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国民健康保険料の年末調整や確定申告における控除とは?納付期間や控除金額をわかりやすく解説

公開日:2024/11/05最終更新日:2024/11/06

国民健康保険料は個人が国民健康保険に加入している場合に支払う保険料であり、年末調整や確定申告の際には社会保険料控除の対象となります。この控除を受けることで所得税の課税対象額を減少させることができ、結果的に税負担が軽減されるため多くの方にとって重要な制度です。


そこで本記事では、国民健康保険料の控除を受ける際に知っておくべき基本的な情報を詳しく説明します。まず控除の対象となる期間についてですが、通常はその年の1月1日から12月31日までに支払った国民健康保険料が対象となります。したがって、年度ごとにしっかりと支払額を把握しておくことが重要です。


国民健康保険に加入している方やご家族の国民健康保険料を負担している方は、年末調整や確定申告を行う際にこれらの控除をしっかりと活用することで税金の負担を軽減することができます。したがって国民健康保険料に関する正確な情報を把握し必要書類を準備することで、スムーズに控除を受けられるようにしましょう。


国民健康保険料に関する基本的な知識を持っておくことで税務手続きがより効率的に行えるようになりますので、ぜひこの記事を参考にして年末調整や確定申告に備えてください。


1.国民健康保険とは何か

国民健康保険は日頃から一定の保険料を支払うことで、病気やケガの際に自己負担分のみで診察や入院ができる仕組みです。企業に雇用されている際に加入する社会保険(健康保険)とは異なり、国民健康保険は市区町村が運営するものや建設業や医師・歯科医師など特定の職業・業種によって加入できる国民健康保険組合の2つに分かれます。


国民健康保険では配偶者や子供が加入する場合には人数に応じて保険料を支払う必要がある点や出産手当金や傷病手当金が支給されない点など、受けられる給付内容に違いがあります。国民健康保険組合に加入している場合は、組合によって給付内容が異なることがあります。

2.年末調整における社会保険料控除と国民健康保険の関係

国民健康保険に加入して支払った保険料は、年末調整の際に社会保険料控除として申告できます。社会保険料控除は所得控除(課税対象となる所得額を計算する際に一定の金額を所得から差し引くことができる制度)の一種で、年末調整時に支払った保険料を所得から差し引くことで最終的に支払う所得税や住民税が軽減されます。


社会保険料控除の対象としてよく挙げられるものには国民健康保険料・健康保険料・厚生年金保険・国民年金保険料・介護保険料・後期高齢者医療保険料・国民年金基金の掛金などがあります。

3.年末調整での国民健康保険料控除における注意点

国民健康保険で配偶者の保険料を代わりに支払っている場合や、控除証明書が手元にない場合の注意点について解説します。

控除のためには証明書の提出が必要?

国民健康保険料を社会保険料控除として申請する際、控除証明書は必要ありません。例えば年の前半に就職活動をしていて国民健康保険料を支払って後半に就職して会社勤めになった場合、年末調整で国民健康保険料の控除を申告できます。


その際必要な書類に支払った保険料の合計額を記入すれば、控除を受けられます。


会社から支払った保険料の証明を求められた場合は、市区町村から送付された納税通知書(納付済証明書など名称は市区町村によって異なります)・振込履歴・領収書などを提出してください。支払った金額が不明な場合は、市区町村の窓口で納付証明書を発行してもらえます。証明書の申請は郵送でも可能ですので、詳細は市区町村のホームページなどで確認してください。


なお同じ社会保険料控除でも国民年金保険料・国民年金基金の掛け金を申請する際は、控除証明書の添付が必要ですので注意が必要です。


控除証明書の必要性は以下の通りです。

  • 国民健康保険料:不要

  • 後期高齢者医療保険料:不要

  • 介護保険料:不要

  • 国民年金保険料:必要

  • 国民年金基金の掛け金:必要

納税通知書の名義人(世帯主)と実際の納付者(妻など)が異なる場合の扱い

市区町村から世帯に送られる納税通知書(納付証明書)の名義と実際に保険料を支払った人が異なる場合でも、国民健康保険料の控除を受けることができます。この場合、控除の対象は実際に支払った方になります。


