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確定申告の青色申告と白色申告の違いって?メリット・デメリットなどわかりやすく解説

公開日:2025/01/06最終更新日:2025/01/07

確定申告は個人事業主や経営者だけでなく、副業をしている人や一部の給与所得者にも必要となる場合があります。確定申告の方法には、「青色申告」と「白色申告」の2つがあります。

青色申告は詳細な帳簿をつける必要があり手間はかかりますが、特別控除を受けられるほか30万円未満の物品を一括で経費として計上できるなど節税のメリットが多いです。対して白色申告は特別控除が受けられませんが、簡単な帳簿で済むため手間が少なくて済みます。

青色申告と白色申告はそれぞれ特徴が異なりますが申告を行う際には、どちらを選ぶべきかを検討する必要があります。この記事で解説していきます。

目次

1.確定申告とは

確定申告とは1年間の収入から経費を差し引いた結果としての所得に対する税額を計算し、適正に納税を行うための手続きです。毎年1月1日から12月31日までの収入と税金を算出し、翌年の2月16日から3月15日までに確定申告書を提出する必要があります(祝日や休日が重なる場合は翌営業日に提出)。

個人事業主や自営業者が確定申告を行う条件

個人事業主や自営業者でも、必ずしも確定申告を行う必要があるわけではありません。確定申告が必要な人は主に以下の条件に該当する場合です。

  • 所得の合計額から所得控除を差し引いた後に、残る金額がある場合

  • 公的年金に関する条件を満たしている場合 など

会社員が確定申告を行う必要があるケース

さらにサラリーマンで確定申告が必要な場合は、次の条件などに該当する人です。

  • 副業所得が20万円以上である

  • 年末調整を受けていない

  • 給与収入が2,000万円を超える

  • 同族会社の役員に関する条件を満たしている

2.確定申告は2種類から選ぶ

確定申告には、「青色申告」と「白色申告」の2種類の方法があります。


青色申告は日々の取引を複式簿記で記帳し、その記録に基づいて正確な申告を行うことで税金面でさまざまな優遇措置を受けることができます。青色申告を利用するには事前に税務署に申請し、承認を得る必要があります。承認を受けていない場合には白色申告となります。

3.青色申告とは?

確定申告を行う際は1月1日から12月31日までの売上を計算し、そこから経費を差し引いて所得金額を算出します。その結果を基に、実際の所得税額が決まります。青色申告はこの所得税額の算定過程で、さまざまな控除を受けることができる申告方法です。

青色申告が適用される方

青色申告を利用できるのは、次の3つのいずれかの所得がある方です。

  • 事業所得

  • 不動産所得

  • 山林所得

例えばWeb広告運用やデザインを行っている個人事業主は、事業所得があるため青色申告を利用できます。その一方で、以下のような所得は青色申告の対象外です。

  • 会社員の給与所得や退職所得

  • 土地の譲渡による譲渡所得

  • 株式の配当金などから得た配当所得

  • 銀行預金の利子から得た利子所得

  • ギャンブルなどの一時所得

青色申告を行う際に必要なもの

青色申告を行うために必要な条件は、以下の3つです。

これらはそれぞれ事業開始前に行うこと・日常的に実施すること・確定申告時に提出することに分けられます。すべての要件を満たさなければ、青色申告はできない点に注意が必要です。

複式簿記を用いて帳簿をつけていることとは

55万円以上の青色申告特別控除に必要な「正規の簿記に基づいた帳簿(複式簿記)」について、まず注目すべきは帳簿の付け方です。


白色申告の場合はExcelなどを使って年間の収支をまとめる簡単な帳簿で十分ですが青色申告を選ぶ場合は帳簿ソフトを使用して、正規の簿記原則に基づいた帳簿をつける必要があります。この手間をかけることで特別控除などのメリットを最大限に活用するか、あるいは手間をかけずに簡単に済ませたいかによって選ぶ申告方法を変えると良いでしょう。


複式簿記とは、1つの取引を2つの視点から記録する方法です。例えば「売上が入金された」「旅費交通費を支払った」といった記録は単式簿記の例ですが複式簿記では、「売上が入金されたため預金が増えた」「旅費交通費を支払ったため預金が減った」といった形で記録します。


家計簿は単式簿記に当たりますが、複式簿記では収支だけでなく収支によって資産がどう変動したかも記録します。このようにして、貸借対照表や損益計算書を作成することが可能になります。


青色申告では貸借対照表や損益計算書の提出が義務づけられており、特に貸借対照表は非常に重要です。申告時に貸借対照表を提出することで税務署が帳簿に不自然な点がないかを確認しやすくなり、その見返りとして特別控除が与えられる仕組みとなっています。

「青色申告」に必要な帳簿の保存期間は7年

青色申告では提出する書類だけでなく、保存すべき帳簿も重要です。その中でも「主要簿」と呼ばれる総勘定元帳と仕訳帳は、法律で作成が義務付けられています。総勘定元帳はすべての取引を勘定科目ごとに分類して整理した帳簿です。一方、仕訳帳は取引を借方と貸方に分けて記録した帳簿です。


これらの帳簿は、法律により7年間の保存が義務づけられています。

4.白色申告とは?

