AIエンジニアとして働いている人の中には、副業をしてみたいと考えている人もいるのではないでしょうか。しかし実際に副業を始めようと考えると、「案件ってあるの?」「どのくらい稼げる?」などさまざまなことが気になるものです。AIエンジニアの副業成功には、事前の情報収集が欠かせません。
そこで本記事では、AIエンジニアの副業に関して収入の目安や案件の例、メリット、必要なスキル、注意点などを解説します。特に以下の方には、この記事をご一読していただきたいです。
AIエンジニアとして副業を始めたいと考えている現役エンジニアの方
スキルを活かして収入を増やしたいと考えているデータサイエンティストやプログラマーの方
AI関連の副業に興味を持ち、具体的な案件や始め方を知りたい方
AIエンジニアの副業における注意点を知りたい方
目次
1.AIエンジニアの副業は稼げない・やめとけって本当?
AIエンジニアの副業について調べている中で、「やばい」「やめとけ」「稼げない」などと言われていて気になった方もいるのではないでしょうか。しかし実際には、副業でしっかりと稼いでいるAIエンジニアは多数います。
実績のあるエンジニアであれば、毎月の収入を数十万円以上増やすことも十分に可能です。実際にエンジニアの供給は慢性的に不足しており、独立行政法人情報処理推進機構が公表している「DX白書2023」によると、AI人材に対して不足していると感じている日本企業の割合は以下の通りでした。
AIに理解がある経営・マネジメント層:52.8%
AIを活用した製品・サービスを企画できるAI事業企画:62.4%
先端的なAIアルゴリズムを開発したり学術論文を書けたりするAI研究者:45.9%
AIを活用したソフトウェアやシステムを実装できるAI開発者:51.1%
AIツールでデータ分析を行い、自社の事業に活かせる従業員:65.0%
現場の知見と基礎的AI知識を持ち、自社へのAI導入を推進できる従業員:65.4%
上記を見ると、AIエンジニアに対して人材不足を感じている企業はどの分野においても多いことが分かります。専門知識を持つエンジニアには、副業であっても高いニーズがあると推測できるでしょう。
2.AIエンジニアの副業収入の目安
AIエンジニアの副業収入の目安は、数十万円以上であるとも言われています。
実際にフリーランスボードでAIエンジニアの募集案件を調べたところ、以下のような案件が見受けられました。
案件概要 | 月額 | 稼働日数 | 稼働形態 |
---|---|---|---|
自社プロダクト開発におけるプロダクトプランナー支援 | 100万円 | 週2〜5日 | フルリモート |
トレードシステム開発のバックエンドエンジニア | 60~100万円 (週5日換算) | 週2〜5日 週16時間~ | フルリモート |
DX部門向け生成AI活用業務 | 20~60万円 | 週1~2日 | フルリモート |
引用元:フリーランスボード
例えば週5日(月160時間)勤務で月額60〜100万円を時給換算すると、3,750〜6,250円です。この場合、週16時間勤務で24〜40万円稼げます。つまり、AIエンジニアが副業することで、月に数十万円(年収数百万円)以上の収入アップは十分に可能だと考えられるでしょう。
3.AIエンジニアの副業案件の例
この章では、AIエンジニアの副業案件の例として以下の3つを紹介します。
機械学習やAIプロダクトの開発
データ収集・分析
コンサルティング
機械学習やAIプロダクトの開発
AIエンジニアの副業案件としては、プロダクトの開発業務がまず挙げられます。
AIを活用したシステムの開発には、高い専門性・幅広い知識が必要です。最大限のパフォーマンスを実現できるように、システム処理や実装を行っていきます。また、機械学習はAI開発には欠かせない技術であり、AIに学習させるプロセスも業務内容の1つだと言えます。
データ収集・分析
データ収集・分析も、AIエンジニアの副業案件にはあります。
AI開発に必要なデータを収集・分析し、プロジェクトに貢献します。プロダクトの品質を高めるには、より多くのデータを集めて整理することが必要です。データサイエンティストやデータアナリストと一緒に業務を進めるケースも考えられるでしょう。
コンサルティング
AIエンジニアの副業内容としては、コンサルティングも考えられます。
コンサルティングとは、自らの専門性を活かしてクライアントの課題に対してソリューションを提供する仕事です。AI人材が不足していると考える企業は国内に多くあることから、AIコンサルティングのニーズも一定存在すると考えられます。
ただしAIに関する知識だけでなく経験もコンサルティングには必要であることから、エンジニアとしての実績は一定以上求められるでしょう。
4.AIエンジニアが副業するメリット
この章では、AIエンジニアが副業するメリットを以下の4点に整理して解説します。
スキマ時間を活かして効率的に収入増を目指せる
幅広い経験・知識を得られる
人脈作りにつながる
将来的にフリーランスも目指しやすくなる
スキマ時間を活かして効率的に収入増を目指せる
AIエンジニアが副業するメリットとしてはまず、本業の合間の時間を活かして効率的に収入アップを目指せる点が挙げられます。
会社の場合、優秀なエンジニアでも収入をすぐに増やすことは難しいことがあります。しかし副業をすれば、空いた時間を利用することで短期間で収入増を目指せるでしょう。
AIエンジニアの副業案件には月収数十万円程度のものも豊富にあることから、年収では数百万円アップにつなげることも十分に可能です。
幅広い経験・知識を得られる
