「転職がよくわからなくて怖い」「目に見えない不安や恐怖で転職活動が始められない」とお悩みではありませんか。
特に初めて転職を考えている方の場合、見通せない未来や不安が膨らみすぎて、一歩を踏み出せないこともあります。また、転職活動中に初めて感じるストレスによって、自己アピールやコミュニケーションがうまくいかずに悩むこともあるでしょう。
本記事では、転職に対する恐怖心がある方のために、まずはどのようなことを怖いと感じてしまうのか解説します。その上で不安や恐怖を乗り越えて転職活動をするメリットは何か、そして心を整理する方法や転職活動中に不安な時のための優先事項など、転職に前向きになっていただくための考え方やアドバイスについてお話しします。
目次
1.転職が怖いと感じて動けない理由
はじめに、転職活動に踏み切れない方のために、転職が怖いと感じて動けない理由について、ありがちな原因や要素をいくつか解説します。
未知の人間関係に恐怖を感じる
転職が怖いと感じて動けない理由に、現職の転職や退職に対する各担当者の対応、転職先の担当者とのコミュニケーションなど、未知の人間関係が生じることに恐怖を感じることが挙げられます。
転職や退職は法的にも認められる権利であり、報告や文書の提出など手続きが主体ではあるものの、転職や退職を伝えるのが初めての場合、怖いと感じてもごく自然なことです。
また、過去の転職や面接で嫌な経験があると、再び同じようなストレスを感じるのではないかという不安が生じることもあるでしょう。どちらの場合においても、ネガティブな結果を思い描くだけで行動できなくなり、伝えてみれば手続き的にスムーズに進むということを忘れてしまうのが原因と言えます。
自己肯定感が低く、自信がない
転職を検討しているタイミングでは、今の仕事でうまくいかず、自己肯定感が低かったり、自信がなかったりする状況に陥りがちです。そのため、転職してもうまくいかないだろう、退職を断られるかもしれないとネガティブな考えが先行して行動することができなくなってしまいます。
もちろん、自己評価も重要ですが、エンジニアとしての転職に必要なのは第三者からの市場価値であることを忘れてはなりません。同時に、心理的な要因とは別の実務経験や実力が、自己肯定感の低さによってうまくアピールできなくなってしまうということも理解しておく必要があります。
ストレスや不安が解消できない
現職に対する不満や転職に対する恐怖心が複合的に生じることで、ストレスや不安が解消できないのも動けなくなる原因です。小さなストレスや不安が積み重なっていくことで、原因が明確にできなくなり、解決することができない状態になってしまいます。
また、心理的な要因ではなく、肉体的な疲労などが積み重なることで、心身の疲労で元気になれないという状況も考えられるでしょう。自分では健康的な生活をしているつもりが、不摂生や生活のリズムの乱れが生じ、心と体が休まらず、ストレスや不安をため込んでしまうのです。
実務経験やスキルの不足感がある
現職でうまくいかないことや、転職が成功しないと考えてしまう要因として、実務経験やスキルの不足感があることも原因と言えるでしょう。自己肯定感や自信がないことの原因にもなりがちですが、実際に実務経験が少ない、得意と言えるスキルがないという状態は、気持ちの切り替えでは乗り越えられないため、解決しにくい問題です。
技術領域によっては未経験や経験が浅い場合でも転職できることもあります。しかし、スキルが身につかないまま短期間で転職を検討している場合など、転職でアピールするポイントがないと怖くなってしまうのは自然なことです。
また、現職の同僚や先輩が高いスキルの人ばかりに見える場合など、このままではどこに行ってもうまくいかないという焦燥感が生じてしまうこともあるでしょう。
2.不安や恐怖心を乗り越えて転職活動をするメリット
次に転職したいと思っているものの、不安や恐怖心が勝ってしまい、活動を始められない方のために、乗り越えて転職するメリットについて解説します。
より良い環境で働ける可能性がある
転職活動をするメリットとして、年収やスキルアップ、新しい人間関係、生活習慣の変化など、より良い環境で働ける可能性が挙げられます。目に見えない変化に対してネガティブなことを考えてしまいがちですが、環境を変えられるというメリットは、自分自身にとってポジティブな変化になることを想像することも大切です。
特に初めて転職活動をされる方の場合、現在の就職先が今の自分にとって最善なのではないか、という現状維持バイアスも働くでしょう。もちろん、転職活動をする中で現状維持が正しいかは精査すべきであるものの、より良い環境が得られるかどうかを試すために転職活動自体がメリットになるということです。
また、転職活動をしたら、必ずしも転職をしなければならないということでもありません。転職活動という行動を起こすこと自体が、現状維持を打破する一歩だと覚えておいてください。
転職活動の中で自分を再評価できる
転職活動をするメリットとして、書類の作成や市場調査による自分の市場価値の把握など、転職活動の中で自分を再評価できることが挙げられます。自己肯定感や実務経験の不足についても、再評価することで自分に対する課題と改善点が明確になり、具体的な行動に移れるようになるのです。
