商品やサービスの代金に関する主要な書類として挙げられるのが「請求書」と「領収書」です。同じ取引についてであれば金額は同じになりますが、それぞれの役割や取り扱い方には大きな違いがあります。
そこでこの記事では請求書と領収書の相違点や、経理処理および印紙税の観点からの取り扱いを詳しく解説します。また保存期間や活用しやすいおすすめのサービスについてもご紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
1.請求書とは
請求書とは商品やサービスを提供した際に、その代金の支払いを相手方に求める目的で発行する書類です。
法的に発行が義務付けられているわけではありませんが、請求書を発行することで取引の内容が明確になって取引先との間で金額や提供内容に関する行き違いを防ぐことができます。
またインボイス制度においては適格請求書発行事業者間の取引で仕入税額控除を適用するために、「適格請求書」と呼ばれる特定の要件を満たした請求書の発行が求められます。
2.領収書とは
領収書とは、代金の授受が確かに完了したことを証明する文書です。この書類は同じ請求内容で複数回請求する「二重請求」や、取引情報の改ざんといった不正経理を防ぐ目的でも重要な役割を果たします。
領収書が存在しない場合、支払いの事実を客観的に証明するのが難しくなります。
法的に発行が義務付けられているわけではありませんが、商品やサービスの提供を受けた側から領収書の発行を求められた場合には必ず応じて発行する必要があります。
手書き・印刷・電子発行といった、いずれの形式でも問題ありません。
なお領収書は税法上「金銭または有価証券の受取書」として扱われ、印紙税の課税対象となります。ただし記載金額が5万円未満の場合は非課税で、5万円以上の取引には所定の印紙税が発生します。
領収書と領収証の違いについて
領収書に関して国税庁のWebサイトでは、「金銭または有価証券を受け取ったことを示す書類」に該当すると記載されています。
一方で「領収証」も「レシート」や「預り書」「受取書」などと同じく、金銭または有価証券の受取書に含まれるとされています。つまり両者は基本的に同じものであり、経理上でも区別は必要ありません。
ただし国税庁のWebサイトでは証拠書類のカテゴリとして「領収書」を主に使用し、その中で「領収証」が一つのタイプとして示されています。この点が、両者の違いとして挙げられます。
使い分けとしては基本的に以下の通りです。
領収書: 金銭の支払いを証明する書類として広く用いられ、一般的には民間で発行されるレシート等を指します。
領収証: 金銭の取引や授受を証明する証書で、主に公的機関や金融機関が発行するものを指します。
レシートとの違いは?
領収書・領収証とレシートの主な違いは、「宛名の有無」と「明細の記載」にあります。一般的にレシートには宛名の記載がありませんが、購入した商品やサービスの明細が記載されています。
レシートを領収証として扱う際の留意点としてレシートを正式な領収書として用いるには、以下の情報が明記されている必要があります。
発行者の住所および氏名
発行日
商品名やサービスの内容
取引の概要
支払金額
ただし店舗によっては取引内容の詳細がレシートに記載されていないケースもあるため、必要事項が不足している場合には別途領収書を発行してもらうことが望ましいでしょう。
預り証との違いとは?