幅広い経験や知識を得られることも、AIエンジニアが副業する大きなメリットの1つです。
副業をすれば、普段では関わることのない様々な業界・業種の会社と契約できます。本業の会社では得られない経験や知識を得ることが可能です。幅広い現場を経験したエンジニアであれば、市場価値も高まると期待できるでしょう。
人脈作りにつながる
副業に取り組むことで、人脈が広がることも考えられます。
さまざまな職場で働くことで、同じようにエンジニアとして働いている人やさまざまな勉強をしている人と出会う機会が増えるでしょう。エンジニアの人脈が広がることで、情報交換をして知見が広がったり、案件を紹介し合ったりすることも期待できます。
エンジニアとしての成長やキャリアアップにつながる出会いも、副業から得られるかもしれません。
将来的にフリーランスも目指しやすくなる
副業に取り組むことで、将来フリーランスになるための足がかりになることも考えられます。
副業によって人脈が広がれば、クライアントの紹介を受けたり直接仕事の依頼を受けたりすることもあり得るためです。また、副業でシステム開発を行う場合、自分がプロジェクトマネージャーやリーダーになるケースも考えられます。
幅広いポジションや業界の仕事を経験することで、フリーランスとしての独立が現実的になる可能性は十分に考えられるでしょう。
5.AIエンジニアの副業に必要なスキル
この章では、AIエンジニアの副業に必要なスキルとして以下の5つを紹介します。
機械学習やディープラーニングの知識
数学・統計の知識
プログラミングスキル
データベースに関する知識
コミュニケーションスキル
機械学習やディープラーニングの知識
AIエンジニアの副業に必要なスキルにはまず、機械学習やディープラーニングの知識が挙げられます。
AI開発の仕事においては、機械学習やディープラーニングの技術が必須であるためです。機械学習やディープラーニングはいずれもAIによる分析やデータ化のための手法ですが、そのためのプログラム作成はAIエンジニアが行います。
機械学習やディープラーニングの知識についても、必須だと考えられるでしょう。
数学・統計の知識
数学や統計に関する知識も、AIエンジニアの副業には一定必要です。
AIによるデータ分析・解析には、数学や統計学の知識が求められます。微分・積分や線形代数、そして確率論などの基礎知識はデータ活用に欠かせないでしょう。また、数学を学ぶことで身につく論理的思考力は、AIエンジニアの業務に役立つと考えられます。
プログラミングスキル
AIエンジニアの副業に必要なスキルとしては、プログラミングスキルも欠かせません。
AIの開発や修正には、プログラミング言語の利用が必須です。特にPythonやC++、Javaなどの言語は、必要になる可能性が高いと言えます。また、AI開発に活用できるフレームワークやライブラリの理解があると、効率的に業務を行えるでしょう。
データベースに関する知識
データベースに関する知識も、AIエンジニアには必要です。
AIエンジニアが扱うデータベースにはさまざまな種類があり、扱うデータに合わせて最適なものを利用する必要があります。また、データベースにおけるデータ書き込みや集計に関する理解も、AIエンジニアには必要です。
コミュニケーションスキル
AIエンジニアの副業をするにあたっては、コミュニケーションスキルも重要です。
副業では、さまざまな現場の仕事に対応することが求められます。職場の雰囲気や決まりなどを理解したうえで、状況に合わせた柔軟な対応が必要です。
職場メンバーとのやり取りが円滑に進まなければ、業務進行に悪影響を及ぼすことも考えられます。相手の言いたいことを理解し、こちらの考えを伝えられる能力は、副業に限らずAIエンジニアの業務遂行には重要でしょう。
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6.AIエンジニアの副業案件獲得方法
この章では、AIエンジニアが副業案件を獲得するために活用できる方法を、以下の通り3種類紹介します。
エージェントサービス
クラウドソーシングサービス
友人・知人からの紹介
エージェントサービス
AIエンジニアの副業獲得に利用できる方法としてはまず、エージェントサービスが挙げられます。
エージェントサービスに登録しておくことで、自分が持っているスキルや希望する労働条件に合った案件の紹介を受けられます。また、案件探しのアドバイスを受けたり相談に乗ってくれたりと、さまざまなサポートも期待できるでしょう。
以下のようにさまざまなフリーランスエージェントがあるので、活用してみてください。
クラウドソーシングサービス
AIエンジニアの副業案件探しには、クラウドソーシングサービスも活用できます。
クラウドソーシングサービスとは、案件・求人を探している人と業務を外注できる人材を求めている企業や人とをマッチングするサービスのことです。登録するだけで、案件の検索や応募を簡単にできます。
未経験でも応募できる案件・求人も多数あることから、副業を検討するならまず登録してみると良いでしょう。AIエンジニアが利用できるクラウドソーシングサービスには、以下が例として挙げられます。
友人・知人からの紹介
友人・知人から紹介を受けて、副業として取り組む方法も考えられます。
どの業界でもエンジニアは慢性的な人材不足になっていることから、副業を探していると伝えることで仕事を紹介してもらえる可能性は十分に考えられます。「自分には人脈がない」と感じる方でも、SNSを活用して案件探しをすることで効率よく紹介を受けることが期待できるでしょう。
7.未経験でもAIエンジニアの副業はできる?