白色申告は所得税の確定申告を行う際の青色申告ではない一般的な申告方法のことです。青色申告が特別な手続きであるのに対し、白色申告は標準的な方法として捉えることができます。


白色申告の特徴は税制上の優遇がない代わりに、帳簿の管理が簡単であることです。また白色申告を行うためには、開業届や申請書を事前に提出する必要がない点も大きな特徴です。

白色申告が適用される方

白色申告の対象となるのは、以下の3種類の所得がある方です。

  • 事業所得

  • 不動産所得

  • 山林所得

会社員の給与所得などは白色申告の対象外となります。

白色申告を行う際に必要なもの

白色申告では以下を実施する必要があります。

  • 簡易的な帳簿を記録していること

  • 確定申告時に確定申告書と収支内訳書を提出すること

簡易的な帳簿とは、次の情報を記入したものを指します。

  • 売上や収入金額

  • 仕入れや経費に関する内容

  • 取引の日付

  • 売上先・仕入先・その他の取引先名

  • 金額

  • 日々の売上・仕入・経費の詳細

青色申告と違って複式簿記を使う必要はありませんので、自分で作成するのも比較的簡単です。しかし現在は簡単に記帳できるツールも充実しているため、青色申告と手間の差はそれほど大きくないとも考えられます。

5.青色申告と白色申告の違いを比較

この章では青色申告と白色申告の違いについて解説します。

税制上の優遇措置の差異

青色申告と白色申告では、税制上の特典に差があります。白色申告には特別な税制優遇措置はありませんが、青色申告を選ぶと最大で65万円の青色申告特別控除を受けることができます。


ただし65万円の控除を受けるためには55万円控除の条件(貸借対照表の作成や複式簿記による記帳など)を満たした上で、e-Taxでの申告(電子申告)または電子帳簿保存を行う必要があります。

事前申請の有無

青色申告を行うためには、その年の3月15日までに「青色申告承認申請書」を所轄の税務署に提出しなければなりません。もしその年の1月16日以降に開業した場合は、開業後2ヶ月以内に提出する必要があります。


一方白色申告の場合は、特別な申請手続きは必要ありません。青色申告承認申請書を提出しなければ、自動的に白色申告を選択したことになります。

記帳方法の違い

青色申告では複式簿記を、白色申告では簡易簿記(単式簿記)を使用します。ただし青色申告で10万円の青色申告特別控除を受ける場合は、簡易簿記で記帳しても問題ありません。


青色申告で65万円控除または55万円控除を受ける場合、必ず複式簿記形式で「仕訳帳」や「総勘定元帳」を主要簿として作成する必要があります。また事業内容や取引方法によっては、「売掛帳」や「買掛帳」など補助簿も作成しなければなりません。

  • 青色申告(65万円控除または55万円控除):複式簿記

  • 青色申告(10万円控除):簡易簿記(単式簿記)

  • 白色申告:簡易簿記(単式簿記)

以下に複式簿記に仕訳の例を示します。20,000円の商品を現金で売り上げた場合、以下のように記録します。

日付:令和6年○○月××日

借方)

現金

20,000円

貸方)

売上 

20,000円

摘要:〇〇商店への売上

複式簿記では、取引の原因(売上20,000円)と結果(現金の増加20,000円)の2つの側面を記録できます。一方、簡易簿記(単式簿記)は1つの取引について1つの記録を行う方法です。上記の例では、次のように記載します。

日付:令和6年○○月××日

売上

20,000円

摘要:〇〇商店への売上

不動産所得に関する控除の相違

青色申告と白色申告では、不動産所得に関する控除に違いがあります。青色申告の場合要件を満たすと最大65万円の控除を受けることができますが、白色申告では控除は受けられません。


青色申告で65万円または55万円の控除を受けるためには、不動産貸付が事業的規模であることが求められます。具体的にはアパートが10室以上、貸家が5棟以上の規模である必要があります。一方青色申告で10万円の特別控除を受ける場合、マンション一室からでも適用されます。