例えば世帯主のAさんとその妻Bさんがいるとします。この場合納税通知書はAさん名義で送付されますが、実際にはAさんとBさんはそれぞれ自分の保険料を支払っています。


このような場合、Bさんは実際に支払った金額を社会保険料控除として申告できます。


ただし配偶者や家族が受け取る年金から差し引かれる国民健康保険料(特別徴収)は、その年金を受け取る家族本人の社会保険料控除の対象となります。また夫が妻の国民健康保険料を自動引き落としで支払っている場合には夫が口座振替で支払ったのであれば、夫の控除の対象になることも忘れないようにしましょう。


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4.国民健康保険料も所得控除の対象になる

日本では、原則としてすべての国民が公的な医療保険に加入する必要がある「国民皆保険制度」が存在します。その中に国民健康保険が含まれており、加入者は国民健康保険料を支払います。


この支払った保険料は、年末調整のないフリーランスなどの方は確定申告の際に所得控除として申告することが可能です。

国民健康保険の対象者

国民健康保険は日本国内に住んでいる74歳以下の人々が加入を義務づけられている公的な保険制度です。国民健康保険の主な対象者は次のようになります。

  • 個人事業主

  • 社会保険に加入していない事業所に勤める人

  • 農業や漁業を営む人

  • 無職の人

  • 年金を受給し、一定以上の所得がある人

  • 国民健康保険の加入者と同居している配偶者やその他の親族

  • 外国籍で、日本に3か月以上滞在する人

なお職場の健康保険組合に加入している会社員・後期高齢者医療制度に加入している人、生活保護を受けている人などは対象外となります。また国民健康保険には「扶養」の概念がないため、加入者それぞれが保険料を負担しなければなりません。

支払った国民健康保険料は所得控除の対象に含まれる

支払った国民健康保険料は、所得控除の対象となります。年末調整や確定申告で所得控除を利用できれば所得税や住民税の額が軽減され、結果として節税効果が得られます。


なお確定申告で利用できる所得控除には基礎控除・社会保険料控除・扶養控除・寄附金控除(ふるさと納税など)・医療費控除など15種類があり、それぞれの条件を満たすことで控除を受けることが可能です。国民健康保険料に関しては、社会保険料控除を適用することができます。

社会保険料控除で差し引かれる額

確定申告で社会保険料控除が適用されると、1年間に支払った国民健康保険料の全額を所得から差し引くことができます。この控除は納税者自身だけでなく、納税者と生計を共にする配偶者やその他の親族が支払った社会保険料にも適用されます。


さらに国民健康保険料については、年金受給者の場合には多くは保険料が公的年金から自動的に引かれていますがこの引かれた分も所得から控除することが可能です。

6.控除対象となる社会保険料の種類と必要な書類について

確定申告で控除の対象となる社会保険料は、国民健康保険料以外にも多くの種類があります。控除を受けるためには保険料の種類ごとに、1年間に支払った金額を確定申告書に記入する必要があります。


そこで社会保険料の種類ごとに、確定申告の際に必要な書類や手続きについて見ていきましょう。

国民健康保険料の場合

国民健康保険では保険料の控除証明書が発行されないため、確定申告の際に証明書を添付する必要はありません。支払った金額は住所地の自治体から送られる納付額確認書や納付額のお知らせ(市区町村によって名称が異なる場合があります)・領収書・通帳の履歴などで確認できます。


また75歳以上の方の場合、後期高齢者医療保険料が社会保険料控除の対象となります。

国民年金保険料の場合

国民年金保険料については日本年金機構から送付される保険料の控除証明書を確定申告に添付することで、社会保険料控除を受けることができます。


国民年金保険料は全ての加入者が月に16,980円(2024年度)の支払いが定められています。前納割引が適用される場合金額が異なることがありますが、通常は年間約20万円を所得から控除することが可能です。

厚生年金保険料の場合

厚生年金保険は企業に勤務する会社員が加入する保険であるため、通常、加入者は保険料に関して確定申告を行う必要はありません。しかし、年の途中で勤務先を退職した場合は手続きが必要になります。


退職した会社から源泉徴収票を発行してもらいその源泉徴収票に記載されている「社会保険料の金額」に、自身が退職後に支払った国民健康保険や国民年金などを加えて確定申告に反映させる必要があります。そうすることで、所得から控除を受けることができます。

介護保険料の場合

介護保険については保険料の控除証明書が発行されないため、住所地の自治体から送付される納付額のお知らせ(自治体によって名称が異なる場合があります)で金額を確認します。40歳から65歳未満の国民健康保険加入者の場合介護保険料は国民健康保険料に含まれているため、国民健康保険料を控除することで介護保険料に関する手続きは不要です。


