Alibaba Cloud認定試験とは？各認定種類や難易度メリット、合格のための学習方法を解説

「中国を中心としたアジア圏内のエンジニアとして活躍したい」「自社の商品やサービスを中国市場で展開したい」とお考えであれば、Alibaba Cloud認定試験の合格に向けて勉強してみてはいかがでしょうか。

Alibaba Cloud認定試験はクラウドコンピューティングに関する技術が学べるようになっており、中国でのビジネス展開やエンジニアとしての就職及び転職に役立つのは間違いありません。

今回はAlibaba Cloud認定試験に関する基礎知識や詳細情報、Alibaba Cloud認定試験の資格取得のメリット・デメリット、Alibaba Cloud認定試験合格のための学習方法についてお話しします。

1.Alibaba Cloud認定試験に関する基礎知識

はじめにAlibaba Cloud認定試験に関する基礎知識について解説します。

Alibaba Cloud認定試験とは

Alibaba Cloud認定試験とは、クラウドコンピューティングサービスであるAlibaba Cloudの様々なサービスや機能に関する知識やスキルが問われる検定試験です。

• ACA(Alibaba Cloud Associate)

• ACP(Alibaba Cloud Professional)

• ACE(Alibaba Cloud Expert)

上記はAlibaba Cloud認定試験のレベルです。最難関のレベルであるACEの試験の対応言語は英語と中国語のみになっています。

それぞれのレベルで特定の技術領域やクラウドコンピューティングの理解を示す内容の試験が複数あり、Alibaba Cloudのサービスにおけるどの分野のスキルを有しているのか、どのレベルなのかを証明しやすくなっているのが特徴です。

GoogleのGCPやAmazonのAWSにも同様のサービスに関する技術分野の認定試験があり、クラウドコンピューティングに関するエンジニアとしての実力の証明やスキルアップにつながる認定試験と言えるでしょう。

Alibaba Cloud認定試験の受験に向いている人

• クラウドコンピューティングを学びたい方

• クラウドコンピューティングの実力を証明したい方

• 英語や中国語が得意な方

• 中国を中心としたアジアに興味のある方

• アジア圏内で必要とされる商品やサービスを提供している方

上記がAlibaba Cloud認定試験の受験に向いている人の一例です。

Alibaba Cloudを採用している企業でエンジニアになりたい方、AWSやGCPのエンジニア市場ではなく、Alibaba Cloudでの価値を高めたい方に向いていると言えます。すでにAWSやGCPなどの実力のある方でマルチクラウドに対応する必要がある方の実力の証明にも役立つでしょう。

その他、英語や中国語が得意、もしくは中国に対して興味関心が高い方にもおすすめです。また、企業や組織としてグローバル展開をしている中で、中国市場に対するアプローチを強化したい、もしくは中国市場で展開をしたいと言ったような場合においても、Alibaba CloudでホームページやECサイトを構築するといったようなことにも役立ちます。

Alibaba Cloud認定試験の合格で目指せるキャリア

• ブリッジエンジニア

• バイリンガルエンジニア

• クラウドエンジニア

• クラウドコンサルタント

• 中国現地法人担当者

• 中国企業の日本法人担当者

上記がAlibaba Cloud認定試験の合格で目指せるキャリアの一例です。

英語や中国語が堪能な方であれば、ブリッジエンジニアやバイリンガルエンジニアとしての活躍が期待できます。Alibaba Cloud認定資格の技術分野を少しずつ網羅していくことで、様々な領域のエンジニアとして成長できるとともに、クラウドエンジニアやクラウドコンサルタントも視野に入るでしょう。

日本企業の中国現地法人担当者や中国企業の日本法人担当者としてのポジションも期待できるようになります。英語や中国語が苦手な場合においても、実務の現場でネイティブな英語や中国語が身につくことで、技術力と共にコミュニケーション力が身についていくことも期待できます。

2.Alibaba Cloud認定試験の詳細情報

次にAlibaba Cloud認定試験の詳細情報について解説します。

Alibaba Cloud認定試験の認定種類

・ACA(Alibaba Cloud Associate)

