「フリーランスエンジニアとしてもっと成長したい」「会社員と比べて成長機会が少ないのでは?」とお悩みではありませんか。
フリーランスという働き方は、自身の裁量で仕事を進められる自由度が大きな魅力ですが、その反面、自身のキャリアやスキルに対する成長責任も全て自分自身に委ねられています。自由と責任のバランスをどう取るかが、フリーランスとしての成功と満足度を左右すると言っても過言ではありません。
本記事では、フリーランスエンジニアとして成長し続け、変化の速いIT市場で確かな価値を発揮するために特に重要となる3つの要素「技術力」「ビジネス遂行能力」「キャリア戦略」について、その具体的な中身と、それらを効果的に向上させるためのヒントについてお話します。
目次
1.フリーランスエンジニアの成長に関する前提知識
はじめに、フリーランスエンジニアの成長について考える上で、押さえておくべき基本的な知識や視点を整理するために、会社員エンジニアとの成長環境の違いや、フリーランスとして成長するメリット、成長しないデメリット、そして成長しやすい状況や停滞する原因を解説します。
会社勤めのエンジニアとの成長機会の違い
フリーランスエンジニアは、会社員エンジニアと異なり、成長機会を自ら創出する必要があります。会社員は企業が用意した研修、OJT、フィードバック、キャリアパスなどを活用しやすい環境にありますが、フリーランスにはプロフェッショナル性が求められ、企業からの成長に関するサポートはありません。
そのため、案件選択、自己学習、技術領域以外の知識やスキルの獲得といった主体的な行動が、自身の成長を直接的に左右します。フリーランスエンジニアという自由な環境は、受け身では成長が停滞しやすいリスクを伴う一方で、成長の方向性やスピードを自分でコントロールできる大きな自由度があるとも言えるでしょう。
特にフリーランスエンジニアになりたての方、もしくは目指している状態の方が気づきにくいポイントでもあるため、技術1本で稼げるという自信だけではなく、将来を見据えた成長が必要になるということを、前もって理解しておく必要があります。
フリーランスエンジニアが成長するメリット
フリーランスエンジニアが成長し続けることには多くのメリットがあります。技術力やビジネススキルが向上すれば、より高単価な案件を獲得しやすくなり、収入アップに直結し、対応できる業務範囲が広がることで仕事の選択肢が増え、将来的にはキャリア形成も柔軟に変更することが可能です。
また、市場価値が高まればクライアントからの信頼も厚くなり、継続的な案件獲得や安定した収入基盤の構築に貢献します。会社員エンジニアの場合は成長したとしても、就業規則や人事部の評価、昇給のタイミングなどが重ならない限り収入アップすることは難しいですが、フリーランスエンジニアの場合は、自分自身の成長が評価や収入に反映するため、努力がすぐに報われるのも魅力と言えるでしょう。
フリーランスエンジニアが成長しないデメリット
フリーランスエンジニアが成長を止めてしまうと、市場価値の低下、案件獲得難、モチベーション低下といった深刻なデメリットに直面するリスクがあります。IT業界の技術進歩は速いため、学習を怠ればスキルは陳腐化し、結果的に単価の下落や仕事の減少を招く可能性も否めません。
同じような作業の繰り返しは、無難で安定的な収入が期待できるものの、モチベーション的にはマンネリ化を招き、仕事の質にもネガティブな影響を与える可能性が高く、クライアントからの信頼を損ねます。
継続案件の打ち切り、新規顧客獲得が困難になる場合もあり、焦りから単価を下げて受注するようになれば、忙しくても収入が増えず、時間に余裕がないため学ぶことができないという悪循環に陥ってしまうのです。
フリーランスエンジニアが成長しやすい状況
フリーランスエンジニアは、適度な挑戦があり、新しい技術に触れ、フィードバックを得やすく、自己学習時間を確保できる状況で成長しやすくなります。自分自身のスキルレベルより少し上の「ストレッチゾーン」にある案件は、効果的なスキル向上に効果的であり、モダンな開発環境や未知の技術要素を含むプロジェクトは、知識や経験の幅を広げる良い機会となるでしょう。
