「転職回数が多いと不利だろうか」「きちんとした評価がされるか不安」とお悩みではありませんか。
一昔前であれば転職が多い人はネガティブな影響を受ける可能性もありましたが、現代では一つの企業に縛られることなく、転職によってキャリアアップやキャリアチェンジをすることは珍しくありません。
特にIT業界においては、エンジニアとして転職を繰り返すことが年収アップや新しい環境でのスキルアップが期待できるため、技術的に停滞してしまうよりは転職をした方が良い可能性があります。
本記事では、転職回数が多いことに不安を感じている方のために、実際にどのようなイメージを持たれてしまうのか、そして転職回数が多い人の実際の特徴は何かを解説しながら、ありがちな不安や解消方法をご紹介し、転職回数が多くても転職を有利に進める方法や考え方についてお話しします。
目次
1.転職回数が多い人に対するネガティブなイメージ
はじめに、転職回数が多い人に対するイメージで事実とは異なる点を理解していただくために、具体的にどのようなことを思われてしまうのか解説します。
転職回数が多い人は長続きしない
企業や組織の人事や採用担当者としては、採用活動には時間や労力の負担、そして教育コストのことを考えると、なるべく長く働いて欲しいと考えます。そのため、転職回数が多い人は長続きせず、せっかくの労力やコストが無駄になってしまうと思われてしまう可能性があるのです。
また、エンジニアの場合はスキルを身につけて、一定のプロジェクトを終えた段階で実績を得て、次に行ってしまうのではという懸念があるため、長く続かないというイメージを持たれてしまうのは、内定の判断の際にネガティブな影響を与える可能性もあります。
転職回数が多い理由や転職時の退職理由がポジティブなものであったとしても、転職する能力があるということは、定着率が低いと思われても仕方がないことと言えるでしょう。
転職回数が多い人はトラブルを起こしやすい
採用担当者の方が履歴書を見て、短期間もしくは一定の期間で転職が繰り返されているのを見た場合、もしかしたらトラブルを起こしやすい人なのかもという懸念を持つことも考えられます。特に人事や採用担当者の場合、新しく受け入れたエンジニアが職場の空気を乱すことを非常に嫌がるため、問題のある人と感じられてしまうのは、かなりマイナスな影響になるでしょう。
もちろん、トラブルがなくても転職回数が多い人はいらっしゃいますが、採用担当者が警戒するということは覚えておく必要があります。応募書類や面接などでトラブルが要因でないということは明確にすべきという意味であり、もしトラブルが原因であれば改善した上で、しっかりと説明できるように準備しなくてはなりません。
また、自分自身が起こしたトラブルではない場合においても、短期間で転職を繰り返している場合、元勤め先のネガティブな要因で退職したことを伝えることで、たとえ事実であっても評価を下げてしまうということも覚えておいてください。
転職回数が多い人は責任感がない
企業や組織の採用担当者、または配属される予定の管理者としては、転職回数が多い人は責任感がないと受け止めてしまうことも考えられます。任された仕事を最後までやり遂げることができない、もしくは一定の成果が出る前に諦めてしまうのではないかと思われてしまうのです。
実際にプロジェクトの途中なのに退職してしまったり、自分が原因のバグやエラーを他の人に丸投げしてしまったりするようなことに遭遇することもあるため、ネガティブに思われても仕方がないこととも言えるでしょう。
ただし、企業側が責任を持って仕事をする人が欲しいというのは、社会人としても当然のことでもあるため、応募書類や面接のタイミングで、「責任感がなさそうだ」と判断されないような言動と態度をとる必要があります。
転職回数が多い人は能力が低い
転職回数が多い人の場合、1つの開発現場で仕事をやりきったことがなく、そのためにスキルや能力が低いとみなされることもあるでしょう。特に職務経歴書などで示せる実績がなく、実務経験を見ても成長した形跡がない場合は、新しい知識やスキルの習得、もしくはチャレンジ精神に欠けると捉えられても仕方がありません。
実際にエンジニアに限らず、一通りの仕事を覚えるためには一定の期間が必要になります。そして覚えたことを実務経験の中でスキルとして習熟させていく必要があるため、転職回数が多いと知識ばかりで実務では役に立たないと感じられてしまうこともあるでしょう。
また、エンジニアとしての技術的な実力は、資格を取得して証明することもできますが、どれだけ理解が深まっているか、習熟しているかを伝えにくいこともあるため、実績を示せるポートフォリオを充実するような作業は念入りに行う必要があります。