• ACA 生成AIエンジニア認定

• ACA ビジネスユーザー認定

• ACA クラウドコンピューティング認定*1

• ACA システムオペレーター認定

• ACA デベロッパー認定*1

• ACA クラウド・セキュリティ認定

• ACA ビッグデータ認定*1

• ACA クラウドネイティブ認定*1

• ACA クラウドプラクティショナー認定

• ACA データベース認定*1

・ACP(Alibaba Cloud Professional)

• ACP クラウドコンピューティング認定*1

• ACP クラウドネットワーキング認定*1

• ACP DevOps エンジニア認定*1

• ACP クラウド・セキュリティ認定*1

• ACP ビッグデータ認定*1

• ACP コンテナーサービス認定*1

・ACE(Alibaba Cloud Expert)

• ACE クラウドコンピューティング認定*1

• ACE ビッグデータ認定*1

*1：2025年3月31日終了

上記がAlibaba Cloud認定試験のレベルごとの認定の種類です。認定ごとの詳しい出題範囲については公式サイトの「Alibaba Cloud Professional Certifications」をチェックして確認してみてください。

下記は一例としてACA クラウドコンピューティング認定の試験を表にまとめています。

参考元：ACA Cloud Computing Certification

2024年12月末時点で試験の更新及び見直しのタイミングとなっており、さらに2025年3月末で試験自体の廃止やアップグレードとなっております。

多くの認定試験が新しいものに置き換えられたり、廃止になることから受験を検討したタイミングで公式サイトを必ずチェックし、希望する認定資格が更新されているか見ておきましょう。

出題数や合格基準、受験料などについても現在開催されているものは明記されているため、同じタイミングで試験の詳細に関する英文を翻訳して確認しておくことをおすすめします。

Alibaba Cloud認定試験の受験者数・合格率

Alibaba Cloud認定試験の受験者数と合格率については、公式には発表されていません。

Alibaba Cloud認定試験の受験者数の参考として、2022年度グローバルクラウドサービスプロバイダー、アジア太平洋地域の売上高において、Alibaba Cloudは21.3%の市場シェアを持っており、中国やアジア圏内での優位性は高いです。そのため、同地域での受験者は多いと考えられるでしょう。

一方、世界でのクラウドサービス市場ではAWSが32%、Microsoft Azureが23%、GCPが12%となっており、Alibaba Cloudは4%前後のシェア率です。

上記シェア率を考慮すると、シェア率が少ないため、相対的に受験者数は少ないことが予測できます。

そのため、クラウドコンピューティングに関するエンジニアとしての市場価値を高めたい場合に合格が有利に働く可能性があるということも留意しておきましょう。例えば、GCPやAWSなどの資格にも合格している状態で、さらに中国市場でも活躍できるエンジニアになりたい場合は挑戦する価値があるということです。

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Alibaba Cloud認定試験の申し込み手順

1. Alicloudの公式ウェブサイトより認定試験の受験票を購入

2. Pearson VUEでアカウントを登録

3. Alicloudの公式ウェブサイトで試験コードを取得し試験を予約

4. 指定した会場・日時に身分証明書を持参して受験

5. 試験合格後、Alibaba Cloud Academyにアクセス

6. Pearson VUEアカウントをバインドして認定証明書をダウンロード

上記がAlibaba Cloud認定試験の申し込み手順です。Alicloud、Pearson VUE、Alibaba Cloud Academyとそれぞれ3つの公式サイトを経由するので、その都度確認しながら手順を間違えないように申し込みや合格の確認を行ってください。

Alibaba Cloud認定試験の有効期限

Alibaba Cloud認定試験の有効期限は合格から2年となっています。2年ごとに再認定の試験を受ける必要があるということ、再認定の試験には認定料（80ドル）が発生することを留意しておきましょう。

再認定の試験の内容や認定料については、レベルや技術分野ごとに異なるため、Alibaba Cloudの公式サイト（英語・中国語）で調べるか、運営元に問い合わせをしてみてください。

Alibaba Cloud認定試験の難易度・勉強時間

Alibaba Cloud認定試験の難易度と勉強時間については、受験される方の今までのITに関する実務経験やスキルセット、そして英語と中国語の習熟レベルによって大きく異なります。

