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確定申告で予定納税額がわからない人必見!確認方法や通知書が来ない人、紛失した場合の対処法を解説

公開日:2025/04/02最終更新日:2025/04/02

確定申告の予定納税額がわからない場合にはどうすればよいでしょうか。


確定申告の予定納税額が確認できる所得税の予定納税額の通知書は、対象となる人にのみ送付されます。もし予定納税の対象であるにも関わらず通知書が届かない場合、どう対処すればよいのでしょうか。


この記事では予定納税額の通知書が届くタイミングやもし届かない場合の対応方法などについて詳しく説明します。

目次

1.所得税の予定納税とは

予定納税とはその年の5月15日時点で確定している前年の所得金額や税額を基に算出された「予定納税基準額」が15万円以上の方を対象とした制度です。


これは一度に税金を納める際の負担を軽減し国の歳入を安定させることを目的としており、その年の所得税および復興特別所得税の一部を事前に納付する仕組みとなっています。


翌年の確定申告では、申告書で算出した税額から予定納税額を差し引き税金の過不足を調整することになります。

2.確定申告で予定納税額がわからない場合には予定納税額の通知書などで確認

確定申告で予定納税額がわからない場合には予定納税額の通知書などで確認できます。この章では確認方法を解説します。

「予定納税通知書」の内容をチェックする

予定納税の対象となる場合、6月中旬までに「予定納税額の通知書」が送付されます。それを確認すれば予定納税額がわかります。予定納税の通知書は、前年の確定所得金額を基に計算された予定納税基準額が5月15日時点で15万円以上となる納税者に送付されます。

納付書の控えを確認する

予定納税を銀行やコンビニで支払った場合、納付した証明として控えが渡されます。確定申告の際などに必要になるので、控えは一緒に保管しておくと便利です。

銀行口座の取引履歴を確認する

予定納税を口座振替で行った場合、通帳やインターネットバンキングの取引履歴で振替の記録を確認することができます。

3.令和5年から予定納税通知書が来ない人がいる?

国税庁は令和5年1月から予定納税基準額が5月15日時点で15万円以上だとしても希望者に対して、予定納税等通知書の送付を中止することとしました。


また令和6年5月以降は基本的に国税の納付書の事前送付を停止し、キャッシュレス化を進めています。

令和5年以降、予定納税額の確認方法がe-Taxに?

令和5年1月以降、e-Taxを利用して申告した場合には予定納税額の通知がe-Taxを通じて行われるようになりました。通知の時期は毎年6月中旬頃です。


さらに令和5年6月以降に予定納税額の減額申請書をe-Taxで申告した場合も、同様にe-Taxを通じて通知されるようになりました。予定納税額の通知書や減額申請承認通知書をe-Taxで受け取りたい場合の申請方法は以下の通りです。

予定納税等通知書

  1. e-TaxのWebサイトにログインし、電子証明書を使って申告書等を作成します。

  2. 「この申告書に係る通知等がある場合、e-Taxによる通知を希望します。」欄を選択します。

  3. e-Taxで送信します。

予定納税額の減額申請承認等通知書

  1. e-Taxのwebサイトにログインし、電子証明書を使って減額申請書を作成します。

  2. 「この予定納税額の減額申請書に対する通知書について、e-Taxによる通知を希望します。」欄を選択します。

  3. e-Taxで送信します。

なお電子証明書を利用するためには、e-Taxのアカウント作成とログインが必要です。

令和6年5月から国税納付書の事前送付が廃止に

令和6年5月から、法人税や所得税などの国税納付書の事前送付が順次廃止されることになりました。その理由として国税庁が進めるキャッシュレス化の推進や、社会全体の効率化そして行政コストの削減が挙げられています。

国税の納付書が送付されなくなる対象者とは?

令和6年5月から国税の納付書の送付が廃止される対象者は以下の通りです。

  • e-Taxで申告書を提出している法人

  • e-Taxによる申告書提出が義務付けられている法人

  • e-Taxで「予定納税額の通知書」の通知を希望した個人

  • 以下の方法で納付している法人・個人

ダイレクト納付(e-Taxによる口座振替)

振替納税

インターネットバンキング等を使った納付

クレジットカード納付

スマホアプリを使った納付

コンビニ納付(QRコード)


上記のような納付方法を利用している方が対象となりますが、すべての納税者が納付書を受け取らないわけではありません。


もしe-Taxを利用せずに納付書を使って納付したい場合は、引き続き税務署から納付書が送付されます。

4.確定申告の予定納税額の確認方法

予定納税等通知書が届かない場合でも、e-Taxを通じて納税額などの確認ができます。また通知書が届かない場合の納付方法としては、キャッシュレス納付の選択肢がいくつかありますのでご自身に最適な方法を選びましょう。