  • 青色申告(65万円控除または55万円控除):アパート10室以上、貸家5棟以上

  • 青色申告(10万円控除):マンション一室から

  • 白色申告:控除なし

節税効果の違い

青色申告と白色申告では特別控除や経費として認められる範囲に違いがあり、そのため節税効果に大きな差があります。青色申告では青色申告特別控除に加え赤字の3年間繰越しなどの特典がありますが、白色申告ではこれらの特典は受けられません。


青色申告と白色申告の節税効果の違いは、次の通りです。


青色申告(65万円控除または55万円控除)

  • 青色申告特別控除65万円または55万円

  • 青色事業専従者給与

  • 赤字の3年間繰越

  • 減価償却資産(30万円未満)は一括経費

  • 貸倒引当金の経費計上

青色申告(10万円控除)

  • 青色申告特別控除10万円

  • 青色事業専従者給与

  • 赤字の3年間繰越

  • 減価償却資産(30万円未満)は一括経費

  • 貸倒引当金の経費計上

白色申告

  • 税制上の優遇措置はなし

提出書類の違い

提出書類の違いは、次の通りです。


青色申告(65万円控除または55万円控除)

  • 確定申告書

  • 青色申告決算書

  • 貸借対照表と損益計算書

  • 第三表(分離課税用、事業所得に加え譲渡所得がある場合)

  • 第四表(損失申告用、赤字で青色申告する場合)

青色申告(10万円控除)

  • 確定申告書

  • 青色申告決算書(損益計算書)

  • 第三表(分離課税用、事業所得に加え譲渡所得がある場合)

  • 第四表(損失申告用、赤字で青色申告する場合)

白色申告

  • 確定申告書

  • 収支内訳書

  • 第三表(分離課税用、事業所得に加え譲渡所得がある場合)

6.青色申告のメリットとデメリット

青色申告には青色申告特別控除を受けることができるほか家族への給与を経費として計上できるなど、さまざまなメリットがあります。しかし申請書の提出や複式簿記での記帳が必要であるため、事務作業が多く手間がかかるというデメリットもあります。

青色申告のメリット

この章では青色申告のメリットを改めて詳しく解説します。

青色申告特別控除が受けられる

青色申告のメリットは65万円・55万円・10万円のいずれかの青色申告特別控除が適用される点です。控除額に応じて必要な要件が異なります。


65万円の控除を受けるには複式簿記での記帳や貸借対照表・損益計算書の作成など55万円の控除要件を満たしたうえで、さらに電子帳簿の保存またはe-Taxでの申告といった追加的な要件をクリアする必要があります。一方10万円の特別控除では、複式簿記ではなく簡易簿記(単式簿記)で記帳できるため要件を満たすのが比較的容易です。

家族への給与を全額経費計上可能(青色事業専従者給与)

青色事業専従者給与とは同一の生計を立てている家族など、一定の条件を満たす人に支払う給与のことです。青色申告を利用する場合、支払額が妥当であれば上限は設けられていません。


一方白色申告にも事業専従者控除の制度がありますが、控除額には上限があります。配偶者には最大86万円、その他の親族には最大50万円までとなっています。


青色申告で専従者給与を控除として申請するためには、その年の3月15日までに税務署に「青色事業専従者給与に関する届出書」を提出する必要があります。もしその年の1月16日以降に専従者給与が発生した場合は、専従者追加から2ヶ月以内に提出しなければなりません。


また、青色事業専従者給与の控除を受けるためには、以下の条件を満たした人への給与に限られます。

  • 青色申告者と同一生計の配偶者またはその他の親族

  • その年の12月31日現在で年齢が15歳以上

  • その年を通じて事業に専従しており、専従期間が6ヶ月を超えていること

赤字を3年間繰り越しできる

青色申告では、赤字を最大で3年間繰り越すことができます。この制度を利用すると翌年以降に事業で黒字が発生した場合、その黒字から繰り越した赤字を差し引くことができ税金の負担を軽減できます。


例えば1年目に50万円の赤字・2年目に50万円の赤字・3年目に100万円の黒字があった場合、3年目の黒字に対して過去の赤字を差し引き実質的に事業所得をゼロにすることが可能です。

減価償却資産(30万円未満)を即時経費化可能

事業で使用するパソコンや自動車などの資産を購入した場合、通常は10万円未満のもののみ一括で経費として処理できます。それを超える資産については、耐用年数に基づいて複数年にわたって経費として計上されます。