ACAのレベルはクラウドの基本的な概念やAlibaba Cloudの主要サービス理解を問うもので、一般的なIT基礎試験と同程度の難易度と言えます。参考として日本のIPAが実施する基本情報技術者と同等、それと同等の難易度を有する基礎的なIT資格試験を想定すると分かりやすいでしょう。

一方、ACPとACEのレベルはより高度な実務レベルの知識やスキルが要求されるため、IPAの応用情報技術者試験、あるいはより上の高度試験と同程度かの難易度を想定しておくことで学習計画が立てやすくなります。

それぞれのケースにおいて共通するのは、レベルと技術分野ごとの理解度によって勉強時間が異なること、ACEのレベルについては言語の壁の要素で勉強時間が増えてしまうことです。

受験者が既にAWS、GCP、Azureなどクラウドサービスの経験を有している場合は基礎的な概念が共通する部分が多く、比較的短い学習期間で習得可能でしょう。しかしクラウド分野未経験者はより基本的な概念学習から始める必要があるため、より多くの学習時間が必要となるでしょう。

勉強時間の目安として、あくまで参考となる一例ですが、ACAのレベルで1つの技術分野ごとに50時間から100時間、ACP・ACEのレベルで1つの技術分野ごとに100時間から200時間を見込んでおくことをおすすめします。

3.Alibaba Cloud認定試験の資格取得のメリット

次にAlibaba Cloud認定試験の資格取得のメリットについて解説します。

Alibaba Cloudについてレベルや分野ごとに学べる

Alibaba Cloud認定試験の資格取得のメリットとして、Alibaba Cloudについてレベルや分野ごとに学べることが挙げられます。技術の進化に合わせて、 認定資格の見直しや更新も行われているため、Alibaba Cloudの最新の技術における実力を分野ごとに証明したい場合にも役立つメリットです。

Alibaba Cloud認定試験はその他のクラウドコンピューティングに関する認定資格と同様に、主には提供するサービスの使い方、そして使うための基礎、技術分野ごとの知識が問われる試験であるため、その他のクラウドコンピューティングサービスを学ぶ際の土台になるのもメリットと言えるでしょう。

中国を軸としたアジア圏内で活躍したい場合に有利になる

Alibaba Cloud認定試験の資格取得のメリットとして、中国を軸としたアジア圏内で活躍したい場合に有利になることが挙げられます。英語や中国語が得意、もしくは中国やアジア圏内が好きでその中で活躍したい、中国系企業での実務経験や実績が欲しい場合に役立つということです。

同様に中国の企業が日本でビジネスの展開をする際、日本人に対応するための現地スタッフとして採用されるといったようなことも視野に入ります。中国企業での就職実績を手に入れることで、中国を含めてアジア圏内、将来的にはグローバルな市場での活躍も視野に入ってくるでしょう。

中国市場での自社の商品やサービスの展開がスムーズになる

Alibaba Cloud認定試験の資格取得のメリットとして、中国市場での自社の商品やサービスの展開がスムーズになることが挙げられます。例えば、中国市場で一定のニーズが見込める商品を売り出したい、既存のシステムやサービスを展開するためにAlibaba Cloudに対応したい場合に向いているということです。

Alibaba Cloudの認定資格を持つエンジニアとして、Alibaba Cloud上でホームページやECサイトを構築してみたり、中国でのビジネス展開の足がかりとしての人材として重宝されたりすることも期待できるようになることから、自身の活躍だけでなく、企業や組織に貢献できる人材としてポジションアップにつながっていくことも考えられるでしょう。

4.Alibaba Cloud認定試験の資格取得のデメリット

次にAlibaba Cloud認定試験の資格取得のデメリットについて解説します。

資格取得のための勉強時間や費用が発生する

Alibaba Cloud認定試験の資格取得のデメリットとして、資格取得のための勉強時間や費用が発生することが挙げられます。日本語に翻訳されている部分の勉強、翻訳されていない部分を翻訳しながらの勉強、公式のトレーニングや受験料などが発生することが理由です。

また、Alibaba Cloudに関連する技術的な書籍の購入だけでなく、英語や中国語を学ぶための教材も必要となればさらに費用が必要になります。ただし、これらの費用は自分に対する投資でもあるため、積極的に学んでいくためのコストとして受け入れた方が良いということも覚えておきましょう。同時に将来的なリターンは大きく見込めることを理解し、勉強のモチベーションを高めることが大切です。