予定納税の確認方法

予定納税等通知書の確認手順は以下の通りです。

  1. e-TaxのWebサイトからWeb版ソフトにログインします。

  2. 「通知書等」メニューを選択します。

  3. 「通知書等一覧」画面で「予定納税等通知書」を確認します。

減額申請の承認等通知書の確認手順は以下の通りです。

  1. e-TaxのWebサイトからWeb版ソフトにログインします。

  2. 「通知書等」メニューを選択します。

  3. 「通知書等一覧」画面で「減額申請の承認等通知書」を確認します。

e-Taxを通じて確定申告や減免申請を行い通知も希望した場合には、上記の「通知書等一覧」から確認できます。

5.所得税の予定納税を行うタイミング

予定納税では所得税の予定納税基準額の3分の1にあたる金額を、7月(第1期)および11月(第2期)の期間内に納付する必要があります

6.予定納税額と確定申告時の最終納税額の関係

所得税の予定納税額は税務署から送られてくる通知書に記載されているため、自分で計算する必要はありません。基本的には予定納税基準額の3分の1を第1期(7月)と第2期(11月)に分けて納付し、確定申告時に残りの金額を納めます。


例えば前年分の確定申告時の納税額が45万円の場合には1期分として15万円・2期分として15万円を支払い、残りの15万円を確定申告で納付します。ただし次のような場合には前年の所得税額が予定納税基準額に該当しないため、注意が必要です。

  • 前年の所得に「山林所得」「退職所得(分離課税対象のものを除く)」「譲渡所得」「一時所得」「雑所得」「平均課税の臨時所得」などが含まれている場合

  • 前年の所得に対して外国税額控除を適用している場合

  • 前年の所得税に関して災害減免法の規定が適用されている場合

なお2024年分の所得税には定額減税が適用されるため、予定納税額の通知書には予定納税額から予定納税特別控除額(本人分3万円)が差し引かれた金額が記載されています。

7.予定納税で納めすぎた所得税は還付される

所得税の予定納税は前年の税額を基準にしているため前年と比較して所得が大幅に減少し、予定納税で支払った金額が実際の納税額を上回った場合は確定申告または還付申告を行うことでその差額が還付されます。


また所得税の予定納税をしていた個人事業主が廃業などで確定申告をしなかった場合でも、5年以内に申告すれば払いすぎた税金を取り戻すことができます。


さらに還付時には還付加算金が付与されます。この金利は銀行の預金金利よりも高いことが多いため、資金に余裕がある場合は減額申請をせずに還付加算金を受け取るという方法も有効です。


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8.予定納税の納付方法

予定納税の支払い方法にはいくつかの選択肢があります。もちろんキャッシュレス納付の方式もあり、これらは現金を使わず残高の確認さえすれば支払い時間を気にせずに済みます。


e-Taxを利用した電子納税を行うためには、事前に国税庁のサイトでe-Taxの利用開始手続きを行う必要があります。そこで、利用者識別番号やパスワードを準備しておきましょう。


さらに、電子納税には「納税用確認番号」が必要です。この番号は利用者識別番号とともに本人確認のために使用され、e-Taxに初めてログインした際に自分で決める6桁の任意の数字です。

e-Taxを利用したダイレクト納付【キャッシュレス納付】

ダイレクト納付は、納税者の銀行口座から「即時」または「指定した日」に自動で税金が引き落とされる納付方法です。事前に「ダイレクト納付利用届出書」をオンラインまたは書面で提出し、その後e-Taxのメッセージボックスなどで「登録完了」の通知を受け取ると、利用できるようになります。


e-Taxを通じてダイレクト納付を選択し「今すぐ納付」を行うか、「納付日を指定して納付」を選ぶことで納税を完了させます。

e-Taxを利用したインターネットバンキング【キャッシュレス納付】

インターネットバンキングや金融機関のATMを通じて納付する方法もあります。利用できるのは「ペイジー」に対応している金融機関に限られますが、ほとんどの金融機関が対応しています。


e-Taxの利用登録が完了していれば、各金融機関のウェブサイトやATMの案内に従って納付することができます。

クレジットカードを使った納付【キャッシュレス納付】

インターネットを使用して「国税クレジットカードお支払いサイト」から納付する方法です。カード会社を通じて決済が行われるため、税額に応じて決済手数料(10,000円ごとに99円)が発生します。例えばこの金額の場合、氏名や住所などの情報を入力して支払い手続きに進みます。

