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フリーランスのお金を徹底解説【手取り早見表付き】所得税などの税金の支払い時期から節税まで

公開日:2025/04/10最終更新日:2025/04/10

さまざまな働き方が尊重されるようになってきた現代では、フリーランスとしての活動を検討している方もいるでしょう。そして多くのフリーランスが直面する悩みが、「お金」に関することです。お金についてしっかりと知識を持って考えていかないと、思うような活動ができなかったり場合によっては生活に困窮したりすることも考えられるでしょう。


そこで本記事では、フリーランスが押さえておきたいお金や税金に関する知識について幅広く解説します。特に以下の方には、この記事をご一読していただきたいです。

  • 効率的な資産管理や節税対策を学びたいフリーランスエンジニア

  • 案件ごとの収入管理やキャッシュフロー改善により経済的自立を目指す個人事業主

  • 安定した経済基盤の構築を目指すITプロフェッショナル


1.フリーランスが押さえておきたいお金のこと

この章では、フリーランスとして活動するにあたって基本としておきたいお金に関するポイントを以下の7点に整理して解説します。

  • 収入と支出を管理する

  • 独立にあたっては一定の貯金をしておく

  • 案件は同時並行で複数持っておく

  • 先取り貯金をする

  • 節税を意識する

  • 資産運用に関する勉強をする

  • 助成金・補助金を活用する

収入と支出を管理する

フリーランスとして活躍するうえでは、収入と支出の管理が非常に大切です。


当たり前に感じる方もいるかもしれません。しかしすべてが自由なフリーランスの活動においては、「毎月どのくらい稼ぐ(稼げる)のか」「毎月どのくらいお金が必要か」を把握して管理する意識が不可欠です。


フリーランスなら仕事量をある程度調節でき、仕事だけでなく趣味や自己研鑽にも自由に時間を使えます。しかしどんな働き方や生き方を選択するとしても、毎月の生活に必要な資金は最低限確保しなくてはいけません。


さらに貯金をしていくためには、収入と支出をしっかりと管理する意識が重要です。

独立にあたっては一定の貯金をしておく

フリーランスとして独立するタイミングでは、一定の貯金をしておくことが大切です。


独立直後から十分な収入を得られるケースは少なく、しばらくは支出が収入を上回る可能性もあるためです。また、フリーランスは収入がどうしても不安定になりやすく、貯金がない状態はできるだけ避けたいところだと言えます。


「失業保険を受ければ良い」と考える方もいるかもしれませんが、フリーランスとして活動する場合失業保険は原則需給不可です。失業保険を受け取るためには、就職活動を一定程度続ける必要があります。独立にはやはり、自己資金を一定用意しておく必要があります。


可能であれば1年分、最低でも半年分の生活費を貯金しておけると安心です。また不安定になりやすいフリーランスにとって、ある程度安定して仕事を得られるようになってからも貯金の意識は大切でしょう。

案件は同時並行で複数持っておく

フリーランスとして生計を立てていくうえでは、案件をできるだけ絞らず複数の仕事を同時並行で進めていくことをおすすめします。


1つの案件だけに絞ってしまうと、その案件が終了した時点で収入がゼロになってしまうためです。会社員と違って仕事が約束されることがないことから、突然案件が終了してしまう事態も十分にあり得ます。


収入を伸ばすためには、大型の案件を得ることも確かに重要です。しかし収入を安定させるには案件を得る先や手段をできるだけ分散させて、仕事を安定して得られるように工夫することが大切です。

先取り貯金をする

フリーランスの貯金においては、「先取り貯金」の活用をおすすめします。


先取り貯金とは、収入が入ってきた時点でその中の一部を先に貯金に回す方法です。毎月の収入から支出を行い残ったお金を貯金するのが、一般的な貯金のイメージかもしれません。しかしこの場合、ついつい余計な支出をしてお金が貯まりにくいと言えます。


そのため収入を得た段階で貯金分を先に取って残りの資金で生活するようにすれば、確実に貯金をしていけるでしょう。先取り貯金の効果をさらに上げるためには、銀行口座の自動振り込み機能を利用して毎月決まったタイミングで一定額を貯金口座に入れてしまうこともおすすめです。