さらに、クライアントやチームから建設的なフィードバックを得られる関係性を得ることができれば、案件の契約やオファーの獲得なども安定する可能性が高いです。成長しながら働き続けられる状況が続き、収入の不安もないため、少しずつ上の技術レベルに挑戦し続けるポジティブな循環が手に入ります。
新しい技術に対する挑戦は、エンジニアとしての市場価値が高まり、必然的に単価の向上も期待できるようになるでしょう。単価とともに作業スピードが向上すれば、仕事をする時間そのものを減らすことが可能となり、ワークライフバランスやQOLの向上も期待できるようになります。
フリーランスエンジニアの成長が停滞する原因
フリーランスエンジニアの成長が停滞する主な原因には、ストレッチゾーンへの挑戦ができず、心理的に安心できるコンフォートゾーンでの仕事の獲得、学習時間の不足、客観的フィードバックの欠如、明確な目標設定がなされていないことなどが挙げられます。
収入面での不安や焦りから、安定を求めて無駄にこなせる得意分野の案件ばかりを選び、新しい挑戦を避けてしまうことで技術分野の広がりがなく、日々の業務に追われ、新しい知識をインプットする時間を確保できない状況が重なることで、得意とする分野の習熟さえもおろそかになってしまうのです。
特にフリーランスエンジニアの場合、一人での作業が多く、自身の課題に気づきにくいこと、そして、具体的なキャリア目標や学習計画がないまま活動していることなどが、成長を妨げる要因となることも覚えておく必要があるでしょう。
2.フリーランスエンジニアに必要な成長要素「技術力」
次にフリーランスエンジニアとして成長すべき1つ目の要素、案件を遂行できる「技術力」について、具体的なスキルや行動とともに、能力の向上に向けた取り組み方について解説します。
専門スキル習熟と周辺技術の連携強化
フリーランスエンジニアとして成長を実感するためにも、自分自身の核となる特定の言語、フレームワーク、DBなど、専門分野のスキルを深く掘り下げることが重要です。言語仕様、ライブラリ、エコシステムを熟知し、効率的で保守性の高いコードを書く技術を磨きましょう。
また、専門分野を深める「深さ」の習熟と同時に、関連する周辺技術や分野へ知識を広げる「幅」を持つことも、市場価値を高める上で重要です。一つの技術だけでなく、開発プロセス全体やシステム全体を理解することで、より本質的な課題解決や付加価値の高い提案が可能になります。
得意とする技術領域や専門分野に近い技術に興味を持って学ぶこと、特に関係性の深い技術について視野を広げていき、専門分野の技術と等しく深掘りをしていくことで、対応できる案件の幅を広げ、変化への対応力の向上も期待できるようになるでしょう。
コード品質・作業スピードの向上
フリーランスエンジニアとしての技術力の証明には、コードの品質の確保、そして時間単位の単価を自分自身で引き上げるための作業スピードの向上が必要です。
単に動作するだけでなく、保守性・拡張性・再利用性・パフォーマンスなどを考慮した品質の高いコードを書く能力が求められます。読みやすく理解しやすいコード(リーダブルコード)を意識し、コーディング規約を守ることは基本であり、オブジェクト指向設計原則やデザインパターンなどを理解・適用することで、より堅牢で柔軟なソフトウェア設計が可能になります。
また、品質を維持しつつ効率的に開発を進める作業スピードの向上も大切であり、使い慣れた開発ツールを最適化したり、定型作業を自動化したりするなど、日々の作業効率を高める工夫も成長を実感できる行動と言えるでしょう。
品質とスピードの両立がプロフェッショナルとしての価値を高め、市場価値とともに受注する案件の単価アップや単価交渉にもポジティブな影響を与えられるようになります。
問題解決能力とデバッグスキル
開発現場における予期せぬ問題やバグへの対応力の強化も、フリーランスエンジニアの成長にとって重要です。問題発生時に冷静かつ論理的に原因を特定し、効果的な解決策を見つけ出す問題解決能力と、効率的にバグを修正するデバッグスキルが効率化や最適化とともに、安全性や信頼性の確保にもつながります。
