フリーランスという働き方は、自由度の高さや柔軟な働き方が魅力である一方で、70%以上の方が収入の不安定さをはじめとした様々な不安を抱えながら仕事をしていると言われています。
(参考:https://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/H27/h27/shoukibodeta/h27/html/b1_3_2_2.html 「(7) フリーランスとしての不安や悩み」
本記事では、そうした不安を抱えるフリーランスの方に向けて、不安の要因やその解消法、実践的な対策を解説します。
この記事を通して、少しでも気持ちが軽くなり、次の一歩を踏み出す助けとなれば幸いです。
目次
1.フリーランスが抱える主な不安とは
フリーランスとして独立したばかりの方の多くは、多くの課題に直面します。
特に、収入の安定性や仕事の継続性、社会的な信用といった点で、不安を感じやすい傾向があります。
以下では、フリーランスの方によくある不安について、悩みの原因と解決方法を解説します。
収入の不安定さ
収入の不安定さは、フリーランスの代表的な悩みです。
月によって案件の有無や稼働時間が異なるため、報酬が大きく変動することがあります。
また、クライアント側の予算変更や契約終了など、自分ではコントロールできない要因によっても影響を受ける可能性があります。
こうした変動に備えるためには、収入のポートフォリオを分散し、万が一のときにも支えられる仕組みを構築することが重要です。
案件の継続性への懸念
案件が継続的に獲得できるかどうかは、フリーランスとして活動するうえで常に意識しなければならず、不安の種となるでしょう。
どのような案件があるのか、どのような企業が案件を募集しているのかなど、常に情報収集を続け、業界の動きや新しいプラットフォームを積極的に確認することが欠かせません。
加えて、自分の強みを言語化し、実績とともに発信することで、クライアントからの信頼を高めることができます。
営業活動やポートフォリオの更新を継続する姿勢が、案件獲得の確率を大きく左右します。
社会的信用の低さ
フリーランスは雇用契約がないため、住宅ローンや賃貸契約、クレジットカードの審査などにおいて、正社員雇用として働く会社員と比べて不利になるケースがあります。
このような社会的信用の低さに不安を感じる方も多くいます。
対策としては、実績や納品履歴をポートフォリオとしてまとめておくことや、クライアントからのレビューや推薦を集めて信頼性を可視化することが有効です。
また、確定申告をきちんと行い、収入証明を整えておくことも社会的信用の裏付けとなります。
2.フリーランスの不安を引き起こす要因
フリーランスとして活動していくなかで、不安の要因は様々です。
スキルや人脈、将来の展望など、目に見えにくい課題が複雑に絡み合うこともあります。
ここでは、不安を引き起こしやすい代表的な要素3つを取り上げて、それぞれの改善方法について紹介していきますので、ぜひ参考にしてください。
スキルや経験の不足
「今の自分のスキルで仕事がもらえるだろうか、続けられるだろうか」と感じることは、独立初期のフリーランスに多く見られます。
近年のフリーランス業務では、案件の種類が幅広いため、求められる技術の水準や分野もさまざまです。
あなたの不安がこのスキルレベルが原因となっているのならば、まずは自分のスキルセットを見直し、強みと弱みを整理することが大切です。
必要に応じて勉強会や研修、セミナーなどに参加し、スキルの幅を広げる努力を行うことで、将来的な安心感につながります。
人脈の欠如
フリーランスとして活動する上で、人脈は案件の紹介や情報交換の源になります。
特に営業活動が苦手な方にとっては、信頼できる知人や仲間がいるかどうかが、精神的な支えにもなります。
オンライン・オフラインを問わず、業界のコミュニティに積極的に参加し、顔を覚えてもらうことが、将来的な案件獲得にも直結します。
オンラインでも気軽に参加できるコミュニティが増えているため、関心のある分野から参加してみるのがおすすめです。
将来設計の難しさ
将来的にどのようなスキルを伸ばすべきか、どのような分野に進むべきかといった、いわゆる将来設計が描きにくいことも不安の原因です。
中長期の目標を定め、それに向けて逆算的にスキルや実績を積み上げていく計画があると、不安を軽減しやすくなります。
また、定期的に振り返りの時間を設けることも、自己管理の一環として有効です。
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3.独立してもなんとかなる?フリーランスの不安の解消方法5選
フリーランスとして安定して活動していくためには、日々の働き方や環境づくりにも工夫が必要です。
ここでは、不安を和らげるための3つの解消方法を解説します。
今すぐに実践できるものもあるので、ぜひ取り入れてみてください。
エージェントの活用
個人で営業活動を行うのが難しい場合は、エージェントの力を借りることも一つの方法です。
フリーランスにとって、一つのプラットフォームやクライアント、プロジェクトに依存することは、収入面でのリスクにつながります。