節税を意識する

フリーランスの活動においては、節税の意識も大切です。


節税によって税金の負担額が減れば、それだけ自由に使えるお金が増えることになります。経費にできるものは漏らさず計上し、利用できる控除は積極的に活用することが大切です。経費にできる費用は一定決まっていることから、自分の事業において経費計上できる費用が何なのか理解しておくことが大切でしょう。

資産運用に関する勉強をする

フリーランスとして独立して生計を立てていくのであれば、資産運用に関しても理解を深めていくことをおすすめします。


フリーランスは将来の資金も自分で確保する必要があるためです。「人生100年時代」と言われる現代において、年金だけでは将来資金にやはり不安が残ります。たとえばiDeCoやつみたてNISAなどは、節税対策にもつながります。


資産運用をする際には短期的な利益を求めるのではなく、長期的視点で利益を得ることを重視すべきです。生活に影響が出ない範囲の小額から、資産運用を検討してみると良いでしょう。

助成金・補助金を活用する

フリーランスの活動資金調達には、助成金・補助金の活用も重要です。


助成金や補助金は国や地方自治体が設けている返済不要の資金支給制度であり、助成金に関しては要件を満たしていれば受け取れることが基本的です。ただし予算や受付件数があらかじめ決められていることが一般的であり、受付期間も通常は設けられているため注意が必要です。


補助金についても審査に通れば支給されるため、まずは募集を定期的に確認して受けとれるものがないかチェックすることが大切でしょう。


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2.フリーランスの手取り計算方法

フリーランスの手取りは、売上から経費を差し引き(この金額を「所得」と呼びます)、そこから税金と社会保険料を納めた残りの金額だといえます。


フリーランスの手取り計算を式にすると、以下の通りです。

フリーランスの手取り=所得(売上-経費)-税金-社会保険料

つまり「売上」「経費」「税金」「社会保険料」の4項目に関して金額を整理すれば、フリーランスの手取り金額を算出できます。売上とかかった経費が分かれば、ある程度税金の金額と社会保険料はシミュレーション可能です。

フリーランスの手取り早見表

フリーランスの手取りイメージを所得(売上-経費)別に表にすると以下の通りです(下記は個人事業税が発生することを前提としています)。

所得

手取り金額の目安

300万円

210~230万円

400万円

270~300万円

500万円

340~370万円

600万円

390~420万円

700万円

450~480万円

800万円

510~540万円

900万円

570~600万円

1,000万円

640~670万円

フリーランスの手取りシミュレーション

ここでは、フリーランスの手取り金額を、所得300~1,000万円のケースにおいて、

以下の条件のもとで簡単にシミュレーションします。

  • 39歳未満(介護保険料の負担なし)