トライアンドエラーを繰り返すこと、そしてエラーメッセージやログを正確に読み解き、デバッグツールを活用し、体系的に問題を切り分ける技術を習得していきましょう。また、公式ドキュメントや信頼できる技術情報を効果的に検索・活用し、自身の状況に合わせて応用する能力も問題解決には欠かせません。
感情に左右されることなく論理的に考えることを前提とし、粘り強く原因を追求し、「できるようになるまでやる姿勢」が身につくことで、自力で問題を解決に導く力が信頼性を高めます。
興味関心の育成と学習意欲の維持
IT技術の急速な進化に対応し、フリーランスとして長期的に活躍するためには、新しい技術への興味関心を持ち続け、学習意欲を維持することが不可欠です。技術そのものへの好奇心や、新しいことを学ぶプロセス自体を楽しむ姿勢が、継続的なスキルアップの原動力となります。
興味関心を育てるには、技術ニュースのチェック、勉強会への参加、SNSでの情報収集などのインプットとともに学んだことをブログで発信したり、個人プロジェクトで試したりするなどのアウトプットを行うことで、気になった技術に対する理解が深まり学習意欲も高まります。
学習を義務ではなく楽しみとして捉え、生活の中に組み込むことが、モチベーションを維持し成長し続けるコツでもあるため、苦手意識を持つことなく、積極的に様々な技術に触れていきましょう。
3.フリーランスエンジニアに必要な成長要素「ビジネス遂行能力」
次にフリーランスエンジニアとして成長すべき2つ目の要素、案件を獲得・継続できる「ビジネス遂行能力」に関する知識やスキルをご紹介するとともに、どのような視点で成長のために実務で取り組んでいくべきかを解説していきます。
クライアントと信頼構築とリピート率の向上
ビジネス遂行能力の中でも、プロジェクト成功と信頼関係構築の基盤となるのが、クライアントとの円滑なコミュニケーション能力です。クライアントの要望を背景まで含めて正確に理解する傾聴力、技術的な内容を相手に合わせて分かりやすく伝える説明力、そして報告・連絡・相談の徹底が求められます。
また、安定した収入基盤のためには、リピート率の向上を意識し、継続的に案件を受注することが非常に大切です。納期厳守、期待以上の成果物の納品、問題発生時の誠実な対応といった基本行動の徹底が信頼の基礎となります。
クライアントのビジネスへの理解を深め、潜在的な課題に対する改善提案を行うなど、付加価値を提供することも信頼を強固にします。時には休眠顧客の掘り起こしなども行い、定期的にコミュニケーションを取り続けることで、長期的なパートナーシップにつながる可能性があるということを覚えておいてください。
提案力・交渉力・説得力など営業力
フリーランスは自ら案件を獲得する必要があるため、営業力も重要です。クライアントの課題に対し、自身のスキルを活かした最適な解決策を提示する提案力、そして報酬や納期などの条件面を適切に交渉する力の成長が必要になります。
単に依頼をこなすだけでなく、クライアントのビジネス成功に貢献するという営業マインドを持ち、積極的に自身の価値をアピールすることが、継続的な案件獲得や単価アップに結びついていくでしょう。また自身のスキルや実績に基づき、提案や条件の妥当性を論理的に説明できる説得力も磨いていくことで、新規顧客を獲得できる可能性も高まっていきます。
ただし、過度な自信による大げさなアピールは逆効果になることもあるため、自分自身の身の丈を知ること、その上で正確に自分の評価を行い、できることとともにできないことも明確にし伝えられるようにすることが大切です。
スケジュール管理能力・自己管理能力
複数の案件を並行して進めることが多いフリーランスにとって、スケジュール管理能力や自己管理能力は必須スキルです。各案件のタスクを細分化し、優先順位をつけ、納期から逆算して実行可能なスケジュールを立て、計画通りに遂行していくためにも、成長し続けるべき能力と言えるでしょう。
自己管理に基づいた厳密な管理が、遅延なく品質を担保しながらプロジェクトを進めるための鍵となります。スケジュール管理アプリやTodoアプリ、時間管理アプリなどを活用し、作業状況を可視化するのもおすすめです。