AIエンジニアとして副業案件を獲得することは、これまで紹介してきた通り十分にできます。しかし未経験の場合は、副業案件を獲得することは難しいと考えなくてはいけません。
副業案件においては、基本的に即戦力人材が求められているためです。人材の育成は考えていないことが一般的であることから、案件に応募しても獲得可能性は低いと言えるでしょう。
未経験でも副業を見つけたいと思うなら、SNSで案件を募る方法が考えられます。ただしその際は未経験であることをしっかりと明記し、トラブルを避けることが重要です。
どうしてもAIエンジニアの仕事を未経験からしてみたいのであれば、副業としてではなく転職・就職の検討をおすすめします。
8.AIエンジニアが副業する際の注意点
この章では、AIエンジニアが副業する際の注意点を以下の通り3つ紹介します。
自己管理・スケジュール管理を徹底する
勤め先の規則を厳守する
税金に関する知識も学んでおく
自己管理・スケジュール管理を徹底する
AIエンジニアが副業する際には、自己管理とスケジュール管理の徹底が重要です。
本業の仕事をする中で副業も一定以上こなすには、時間や体調・体力の管理が求められます。副業であっても、本業と遜色ない品質での仕事がもちろん求められます。一定のクオリティを確保できなければ、案件の紹介を受け続けることはできないでしょう。
また、副業に精を出すあまりに本業がおろそかになってしまってもいけません。副業はあくまでも本業の合間にする仕事であり、本業に支障が出てしまっては本末転倒です。
最悪の場合本業の会社での評価が下がってしまったり、体調を崩して仕事ができなくなってしまったりすることも考えられるでしょう。
勤め先の規則を厳守する
勤務先企業の規則をしっかりと厳守することも、副業においては重要です。
本業の会社の就業規則を守らずに副業をすれば、注意を受けたり評価に悪影響が出て減給されたりする可能性もあります。そもそも副業自体が就業規則で禁止されているケースもあるので、しっかりとチェックしなくてはいけません。
副業していることを隠していても、住民税の金額が急に変わったりうわさが流れたりして会社に知られてしまうことは多々あります。
副業をするなら、ルールを守って本業の会社とも副業の職場とも円満な関係のもとで仕事を続けるようにしましょう。
税金に関する知識も学んでおく
副業をするにあたっては、税金に関する理解も欠かせません。
副業によって得た収入には、本業の収入と同様に税金がかかります。副業による所得が年間で20万を超えると所得税が発生する上に、20万円以内でも住民税は発生します。そのため、副業をするなら原則として税金を申告する必要があると考えるべきでしょう。
会社員の場合、確定申告にはなじみがない方が多いと言えます。確定申告のやり方については能動的に情報収集をしていかないと、受け身の姿勢で教えてもらえることはないと考えておかなくてはいけません。
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9.AIエンジニアの副業でよくある質問
この章では、AIエンジニアの副業でよくある質問とその回答を紹介します。
週1・土日でのAIエンジニア副業案件ってある?
週1・土日でのAIエンジニア副業案件はあります。
リモートワーク化の案件であれば、本業のスキマ時間も活用できるでしょう。ただし、週1・土日のAIエンジニア案件にはどうしても人気が集まり、倍率が高くなる傾向があります。
そのため、応募にあたっては一定の実務経験が必要だと考えられます。週1という限られた時間で案件をやり遂げるためにも、AIエンジニアとしての実力や経験は必要です。
10.まとめ
AIエンジニアの需要は多くの企業で高く、副業の案件獲得は十分に可能であると考えられます。機械学習やプログラミングに関するスキルなどを身につけて、年収アップやキャリアアップを目指していきましょう。
ただしAIエンジニアの副業にあたっては、自己管理を徹底したり税金の知識を得たりすることも大切です。本記事もご参考にして必要な情報を積極的に獲得し、AIエンジニアの副業を成功させてください。
本記事が皆様にとって少しでもお役に立てますと幸いです。