  • 個人事業税(5%)の負担あり

  • 配偶者なし

  • 扶養親族なし

  • 青色申告特別控除は65万円

  • 白色申告は簡易(単式)簿記

ただシミュレーション結果はあくまでも目安の1つであり、居住地やその他の条件によって金額が変化する点はご理解いただけたらと思います。

所得300万円の場合

青色申告の場合

白色申告の場合

所得税

約7万円

約10万円

住民税

約15万円

約20万円

個人事業税

5,000円

5,000円

国民年金保険料

約20万円

約20万円

国民健康保険料

約30万円

約36万円

手取り

約225.5万円

約213.5万円

所得400万円の場合

青色申告の場合

白色申告の場合

所得税

約13万円

約19万円

住民税

約24万円

約30万円

個人事業税

5.5万円

5.5万円

国民年金保険料

約20万円

約20万円

国民健康保険料

約40万円

約48万円

手取り

約297.5万円

約277.5万円

所得500万円の場合

青色申告の場合

白色申告の場合

所得税

約22万円

約32万円

住民税

約33万円

約38万円

個人事業税

10.5万円

10.5万円

国民年金保険料

約20万円

約20万円

国民健康保険料

約52万円

約60万円

手取り

約362.5万円

約339.5万円

所得600万円の場合

青色申告の場合

白色申告の場合

所得税

約38万円

約50万円

住民税

約42万円

約47万円

個人事業税

15.5万円

15.5万円

国民年金保険料

約20万円

約20万円

国民健康保険料

約63万円

約71万円

手取り

約421.5万円

約396.5万円

所得700万円の場合

青色申告の場合

白色申告の場合

所得税

約56万円

約67万円

住民税

約50万円

約56万円

個人事業税

20.5万円

20.5万円

国民年金保険料

約20万円

約20万円

国民健康保険料

約75万円

約82万円

手取り

約478.5万円

約454.5万円

所得800万円の場合

青色申告の場合

白色申告の場合

所得税

約74万円

約86万円

住民税

約60万円

約65万円

個人事業税

25.5万円

25.5万円

国民年金保険料

約20万円

約20万円

国民健康保険料

約86万円

約88万円

手取り

約534.5万円

約515.5万円

所得900万円の場合

青色申告の場合

白色申告の場合

所得税

約93万円

約107万円

住民税

約69万円

約75万円

個人事業税

30.5万円

30.5万円

国民年金保険料

約20万円

約20万円

国民健康保険料

約89万円

約89万円

手取り

約598.5万円

約578.5万円

所得1,000万円の場合

青色申告の場合

白色申告の場合

所得税

約115万円

約130万円

住民税

約79万円

約85万円

個人事業税

35.5万円

35.5万円

国民年金保険料

約20万円

約20万円

国民健康保険料

約89万円

約89万円

手取り

約661.5万円

約640.5万円

3.フリーランスが関係する税金

この章では、フリーランスが関係する税金の種類として以下の5つについて解説します。

  • 所得税(復興特別所得税)

  • 住民税

  • 消費税

  • 個人事業税

  • 固定資産税

所得税(復興特別所得税)

所得税とは、年間の所得(売上から経費を引いたもの)に対して課税される税金です。


1月1日から12月31日までの1年間で得た所得を計算し、翌年2月中旬~3月中旬に税務署へ「確定申告」したうえで納税までする必要があります。所得税が課せられるのはあくまでも所得(売上-経費-各種控除額)であり、売上(収入)ではない点に注意が必要です。


また、所得税は個人事業主が自ら計算・申告して納税しなければならない点も、フリーランスになったばかりでは戸惑うポイントでしょう。会社員の場合は毎年の「年末調整」にて勤務先の経理担当者が手続きを行い、納税も給与天引きで行ってくれるためです。


さらに、2013年から2037年までの確定申告では、東日本大震災の復興に必要な財源として「復興特別所得税(基準所得税額の2.1%)」も加算されます。

住民税

住民税とは、自分が済んでいる地域に対して公共サービス維持を主な目的として納める税金のことです。


一般的には「住民税」とのみ呼びますが、実際には都道府県に収める「道府県民税・都民税」と市区町村に納める「市町村民税・特別区民税」の2つから成り立っています。所得税の確定申告を行うと、その情報が居住地の市区町村に送られて住民税額が計算されます。


住民税額は毎年6月に通知され、「6月に一括払い」もしくは「6月、8月、10月、翌1月末の4回払い」のいずれかの方法で納める必要があります。

消費税

消費税は、商品やサービスの提供・取引に対して課せられる税金です。


2025年4月時点で消費税は10%ですが、食品や飲料品など一部の商品については8%(「軽減税率」と呼びます)になっています。消費税の課税対象者は「基準期間の売上1,000万円超」の課税事業者であり、基準期間の売上が1,000万円以下の免税事業者は免除されています。


しかし、2023年10月から「インボイス制度(適格請求書等保存方式)」が開始されている点に注意が必要です。フリーランスは取引先からの求めに応じて、適用税率や税額、その他の情報を記載した「インボイス(適格請求書)」を交付しなくてはいけません。


インボイスを発行できるのは、消費税の課税事業者のみです。そのため多くのフリーランスが、売上1,000万円以下でも課税事業者になって消費税を納めなくてはならない状況になっています。