現時点での実務経験やスキルをすぐに向上させることは難しくても、自己肯定感や自信が取り戻されることで意欲的に行動できるようになるのもメリットと言えるでしょう。転職活動と並行して自分に足りない知識やスキルを補うための勉強をしたり、現在の職場での仕事の向き合い方に前向きになれたりすることもメリットです。
転職や退職の決意で気持ちが切り替わる
転職活動をするメリットとして、転職や退職を決意することで、気持ちが切り替わり、前向きになれることが挙げられます。特にどうすれば良いかわからないままで行動できない場合、行動するためには決意が必要であり、決意をすれば次に何をすべきかを考えられるようになるのが理由です。
転職活動によって、今の職場でもまだ学べることがある、もう少し実務経験とスキルアップがしたいと前向きになれる可能性もメリットと言えるでしょう。心理的な落ち込みやネガティブな感情が少しでも解消されることで、心身の健康を取り戻すきっかけになるのもメリットと言えます。
転職活動という新しいスタートラインに立つことで、ネガティブな状態の区切りとなり、気持ちの切り替えによってリセットされ、ポジティブな状態になれば、より論理的かつ建設的に転職活動に集中できるようになるでしょう。
不確かな未来を自分で確定していける
転職活動をするメリットは、不確かな未来を自分で確定していけるため、自分の意思決定で不安定な状態から脱することができるのもメリットです。特に企業勤めで働く中、自分自身の判断にすら自信が持てない状態にも陥りがちであるため、確定していける状況が続くことは、新しいことへ挑戦する自信や主体性の復活も期待できます。
転職や退職することなど全て自分自身で決めていけるという自己決定権があることを理解しておきましょう。一時的に収入が途絶えることに備えて貯金するという判断もできるようになりますし、失業給付の受給や職業訓練の受講など、金銭的な不安を解消しながら、どのような行動ができるかも視野に入り、その中から自分で選択できる自由があることを理解しておくことも大切です。
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3.転職前に不安や恐怖を言語化して心を整理する方法
次に転職に踏み切れない原因や転職活動をするメリットは理解しているものの、それでも一歩踏み出せない方のために、不確実な未来への不安や恐怖を言語化し、言語化を通じて明確になった不安や恐怖を、どのように整理していくか解説します。
冷静に不安や恐怖の原因を紙に書き出す
最初のステップである不安や恐怖を言語化する方法として、冷静に原因を紙に書き出すことが挙げられます。実際に紙に書くだけでなく、キーボードでタイピングしたり、音声入力で文字起こししたりするなど、自分の気持ちを出力しやすい方法で、自分の中から追い出すように外部に言語化し、客観視できるようにしていきましょう。
自分の頭の中で渦巻いている状態の言葉は、言語化することで思ったよりも情報量が少ないことに気がつくはずです。もしくは、一度にたくさんのことに悩んでいたつもりが、実は1つのことだったり、どれもが解決できる問題だったりすることも考えられるでしょう。
まずは言語化した原因を認めること、現在の状況として受け止め、改善すべき内容だと客観的に考えていくことが大切です。
転職や退職で解決する原因か見極める
次のステップでは、言語化した不安や恐怖の原因が、職場環境、待遇、人間関係、仕事内容や仕事量など転職や退職で解決する原因か見極めていきましょう。言語化した原因を箇条書きにして、その右側に転職で解決する、転職で解決しないと記述するだけでも構いません。また、この段階では解決に向けて何かを考えず、直感で解決できるかどうかのみで見極めることが大切です。
不安や恐怖を感じる原因のほとんどが、転職や退職で解決する問題であれば、転職活動をすべきと判断しやすくなります。具体的には雇用や評価に対する悩み、職場の人間関係、オフィスの場所や通勤時間、パソコンや技術分野の不満など、自分自身でコントロールできない要素を見極め、解決できないと明確にすることで、環境を変えなければならないという意志が固まりやすくなるでしょう。
転職や退職で解決しない原因の扱い方
転職や退職で解決しない原因として、実務経験やスキル不足、自己肯定感や自信の喪失など、内面的な要因が生じていることもあるでしょう。実務経験やスキル不足は現時点ではすぐに解決できない、もしくは転職とは関係のない問題として、資格の取得や転職先で成長していこうと前向きに考えるのがおすすめです。
また、コミュニケーションや職場の雰囲気が合わない状況になってしまったのは、自分自身の性格やコミュニケーション不足が原因だと考えてしまうこともあります。転職しても解決できない問題だと考えてしまいがちですが、職場の雰囲気の良し悪しでコミュニケーション能力のアップには雲泥の差があるので、転職で解決できる問題だと前向きに考えることも大切です。
心の中の整理のみで解決を焦らない
原因の言語化、転職で解決するかの見極め、解決しない原因の扱い方を経て、それでも心の中に不安や恐怖が残っていることもあるでしょう。次のステップでは最後に残った不安や恐怖を改めて紙やドキュメントに出力し、まずは自分の中から絞り出してしまう段階に入ります。
すぐに解決できないことをいつまでも心の中に残さない、そして解決できないことに焦り続けないためにも優先順位を見直し、別のことに心身の健康のリソースを使うようにしましょう。不安や恐怖の原因を見極めた上で、転職活動をすべきだと思ったら、情報収集を始める、技術力やスキルが足りないなら、資格を取得して自信をつけるなど、感情に関係のない行動に移すことが大切です。