スマートフォンアプリで納付(30万円まで)(e-Tax等)【キャッシュレス納付】

スマートフォンを使って「国税スマートフォン決済専用サイト」からまたはe-Taxを利用して受信通知からアクセスし、〇〇Payなどのスマホアプリを使って支払う方法です。


支払える金額は最大30万円までで、事前に残高確認が必要です。現在、次のPayサービスで納付が可能です(全7種類)。

  • PayPay

  • d払い

  • auPay

  • LINE Pay

  • メルPay

  • amazonPay

  • 楽天Pay

コンビニでの納付(30万円まで)

国税庁のWebサイトで提供されている作成システムを使って、「QRコード」を生成しそれを印刷してコンビニエンスストアで支払う方法です。支払える金額は最大30万円までで、現金での支払いが必要です。現在、以下のコンビニで納付が可能です。

  • ローソン

  • ナチュラルローソン

  • ミニストップ

  • ファミリーマート

金融機関または税務署で直接納付

納期限内に、金融機関や管轄の税務署で現金を使って納付書を添えて支払う方法です。納付書が手元にない場合は、税務署や管轄税務署の窓口にある納付書を利用します。


金融機関で支払う場合は、各窓口の営業時間内に支払いを行う必要があります。税務署での納付は土日祝日を除き、朝8時30分から夕方5時までの間に行われます。

口座振替による納付(振替納税)【キャッシュレス納付】

納税者名義の銀行口座から口座振替により納税する方法です。


利用する場合、納期限までにe-Taxまたは書面で振替納税の依頼書を提出する必要があります。振替日は事前に定められており、令和6年の場合には第1期は9月30日・第2期は12月2日に指定された口座から引き落とされます。

9.予定納税をしないと延滞税が発生する

予定納税の対象者が指定された期日内に税金を納めなかった場合、税額に延滞税が加算されます。予定納税対象者には、年に2回の予定納税と確定申告時の3回に分けて税金を納める義務があるため期日を忘れずに納税を行いましょう。


予定納税を行わなかった場合の延滞税は、延滞した期間に応じて以下の通りに計算されます。

納期限の翌日から2か月以内の延滞

延滞税は、「年率7.3%」または「延滞税特例基準割合+1.0%」のいずれか低い割合が適用されます。


延滞税特例基準割合は、財務大臣が告示した基準に年1%を加えた割合で計算されます。


2024年1月1日から12月31日までの場合、2か月以内の延滞に対する税率は年2.4%となります。

納期限の翌日から2か月を超えた場合の延滞

「年率14.6%」または「延滞税特例基準割合+7.3%」のいずれか低い割合が適用されます。2024年1月1日から12月31日までの場合、2か月を超える延滞に対する税率は年8.7%となります。


例えば、60万円の税金を50日間延滞した場合の延滞税の計算は以下の通りです。

(60万円×2.4%×50日)÷365日=1,972円(1円未満切り捨て)

延滞税は100円未満を切り捨てるため、この例では実際の延滞税は1,900円となります。2か月を超えて延滞した場合は最初の2か月分とその後の延滞分を別々に計算し、合計してから100円未満の端数を切り捨てます。


延滞税は毎日発生するため予定納税を忘れてしまった場合は、早急に納付することが重要です。


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10.予定納税の減額申請

当年の所得税額が予定納税額を下回る見込みの場合、予定納税の減額申請を行うことができます。


予定納税額は前年の所得税額をもとに決定されますが、前年の所得水準が今年も維持されるとは限りません。廃業や病気、業績不振などの影響で所得が減少する可能性も考えられます。


払い過ぎた予定納税額は後に還付を受けることができますが、収入が減少していると納税自体が負担になることもあります。そのため一定の条件を満たせば、予定納税の減額を申請できる制度が設けられています。


この章では、予定納税の減額申請の対象者や申請手順について詳しく見ていきましょう。

減額申請が可能な対象者

予定納税は一定の条件を満たせば減額申請が可能です。以下のいずれかに該当する場合、減額申請の対象となります。予定納税の減額申請が可能なケースは以下の通りです。

  • 廃業・休業・失業 した場合

  • 業績不振などにより、前年よりも所得が大幅に減少する見込みの場合

  • 災害・盗難・横領により、事業用資産などに損害を受けた場合

  • 所得控除や税額控除の増加により、所得税額が減少する見込みの場合

所得控除や税額控除にはさまざまな種類があります。


例えば災害や盗難による「雑損控除」、医療費が多くかかった場合の「医療費控除」、住宅購入時に適用される「住宅借入金等特別控除」などが挙げられます。これらの控除を受けることで所得税が減少する可能性がある場合、予定納税の減額申請ができる可能性があります。