消費税は所得税と同様に毎年1月1日から12月31日までの年間分を計算し、通常は翌年3月末までに申告と納税を行わなくてはなりません。ビジネスの形式にもよりますが、フリーランスとして活動する以上消費税の納付は避けられないケースが多いと考えるべきでしょう。

個人事業税

個人事業税は、事業を行っている個人が都道府県に納める地方税です。

個人事業税は、以下の計算式で算出します。

個人事業税=(前年の売り上げ-前年の経費-290万円)×個人税率

上記の通り個人事業税には290万円の事業主控除があります。所得税の確定申告をしていれば、改めて個人事業税の申告は不要です。


また税率は基本的に5%ですが、業種によっては3~4%のケースや課税対象外になるケースもあります。課税対象の場合には8月に納税通知書が送られてきて、8月と11月の2回に分けて納付(1万円以下の場合は8月に一括納付)が必要です。

固定資産税

固定資産税は、土地や家屋などの固定資産に対する税金です。


持ち家をオフィスとして利用している場合は、固定資産税を按分(あんぶん)して経費に計上できます。固定資産税はこちらから申告する必要がなく、毎年4〜5月ごろに届く納付通知書を元に納税することが基本です。


納付期間は4回ありますが、自治体によって納付月が異なるため事前確認が必要だと言えます。


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4.フリーランスが関係する社会保険料

ここでは、フリーランスが関係する社会保険料として以下の3つについて解説します。

  • 国民健康保険料

  • 国民年金保険料

  • 介護保険料

国民健康保険料

国民健康保険料は、個人事業主や年金受給者などが加入する国民健康保険に対して支払う保険料です。


会社員の場合は健康保険料が給与から天引きされますが、フリーランスの場合都道府県・市町村へ自ら納める必要があります。国民健康保険料の金額は前年の所得によって決められます。所得税の確定申告をすることで自治体が保険料を計算してくれるため、改めての申告は不要です。


国民健康保険料は毎年6月に通知され、6月期に一括払いするか6月期から翌年3月期までの10回に分けて分割払いするか選択できます。

国民年金保険料

国民年金保険料は、国民年金に対する保険料です。


会社員は「第2号被保険者」として厚生年金に加入しますが、フリーランスとして独立すると「第1号被保険者」として国民年金に加入します。国民年金の保険料は収入に関わらず一律であり、申告の必要は特にありません。保険料は毎年度改訂され、令和7年度(2025年4月~2026年3月)の場合は月額17,510円です。


国民年金保険料には毎月支払う方法に加えて、一定期間分をまとめて支払う(「前納」と呼びます)方法もあります。前納すると割引が適用されるため、まとまった金額を負担できるのであればお得です。

介護保険料

介護保険は、介護を社会全体で支えるために設けられている、市区町村運営の公的保険制度です。


40~64歳の国民は、介護保険の第2号被保険者として介護保険料を納める必要があります。フリーランスとして独立している場合、介護保険料は納付書払いや口座振替によって毎月負担する方法が一般的です。


介護保険料は所得と地域によって金額が異なりますが、2024年5月に厚生労働省が公表した保険料基準額の全国平均は6,225円/月です。

(参考:厚生労働省「第9期介護保険事業計画期間における介護保険の第1号保険料及びサービス見込み量等について」


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5.フリーランスの基本的な節税対策

フリーランスとして活動するうえでは、少しでも手元に資金を残すために節税意識が重要です。そのためこの章では、フリーランスの基本的な節税対策として以下の4点を紹介します。

  • 青色申告特別控除を受ける

  • 各種所得控除を活用する

  • 経費を漏らさず・正しく計上する

  • 法人化を検討する

青色申告特別控除を受ける

フリーランスの節税対策としてまず挙げられるのが、青色申告特別控除の活用です。


確定申告時に青色申告を行うことで、最大65万円の控除が受けられます。先ほどの手取り額シミュレーションを確認するとわかる通り、青色申告をすると白色申告をした場合と比較して10万円〜数十万円程度手取りが増えます。年間で数十万円の違いが出る可能性があるなら、確実に青色申告をしておきたいところです。


