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女性エンジニアのリアル|割合や年収、女性エンジニアあるある、つらいこと、キャリアプランなど解説

公開日:2025/04/04最終更新日:2025/04/05

転職を考えている女性の中にはエンジニアに興味を抱いている人は多いと思います。あるいは、女性エンジニアの中にはキャリアパスについて検討している人もいるでしょう。


エンジニアは技術職であるため手に職をつけることができますし、在宅ワークとの相性もよく、家庭の事情に合わせて働きやすい傾向にあります。男性のイメージが強いものの、女性が働きやすい部分も多々ある職業です。さらに、技術職であるため、自分のスキルや知識しだいでキャリアを拓くこともできます。


その一方、女性エンジニアは少なく、女性がエンジニアとして働く姿や女性エンジニアのキャリアをイメージできない人もいます。また、エンジニアにはハードワークというイメージもつきものであるため、自分が適応できるのか不安に感じている人もいるはずです。


本記事では、女性エンジニアの割合を見た上で、女性エンジニアが少ない理由、女性エンジニアあるあるの悩み、女性エンジニアの年収、女性がエンジニアとして働くメリットなどを見ていきましょう。


1.女性エンジニアの割合

総合人材サービス会社のヒューマンリソシア株式会社の調査結果によると、日本におけるITエンジニアの女性の比率は18.8%です。


ITエンジニアのうち女性は2割にも達していません。なお、この割合は世界的に見ても低く、OECD加盟国の中(33カ国中)で17位という結果であり、1位はイスラエルで女性比率は29.5%でした。

2.女性エンジニアが少ない理由

女性エンジニアは男性と比べて少なく、女性エンジニアがほとんどいない企業もあります。


女性エンジニアが少ない理由として、以下の3つが挙げられます。

  • 女性に向いていないという固定観念

  • 長時間労働

  • IT業界につきまとうブラックなイメージ

それぞれ確認していきましょう。

女性に向いていないという固定観念

一昔前までは、男子は理系、女子は文系という固定観念がありました。大学の理系学部は男子が圧倒的に多い一方、女子大の主な学部といえば文学部や語学系学部といった文系学部でした。こうしたことから、IT業界にエンジニアとして就職する人の大半が男性でした。


しかし、近年においてはこうした見方は払拭され、IT業界にも変化が見られます。有名女子大学の中には理系学部や情報系の学部を設置した大学もありますし、給与の高さや就職に強いことなどを理由に理系に進みたいと考える女子高生も珍しくなくなってきています。


女性エンジニアは男性と比べて現時点では少ないものの、将来的にはエンジニアの女性の割合が増えると見込まれます。

長時間労働

エンジニアは企業によって異なるものの、ライフワークバランスを保ちにくいといわれています。


納期に追われやすく、それぞれに割り振られる仕事量も多いため、定時に帰るのは難しいのが現状です。


子どもがいる女性は夕方には職場を出ることを好みがちですが、状況によってはそれが難しいこともあります。

IT業界につきまとうブラックなイメージ

IT業界に対して残業が多い、離職率が高いといったブラックなイメージを抱いている女性もいます。


確かに、エンジニアはトラブル対応で休日がなくなったり、納期の関係で残業を余儀なくされたりすることもあります。


しかし、職場や部署をうまく選ぶことで、基本的に定時に帰宅するような働き方も可能です。

3.女性エンジニアのあるあるの悩みとは?

女性エンジニアは男性エンジニアには理解してもらいにくい悩みを抱えていることもあります。女性エンジニアあるあるの悩みを知っておくことで、働き始めた後に後悔する状況に遭遇することを回避できます。


女性エンジニアのあるあるの悩みとして、以下の5つが挙げられます。

  • 職場が男性ばかり

  • 残業や休日出勤が多い

  • キャリアプランをイメージしにくい

  • 学習時間が取りにくい

  • 女性という理由だけで特別扱いを受けることがある

それぞれ確認していきましょう。

職場が男性ばかり

男性が圧倒的に多い職場では女性特有の悩みや事情などを相談できなかったり、理解してもらえなかったりすることがあります。例えば、生理休暇を取得したくても、男性の上司や同僚にはなかなか言えないものです。


また、男性がランチタイムや休憩時間などに楽しく話す中、孤独感を抱いたり、心細い気持ちになったりすることもあります。職場で性別によって関係性が変わることは表面上はないとされていますが、同性だけのコミュニティというものはどうしてもできてしまいます。

残業や休日出勤が多い

エンジニアはシステムにトラブルが発生したり、プロジェクトに遅れが出たりすると、勤務時間を問わず対応しなければならないことが多いです。


システムのトラブルは早急な対応が求められ、対応が遅れればそれだけ修復が難しくなります。また、プロジェクトに遅れが出ればクライアントにも影響する場合、連日残業続きということもありえます。