2.転職回数が多い人のポジティブな特徴
次に、転職回数が多い人に対するイメージを前提とした上で、イメージそのままの場合を除き、実際にはどのような人に転職回数が多いのか、ポジティブな特徴について見ておきましょう。
優秀で採用されるからこそ転職回数が多い
転職回数が多いということは、採用される回数も多いということであり、結果として様々な企業から評価される優秀なエンジニアであることが特徴として挙げられます。そのため、エンジニアとして未熟なわけではなく、実績と実力がある場合は転職回数の多さに悩み続ける必要はないでしょう。
同時に、転職回数が多いことよりも、転職ごとに実績を残してきたこと、もしくはスキルアップや収入アップを実現したことなどがアピールできるようになれば、むしろ転職回数が多いことは採用に対してポジティブな影響を与えるようになります。
また、優秀な人材と感じてもらうことができれば、他の企業に採用される前に、自社での採用を早めておこうと考えてもらうこともできるかもしれません。
多様な環境を乗り越えた経験とノウハウがある
転職回数が多いということは、エンジニアとして様々な開発現場で働いてきた証拠でもあります。特に開発現場の環境は多種多様であるため、プロジェクトの進め方、開発環境、チームワークやタスクの割り振り、業務範囲や業務量などの要素を乗り越えているとポジティブな評価を得られる可能性が高いです。
もしくは、転職回数自体は多くても、様々な開発現場を経由してきたことで、得意とする分野のスペシャリストとして評価される可能性もあります。転職回数によるネガティブなイメージを排除し、しっかりと実力をアピールするためにも、履歴書や職務経歴書だけでは伝わらない部分を、面接などで説明できるように精査しておくことが大切です。
同様に蓄積してきた経験やノウハウを、応用して活用していけるということもアピールできるように準備しておくと良いでしょう。
働く意欲があり積極的に行動できる
転職回数が多いということは、少なくとも転職活動に対して前向きであり、何よりも働く意欲があるとポジティブなイメージを持ってもらえる可能性もあります。個人差もありますが、転職活動は負担になることもあるため、その都度しっかりと積極的に行動して、乗り越えていること自体が評価に値するということです。
また、新しい環境にどんどんチャレンジしていくという行動力も、新しい技術やスキルの習得に向けて前向きであるという評価を得られる可能性もあります。そのため、転職ごとに技術やスキルを把握しておき、アピールポイントとすること、プロジェクトに対してどのような関わりを持ち、どのように活躍できたかなどもまとめて言語化できるようにしておくと良いでしょう。
コミュニケーション能力が高い
転職回数が多い人は、業務中や面接も含めて、コミュニケーションで様々なことを乗り越えられる人という特徴もあります。そもそもコミュニケーション能力が低い場合は、何度も転職することはできませんし、新しい開発現場になじむこともできません。
技術力だけでなく、チームワークや協調性などもあるエンジニアとして評価されることができれば、採用したいと考えてもらえる可能性も高くなっていくでしょう。
また、転職回数が多い人の中には、コミュニケーションを通じて人脈形成をするのが得意な方もいるため、職場を転々としているようなイメージを持ちつつも、実は横のつながりがあるという方も特徴として挙げられます。
そのため、必要とされる時にプロジェクトや開発現場に参加したり、一時的にフリーランスのような働き方をする方もいるため、コミュニケーション力を磨くことは技術力を磨くのと同様に重要であると言えるでしょう。
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3.転職回数が多い人にありがちな不安と解決方法
次に、転職回数が多い人がどのようなことに不安を感じるのか、そしてどのように乗り越えていくのか、いくつかの具体例と解決方法について解説します。
転職回数が多いから受からないという不安
転職回数が多い人にありがちな不安として、転職回数が多いことによる採用へのネガティブな影響に対する不安が挙げられます。もちろん、その都度乗り越えたからこそ転職回数が多くなっているわけですが、再度転職活動をするタイミングでは「今回はうまくいかないかもしれない」と考えてしまうことは仕方がありません。
