からは寡夫控除が廃止され代わりにひとり親控除が創設されました。

  • ひとり親控除

    シングルマザー・シングルファザーなどのひとり親世帯を対象にした控除で、控除額は30万円です。

  • 勤労学生控除

    所得金額が一定額以下の勤労学生が対象で、控除額は26万円です。

  • 雑損控除

    自然災害や人為的な災害での損失に対する控除で、災害関連支出などから控除されます。

  • 医療費控除

    医療費に対する控除で、一定額を超えた医療費に対して控除が適用されます。

  • 社会保険料控除

    国民健康保険料や国民年金料など、各種社会保険料に対する控除です。

  • 小規模企業共済等掛金控除

    小規模企業共済や確定拠出年金などの掛金に対する控除です。

  • 生命保険料控除

    生命保険や個人年金保険などの保険料に対する控除で、住民税では最大7万円の控除が適用されます。

  • 地震保険料控除

    地震保険料に対する控除で、住民税における控除限度額は2.5万円です。

税額控除

日本の住民税制度には、所得控除と税額控除が設けられており、これらは納税者の経済的な負担を軽減することを目的としています。


所得控除は納税者の総所得金額から特定の金額を差し引くことで、課税対象となる所得を減少させる仕組みです。一方税額控除は計算された税額から直接、控除金額を差し引く方法です。税額控除には、以下のものがあります。

  • 配当控除

    配当所得に対して適用される控除です。一定の税率を乗じた金額が控除されます。

  • 外国税額控除

    外国で課税された税金に対して適用される控除です。

  • 寄附金税額控除

    特定の団体への寄附金に対して適用される控除です。ふるさと納税などが代表例で、寄附金額が2,000円を超える場合に適用されます。控除額は寄附先により異なり、基本控除と特例控除が組み合わせて計算されます。

  • 調整控除

    所得税と住民税による人的控除額の差による負担の調整を目的とした控除です。この控除は所得税や住民税の人的控除額の差を調整するために用いられ、納税者の税負担が急激に変動しないように設計されています。調整控除の額は、所得の金額に基づいて計算されます。

転職後にかかる住民税の金額

住民税の課税額は前年の収入を基に決定されるため転職して給与が変わったり、無収入の期間が発生した場合でも直ちに住民税の金額が変動することはありません。


そのため転職後に給与が減ると一時的に住民税の負担が重くなり、逆に給与が増えた場合は負担が軽くなります。なお転職後の収入に基づく住民税の支払いは、翌年6月から始まります。


給与所得者の場合には原則として住民税は給与から天引き(特別徴収)されるため、転職後も新しい勤務先でそのまま特別徴収を継続することが可能です。


ただし引き継ぎにはしばらくかかることがあり手続きが間に合わない場合は一時的に普通徴収(自分で納付する方法)に切り替えるか、前職の会社に依頼して未払い分をまとめて天引きしてもらうこともできます。


前職の会社に住民税の徴収方法について特別な依頼をしない場合、会社側は通常住民税の納付方法を普通徴収へ変更する手続きを行います。


その結果自治体から住民税の納付書が自宅に送付され、個人で納税することになります。その後新しい勤務先に依頼して普通徴収から特別徴収へ切り替えることで、手続きが完了次第、給与からの天引きが再開されます。


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4.転職の有無で住民税の納付方法が変わる

住民税は転職先が決まっていれば特別徴収、決まっていなければ普通徴収で支払うことになります。これから、それぞれのケースについて詳しく見ていきましょう。

転職先が決まっている場合は特別徴収での納付が可能

退職時に転職先が決まっている場合には所定の手続きを行うことで、引き続き特別徴収で住民税を納付することができます。


まず、転職前の会社に「給与支払報告・特別徴収に係る給与所得者異動届出書」を発行してもらいましょう。この届出書の上部には転職前の会社、下部には転職先の会社の情報を記入します。


発行された届出書を転職先の会社を通じて市区町村に提出することで、特別徴収を継続することができます。

転職先が未定の場合は普通徴収で納付

転職先が決まっていないまま退職すると、特別徴収ができなくなり基本的には普通徴収に切り替わります。市区町村から納税通知書が届くので、納期限内に必ず納付を行いましょう。


また退職日によって納付方法が異なる場合があるため、次の章で退職日ごとの具体的な違いについて説明します。

5.退職時期によって変わる住民税の納付方法

住民税の支払期間は毎年「6月から翌年5月」までの1年間です。従業員が1年間で納める住民税の総額(年税額)は、市町村からの住民税通知が届いた時点で確定します。


特別徴収を継続できないまたは実施しない場合は、退職のタイミングに応じて以下の方法で住民税が徴収されます。

1月1日~4月30日に退職した場合

転職以外の理由で退職する場合、未納の住民税は原則として従業員自身が納付する必要があります。


ただし退職日が1月1日から4月30日までの間に該当する場合は、会社が未徴収分の住民税を給与からまとめて徴収しなければなりません。この仕組みを「一括徴収」といいます。