また、不規則な生活や過労は生産性低下や収入減に繋がるため、規則正しい生活、適度な休息、運動、バランスの取れた食事などを心がけ、心身の健康を維持すること、同時にストレスにならない程度に自然に行えるようにすることが大切です。
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4.フリーランスエンジニアに必要な成長要素「キャリア戦略」
次にフリーランスとして長期的に活躍し続けるため、自分自身が望む働き方や収入を実現するために必要な、エンジニアとして成長すべき3つ目の要素、将来を見据えた「キャリア戦略」について解説していきます。
市場価値の把握と自己肯定感の向上
フリーランスとしてキャリア戦略を考えていく上で、フリーランス市場における自身の現在地、すなわち市場価値を客観的に把握することから始めましょう。スキル、経験、実績を棚卸しし、市場相場や需要動向と比較して、自身の強み・弱み、相対的な価値を理解すること、そして客観的な自分自身に対する評価の精度を高めることが成長に大きく役立ちます。
自己分析を通じて、自身の提供価値を正しく認識することが、自信を持って活動するための基盤となり、自己肯定感の向上も期待できるようになるでしょう。市場価値を把握することで、目指すべき方向性や取るべき戦略が見えてくるようになれば、自然と身につけるべきスキルやさらに習熟するべきスキルが見極められるようになり、勉強に対するモチベーションもアップしていきます。
スキルアップ・キャリアプランの可視化
フリーランスエンジニアとしてのキャリアの成長を促すためにも、現状と市場ニーズを踏まえ、将来像を具体的に描き、スキルアップ計画やキャリアプランを策定し、可視化することが重要です。習得したい技術、目標単価、挑戦したい案件を想定しつつ、短期・中期・長期の目標を設定し、目標を達成するための具体的なアクションに落とし込みましょう。
スキルアップの場合はおおよそどのくらいのことができるようになりたいのか、もしくは資格試験の合格などを目安にするのがおすすめです。キャリアプランの可視化を行う場合、現時点での市場価値やスキルセットと比較しやすい目標を設定し、時間単位の単価、稼働する時間、1週間や1か月ごとでアップした収入の金額など、数値化すると成長が実感しやすくなります。
スキルアップやキャリアプランついての計画を文章や図にすることで、目標が明確になり可視化され、進捗管理もしやすくなります。計画は定期的に見直し、市場や自身の状況に合わせて柔軟に修正していくことが大切です。
単価交渉とクライアント整理
エンジニアとしてのモチベーションを下げないためにも、自分自身の価値に見合った適切な単価を設定し、クライアントと交渉する能力で収入を最大化するための工夫をできるようにしましょう。スキル、経験、実績、市場相場、案件難易度、工数を考慮し、自信を持って単価を提示できるよう準備し、交渉時には、提供できる価値を具体的に示し、単価の妥当性を論理的に説明することが重要です。
また、長期的な視点では、自身の成長に合わせて既存クライアントとの単価見直し交渉や、条件の合わないクライアントとの取引を見直す(クライアント整理)といった判断も必要になることがあります。
状況によっては長い付き合いのクライアントであっても、仕事量や時間単位の単価に悩まされているのであれば、一旦区切りをつけたり、受注する範囲や作業量を減らしたりするなども視野に入れておくと、新しい案件の獲得による単価のアップとともに、成長の余地が増えることを覚えておいてください。
人脈形成とコミュニティやSNS活用
フリーランスエンジニアとしてのキャリア形成には、おろそかになりがちである人脈形成についても取り組んでいく必要があります。外部との繋がり、すなわち人脈は、情報収集、案件獲得、スキルアップ、相談相手として非常に重要です。
勉強会やカンファレンス、オンラインコミュニティ、SNSを積極的に活用し、他のエンジニアや業界関係者との人脈を築きましょう。単に繋がるだけでなく、ギブアンドテイクの精神で情報交換を行ったり、コミュニティ活動に貢献したりすることで、質の高い、価値ある人脈が形成されます。