解決策としては、今までの転職活動の経験も踏まえて、今回も乗り越えられるという意識を持つことです。また、採用される実力があるということをしっかりと理解し、応募書類の見直しやスキルセットの棚卸なども積極的に行うことが推奨されます。
同時に、いろいろなところで働いてきたという自信を持ち、対応力や柔軟性があるということも理解した上で、新しい環境に挑戦していくという強い気持ちを持つことが大切です。
転職理由が様々で説明しにくいという不安
転職回数が多い場合、ポジティブな理由もあれば、ネガティブな理由で退職したこともあるでしょう。そのため、回数が多ければ多いほど、転職理由の内容も増えていくため、どのように説明したらよいかわからないと不安に感じてしまいます。
解決策としては、ポジティブな要因もネガティブな要因も、前提として正直に話すこと、そしてネガティブな要因の場合は、伝え方を工夫することが大切です。
例えば、毎日が同じことの繰り返しでつまらないという理由だったとしても、エンジニアとしての停滞感が強くなったため転職したということもできます。同様に給与や待遇が物足りないのが理由だったとしても、良い評価をしてくれる環境でさらに成長を目指したいという言い方もできるでしょう。
ただし、給与の面で不満がある場合、採用しても他により良い条件があればすぐ転職されてしまうと考えられてしまう可能性もあることから、主にお金が原因だったとしても、違う話題に切り替えて伝えた方が無難と言えるでしょう。。
キャリア形成や将来設計に対する不安
転職回数が多い人の不安の一つに、転職活動自体は成功しやすいものの、キャリアを振り返ると方向性が定まっていない、もしくはキャリアパスがバラバラすぎて技術者としての専門性に欠けると考えてしまうことがあります。
また、このまま同じように何度も転職を繰り返すのかもしれないという将来設計に関する不安が生じることもあるでしょう。
解決策としては、自分の本当に好きな分野の技術を磨き続けること、その技術に合わせてプロジェクトに参加していくという考え方を持つことです。まずは同じ領域で実績を積み、実務経験を増やしていくことで実力の向上も期待できます。
また、今までのキャリアをしっかりと見つめ直すことも重要です。自分自身では曖昧なキャリアだと感じていても、精査することで技術分野のまとまりが感じられたり、プロジェクトの一員として貢献できていたと実感できることもあるでしょう。
これは、転職回数の多さを逆に強みに変えるということであり、その先のキャリア形成や将来についても自信を持って行動できるようになるはずです。
自己肯定感や自信を喪失して不安で動けない
転職回数が多いことで、1つの開発現場に定着することができない、人間関係の構築がうまくいかない、もしかしたらエンジニアそのものが向いていないのではないかなど、自己肯定感や自信を喪失して不安で動けなくなってしまうこともあります。転職活動が多い人に対するネガティブなイメージを、自分自身に当てはめて考えてしまっている状態です。
解決策としては、一時的に心身の健康が損なわれている可能性もあるため、まずは心と体の健康を取り戻すことに集中しましょう。特に様々な不安から行動できなくなっているような場合、元気になるための気力がないため、自分のことを大切にするのをおろそかにしがちです。
生活のリズムや習慣が乱れていないか、きちんと食事をとっているかなどをチェックし、体の健康を取り戻した上で、気持ちの切り替えを行っていきましょう。大切なのは過去の自分の経験を否定しないこと、積み重ねてきたことでエンジニアとしての実力が身についたと考えることです。
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4.転職回数が多くても転職活動を有利に進める方法
最後に転職回数が多くても、次の転職活動も成功させるために具体的にどのような取り組み方をすべきか、どのように前向きに取り組んでいくべきかについて解説します。
明るく振る舞い、自信を持って面接に臨む
転職回数が多いことで、また次の転職活動だという心境のままですと、態度や言動が暗くなってしまうことがあります。そのため、明るく振る舞うこと、自信を持って面接に挑むことをしっかりと意識しましょう。
転職回数が多いことと、ご自身の能力や性格が評価されることは別問題であると考え、今までの実務経験と実績を誇りに思うこと、転職回数が多いというだけで自分を疑わないようにすることが重要と言えます。
また、転職先の選び方が悪いから、何度も転職することになるんだと過去の自分を責めることもあるかもしれません。しかし、過去は過去であると考え、成功や失敗という基準で考えるのではなく、いいことも悪いことも経験として飲み込んでいきましょう。