「家族の夕食を作りたいから17時には帰りたい」「休日は学校行事が入っている」といった事情が職場で考慮されにくいこともあります。

キャリアプランをイメージしにくい

女性が多い職場であれば自分のキャリアプランも自然と描けます。また、子どもを育てながら働いている先輩、親の介護と仕事を両立している先輩がいれば、将来の自分についてもイメージできます。


あるいは、憧れの同性の上司がいれば、その人のようにキャリアアップしたいとモチベーションが高まるでしょう。


しかし、職場に女性がいない場合、将来の自分の姿をイメージするのが難しくなります。「子どもがいたら職場ではどのような扱いを受けるのか」「介護と仕事を両立できる職場なのか」といった疑問はなかなか解消されないでしょう。


また、独身の女性社員がバリバリ働く企業であれば、家庭をもったら仕事を続けるのは難しいと察することもできます。

学習時間が取りにくい

IT業界では日々新しい技術が生まれるため、エンジニアは常に学び続ける必要があります。エンジニアとして働いている人の多くが平日の夜や休日に自主学習をし、スキルを高めています。


家庭をもつ女性は夜間の時間帯や休日は家族のために使う必要があるため、仕事に必要な勉強をする時間を取れないこともあります。勉強の時間が取れず、周囲から取り残されてしまうことも少なからずあります。

女性という理由だけで特別扱いを受けることがある

女性が少ない職場では女性であるというだけで特別扱いを受けることがあります。「女性は長時間の残業が難しい」「女性は結婚したら仕事を辞める」という先入観を抱かれ、自分の能力を発揮する機会が制約されることもあります。


また、女性だからといって掃除やお茶出し、来客対応を任されることもあります。

4.女性がエンジニアとして働く上でつらいこととは?

女性エンジニアは仕事をしていると、男性エンジニアにはないつらさを感じることもあります。


職場に女性エンジニアが少ない場合、女性ならではの事情を理解してもらえなかったり、自分の気持ちに共感してもらえなかったりすることもあります。


例えば、育休・産休制度を利用し、職場に以前のように復帰できるかは重要なポイントです。男性ばかりの職場では「子どもがいる女性は家庭を第一にしたいだろう。仕事はほどほどにしたいはず」と先入観を抱かれ、サポート職にまわされたり、出世コースから外されたりすることもあります。


また、エンジニアは技術職であるため評価は本人の技量が全てではあるものの、管理職への昇進となれば女性が不利になる企業も少なからずあります。経営層や管理職が男性しかいない企業の場合、女性が企業やチームのマネジメントを任される可能性は低いでしょう。こうした企業で働く女性は正当に評価されていないと不満を感じていることもあります。

5.女性エンジニアの年収

国税庁の「令和5年分 民間給与実態統計調査」によると、男女あわせた正社員の平均年収は530万円です。男女別にみると、男性は594万円、女性は413万円となっています。


一方、女性エンジニアの年収は厚生労働省の「令和5年賃金構造基本統計調査」の結果をもとに算出すると約458万円となります。


女性エンジニアの平均年収は正社員として働く女性全体の平均年収よりも50万円ほど高いといえます。

6.女性エンジニアのキャリアプラン

女性エンジニアは男性エンジニアよりも少ないことからも、ロールモデルを見つけにくいと感じる人も多いようです。しかし、女性エンジニアの中にはキャリアアップし、活躍している人や自分に合った働き方を見つけた人、高い年収を得ている人もいます。


女性エンジニアのキャリアプランとして、以下の4つが挙げられます。

  • 特定分野におけるスペシャリスト

  • プロジェクトマネージャーやリーダー職

  • 異業種でスキル活用

  • フリーランスのエンジニア

それぞれ確認していきましょう。

特定分野におけるスペシャリスト

特定分野において高いスキルや深い知識を有するスペシャリストは、高い報酬や評価を得られます。


他のエンジニアができない部分に対応できる人、難しいプロジェクトに携われる人は自社において高いポジションを目指せますし、転職市場でも需要があります。


また、AIは今後さらなる成長が見込まれる分野ではあるものの、高度なスキルを保有する人材は不足しています。難易度が高いビジネス課題を解決できる人、戦略的な意思決定を支援できる人、倫理に基づくAI開発を行える人は歓迎されます。


その他にも、クラウドに強く、AWSやAzureを活用したクラウド設計・構築に長けている人は活躍できる場所が多々あります。

プロジェクトマネージャーやリーダー職

女性エンジニアはプロジェクトマネージャーやリーダー職に転身する道もあります。


プロジェクトマネージャーやリーダー職は自身が開発業務に携わるというよりも、要件定義からスケジュール管理、納品までをまとめる役割を担います。さらに、クライアントとの折衝や調整も重要な役割です。