不安や恐怖と関係のない情報が心に入り始めること、例えば、勉強によって興味関心が育ったり、転職活動の情報収集で何が必要か把握できるようになったりすれば、前向きなことに取り組める状況に発展していけるようになるでしょう。
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4.転職活動で不安に押しつぶされそうな時に優先すべきこと
次に、転職活動を始めたのに不安で押しつぶされそうな方のために、不安やストレスを減らし、論理的かつ理性的に転職活動を行うために優先すべきことについて解説します。
健康や生活習慣の見直しが最優先
転職活動をしていて不安で押しつぶされそう、辛すぎると感じたら、転職活動に対する不安や恐怖は一度保留して、心と体の健康や生活習慣の見直しを最優先にしましょう。
パフォーマンスが落ちている状態では、書類の作成や求人への応募でさえストレスや労力を感じてしまうため、転職活動が停滞してしまいます。また、転職活動に対する過大評価が発生している可能性もあるため、転職活動自体は単なる手続きだと考えることも大切です。
情報収集を行い、書類を作成して応募し、採用されたら退職届を出し、入社日になったら働き始めるという一連の流れを手続きや作業だと捉えること、合間に生じる対面でのコミュニケーションについても、ビジネスライクな気持ちで感情に左右されず丁寧に対応することを意識してみてください。
成功や失敗を判断基準にしない
転職活動で不安に押しつぶされそうになるのは、転職活動がうまくいかないことが最大の原因です。うまくいかないという主観的な判断は、自分自身の中で「失敗」と捉え一喜一憂している可能性が高いため、応募先の決定、応募、採用といったプロセスを経過することに対して成功や失敗を判断基準にしないことが重要と言えます。
書類選考が通らなかったら次の企業、面接がうまくいかなかったら次はもっと上手にアピールすることを考えましょう。そして採用された後は素直に喜んで、転職や引っ越しなど必要な手続きをしていく、これらの流れでは成功も失敗もありません。
転職活動中も同様に、転職活動のプロセスごとのタスクを追加しながら消化していくようなイメージを持ち、成功や失敗ではなく次の段階に進めていくという意識で進めてみてください。
ネガティブな情報や環境から離れる
あまりにも転職活動がうまくいかず、不安や恐怖が膨らんでしまう時は、ネガティブな情報や環境から離れることも重要です。転職活動が嫌だなと思えば、無理に情報収集を行わない、書類選考通過や採用可否のメールを何度もチェックすることは避けましょう。転職活動以外でも生活に支障がない範囲で、ストレスのあることから距離を置くように心がけてみてください。
特に転職活動中の情報収集の際、検索キーワードとともにサジェストでネガティブなキーワードがセットで表示されることもあります。不安の解消になるかと思ってクリックやタップをしてしまうと、逆に不安を煽られてしまうということも覚えておきましょう。
また、ネガティブな情報や環境から離れることは、ネガティブな気持ちをポジティブに切り替えるコントロールの練習にもなります。自分の趣味に没頭したり、興味関心のあることを勉強したりするのも良いでしょう。その他にも散歩、料理や掃除などの家事、少しの時間と少しの出費で楽しめることなど、仕事や転職以外のことにも目を向けることをおすすめします。
公的機関やエージェントに相談してみる
個人で転職活動をする場合、ほとんどの方が孤独で活動しなければならないため、誰にも相談できずに不安が増大することもあります。そのため、転職エージェントやフリーランスエージェントなどに相談し、客観的な意見をもらいながら転職活動をするのは非常におすすめです。
公的機関であれば現在の状況に応じて、様々な支援やサポートのアドバイスをもらうことができますし、エージェントであれば求人情報の紹介だけでなく、自分の市場価値を判断するための情報や具体的なアドバイスが得られる可能性があります。
また、家族や友人など、気軽に相談できる相手に、転職活動で大変な気持ちや愚痴を聞いてもらうことも、気持ちをスッキリさせる方法として効果的です。
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5.まとめ
本記事では、転職が怖くて動けないとお悩みの方のために、具体的な原因や転職するメリットを改めてお伝えしつつ、心を整理する方法やそれでも不安を感じた時の優先事項などについてお話ししました。
転職に対する不安や感情は、漠然とした状態であるからこそ、解決と行動ができないままになりがちです。また、不安な気持ちや恐怖心を一度認めないと増大してしまうということも覚えておいてください。
言語化によって自分の心の中から原因となる要素を出力すること、原因を受け止めて一度区切りをつけることから始めて、原因を1つずつ解決していき、解決できない原因は一旦後回しにします。考えるリソースを転職活動に割り振り、エンジニアらしく論理的に行動していくことをおすすめします。
最後までお読みいただきありがとうございました。
本記事が皆様にとって少しでもお役に立てますと幸いです。
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