預り証とは金銭や物品などを一時的に受け取った際に、その受領の事実を証明するために受け取った側が発行する書面です。ただし「預り証」とひと口に言っても、その用途にはいくつかのパターンがあります。
後日正式な領収書を発行する予定の際に、仮の書類として金銭受領時に交付されるもの
手付金や前受金など、代金の一部を受領したタイミングで作成されるもの
支払い目的ではなく、単に保管のために物品や金銭を預かった場合に発行されるもの
領収書・領収証と預り証との最大の違いは、「所有権の移転を伴うかどうか」です。
預り証はあくまで「預かった」という事実のみを示しており、受領側に所有権は移っていません。一方で領収書は支払いの完了を証明する文書であり、それに伴って所有権が支払者へ移転したことを意味します。
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3.領収書の記入方法と見本・注意すべき点
領収書の記載方法には、法律上の明確な決まりはありません。しかし実務上は消費税法に基づく仕入税額控除や経費としての処理に対応できるよう、一定の項目を記載するのが通例です。
一般的に、以下を記載することが望ましいとされています。
取引の日付
宛名(受領者名)
金額
但し書き(取引の目的や内容)
税率別に分けた金額の内訳
発行者の氏名または名称
取引日
取引日は、「いつ売上が発生したか」「どの会計年度の経費や収益として処理するのか」といった税務上の判断において非常に重要な情報です。そのため、領収書には必ず取引日を記載する必要があります。
記載するのは売上代金を受け取った実際の日付であり、発行日ではありません。たとえ領収書の発行が数日後であっても、記入すべきなのは取引が行われた日付です。
日付の年表記については西暦・和暦いずれでも構いませんが、「24年1月1日」や「R6.1.1」のように年の表記を省略するのは避けましょう。たとえば2025年1月1日の場合は、以下のように記載します。
2025/1/1
2025年1月1日
令和7年1月1日
宛名
領収書の宛名欄には、代金を支払った個人や法人の名称を正確に記載します。個人の場合は「氏名+様」、法人の場合は「正式な法人名+御中」と記載するのが一般的です。略称や別の呼び方への変更は避けましょう。
宛名が未記載でかつ高額な取引の場合、買い手側に税務調査が入った際に発行者側も調査対象になる可能性があります。そのため、宛名の省略は慎重に判断すべきです。
ただしすべての顧客に個別で宛名を記載することが難しい一部の業種については、法律上の例外として「宛名なし」や「上様」表記が認められています。対象となる業種は以下の通りです。
小売業(例:スーパー・コンビニ・百貨店など)
飲食業(例:レストラン・カフェ・居酒屋など)
旅客運送業(例:バス・鉄道・タクシー など)
旅行関連業(例:旅行代理店など)
駐車場業
金額
領収書に記載する金額には、改ざんを防ぐための一定の書き方ルールがあります。主なポイントは次の通りです。
金額記載のルール | 記入例 |
---|---|
金額の冒頭に「¥(円記号)」または「金」を付ける | ¥60,000/金60,000円 |
金額の桁区切りに「,(カンマ)」を使用する | ¥6,000,000 |
金額の末尾に「‐(ハイフン)」「※(米印)」「也(なり)」のいずれかを記載する | ¥60,000‐/¥6,000,000※/金60,000円也 |
これらの記載方法には以下のような意図があります。
冒頭の「¥」や末尾の記号を用いることで、数字の前後に不正に数字を加えることを防ぎます。
コンマを使うことで桁数の読み間違いを防止し、金額の単位が明確になります。
但し書き
但し書きは、領収書において代金の支払い内容を明示する重要な項目です。購入した商品や受けたサービスの内容を、買い手にとって分かりやすく具体的に記載するようにしましょう。例えば、以下のように記載します。
食事代として
書籍代として
手土産代として
文具代として
消耗品代として
記載の際には、「お品代」のような曖昧な表現は避けた方が安心です。というのも「お品代」という記載では具体性が乏しく、税務調査などで経費として認められない可能性があるためです。
また購入した品目が多数にわたる場合ですべてを記載するのが難しいときは、主要な商品や最も高額なものを記載し「他○点」や「○○ほかX点」といった表現でまとめても問題ありません。
必要に応じて、全明細が確認できる納品書や購入明細書などを別途添付するのが望ましいです。
金額の内訳
領収書には合計金額に加えて、税率ごとの取引金額も記載する必要があります。金額の表記方法は「税込」「税別」のいずれでも問題ありません。
ただしインボイス制度に対応させる場合は、これに加えて各税率ごとに区分された消費税額も明確に記載することが求められます。
発行者名
領収書には発行元が誰であるかを明確にするため、発行者の名前や住所などの情報を記載する必要があります。具体的には、以下の項目を必要に応じて記入してください。
個人名
会社名
屋号