そのため、収入源となる案件や企業を増やすことは、フリーランスとしての寿命を伸ばすことに直結します。
複数のクライアントと関係を築き、継続案件と短期案件のバランスを取ることで、安定性を高めることができるため、プラットフォームやエージェント、案件募集サイトなどを幅広く利用して、自分が受けられる案件がどれくらいあるのかを把握しておきましょう。
特にフリーランス向けエージェントは、案件の紹介から契約手続き、単価交渉まで一括で対応してくれるため、安心して業務に集中できます。
サービスを比較し、自分の得意分野に合ったエージェントを選ぶことが大切です。
フリーランスエージェントはこちらから確認いただけます。
クラウドソーシングの活用
クラウドソーシングとは、インターネットを介して不特定多数の人が業務を委託し、仕事の依頼や受注を行う新しいビジネスモデルです。
発注者はインターネット上で仕事を発注し、受注者は応募して仕事を受けます。
手軽に利用できるメリットがある反面、プラットフォームによっては高い手数料が発生することもあるため、利用はおすすめしますが、慎重に選ぶようにしましょう。
個人事業主はメンタルヘルスのケアも大切
フリーランスにとって、メンタル面の安定は業務の継続性にも直結します。
不安が多い中で仕事をすることになるため、なかなか精神的に整わず、請け負った仕事もうまくいかない、なんてことになっては負のサイクルに陥ってしまいます。
生活のリズムを整え、意識的に休息を取り入れることが心の健康を保つ第一歩です。
必要に応じてカウンセリングなどの専門機関に相談することも選択肢として検討しましょう。
心のケアも、プロとしての重要な自己管理の一つです。
フリーランス向けの保険に加入する
病気やケガによって就業が難しくなることは、フリーランスにとって直接的な収入の損失につながります。
そのためフリーランス向けの医療保険、就業不能保険、賠償責任保険などを比較した上で、自分の業務内容や生活スタイルに合ったプランを選ぶことで、万が一の不安に備えることができます。
フリーランスは正社員雇用と比べ、リスクヘッジを自分自身で行わなければならないという難しさがあります。
どのような保険があるのか、またどのようなリスクヘッジが必要になるのかについて、よく調べたり、知人のフリーランスの方に聞くなどして情報を集めておきましょう。
スキルアップのための学習を継続する
市場価値のあるフリーランスであり続けるには、学びを止めないことが重要です。
特に、近年になってAI、クラウド、セキュリティなどの分野はニーズが高く、習得すれば単価アップにもつながります。
スキルアップのためには、月単位で「今月はこのスキルを習得する」と目標を決め、学習に取り組んでいくことが近道となります。
自分がメインで請け負う業務にとってプラスとなるスキルは積極的に学んで取り入れていきましょう。
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4.フリーランスの不安に関するよくある質問
多くのフリーランス志望者や独立直後の方から寄せられる、代表的な不安に関する質問をピックアップして回答しますので、ぜひ参考にしてください。
フリーランスの平均年収は?
フリーランスボードの調査(2025年5月8日更新)によると、2025年5月時点でのフリーランス案件・求人の月額単価の平均は74.1万円で、これに基づく年収の目安は約889万円です。これは他の職種と比較して高い水準にあると言えるでしょう。
ただし、案件の単価や稼働日数によって収入には大きな個人差が出やすい点に注意が必要です。
そのため、自身のスキルや希望条件をしっかりと整理し、最適な案件選びを行うことが極めて重要です。
フリーランスのメリットとデメリットは?
フリーランスのメリットには、柔軟な働き方や高い報酬単価が挙げられます。
一方で、収入の安定性や社会的信用の面での不安定さ、自己管理の負担といったデメリットも存在します。
自分に合った働き方かどうかを見極めることが、長期的な生計を立てていくことにつながります。
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5.まとめ
独立したばかりのフリーランスエンジニアにとって、収入の不安定さや仕事の継続性、社会的信用の低さは大きな不安要素となっています。
これらの不安を引き起こす背景には、スキルや人脈の不足、将来設計の難しさがあり、具体的な対策として収入源の分散したり、保険への加入を検討すること、継続して学習をしてスキルアップすることなどがあげられます。
また、不安を解消する手段としては、エージェントやクラウドソーシングの活用、ネットワーキング、メンタルヘルスのケアなどがあり、さらに、実際の平均年収やメリット・デメリットを理解し、自分に合った働き方を見極めることも、安心してフリーランスを継続するためのポイントです。
本記事が皆様にとって少しでもお役に立てますと幸いです。
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