同時に、転職自体はいつもうまくいくのにと考えてしまうこともあるため、転職がうまくいくなら今の仕事で実務経験をさらにしっかりと積むという考え方も持ってみても良いかもしれません。
複数の会社で得られたことを前向きに伝える
転職回数が多いということは、複数の会社や開発現場で働いてきた経験があるはずです。そのため、守秘義務に反しない範囲で、どのような経験が得られたのか、エンジニアとして時系列的にどのような成長ができたのかといった視点で転職回数が多いことを前向きに伝えていきましょう。
もちろん、時にはネガティブな理由で退職したこともあるかもしれませんが、わざわざ伝える必要はないという考え方を持つことも大切です。
同時に、ネガティブなことを伝えたくなくて嘘をついてしまうようなことは避けましょう。ネガティブな情報は伝えないという前提で考え、その他の転職先で得られたポジティブな情報を伝えていくというスタンスを維持することを重視してください。
転職回数が多いことで、ポジティブな成長に繋がったということが伝われば、採用した後も新しいことや新しい環境に挑戦してくれる人、同時に今までも責任を持って取り組んできた人として、採用に対して前向きになってもらえるようになるでしょう。
すぐに転職するのでは?という懸念を解消する
転職回数が多い人のイメージでもある「すぐに転職するのでは?」という懸念はすぐに解消しておくことが望ましいです。なるべく長く務めたいという明確な意思表示をすることが、採用担当者の安心感を生み出すことになります。
また、転職回数とその理由にはよりますが、自分自身の本音としても長く働き続けたいという気持ちがあるならば、それは正直に伝えるべきです。素直に点々としたいという気持ちがあったわけではないこと、キャリアアップやキャリアチェンジとともに転職を重ねたものの、本心では長く働き続けたかったということも言い方を工夫しながら気持ちが伝わるように工夫すると良いでしょう。
採用する側としても長く働いて欲しい、安定した生活が送れることを望んでいるのだろうと感じてもらえるようになれば、その先に一緒に働く場合においても友好的な関係を得られるようになります。
転職やフリーランスのエージェントを利用する
「転職活動をもっとスムーズに進めたい」「次の転職先は転職しないで済む場所を選びたい」という考え方にたどり着いた場合、転職やフリーランスの情報が得られるエージェントサービスを利用することも前向きに検討しましょう。
特に自分自身の力だけで転職活動を進めて何度も採用できていた場合、応募書類の作成や面接などについては経験を活かすことができていたとしても、転職先を選定する段階での情報収集が足りなかった可能性があります。
転職エージェントやフリーランスのエージェントであれば、転職回数のことも加味しながら、エンジニアとして市場価値にマッチした企業を紹介してくれる可能性が高いです。また、エージェントは、企業や組織からの依頼を受けてエンジニアを探している立場でもあるため、個人では手に入れることが難しいような非公開の求人情報の紹介も期待できます。
自分の市場価値が把握できていない場合においても、エージェントのアドバイスやサポートを得ることで適切な給与と待遇の企業を選べるようになるということも覚えておくと良いでしょう。
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5.まとめ
本記事では転職回数が多い人が、次の転職に対して前向きになっていただくために、転職回数が多いことをポジティブに捉えて行動するという考え方について詳しくお話ししてきました。
転職回数やその都度の退職理由などは人それぞれではあるものの、自分自身でポジティブに考えることで、次の転職時においてもプラスの評価に転換していくことができます。大切なのは、転職回数が多いことに悩むのではなく、様々な開発現場での経験が積めたと考えること、よりたくさんの人に出会い、多種多様なコミュニケーションの中でエンジニアとしての技術力を磨いてきたと考えることです。
同時に、今までの転職活動を乗り越えてきた経験を活かし、より良い環境を手に入れるために前向きに行動することをおすすめします。
最後までお読みいただきありがとうございました。
本記事が皆様にとって少しでもお役に立てますと幸いです。
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