店舗名
会社・店舗・事務所などの住所や電話番号
メールアドレス
FAX番号
これらの情報をしっかりと記載することで、買い手からの問い合わせにスムーズに対応できるようになります。
また領収書を発行する際には、慣例として発行者欄に印鑑を押すことが一般的です。押印は発行元の信頼性や正当性を高めるために役立ちますが、法律的には押印自体に義務はなく押印がなくても領収書の効力に問題はありません。
収入印紙について
税抜きで5万円以上の売上代金(営業外のものは非課税)に対して領収書を発行する場合、収入印紙を貼り付ける必要があります。領収書に収入印紙を貼り、消印をすることで印紙税の納付が行われたことが証明されます。
収入印紙は郵便局・法務局・役所などで購入できます。
収入印紙を貼る金額は、領収書に記載された売上金額に応じて異なります。税抜き5万円未満の売上に対しては、収入印紙は必要ありません。
収入印紙を貼る金額の対応表は次の通りです。
引用:No.7105 金銭又は有価証券の受取書、領収書|国税庁
税抜き金額が5万円未満でも税込み金額が5万円を超える場合は、税別と税込の金額を分けて明記することが必要です。
例えば「総額52,800円、税率10%」だけの記載では消費税額が明記されていないため、総額52,800円から「5万円以上」とみなされ、課税文書として扱われる可能性があります。「税別48,000円、消費税額4,800円、税込52,800円」と記載すれば、税別金額が5万円未満であることがわかり収入印紙は不要です。
収入印紙を貼る際には、再利用を防ぐために消印を押すことが重要です。印紙税法により、消印なしの収入印紙は無効とみなされます。
なおクレジットカード払いをした場合領収書に「クレジットカードで支払い済み」の記載があれば、収入印紙の貼付は不要となります。
領収書における収入印紙の取り扱いについては、以下のような事例でペナルティが発生することがあります。
収入印紙が必要な領収書に収入印紙を貼り忘れた場合
収入印紙の金額が不足している場合
収入印紙に消印をしなかった場合
ペナルティとしては「過怠税」が課されます。これには、未納の印紙税額とその2倍の額が徴収されることになります。つまり貼り忘れた場合には支払うべき印紙税額の3倍相当額が課されますが、もし自主的に申告した場合のペナルティは1.1倍に軽減されます。
また過剰に収入印紙を貼ってしまった場合は、還付請求を通じて払いすぎた印紙税を返還してもらうことが可能です。
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4.インボイス(適格請求書)制度で押さえておくべき領収書の基本ルール
ここまで一般的な領収書の記載事項などについて解説してきましたが、適格請求書として領収書を発行するには関連する運用ルールを正しく理解しておくことが不可欠です。
この章では、インボイス(適格請求書)制度の基礎となるルールについて解説します。
領収書に記載すべき内容が変更される
領収書を適格請求書として発行するためには、所定の記載要件を正確に把握しておくことが重要です。この節では必要な情報と簡易請求書の取り扱いについて解説します。
領収書を適格請求書の形式で発行する際は、次の内容を必ず記載する必要があります。
適格請求書発行事業者の氏名または名称
登録番号
取引年月日
取引内容(軽減税率の対象である場合にはその旨も明記)
税率ごとに集計した取引金額(税抜・税込いずれかに統一)
適用税率
税率ごとに区分した消費税額等
請求書の交付先となる事業者の氏名または名称
なおたとえば小売業において、税抜表示の商品と税込表示の商品が混在する場合はいずれかの方式に統一したうえで、税率ごとの合計額と消費税額を算出・記載する必要があります(たばこなど、法律上「税込価格」が定められている商品は例外です)。
様式についての制限はなくすべての記載事項を満たしていれば、手書きの領収書であっても仕入税額控除の要件を満たす証憑として扱えます。
不特定多数を相手に事業を行っている場合には、記載事項が簡略化された「適格簡易請求書」を発行することが認められています。簡易請求書の発行が可能な業種は、例えば以下の通りです。
小売業
飲食店業
写真業
旅行業
タクシー業
駐車場業(不特定多数を対象とする場合) など
なお適格簡易請求書の対象となるかどうかは、事業の性質をもとに個別に判断されます。適格簡易請求書の記載事項は以下の通りです。
適格請求書発行事業者の氏名または名称
登録番号
取引年月日
取引内容(軽減税率対象品目についてはその旨を記載)
税率ごとに合計した取引金額(税抜または税込)
適用税率または税率ごとに区分した消費税額等(いずれかで可)
通常の適格請求書とは異なり、受領者の氏名や名称は記載不要です。また、「適用税率」「消費税額等」のいずれか一方の記載で構いません。
消費税の端数処理は1つの適格請求書につき1回
これまで消費税額を算出する際に生じる端数の処理については明確な基準が設けられていませんでしたが、インボイス制度の導入により、正式なルールが定められました。この点には十分な注意が必要です。