また特別な事情がある場合も、減額申請が認められることがあります。所轄の税務署などに相談しましょう。

減額申請の具体的な手続き方法

減額申請の手続きは、所轄の税務署に 「予定納税額の減額申請書」 を提出することで行います。この申請書は、国税庁のWebサイトからダウンロードできます。


申請書には減額を希望する理由 に加え、申告納税見積額等の計算書 を記入する必要があります。所得などを基に予定納税額を算出し、正確な数値を記載しましょう。


また申請時には、計算の根拠となる損益計算書などの資料を添付する必要があります。提出前に必要書類がそろっているか確認しましょう。減額申請の手続き期限は、以下のとおりです。

  • 第1期分と第2期分の両方を申請する場合:その年の 7月15日

  • 第2期分のみ申請する場合:その年の 11月15日

※ 期限日が土日祝日にあたる場合は、翌営業日まで延長されます。


申請方法は、e-Taxの電子申請・税務署への持参・郵送 のいずれかを選択できます。申請後税務署から 「承認」「一部承認」「却下」 のいずれかの通知が届きます。減額申請が認められなかった場合は、予定納税額がそのままとなるため必ず結果を確認してから納税を行いましょう。

減額申請をしない方がよいケースとは?

減額申請が可能な場合でも、申請しない方がよいケースがあります。


予定納税額が実際の税額を超えている場合、確定申告をすることで超過分の還付を受けられます。その際還付加算金(一定の利息のようなもの)も加算されるため、減額申請をせずに予定納税を行うことで結果的に還付額が増える可能性があります。


なお減額申請は予定納税額を軽減する制度であり、所得税自体を減らすものではありません。申請には一定の手続きが必要となるため、資金的に余裕がある場合はあえて申請せずに納税するという選択肢もあります。


ただし還付加算金は雑所得として扱われるため、翌年の確定申告での計上を忘れないようにしましょう。

11.予定納税額の通知書が届かない場合の対処法

予定納税の対象となる納税者には、毎年6月中旬頃に予定納税額を記載した通知書が送付されます。予定納税額の通知書が届くはずなのに、6月中旬を過ぎても通知書が届かない場合はどのように対応すればよいのでしょうか。


本章では、予定納税通知書が届かない際に確認すべきポイントや適切な対処方法について解説します。

e-Taxで「予定納税額の通知書」の送付希望を確認する

令和5年1月以降にe-Taxで申告書を提出した方が、予定納税の通知をe-Taxで受け取る設定をした場合には紙の通知書は送付されません。


申告書作成時に『この申告書に係る通知等がある場合、e-Taxによる通知を希望します。』を選択すると、e-Tax経由での通知希望とみなされます。


意図せず設定していた可能性もあるため、e-Taxのメッセージボックスに通知が届いていないか確認しましょう。

納付書を使わずに納税した可能性を確認する

過去の確定申告や予定納税で納付書を使用せずに納税した場合、次回以降の予定納税の納付書は送付されません。具体的には、以下の方法で納付した場合が該当します。

  • 振替納税

  • ダイレクト納付

  • インターネットバンキングでの納付

  • クレジットカード納付

  • コンビニ納付

  • スマホアプリ納付

予定納税は納付書を使用しなくても行えるため納付書が届かずに支払い方法に悩んでいる場合は、上記の方法を検討してみましょう。特にクレジットカード納付やスマホアプリ納付は事前の手続きが不要で、すぐに利用可能です。

12.予定納税額の通知書を紛失した場合の対処方法

予定納税額の通知書を紛失し納税額が不明になった場合は、管轄の税務署に相談すると再発行してもらえる可能性があります。まずは、再発行が可能か問い合わせてみましょう。


振替納税を利用している場合は、指定の口座から決められた期日に自動で引き落とされるため口座の残高が十分であれば手続き不要で納税が完了します。


振替納税を選択している場合は、登録している預貯金口座の取引履歴を確認して引き落としが行われているかチェックしましょう。

またe-Taxを利用している場合は、e-Taxのマイページなどから予定納税額を確認できます。

13.納税準備預金は予定納税の未納対策として役立つ

納税準備預金は、予定納税を忘れないための有効な対策です。


納税準備預金は納税資金を専用の口座に預け、原則として納税時にのみ引き出せる仕組みです。このような口座を利用することで、予定納税をうっかり忘れて延滞税を支払うリスクを減らせます。特に忙しい個人事業主にとっては、納税準備預金は非常に便利です。