社内外において多くの人と関わる機会があるため、女性ならではの気遣いやコミュニケーション力が評価されることも多いです。


また、女性のリーダーが社内で出れば、女性エンジニアが働きやすくなることもあります。女性ならではの悩みや事情を理解してくれる人がチームのトップに立てば、女性が働きやすい職場環境の実現にもつながります。女性がリーダー職を目指すのは次の世代のためにも大切なことといえます。

異業種でスキル活用

エンジニアとして培ったITスキルは異業種でも活かせます。例えば、エンジニアの仕事を活かせる職業として次のものがあります。

  • ITコンサルタント:企業のデジタルトランスフォーメーションを支援

  • 講師:自身のスキルや経験を活かし、これからIT業界で活躍する人の教育を専門学校などで行う

  • 品質保証・品質保証コンサルタント:システムの品質向上を担当

  • 営業:システム系の営業職はエンジニアの経験が高く評価されることが多い。セールスエンジニア職、システム営業職がおすすめ

  • ライター:IT関係の記事を執筆

フリーランスのエンジニア

夫の転勤や出産などをきっかけにフリーランスのエンジニアに転身する女性もいます。


エンジニアのフリーランス案件には完全在宅の求人、成果報酬型の求人なども多くあります。働く場所や時間を自分で選べるため、家事や育児などと両立しながら働けます。


また、定まった勤務時間がない案件であれば、子どもの体調不良や学校行事にも問題なく対応できます。


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7.女性エンジニアがかっこいいといわれる理由

一生懸命働いている女性や独力で生計を立てている女性は職業を問わずにかっこいいです。自分の職業に誇りをもっている女性はいずれの職業に就いていても魅力的ですが、エンジニアの女性をかっこいいと感じる人は特に多いようです。


女性エンジニアの多くが男性の割合が高い職場に在籍しており、男性と肩を並べて仕事をしています。こうした環境に身を置いているからこそ、性格がサバサバしている人や、感情を抑えて論理的に会話できる人が多いといわれています。


また、エンジニアは専門職であり、高度なスキルを要する職業です。女性のエンジニアは勉強熱心で、知識が豊富な傾向にあるため、こうした知的で努力家な部分もかっこよく見えるポイントになります。


さらに、女性エンジニアは年収が高い傾向にあります。自活していけるだけの給与を稼いでいる女性は同性から見ても憧れます。

8.女性がエンジニアとして働くメリット

女性がエンジニアとして働く上で問題点もあるものの、エンジニアだからこそのメリットもあります。


エンジニアは手に職がつく技術職であるためブランクがあっても再就職しやすい傾向にあります。女性の場合、子育てや介護などで仕事を離れると再就職先が見つからずに苦労するケースも珍しくありません。エンジニアは人手が不足していることからも、ブランクがあっても実務経験がある人材を歓迎する企業もあります。


また、エンジニアに完全在宅で働くことを認めている企業もあります。出社する必要がないため家族の朝食の準備や送り出しもしやすい傾向にあります。さらに、フリーランスになれば自由度はさらに高まるため仕事と家事を両立しやすくなります。


エンジニアは服装が比較的自由であるためファッションを楽しめます。ネイルや髪色の制約がない企業やポジションもあります。


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9.まとめ

一昔前は、エンジニアといえば男性の職業というイメージもありました。しかし、IT社会といわれる昨今、エンジニアの仕事に興味を抱く女性も増えています。また、女性も男性と肩を並べて働く社会になりつつあるため、女性の中には年収の高さや職場環境などに惹かれてエンジニアを目指す人も増えてきています。


エンジニアはリモートワークとの相性もよいため子育てや介護との両立を比較的しやすいだけでなく、重いものを運ぶ機会もないため女性にとっても働きやすい職業といえます。


本記事が皆様にとって少しでもお役に立てますと幸いです。


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目次

1.女性エンジニアの割合

2.女性エンジニアが少ない理由

女性に向いていないという固定観念

長時間労働

IT業界につきまとうブラックなイメージ

3.女性エンジニアのあるあるの悩みとは?

職場が男性ばかり

残業や休日出勤が多い

キャリアプランをイメージしにくい

学習時間が取りにくい

女性という理由だけで特別扱いを受けることがある

4.女性がエンジニアとして働く上でつらいこととは?

5.女性エンジニアの年収

6.女性エンジニアのキャリアプラン

特定分野におけるスペシャリスト

プロジェクトマネージャーやリーダー職

異業種でスキル活用

フリーランスのエンジニア

7.女性エンジニアがかっこいいといわれる理由

8.女性がエンジニアとして働くメリット

9.まとめ