インボイス制度における端数処理のルールは、「1枚の適格請求書または適格簡易請求書につき、税率ごとに1回のみ端数処理を行うこと」と定められています。
したがってたとえそれが領収書の形式であっても、適格請求書や適格簡易請求書である限りこの端数処理ルールが適用されることになります。
3万円未満の領収書も仕入税額控除を受けるためには保存が必要
これまで取引金額が3万円未満であれば、領収書がなくても一定の事項を満たした帳簿の保存によって仕入税額控除を適用できる特例が認められていました。
しかしインボイス制度の導入により、この特例は廃止され3万円未満の取引であっても仕入税額控除を受けるには適格請求書(もしくは適格簡易請求書)の保存が必要となります。
適格請求書発行事業者となった場合は取引先からの請求があれば、金額の多寡にかかわらず適格請求書または適格簡易請求書を発行する義務があります。つまり3万円未満の取引であっても、基本的に相手方から求められれば領収書を発行しなければなりません。ただし一部例外があります。
例えば公共交通機関(バス・電車・モノレール・船舶等)の運賃などです。切符単位や定期券の合計金額ではなく、1回の取引ごとの税込価格が3万円未満かどうかで判断されます(ただし、入場料や手荷物料金などはこの運賃には含まれません)。
またコインロッカー・コインランドリーの利用料・ATMの利用手数料など、サービスの提供から支払いまでが機械のみで完結するケースなども例外となります。
一方でセルフレジによる支払い・コインパーキング・自動券売機の利用など機械で精算されるものであっても、その背後に人的サービスの提供があるとみなされる場合には、仕入税額控除を受けるには適格請求書の保存(領収書等)が必要です。
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5.発行者が検討すべき領収書のインボイス対策のポイント
インボイス制度に対応するにあたって領収書を発行する側としては、以下の点を事前に検討しておくことがポイントといえるでしょう。
適格請求書や適格簡易請求書を正確に発行できるシステムの導入を検討
発行者側にとって重要なポイントとして、適格請求書(または適格簡易請求書)の要件を満たした領収書を発行できる体制を整えることが挙げられます。
すでにシステムで領収書を出力している場合にはそのシステムがインボイス制度に対応しているかを確認し、必要に応じて機能の見直しやシステムの更新を検討する必要があります。システムの改修や入れ替えにはある程度の時間を要するため、早期の対応が望ましいでしょう。
たとえインボイス対応を予定しているシステムであっても、端数処理など既存機能に関しては手動で設定変更が必要になるケースがあります。システムベンダーからの案内が出た際には内容をしっかり確認し、自社で対応が必要な点を把握しておくことが大切です。
一方現在手書きで領収書を発行している場合には、インボイス対応を契機として専用のシステム導入を検討するのも有効です。
手書きでも要件を満たしていれば有効な証憑となりますが、登録番号・税率別の金額・消費税額・適用税率などを毎回記入するのは手間がかかります。記載ミスによる再発行リスクも考えられるので、正確性を確保して業務の効率化や取引先との信頼関係を維持するためにもシステム化は有力な対応策といえるでしょう。
電子インボイスでの領収書送付方法を検討
領収書の送付方法には、手渡しに加えて、郵送やBtoB取引においてはメールやシステムを通じて送信される「電子インボイス」も選択肢として挙げられます。
電子インボイスはすでに請求書の発行・受領で広く利用されており、最近ではデジタルトランスフォーメーション(DX)やペーパーレス化の推進により、今後領収書の送付にも電子インボイスが利用されるケースが増えてくると予想されます。
すでに電子インボイスを活用している場合には問題ありませんが、取引先のニーズに応じて柔軟に対応できるように事前に対策を検討しておくことが賢明と言えるでしょう。
領収書の控え保存方法を検討
インボイス制度では、適格請求書発行事業者に対して「写しの保存」が義務付けられています。対象となるのは、自社が発行する適格請求書および適格簡易請求書のすべての控えです。
保存方法については特に形式の指定はありませんが、紙で保存する場合は発行時に複写を用意する手間が生じるうえ保管スペースの確保や管理コスト(人件費など)も無視できません。そのため効率的かつコストを抑えられる電子データでの保存を検討するのが現実的です。電子インボイスを使って送付した場合、そのままのデータを保存するだけで要件を満たすことが可能です。
なお電子保存を行う際には、どのシステム・クラウドサービス・サーバに保存するのかといった保管場所や方法に関する社内ルールを明確化しておくことが重要です。
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6.請求書は領収書の代わりとして使えるか?