また65歳以上の方は、公的年金から差し引かれた介護保険料を控除することが可能です。ただし「公的年金以外に不動産所得がある」場合は、普通徴収(納付書での支払いまたは口座振替)となるため注意が必要です。


差し引かれた介護保険料と納付書や口座振替で支払った介護保険料の合計額が、社会保険料控除の対象として所得控除に含まれます。

労働保険料の場合

労働保険は労災保険と雇用保険の2種類の保険を総称したもので、これらの保険料を合わせて労働保険料と呼びます。企業に勤める会社員が加入している場合、通常保険料に関して確定申告を行う必要はありません。


しかし勤務先を年の途中で退職し、年内に次の職場が決まっていない場合は確定申告が必要となります。退職した会社から源泉徴収票を発行してもらうとその源泉徴収票には「社会保険料等の金額」として、勤務中に差し引かれた社会保険料や厚生年金保険料がまとめて記載されています。


これを確定申告に反映させることで、所得から控除を受けることが可能です。


また労災保険については中小企業の役員や一人親方なども特別加入ができるため、その場合は支払った労災保険料を確定申告で控除する必要があります。

国民年金基金の掛金の場合

国民年金基金は国民年金に追加して掛金を支払うことで、老後に受け取る年金額を増やすことができる制度です。この制度は主に個人事業主を対象としており、掛金は所得控除の対象となります。


国民年金基金連合会から控除証明書が送られてくるため、確定申告の際にはその証明書を添付する必要があります。

厚生年金基金の掛金の場合

厚生年金基金は厚生年金に掛金を追加で支払うことで、老後に受け取る年金額を増やすことができる制度です。この制度は企業が運用しているため主に企業に勤める会社員が対象となり、通常は労使折半で掛金を負担します。


一般的に、加入者は保険料に関して確定申告を行う必要はありません。しかし勤務先を年の途中で退職し、その年内に新たな職場が決まらない場合は手続きが必要です。


退職した会社から源泉徴収票を発行してもらうと、その票には「社会保険料等の金額」として、勤務中に差し引かれた社会保険料や厚生年金保険料がまとめて記載されています。

この情報を確定申告に含めることで、所得から控除を受けることができます。

6.控除対象となる納付期間は?

社会保険料控除の対象となる納付期間は年末調整の場合はその年の1月1日から12月31日まで、確定申告の場合は手続きを行う年の前年の1月1日から12月31日までとなります。この期間中に納付した保険料が社会保険料控除の対象になり、前倒し(前納)した保険料も含まれます。


例えば12月に翌年の3月分までの国民健康保険料を支払った場合、その全額を社会保険料控除に含めて申告することが可能です。


申告書に記載すべき保険料の期間が不明な場合は口座履歴や領収書を確認し、前年の1月から12月までに支払った金額を調べることをおすすめします。

7.控除される金額の例

社会保険料控除は生命保険料控除とは異なり、控除される金額に上限が設けられていません。したがって、支払った国民健康保険料をすべて控除して申告することが可能です。


控除が税金額にどのような影響を与えるか、社会保険料控除を申請した場合と申請しなかった場合の比較を見てみましょう。


【年の途中で退職したAさん(介護保険料なし/東京都在住)の事例】

以下のように仮定します。計算は概算です。

9月末に退職

前年の給与総額は530万円、今年の給与総額は530÷12ヶ月間×9ヶ月間≒400万円とする。

給与総額に対する源泉所得税額は約18万円(20,090円×9ヶ月間≒18万円)

給与から天引きされた健康保険料は約20万円(21,956円×9ヶ月間≒20万円)

給与から天引きされた厚生年金保険料は約36万円(40,260×9ヶ月間≒36万円)

退職後に支払った国民健康保険料は約11万円

[前年の給与収入ー給与所得控除(530万円×20%+44万円=150万円)=380万円]より約11万円(約37,000円×3ヶ月間)

社会保険料控除で国民健康保険料を申告しなかった場合の影響

給与の収入金額から今年の給与所得控除(400万円×20%+44万円=124万円)を適用した後の所得金額は「276万円」となります。さらにここから、基礎控除48万円と支払った社会保険料約56万円(20万円+36万円)を引きます。