さらにこの口座に預けた資金に対しては、通常の預金利息にかかる税金(所得税15.315%、住民税5%)が免除される特典や銀行によっては利率が高く設定されている場合もあります。


加えて専用の口座を別に作ることで資金管理がしやすくなり、予定納税の通知を受け取った際に焦ることもなくなります。

14.予定納税を実施した際の仕訳と使用する勘定科目

予定納税は所得税などの支払いに該当するため、経費として計上することはできません。基本的には、会計仕訳では事業主勘定を使用して処理します。

予定納税時に使用する勘定科目

予定納税は現金で支払うこともあれば預金から支払うこともありますが、確定申告で所得税が租税公課として経費に計上されないのと同様予定納税も経費にはなりません。


現金や普通預金から支払った場合、仕訳には「事業主貸」を使用することになります。

予定納税時の仕訳方法

予定納税額をプライベートの現金や事業と無関係な預金から支払った場合、その支払いに関して仕訳は行いません。しかしこの支払いが確定申告時の根拠資料となるため、支払った証拠を保存しておくことが重要です。


一方事業用の小口現金や事業用口座から支払った場合は、仕訳を行い、「事業主貸」を使用します。


例えば第1回目の予定納税90,000円を事業用の普通預金口座から支払った場合:

(借方

(貸方

摘要

事業主貸 90,000円

普通預金 90,000円

第1回目予定納税支払い


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15.まとめ

所得税の予定納税とは年間を通じて発生する所得税額が一定額以上となると見込まれる場合に、その税額をあらかじめ分割して納付する制度です。これにより年末の確定申告時に一度に多額の税金を支払わなければならない負担を軽減する役割も果たしています。


予定納税は原則として前年の所得や納税実績に基づき、税務署から自動的に納付義務が発生し納付額も通知されます。しかし翌年に入ってから事業や収入状況が変化し前年よりも大幅に所得が減少する見込みとなった場合には、予定納税額が過大となってしまうことがあります。


このような場合には「予定納税額の減額申請」を行うことで、納付すべき税額を実態に合わせて適正な額に調整することが可能です。


減額申請には税務署が定める申請期限があり、期限を過ぎてからの申請は原則認められませんので、早めの判断と対応が必要となります。


さらに予定納税の納付期限を過ぎてしまった場合や、納付忘れがあった場合には延滞税という追加の税金が課されることになります。そのため予定納税が必要と判断された場合には納付期限や減額申請の期限を事前にしっかりと確認し期限内に確実に手続きを行うことが、不要な負担を避けるためにも非常に大切です。


本記事が皆様にとって少しでもお役に立てますと幸いです。


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目次

1.所得税の予定納税とは

2.確定申告で予定納税額がわからない場合には予定納税額の通知書などで確認

「予定納税通知書」の内容をチェックする

納付書の控えを確認する

銀行口座の取引履歴を確認する

3.令和5年から予定納税通知書が来ない人がいる?

令和5年以降、予定納税額の確認方法がe-Taxに?

予定納税等通知書

予定納税額の減額申請承認等通知書

令和6年5月から国税納付書の事前送付が廃止に

国税の納付書が送付されなくなる対象者とは?

4.確定申告の予定納税額の確認方法

予定納税の確認方法

5.所得税の予定納税を行うタイミング

6.予定納税額と確定申告時の最終納税額の関係

7.予定納税で納めすぎた所得税は還付される

8.予定納税の納付方法

e-Taxを利用したダイレクト納付【キャッシュレス納付】

e-Taxを利用したインターネットバンキング【キャッシュレス納付】

クレジットカードを使った納付【キャッシュレス納付】

スマートフォンアプリで納付(30万円まで)(e-Tax等)【キャッシュレス納付】

コンビニでの納付(30万円まで)

金融機関または税務署で直接納付

口座振替による納付(振替納税)【キャッシュレス納付】

9.予定納税をしないと延滞税が発生する

納期限の翌日から2か月以内の延滞

納期限の翌日から2か月を超えた場合の延滞

10.予定納税の減額申請

減額申請が可能な対象者

減額申請の具体的な手続き方法

減額申請をしない方がよいケースとは?

11.予定納税額の通知書が届かない場合の対処法

e-Taxで「予定納税額の通知書」の送付希望を確認する

納付書を使わずに納税した可能性を確認する

12.予定納税額の通知書を紛失した場合の対処方法

13.納税準備預金は予定納税の未納対策として役立つ

14.予定納税を実施した際の仕訳と使用する勘定科目

予定納税時に使用する勘定科目

予定納税時の仕訳方法

15.まとめ