人脈を通じて得られる情報は、市場動向の把握や新たな機会の発見に繋がり、自分では得ることが難しい情報や知見との出会い、新しい視野が手に入れられるようになり、孤独感なども解消されるようになるでしょう。
ポートフォリオ構築と実績のアピール
スキルや実績を効果的にクライアントに伝え、案件獲得に繋げるため、もしくはオファーやインバウンドセールスを成功させるためには、質の高いポートフォリオを構築することが大切です。手がけたプロジェクトの概要、目的、役割、使用技術、工夫点、成果などをストーリーとして分かりやすくまとめましょう。
Webサイトやブログでの公開、GitHubでのコード公開、技術ブログでの情報発信などもおすすめです。単に成果物を並べるだけでなく、自身の思考プロセスや問題解決へのアプローチを示すことで、より深く能力をアピールできます。
ポートフォリオは常に最新の状態に更新し続けるためにも、実務で得た知見や興味関心を持った技術などについて、定期的にアウトプットする習慣を身につけることも視野に入れておいてください。
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5.フリーランスエンジニアを目指す方におすすめしたい考え方
次に、これからフリーランスを目指す方や独立を検討している方のために、成功のための準備や心構え、おすすめの考え方について解説します。
会社勤めの間に成長力を身につける
現在会社勤めのエンジニアであれば、その環境はフリーランスになるための貴重な準備期間として十分に活用していきましょう。研修制度や資格取得支援を活用し、多様なプロジェクト経験やチーム開発経験を積み、先輩や上司からフィードバックを得ることはエンジニアとしての大きな財産になります。
また、フリーランスエンジニアとして活躍し続けるためには「自己成長力」を身につけることが大切です。独立前に、自主的に学習する習慣、問題解決能力、目標設定と計画実行力を養っておくことが、フリーランスとしての活動の成功に役立ちます。業務外での学習、技術ブログの購読、勉強会への参加、問題発生時の自力解決への挑戦などを通じて、自走できる力を高めましょう。
会社員時代から主体的な学習・行動習慣を確立しておくことで、フリーランスになってもスムーズに成長できるようになり、自己成長力がスキルアップと年収アップにポジティブな影響を与えるようになります。
友好的な人間関係の構築と人脈作りを覚える
友好的な人間関係を構築できるスキル、そして人脈作りを経験しておくことはフリーランスにとって重要な資産であり、案件獲得や情報収集、相談相手として役立ちます。また、フリーランスになるとプライベートも含めて人間関係の構築が難しい場合もあるため、会社員時代の同僚や上司、取引先との良好な人間関係は、独立後に大きな助けとなる可能性があることを覚えておきましょう。
実際にフリーランスエンジニアとして仕事をする場合、人間関係がゼロの状態からクライアントとのコミュニケーションを行い、友好的な関係性を築くことができなければ、契約に至らないこともあり得ます。
常日頃から円満な退職を心がけ、繋がりを維持する工夫をすること、社外の勉強会やコミュニティ、SNSなどを通じて、積極的に業界内の人々と交流し、ギブアンドテイクの精神で質の高い人脈を築いていくことが大切です。
社内規則に合わせて副業か資格取得
社内規則で副業が許可されているなら、独立前の腕慣らしとして、副業で実績作りをするのは非常におすすめです。クラウドソーシングなどで小さな案件から挑戦し、クライアントワークやフリーランスとしての働き方を体験しましょう。
副業が難しい場合でも、独学で知識やスキルを身につけていくこと、そして技術関連の資格取得を目指すことは、フリーランスエンジニアとして成功するために役立ちます。認定や資格の取得に向けて学んでいく中で、知識を体系的に整理でき、合格すればスキルの客観的な証明になります。
基本情報技術者試験、応用情報技術者試験、特定の言語やクラウド、セキュリティに関する資格など、自身のキャリアプランに合った資格を選び、計画的に学習を進めましょう。