この際、退職後に支払った国民健康保険料は申請しなかったものとします。


所得金額の276万円から基礎控除48万円と社会保険料控除約56万円を差し引くと、課税対象の給与所得金額は約172万円となります。これが所得税額を計算するもととなります。


所得税額の速算表に基づき、税率5%で計算すると税額は約8.6万円になります。これに復興特別所得税を考慮すると約8.8万円がAさんが支払うべき税額となります。


Aさんはすでに約18万円が雇用されていた時期に源泉徴収されているため、約18万円から約8.8万円を差し引いた約9.2万円が還付されることになります。


上記計算をまとめた表が以下になります。

項目

金額(概算)

収入金額等

400万円

所得金額

276万円

基礎控除

48万円

社会保険料控除

56万円

課税給与所得金額

172万円

納税額

8.8万円

還付金

9.2万円

社会保険料控除で国民健康保険料を申告した場合

確定申告の際にAさんが3か月間に支払った約11万円を社会保険料控除に含めると、控除額が増加し支払うべき税額が減少します。課税対象の給与所得金額は276万円-48万円-67万円=161万円となり、所得税額は約8.1万円です。復興特別所得税を考慮すると、本来支払うべき税額は約8.2万円です。


その結果還付金は約9.8万円となり、国民健康保険料を控除申告しなかった場合よりも多く還付されることになります。もしより生計を共にする親族の分も負担していた場合、控除額はさらに大きくなります。


税額に与える影響は大きいため、国民健康保険料もしっかりと控除して申告することが推奨されます。


上記計算をまとめた表が以下になります。

項目

金額

収入金額等

400万円

所得金額

276万円

基礎控除

48万円

社会保険料控除

67万円

課税給与所得金額

161万円

納税額

8.2万円

還付金

9.8万円

8.国民健康保険料の控除は確定申告が不要な場合もある

支払った国民健康保険料に対して所得控除を受ける際には一般的に確定申告が求められますが、特定の条件下では申告を行わなくても良い場合があります。これから、確定申告が必要なケースと不要なケースについて説明します。

確定申告が必要となるケース

国民健康保険に加入している個人事業主などは年末調整を受けないため、確定申告が必須です。また企業に所属している人でも、以下のような状況では確定申告が必要となります。

  • 給与の収入金額が2,000万円を超える場合

  • 給与を1か所から受け取りそのすべてが源泉徴収の対象である場合に、給与所得や退職所得以外の所得が20万円を超える場合(例:1か所から給与を受け取っていて、公的年金による収入金額が80万円(65歳以上または昭和34年1月1日以前生まれの場合は130万円)を超える場合)

  • 2か所以上の勤務先から給与を受け取りすべてが源泉徴収対象で、年末調整されなかった給与と給与・退職所得以外の所得の合計が20万円を超える場合 ※ただし、給与所得の合計から控除(雑損控除、医療費控除、寄附金控除、基礎控除を除く)を差し引いた金額が150万円以下でかつ給与・退職所得以外の所得が20万円以下の場合は、申告不要です。

  • 同族会社の役員や親族で同族会社からの給与のほかに貸付金の利子・賃貸料・機械使用料などを受け取っている場合

  • 給与について、災害減免法により所得税の源泉徴収額の徴収猶予や還付を受けた場合

  • 在日の外国公館で働く人や家事使用人で、給与支払い時に所得税が源泉徴収されない場合

他にも確定申告でしか受けられない控除を適用する場合も必要です。医療費控除や初年度の住宅ローン控除などは、確定申告を通じてのみ適用されます。


そのため年末調整を受けていても、確定申告を行う必要があります。

確定申告が不要なケース

勤務先で年末調整が行われている人が同じ世帯の家族の国民健康保険料を支払っている場合などは、確定申告を行う必要はありません。国民健康保険料の控除証明書を会社に提出すれば、確定申告をせずに年末調整で所得控除を受けることができます。