なお退職時の給与や退職金から一括徴収を行った結果、差し引き後の金額がマイナスになってしまう場合その不足分は普通徴収により本人が納付することになります。

5月1日~5月31日に退職した場合

退職日が5月1日から5月31日までの場合、5月分の住民税のみが対象となり通常通りの住民税額が最終給与から徴収されます。

6月1日~12月31日に退職した場合

退職日が6月1日から12月31日までの場合には退職した従業員は、翌年5月までの住民税の納付方法として一括徴収か普通徴収かを選ぶことができます。

6.転職時における住民税の重要ポイント

住民税の計算は所得税に比べて複雑です。手続きをうっかり忘れてしまうと、延滞税が発生することもあるので十分に注意が必要です。

引っ越しをしても住民税の納付先は以前の自治体

住民税は、納税者が住んでいる自治体に支払います。しかし引っ越しをしても、すぐに新しい住所の自治体に納付するわけではありません。住民税は1月1日現在の住所地に対して納めることが決まっているからです。


もし普通徴収に切り替えて納付書で支払う場合には1月1日時点の住所に基づいて、前の住所地の自治体から納付書が送られてきます。

転職によって住民税が二重払いになることはある?

転職前と転職後の職場で住民税が二重に徴収されることはありません。転職時に5月までの住民税を普通徴収または一括徴収で支払うと、転職先では6月分から特別徴収が始まるためです。


また住民税は1月1日時点で居住している自治体に請求されるため、引っ越し前後の自治体が同じ期間の住民税を重複して請求することはなく二重徴収の心配はありません。


万が一誤って納付した場合でも、「過誤納通知書」が自治体から届きます。その通知書に指定された口座情報を記入して返送すれば、後日還付金を受け取ることができます。

前職や転職先の情報が住民税で知られることはある?

転職すると、前の勤務先から受け取った「住民税の決定通知書」を新しい職場に提出しなければなりません。この通知書には前職での給与収入や支払った社会保険料の情報が記載されていますが、会社名は含まれていません。


もし前の勤務先での給与情報を知られたくない場合は、退職時に住民税を普通徴収に切り替えましょう。確定申告を行うことで、その情報が伝わることはないでしょう。


ただし「雇用保険被保険者証」には前の勤務先の情報が含まれているため、この書類が提出されると前職が知られてしまう可能性があります。

住民税の支払いが難しいときの対処法

会社員がフリーランスに転職して所得が減少した場合でも、住民税は前年の所得に基づいて課税されるため住民税が高額になり支払いが困難になることがあります。


もし住民税を支払うことが難しい場合は、市町村の担当者に相談することで分割払いなどの対応をしてもらえる場合があります。支払いが困難だと感じた時点で、早めに相談することが重要です。


さらに震災・風水害・火災などで財産に被害を受けた場合や納税者またはその家族が病気や負傷した場合など特定の条件を満たすと、住民税の免除が適用されることもあります。


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住民税の支払いが遅れると延滞金が発生する

住民税の納期限を過ぎると納期限の翌日から納付日までの期間に応じて、法律で定められた割合で計算された「延滞金」が加算されます。延滞金が発生した場合には元々の税額に加え、延滞金も一緒に支払う必要があります。


ただし計算した延滞金が1,000円未満の場合は、納付の必要はありません。具体的な金額や納付の必要性については、区役所税務課収納担当にお問い合わせください。


またやむを得ない事情で延滞金の支払いが難しい場合、法律や条例で定められた要件を満たすと申請により延滞金が減免されることがあります。


なお延滞金の加算に関しては行政不服審査法による審査請求の対象とはなりませんので、注意が必要です。

延滞金の割合について

納期限の翌日から1ヶ月を経過する日までの期間: 年7.3%

ただし令和3年1月1日以降は毎年の前々年9月から前年8月までの国内銀行の貸出約定平均金利(新規・短期)に、財務大臣が告示した平均貸付割合に年1%を加算した割合(延滞金特例基準割合)にさらに1%を加算した割合


納期限の翌日から1ヶ月を経過した日から納付日までの期間: 年14.6%

ただし令和3年1月1日以降は毎年の前々年9月から前年8月までの期間における国内銀行の新規・短期貸出約定平均金利を基に、財務大臣が告示する平均貸付割合(外部サイト)に年1%を加えた割合(延滞金特例基準割合)にさらに7.3%を加算した割合が適用されます。