しかし青色申告を選択している場合、「少額減価償却資産の特例」を利用することができます。この特例を活用すると2026年3月31日までに購入した30万円未満の資産については、耐用年数にかかわらず一括で経費として計上することができます。

貸倒引当金を経費として計上可能

貸倒引当金とは、売掛金や貸付金などが将来的に回収できなくなるリスクに備えるために積み立てる引当金です。青色申告をしている場合にはその年の12月31日時点で残っている売掛金や貸付金に対して、一定額を貸倒引当金として経費として計上できます。


計上可能な金額は、帳簿価額の合計額の5.5%以内(金融業の場合は3.3%以内)です。


白色申告でも貸倒引当金を計上することはできますが、計上できるのは個別に評価された金銭債権(不良債権)に限られます。一方で青色申告では一括評価金銭債権(不良債権以外の一般的な売掛債権など)も計上可能であり、この点が青色申告のメリットとなります。

青色申告のデメリット

この章では青色申告の注意点について解説します。

事前に申請手続きを行う必要がある

青色申告のデメリットの一つは、「事前申請が必要である」ことです。青色申告を行うためには、事前に税務署に「青色申告承認申請書」を提出する必要があり、この手続きを忘れてしまうと青色申告ができません。対照的に白色申告は事前の手続きが不要なため、これは青色申告特有の欠点と言えます。

提出書類が多く、手間がかかる

青色申告には特別控除など、多くのメリットがあることで知られています。しかしその一方で青色申告を行う際には提出しなければならない書類の種類が多く、初めて取り組む人にとってはその内容を理解するのが難しいと感じる場合も少なくないでしょう。


特に難しいとされるのが帳簿の管理です。青色申告では会計記録を正確に行うために「複式簿記」の知識が求められます。この方法に慣れていない方にとっては、記録のルールや仕訳の方法を理解するだけでもハードルが高いと感じるかもしれません。


さらに年度ごとに貸借対照表などを作成する必要があります。事務的な手間がかかるため、時間に余裕を持って取り組むことが大切です。


初めて青色申告を行う方の中には帳簿付けの複雑さや決算書の作成方法がわからず、その段階で挫折してしまう方も少なくないと考えられます。特に独学で青色申告に挑戦しようとする場合、税務や会計の知識が乏しいと途中で行き詰まることがあるかもしれません。会計ソフトなどを利用するのも一つの手でしょう。


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7.白色申告のメリットとデメリット

白色申告は、青色申告に比べて準備や手続きが簡単であるという利点があります。ただし、青色申告特別控除などの節税効果が高い特典は利用できません。

白色申告のメリット

この節では白色申告のメリットについて解説します。

記帳が簡単で申告手続きが容易

白色申告でも帳簿の記入が義務ですが、簡易簿記(単式簿記)で済むため比較的手間は少ないです。確定申告も、収支内訳書に売上や経費を記入するだけで完了します。


ただし白色申告でも帳簿の記帳と書類の保存が義務付けられています。記帳方法や書類保存については、青色申告で10万円の特別控除を受けるための要件と同様の内容です。青色申告承認申請書を提出することで、簡易簿記(単式簿記)を用いた青色申告で10万円の特別控除を受ける選択肢も検討すると良いでしょう。

事前の手続きが不要

青色申告で確定申告を行いたい場合には青色申告承認申請書を提出する必要があります。そのため申請のタイミングによってはその年の確定申告で青色申告を適用できず、翌年からの適用になることがあります。


一方で白色申告は、青色申告のように事前に税務署に申請手続きを行う必要はありません。

白色申告のデメリット

白色申告のデメリットは以下の通りです。

青色申告特別控除が適用されない

白色申告は確定申告を簡単に行える点が魅力ですが、その一方で青色申告の特典を受けられないという欠点もあります。特に重要なのは「青色申告特別控除」です。


青色申告では一定の条件を満たすことで最大65万円の控除を受けることができ、その結果税負担を軽減できます。しかし、白色申告ではその控除を受けることができません。そのため、所得が増加すれば税負担も比例して増えていくことになります。

赤字を翌年以降に繰り越すことができない

青色申告では、最大3年間にわたり赤字を繰り越すことが可能です。これにより将来的に事業が黒字化した際に税負担を軽減することができますが、白色申告にはそのような仕組みはありません。


つまり黒字の翌年に赤字が出てしまった場合や赤字の後に黒字が出た場合でも赤字と黒字を相殺することができず、その結果税金を支払わなければならなくなります。特に個人事業主の場合には収入が不安定なことが多いため、赤字繰越ができないと経済的な負担が大きくなる可能性があります。