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9.国民健康保険料に関する確定申告の手順

この章では確定申告において国民健康保険料の所得控除を受けるために必要な書類や、申告手続きの流れについて説明します。

必要書類の準備

国民健康保険料の所得控除を受けるために確定申告を行う際は、確定申告書や本人確認書類などが必要になります。

確定申告書

国民健康保険料の所得控除を受けるためには、確定申告書のフォーマットを取得する必要があります。取得方法としては国税庁のウェブサイトからダウンロードするか、最寄りの税務署に直接取りに行くことが考えられます。


e-Taxを利用する場合はインターネットを通じて手続きを行えるため、確定申告書を別途入手する必要はありません。

本人確認書類

国民健康保険料の所得控除を受けるためには、本人確認書類と個人番号を確認できる書類が必要です。マイナンバーカードを持っている場合はこれ一枚で両方の確認ができます。


マイナンバーカードがない場合は、マイナンバーを証明する書類と本人確認書類のコピーをそれぞれ用意する必要があります。


マイナンバーカードがない場合のマイナンバー確認書類と本人確認書類は以下の通りです。


マイナンバー確認書類

  • マイナンバーが記載された住民票の写しまたは住民票記載事項証明書

  • 通知カード


本人確認書類

  • 運転免許証または運転経歴証明書(2012年4月1日以降に発行されたもの)

  • パスポート

  • 身体障害者手帳

  • 精神障害者保健福祉手帳

  • 愛の手帳(療育手帳)

  • 在留カード

  • 特別永住者証明書

  • その他、官公署から発行された書類やそれに類する書類

納付額の通知

自治体から送られてくる納付額のお知らせを確認する必要があります。国民健康保険料については支払い証明書が発行されないため、確定申告の際に添付する必要はありません。


ただし、1年間に支払った金額は確定申告書に記入しなければなりません。合計金額を確認したい場合は納付額のお知らせや納付額確認書・領収書・通帳の履歴を参考にしましょう。

確定申告書に控除額を記載する

確定申告書を作成する際には、国民健康保険料の所得控除額を記入する必要があります。具体的には申告書の第一表の「社会保険料控除(13)」欄に記入します。


この欄には国民健康保険料や国民年金保険料など、社会保険料控除の対象となる項目の合計金額を記載します。


また、確定申告書の第二表にも「社会保険料控除(13)」欄が存在します。こちらでは控除を受ける社会保険料の種類ごとに名称や支払保険料を記入する必要がありますので、忘れずに記載することが重要です。


確定申告を作成する際の流れとしてはまず確定申告書の第二表に控除対象の社会保険料の種類別に名称や支払保険料を記載しその合計額を第一表の「社会保険料控除(13)」欄に転記する方法が、ミスを避けるためには効果的です。

10.確定申告の期限について

確定申告の締切は、毎年申告対象となる年の翌年2月16日から3月15日までです。もし締切日が土日祝日と重なる場合は、次の平日が締切日となります。


提出方法についてはe-Tax・郵送・税務署に直接持参するという選択肢があります。提出方法によって若干の提出期限の違いがあるため、遅れないように注意して提出を行いましょう。


提出方法ごとの確定申告の締切は以下の通りです。

  • e-Taxを利用する場合: 3月15日の23時59分まで

  • 税務署に持参する場合: 3月15日の閉庁後、次の開庁日までの間に時間外収受箱に投函

  • 郵送する場合: 3月15日の消印が必要です。

11.還付金または納税の流れ

確定申告を行った後還付金が発生する場合は、申告書に記載した金融機関の口座に振り込まれます。振込日は、税務署に書類を提出してから約1か月から1か月半後となります。


一方で所得税の納税額が不足している場合は追加の納税が必要となり、その期限は確定申告書の提出期限と同じです。ただし振替納税の場合は異なる日程が設定されているため、国税庁の「主な国税の納期限(法定納期限)」を確認することをおすすめします。


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12.まとめ

国民健康保険料は一般的に会社を退職した後などに、個人として支払う必要がある保険料です。これは退職後に会社の健康保険から脱退することによって、国民健康保険に加入することが義務付けられるためです。


そのため国民健康保険料の控除を受けるためには、自分が納めた保険料をしっかり把握し年末調整や確定申告の際に正確に申告することが非常に重要です。


控除を受ける際には、支払った国民健康保険料の金額を明確にしておく必要があります。この情報を把握することで、控除を申請する際の根拠となります。


また納税通知書や領収書など保険料の支払いを証明する書類を手元に用意しておくことも、申告を円滑に進めるためには大切です。


国民健康保険料の控除を適切に活用することで税金の支払いが軽減されるだけでなく、経済的な負担も軽くなります。退職後の生活を安定させるためにも、これらの手続きは怠らずに行いましょう。


本記事が皆様にとって少しでもお役に立てますと幸いです。

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