転職後に住民税の納付書が届かない場合の対応方法

転職して住民税を普通徴収で支払う場合は、市区町村から送られてくる納付書を使用して納付します。


もし納付書が届かない場合は、自治体の市民税課に連絡して確認してください。納付期限内に住民税を確実に納めるためには、早めに問題に気付くことが重要です。


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7.転職時によくある住民税の疑問

これから、転職時の住民税納付に関するよくある質問をご紹介します。


住民税は期限を過ぎると延滞金が発生するため、注意が必要です。期限内にしっかり納めるために、疑問や不安な点は事前に解消しておくことが大切です。

転職と引っ越しをした場合、住民税はどこに納める?

住民税は、1月1日時点で住民票がある市区町村に課税されます。つまり年の途中で引っ越しをした場合でも、住民税は旧住所の自治体に納めることになります。また、引っ越しによる住民税の納付先変更手続きは特に必要ありません。

転職先で住民税が天引きされていないのはなぜ?

転職先で給与から住民税が差し引かれていない場合、以下のような理由が考えられます。

  • すでに住民税が支払われている

  • 前年に所得がなかった

  • 天引きされない条件を満たしている

例えば3月に退職した場合、5月分までの住民税が退職先から差し引かれます。したがって転職先で4月の給与を受け取る際には住民税は引かれません。また天引きされない条件としては、「給与が毎月支払われていない」や「普通徴収に切り替えられている」などが考えられます。

転職後に住民税の納付書が届いたときの対処法

転職後に特別徴収が切り替わっていない場合、市区町村から納付書が送られてきます。


もし転職後に特別徴収を継続する手続きをしていた場合は、新しい勤務先に確認してみましょう。もし切り替えが完了していない場合は、納付書を使って自分で納税する必要があります。


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8.まとめ

住民税は前年の収入を基に計算され、その年の6月から翌年5月までの1年間にわたって納付する仕組みになっています。会社員の場合通常は特別徴収と呼ばれる方法で、勤務先の企業が毎月の給与から住民税を天引きし、代わりに納付するため、個人が直接納税する手間はほとんどありません。このため会社員は基本的に住民税の支払いを意識することなく、給与から自動的に差し引かれる形で納税を行っています。


転職を予定している場合退職前に次の勤務先が決まっているかどうかが、住民税の納付方法に影響を与えます。新しい勤務先がすぐに決まっている場合、転職先の企業で特別徴収を継続できるかどうかを事前に確認しておくことが重要です。特別徴収が継続できれば従来と同様に給与から自動的に住民税が天引きされるため、大きな負担を感じることなく納税を続けることができます。


一方で転職先が決まる前に退職した場合やフリーランス・個人事業主として独立する場合などは、住民税の納付方法が「普通徴収」に切り替わる可能性があります。この場合、一括納付または年4回(6月末・8月末・10月末・翌年1月末)の分割納付が選択できますが、特別徴収のように給与天引きが行われないため自分でしっかりと管理し期限内に納付する必要があります。


転職や退職を考えている場合は住民税の納付方法について事前に確認し、必要に応じて新しい勤務先で特別徴収を引き継げるかどうかをチェックしておきましょう。もし普通徴収に切り替わる場合には納付のスケジュールを把握し、資金計画を立てておくことが大切です。納付通知が届いてから慌てることのないよう、早めに準備を整えておきましょう。


本記事が皆様にとって少しでもお役に立てますと幸いです。

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目次

1.住民税とは?

住民税は前年の所得に応じて増減する

2.住民税の支払い方法は2種類

3.転職後の住民税はいくらになる?

住民税の算出方法

住民税に関する控除

収入に関連する控除

住民税の所得控除

税額控除

転職後にかかる住民税の金額

4.転職の有無で住民税の納付方法が変わる

転職先が決まっている場合は特別徴収での納付が可能

転職先が未定の場合は普通徴収で納付

5.退職時期によって変わる住民税の納付方法

1月1日~4月30日に退職した場合

5月1日~5月31日に退職した場合

6月1日~12月31日に退職した場合

6.転職時における住民税の重要ポイント

引っ越しをしても住民税の納付先は以前の自治体

転職によって住民税が二重払いになることはある?

前職や転職先の情報が住民税で知られることはある?

住民税の支払いが難しいときの対処法

住民税の支払いが遅れると延滞金が発生する

延滞金の割合について

転職後に住民税の納付書が届かない場合の対応方法

7.転職時によくある住民税の疑問

転職と引っ越しをした場合、住民税はどこに納める?

転職先で住民税が天引きされていないのはなぜ?

転職後に住民税の納付書が届いたときの対処法

8.まとめ