請求書と領収書は取引を証明する重要な書類ですが、実際には経理業務において領収書が必要ない場合もあります。例えば、以下のような取引では請求書で代用できることがあります。
銀行振込やカード払いが行われた場合
請求書兼領収書が発行された場合
これらのケースについて詳しく解説します。
銀行振込やカード決済の場合、領収書は不要な場合がある
銀行振込やカード払いの場合、請求書と明細書があれば領収書は不要です。経理手続きにおいて現金払いには領収書が必要ですが、銀行振込やカード払いでは領収書なしでも問題ありません。
ただし銀行振込やカード払いで請求書が発行されていない場合は、領収書が必要となりますので注意が必要です。取引先が領収書を発行してくれる場合は、もらっておくのが無難です。
また領収書がない場合でも、レシートで代用できることがあります。レシートに発行日・取引内容・金額・店舗名などの必要項目が記載されていれば、レシートを領収書として使うことが可能です。
請求書兼領収書は正式な領収書として認められる
請求書兼領収書とは、代金の請求と支払いの受領を同時に記録するために発行される書類です。主に医療機関などで見られる形式で、企業間取引ではあまり一般的ではありません。ただ支払いの際に一括して処理できる利便性から活用される場面もあります。
一般的には上部が請求書、下部が領収書になっているレイアウトで、 領収部分に「領収済」などの記載や領収印が押されていることもあります。ただし領収印の押印は必須ではなく、省略されることもあります。
請求書兼領収書は支払いが完了していることが確認できれば、領収書として有効です。たとえ表題が「請求書」であっても、請求書兼領収書であれば領収書として利用できます。
ただし支払いが完了したことが明確でない場合、その書類は領収書として認められません。支払い済みであることを示す「了」「代済」「相済」などの記載があるかを確認することが重要です。
なお企業間の取引では、請求書兼領収書が使われることは稀です。
請求書兼領収書の保管方法についてですが、2024年1月1日以降の電子取引においては電子帳簿保存法により「電子取引のデータ保存」が義務づけられています。
PDFファイルなどで受け取った請求書兼領収書などの取引関連書類は、原則として電子データのまま定められた保存要件に従って保管する必要があります。
請求書兼領収書は取引内容の確認や証憑として重要な役割を果たす書類です。必要な際にすぐに取り出せるよう整理整頓して管理しておくことが重要です。
なお感熱紙で発行された請求書兼領収書は、紙の性質やインクの劣化によって文字が薄くなったり熱で黒く変色したりする可能性があります。そのため、こうした用紙で受け取った場合にはコピーを取っておいたりスキャナでデータ化したりスマートフォンやカメラで撮影するなどして電子形式で保存しておくと安心です。
また紙の書類をスキャナ等で電子化した場合には、電子帳簿保存法に基づいたスキャナ保存の条件を満たす形での保存が求められます。
領収書や請求書の管理を効率化するうえでも、電子化を進めていくことをおすすめします。
7.まとめ
請求書と領収書の違いについてご紹介しました。
どちらの書類も発行者と受領者は共通していますが、発行のタイミングや収入印紙の有無などいくつかの点で異なります。請求書は支払い前、領収書は支払い後に用いる点が大きな違いです。
いずれも取引を証明する重要な書類ですので、それぞれの役割を正しく理解し、混同せずに適切に管理していくことが大切です。
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