青色申告をするには事前に「開業届」「青色申告承認申請書」を税務署に提出したうえで、複式簿記による記帳をしなくてはいけません。また、e-taxを利用した申告をしないと65万円ではなく55万円の控除にとどまる点にも注意が必要です。

各種所得控除を活用する

確定申告時には、青色申告特別控除以外にもさまざまな所得控除が用意されています。


所得控除が適用されるとその分課税対象の所得が減る、つまり支払うべき税金や社会保険料が減るため、対象の控除は漏れなく申告することが大切です。主な所得控除としては、以下が挙げられます。

  • 基礎控除

  • 医療費控除

  • 雑損控除

  • 社会保険料控除

  • 小規模企業共済等掛金控除

  • 生命保険料控除

  • 地震保険料控除

  • 寄付金控除

  • 障害者控除

  • 寡婦控除

  • ひとり親控除(寡夫控除)

  • 勤労学生控除

  • 配偶者控除・配偶者特別控除

  • 扶養控除

上記の控除は、全員が対象となる基礎控除以外は申告しないと適用されない点に注意が必要です。

経費を漏らさず・正しく計上する

必要以上の税負担をしないためには、経費を漏らさず・正しく計上することも大切です。


経費を多く計上できれば、それだけ課税対象の所得を押さえて税負担を減らせます。原則として業務上必要だった経費は計上可能ですが、経費計上できるかどうかは個別で判断していく必要があります。


必要以上の経費を計上すると不正とみなされてしまいます。そのため、必要に応じて税理士にも相談しつつ、発生した経費を漏れなく・正しく計上するようにしましょう。

法人化を検討する

フリーランスとしての節税とはやや異なりますが、事業の進展状況によっては法人化の検討も節税において大切なポイントです。


事業が拡大して所得が増えると、個人事業主として所得税を負担するよりも法人として税金を負担する方が節税効果を得られるケースもあります。具体的には、課税所得が毎年安定して800万円を超えるようになったら法人化を検討すると良いとされています。


ただしあくまでもケースによって判断は異なる点と法人化には複雑な手続きが必要になる点から、気になる場合はまず専門家に相談することが大切です。


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6.フリーランスの税金における注意点

この章では、フリーランスの税金における注意点として以下の3点を解説します。

  • 自分で管理・情報収集しなくてはならない

  • 多くのフリーランスがインボイス制度の影響を受ける

  • フリーランス開始時には税金・社会保険料の支払いに気を付ける

自分で管理・情報収集しなくてはならない

フリーランスとして活動するうえでは、税金をはじめとするすべての情報を自分で得て管理していかなくてはいけません。


フリーランスとして独立した直後は、税金の申告方法や納税方法、計算方法など分からないことだらけというケースも多々あるものです。待っていても誰かが教えてくれるわけではないため、自分から能動的に行動していく必要があります。


誤ったまま確定申告をしてしまうと、必要以上の税負担を課されたり過少申告として後日指摘されたりする可能性があります。不明点を自力で払しょくできないようであれば、無理をせず税理士に相談することも視野に入れると良いでしょう。

多くのフリーランスがインボイス制度の影響を受ける

フリーランスとして活動していく以上、2025年4月時点では「インボイス制度」の影響を受けると考えておいた方が良いと言えます。


取引先からのインボイス(適格請求書)の交付を求められた際に、課税事業者になっておらず対応できないと何らかの不都合が生じる可能性があるためです。免税事業者のままでフリーランスとして活動することも可能ですが、その場合取引先の消費税負担が増える恐れがあります。


取引先とすれば、「インボイスを交付してくれないフリーランスとの取引は損」と判断するかもしれません。取引量を減らしたり、報酬の値下げを打診されたりする可能性も否定できないでしょう。


そのため多くのフリーランスが、売上1,000万円以下でも課税事業者として消費税を納めなくてはならない状況になっています。今後状況が変化する可能性もありますが、現時点では消費税負担も念頭に資金計画を立てていく必要があります。