英語や中国語を習得しないと合格や資格の活用が難しい

Alibaba Cloud認定試験の資格取得のデメリットとして、英語や中国語を習得しないと合格や資格の活用が難しいことが挙げられます。国内の認定資格と比べた場合においても、日本語の試験、日本語の教材、その他の専門書や技術書などの手に入りやすさと比べると学びにくく、受験の申し込みも大変です。

同様に自社の商品やサービスを中国市場で展開したいと考えた場合においても、英語も中国語は必須であり語学を習得するための勉強時間も考えておく必要があるでしょう。

Alibaba Cloud以外の環境では評価されにくい

Alibaba Cloud認定試験の資格取得のデメリットとして、Alibaba Cloud以外の環境では評価されにくいことが挙げられます。GCPやAWSを採用している企業に入りたい、もしくはプロジェクトに参画したいと考えた時には向かないということです。

そのため、クラウドコンピューティングについて初めて学ぶ方の場合、言語の壁で学習が難しくなることを考えると、その他のクラウドコンピューティングを提供するベンダーの認定資格を学んだ方が良い場合もあります。ただし、GCPやAWSにも理解があり、その上でAlibaba Cloudについても学ぶという場合は希少価値の高い人材として成長できる可能性もありますので、挑戦する価値はあると言えるでしょう。

5.Alibaba Cloud認定試験合格のための学習方法

次にAlibaba Cloud認定試験合格のための学習方法について解説します。

公式の日本語ドキュメントで基礎を学ぶ

Alibaba Cloudの公式のヘルプページにある日本語ドキュメントは非常に充実しています。Alibaba Cloudの提供するサービスと共に、IT技術に関する情報が豊富に掲載されていますので、受験を検討した段階でまずは一通り目を通しておきましょう。

Alibaba Cloud認定試験の合格に向けた教材については、全てが日本語で提供されていないですが公式のトレーニングがあります。英語や中国語が得意であれば、公式のトレーニングを利用することも前向きに検討しましょう。

英語と中国語の習得を勉強計画に入れておく

Alibaba Cloud認定試験の合格と活用を現実的なものにするためにも、英語と中国語の習得を勉強計画に入れておくこともおすすめします。Alibaba Cloud認定試験に合格したとしても、日本語でしかコミュニケーションできない、もしくは勉強自体がままならないという状況の解決につながるでしょう。

また、将来的なキャリア形成、もしくは中国市場でのビジネス展開を考えている場合、技術力だけではなくコミュニケーション力も非常に重要となります。Alibaba Cloud認定のあるエンジニアとしてだけでなく、ある程度はコミュニケーションが取れて、就職や転職ができるレベルになっておくこと、もしくはクライアントと交渉ができるようになることなどは視野に入れておくべきと覚えておいてください。

まずは日本語でエンジニアとしての基礎を身につけることも大事

Alibaba Cloud認定試験合格のためにも、まずは日本語でエンジニアとしての基礎を身につけることも大事だと知っておきましょう。ある程度英語や中国語ができる方は別として、やはり言語の壁は勉強の際に大きな障壁となります。

英語や中国語に堪能な方でも、まずは無理なく日本語で技術を習得していくこと、その後にAlibaba Cloud認定試験合格に向けた勉強に集中していくことをおすすめします。

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6.まとめ

今回はAlibaba Cloud認定試験に関する基礎知識や詳細情報、Alibaba Cloud認定試験の資格取得のメリット・デメリット、Alibaba Cloud認定試験合格のための学習方法についてお話ししました。

Alibaba Cloud認定試験は中国を基軸としたキャリアの形成やビジネス展開における足がかりになる可能性が高い認定資格と言えます。日本と中国市場を結び、その後グローバル展開をしていくといったようなことも視野に入るため、受験者個人だけでなく、所属する企業や組織にとっても強みになるのは間違いないでしょう。

英語や中国語のスキルを活用したい、中国市場の潜在的な顧客層にアプローチしたい場合にも役立ちますので、合格に向けてモチベーションを高めて勉強してみてください。

最後までお読みいただきありがとうございました。

本記事が皆様にとって少しでもお役に立てますと幸いです。