8.青色申告が向いている方

青色申告が適しているのは、「事業の将来の成長を目指している方」や「法人化を考えている方」です。これから、それぞれの状況について詳しく説明します。

将来的な事業拡大を目指す方

「副業として一定の収入があれば十分」や「扶養内でお小遣い程度を稼げればいい」といった考えではなく「本業としてしっかりと取り組みたい」「事業を拡大し、さらに売上を増やしていきたい」という場合には、青色申告を選ぶのが適切です。


青色申告を利用すれば白色申告よりも多くの控除を受けられるため、節税効果が期待できます。

法人化を視野に入れている方

将来的に株式会社や合同会社を設立する予定がある方にも、青色申告を選ぶことをおすすめします。法人化後は経理が複雑になるため個人事業主の段階から青色申告を採用し、複式簿記に慣れて税務に関する知識を身につけておくと良いでしょう。


「日々の経理処理や確定申告をすべて税理士に任せる」という方法もありますが、最低限ご自身で経理の基本や税額・控除額の計算方法について理解しておくことをおすすめします。


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9.白色申告が向いている方

白色申告は、収入や経費を手軽に申告したい方に適した制度です。特に、副業を始めたばかりの方や収入が少額の方に向いているといえます。また、経理作業をできるだけ簡単に済ませたい方にもおすすめです。

 

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10.確定申告書の提出方法

確定申告をどのように提出するか、その方法を詳しくご紹介します。


税務署に行って窓口で提出する方法、または時間外収受箱に提出する方法があります。次に郵送で提出する方法、そしてインターネットを利用してe-Taxで提出する方法の3つがあります。それぞれの提出方法について、メリットとデメリットも解説します。

窓口での提出

税務署の窓口に書類を持参して提出する方法は、イメージしやすいものです。必要書類を税務署に直接持っていけばよいので、手続きが簡単です。


窓口提出の最大のメリットは、窓口の担当者が書類に不備がないか確認してくれる点です。内容の正誤まではチェックしてもらえませんが、必要な書類が揃っているかを確認してくれるため初めての申告者には安心です。さらに申告書の控えを持参すれば、税務署で受付印をもらうことができます。この控えは、ローン審査や翌年の申告の参考にもなり便利です。


窓口提出のデメリットとしては、税務署の混雑があります。特に申告期限が近づくと長い列ができることが多く、時間帯によってはかなり混雑します。混雑を避けたい場合は早めに申告するか、時間外収受箱を利用するのも一つの手段です。

郵送での提出

次に、郵送での提出方法についてです。税務署が開いている時間に行けない人にとっては、便利な選択肢です。


郵送提出の最大のメリットは、手軽に申告できる点です。必要書類を揃えて郵便ポストに投函するだけで、確定申告を完了できます。控えが必要な場合返信用封筒を同封すれば、後日控えを受け取れます。また期限日までに郵便局で消印を押してもらえば、期限内に提出されたとみなされます。


郵送提出のデメリット書類に不備がないかを確認してもらえません。そのため、初めて申告を行う方には不安が残るかもしれません。また、郵送費用がかかる点もデメリットです。

e-Taxでの提出

最後に、e-Taxでの提出方法です。ネット環境が整っているなら、最も便利な方法と言えるでしょう。


e-Tax提出の最大のメリットは、青色申告特別控除が最大65万円になる点です。また24時間いつでも申告ができるため、時間や場所に縛られません。さらに手続きも簡単で、郵送や窓口での手間を省けます。


e-Tax提出の唯一のデメリットは、事前に必要な環境を整える必要がある点です。マイナンバーカードやICカードリーダーが必要で、これを準備する手間がかかります。とはいえ一度整備すれば翌年以降も使い続けることができるため、個人事業主として活動する場合は最初に整えておくことをおすすめします。


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11.まとめ

青色申告と白色申告の違いについて、ご理解いただけましたでしょうか。


青色申告と白色申告にはそれぞれ利点と欠点がありますが、節税を重視するのであれば、断然「青色申告」を選ぶことをおすすめします。


白色申告の最大の利点は「手間が少ないこと」でしたが、帳簿の提出や保存が求められるようになったためこの違いはかなり縮まりました。また会計ソフトが進化して記帳が簡単にできるようになった今、事業主にとっては青色申告のメリットの方がはるかに大きいと言えるでしょう。


本記事が皆様にとって少しでもお役に立てますと幸いです。

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