フリーランス開始時には税金・社会保険料の支払いに気を付ける

会社員だった方がフリーランスとして独立する場合は、税金や社会保険料の支払いに気を付ける必要があります。


会社員だった時に給与天引きで支払っていた税金や社会保険料の内、退職時点で納め切っていない分を退職後に納付する必要があるためです。また退職した年の所得税は、翌年確定申告をして納税しなくてはいけません。


フリーランスとして独立した直後は、まだ収入が安定しないことも多いでしょう。退職後の税金・社会保険料負担を見落としていると突然まとまった税負担を強いられて困ってしまう可能性もあります。


退職後にどのくらいの請求が来るのか事前に把握し、対応できるように資金計画を立てていく必要があるでしょう。


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7.フリーランスがお金の勉強をする方法

この章では、フリーランスがお金について学ぶ方法を以下の3点に整理して紹介します。

  • 本で学習する

  • スクールに通う

  • ファイナンシャルプランナーに話を聞く

本で学習する

フリーランスがお金について勉強する方法としてはまず、本による学習が挙げられます。


本であれば自分に都合の良いタイミングで読めるうえに、繰り返し学習することも可能です。税金や確定申告、資産運用に関する書籍は現在多数出版されており、難しさや内容も多種多様だと言えます。


自分が読みやすいと感じるものから取り入れることで、経済的にも精神的にも無理なくお金に関する勉強ができるでしょう。

スクールに通う

お金に関する勉強方法としては、スクールに通うことも考えられます。


資産運用に対する関心が高まっている中で、税金関係の話や株式投資、投資信託などに関する専門のスクールが多数設けられるようになりました。お金に関するプロの話を直接聞けて質問もできる環境は、勉強には大変適していると考えられます。


またスクールに通う場合、同じような関心を持った他の参加者と交流を持てる点も大きなメリットです。多くの費用が掛かるケースもありますが、かけた費用に見合った効果は十分に期待できるでしょう。

ファイナンシャルプランナーに話を聞く

本やスクールを利用する以外に、ファイナンシャルプランナー(FP)に相談する方法も考えられます。


ファイナンシャルプランナーはお金に関するエキスパートであり、個人の資産状況やライフプランに合わせた経済的なアドバイスを期待できます。知識に自信がない方でもプロのアドバイスによって実践的な方法を学べることから、安心感・効果は非常に高いと言えるでしょう。

8.まとめ

フリーランスとして活躍していくためには、お金に関する知識が不可欠です。知識を得ないまま漫然と行動を繰り返していると、手持ちの資金を浪費して生活に困ってしまったり思うような活動ができなくなったりする恐れもあります。


フリーランスに関係する税金や社会保険料についても理解を深め、計画的に資金計画を立てていくことが大切です。必要に応じて本やスクール、ファイナンシャルプランナーなどを利用して、お金に関する理解を深めていきましょう。


本記事が皆様にとって少しでもお役に立てますと幸いです。


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目次

1.フリーランスが押さえておきたいお金のこと

収入と支出を管理する

独立にあたっては一定の貯金をしておく

案件は同時並行で複数持っておく

先取り貯金をする

節税を意識する

資産運用に関する勉強をする

助成金・補助金を活用する

2.フリーランスの手取り計算方法

フリーランスの手取り早見表

フリーランスの手取りシミュレーション

所得300万円の場合

所得400万円の場合

所得500万円の場合

所得600万円の場合

所得700万円の場合

所得800万円の場合

所得900万円の場合

所得1,000万円の場合

3.フリーランスが関係する税金

所得税(復興特別所得税)

住民税

消費税

個人事業税

固定資産税

4.フリーランスが関係する社会保険料

国民健康保険料

国民年金保険料

介護保険料

5.フリーランスの基本的な節税対策

青色申告特別控除を受ける

各種所得控除を活用する

経費を漏らさず・正しく計上する

法人化を検討する

6.フリーランスの税金における注意点

自分で管理・情報収集しなくてはならない

多くのフリーランスがインボイス制度の影響を受ける

フリーランス開始時には税金・社会保険料の支払いに気を付ける

7.フリーランスがお金の勉強をする方法

本で学習する

スクールに通う

ファイナンシャルプランナーに話を聞く

8.まとめ