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6.フリーランスエンジニアとしての停滞に悩んだ時の考え方
最後にフリーランスとして活動する中、エンジニアとしての成長の停滞をに感じている方のために、どのように状況を捉え、乗り越えていけば良いか、いくつかの考え方のヒントについて解説していきます。
運やタイミング次第であると理解する
フリーランスの仕事は、景気や業界動向、クライアントの都合など、自分ではコントロールできない外部要因に大きく左右されることがあります。案件が途切れたり、単価交渉がうまくいかなかったりしても、必ずしも自分の実力不足だけが原因とは限りません。
「今はそういう時期だ」「良い波が来るまで待とう」と、ある程度は運やタイミングの要素を受け入れ、過度に自分を責めないことも大切です。焦らず、状況が好転するのを待つ間、スキルアップや自己投資に時間を使うという考え方を持ってみても良いでしょう。
成長しているスキルを絞り込む
フリーランスエンジニアとしての成長や活動に停滞感を感じている時、人はネガティブな側面にばかり目が行きがちです。しかし、意識していなくても、日々何かしらの経験を通じて成長している部分は必ずあるはずだと、自分自身を振り返るべきタイミングと捉えることもできます。
停滞を感じた場合、少し立ち止まり最近できるようになったこと、新しく学んだこと、具体的に書き出し、自分が「今、どのスキルを伸ばせば市場価値が高まるのか」を具体的に考え、学習対象を絞り込みましょう。
関連スキルを身につけたい場合も、クラウドソーシングサイトなどで調査を行い、需要の高い技術、自身の技術分野と必要なスキルなど、優先順位をつけて学習対象を明確にすることで、限られた時間を有効に活用し、着実なスキルアップに繋げることができます。
オンとオフの切り替えを気にしすぎない
エンジニアとして停滞感がある状態で、何も行動ができない状況の場合、気持ちは仕事モードのオンになっているものの、実際には仕事ができていない、稼げていないオフの状態で思い悩むことがあります。仕事があれば1日の作業やタスクの終了、または案件及び契約の完了という区切りがあるものの、途切れてしまった状態ではまるで自分自身が「無職」のように感じてしまうのです。
「仕事があれば、今の時間は稼げる時間なのに」と悩み続けてしまうことで、前向きな行動に移ることができないまま時間を消費してしまいます。もちろん、フリーランスとしてオンとオフの切り替えはとても大切ですが、停滞感がある時は無理にオンとオフの切り替えを気にしすぎない方が、仕事に対するストレスやプレッシャーを感じにくくなると覚えておきましょう。
情報収集や案件への応募など、焦らずコツコツと取り組んでいくこと、成長というプレッシャーに押しつぶされないように、学習も少しずつ進めていくことなど、行動することに焦点を当てて、心と体を動かすことから始めてみてください。
7.まとめ
本記事では、フリーランスエンジニアとして成長し続けるために重要な「技術力」「ビジネス遂行能力」「キャリア戦略」という3つの要素と、成長に向けて能力を向上するために必要な視点や行動、取り組み方についてお話しました。
フリーランスエンジニアの成長は、自身の主体的な学びと行動に大きく依存します。技術力を磨き続けることはもちろん、ビジネススキルやキャリア戦略を持つことが長期的な成功の鍵になるでしょう。
もし、成長の停滞を感じているとしても、それはキャリアを見つめ直す重要な転換点であると捉えて、現状を分析し、目標を見直し、新しい挑戦を取り入れることで、再び成長軌道に乗ることは可能です。
まずは小さな成長に気づけるようにすること、日々の変化をポジティブに受け止め、気軽に挑戦していく姿勢を持つことから始めてみてください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
本記事が皆様にとって少しでもお役に立てますと幸いです。
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