副業で得た所得は多くの場合、雑所得として扱われ所得税の確定申告が必要です。しかし所得の種類によっては判断が難しいケースもあり、一定の金額を超えると申告が求められます。
そこでこの記事では雑所得の定義やどのような所得が該当するのかを説明します。さらに雑所得に関連して確定申告が必要となる状況や、申告時に気をつけるべきポイントについても解説していきます。
目次
1.雑所得の概要
雑所得とは「利子所得・配当所得・不動産所得・事業所得・給与所得・退職所得・山林所得・譲渡所得・一時所得のいずれにも該当しない所得」を指します。雑所得はこれらの他の所得区分に該当しない場合に用いられる、いわば「受け皿」としての位置づけを持っています。
雑所得は個人所得の中で申告する人が多い所得のひとつです。公的年金や副業による収入が含まれるため、金額は大きくなくても申告者数が多くなる傾向があります。
所得税法で規定されている9つの所得の種類は以下の通りです。
所得の種類 | 概要 |
---|---|
利子所得 | 預貯金・公社債の利子・合同運用信託や公社債投資信託や公募公社債等運用投資信託の収益分配に関連する所得 |
配当所得 | 株主や出資者が法人から受ける配当や投資信託(公社債投資信託および公募公社債等運用投資信託を除く)や特定受益証券発行信託の収益分配に関する所得 |
不動産所得 | 土地や建物などの不動産・借地権などの貸付・船舶や航空機の貸付による所得(事業所得または譲渡所得に該当しないもの) |
事業所得 | 農業・漁業・製造業・卸売業・小売業・サービス業などの事業から生じる所得。ただし不動産の貸付けや山林の譲渡による所得は、通常は不動産所得や山林所得として扱われる |
給与所得 | 使用人や役員が受け取る給料・賃金・賞与などの所得 |
退職所得 | 退職時に支払われる退職金や厚生年金基金からの一時金などの所得 |
山林所得 | 山林を伐採または譲渡することで得られる所得。ただし取得後5年以内の譲渡は事業所得や雑所得になる |
譲渡所得 | 土地・建物・ゴルフ会員権などの資産を譲渡することによる所得。ただし棚卸資産や特定の減価償却資産などは除く |
一時所得 | 他の所得に該当せず営利を目的とした継続的行為や労務の対価・資産譲渡の対価でない一時的な所得 |
上記の9種類の所得に該当しないものは、雑所得として分類されます。
2.雑所得に該当するものとは?
雑所得にはどのような種類があるのか、具体的な収入例を挙げて確認してみましょう。
FXによる収入
FXで得た収入は雑所得に分類されます。中には給与所得よりもFXでの収入が多い方もいるかもしれませんがその場合、事業所得として申告すれば税金が安くなるのではと考える方もいるでしょう。
しかしFXでの収入は雑所得として扱われるため、事業所得には該当しません。
ネットショップの収益
かつてはECサイトを立ち上げるためには、多くの手続きや技術的な知識が必要で個人で始めるにはかなりの労力がかかるものでした。しかし現在では技術の進歩と便利なサービスの普及により個人でも非常に簡単にネットショップを開設し、運営を始めることができるようになりました。
例えばECプラットフォームの「BASE」や「STORES」を利用すれば、特定商取引法に基づくショップ開設が3分以内というスピードで手軽に完了します。これらのサービスは複雑な手続きや技術的な知識を必要とせず、初心者でもすぐにネットショップの運営を開始できるようになっているのが大きな特徴です。
またネットショップの中でも、特定のジャンルに特化したサービスも数多く登場しています。例えばハンドメイド作品に特化した「minne」や「Creema」といったプラットフォームでも一般的なネットショップと同様に、特定商取引法に基づく事業者名・販売責任者名・住所・連絡先の開示が義務付けられています。
ただし、これらの情報はプラットフォーム側が代行して表示する場合や、個々の出品者が自分のプロフィールページなどに記載する場合など、一部プロフィールを非公開にできるなど表示方法が異なる場合があります。
表示方法が一部非公開にできるため、プライバシー保護の面でも安心して作品を出品でき、手軽にネット販売による収入を得ることが可能となっています。
特に副業としてハンドメイド作品を販売する人にとってはこれらのプラットフォームが使いやすく、リスクを抑えて始められる点が大きなメリットです。
サラリーマンなどが副業としてネットショップを運営する場合、その収益は給与とは別に雑所得として扱われることが通常です。ネットショップから得た収入は他の副業収入と同様に確定申告が必要になることがあり、一定の収入が超えた場合には、雑所得として申告することが求められます。
副業であっても収益が出ている場合は所得税や住民税の負担が発生する可能性があるため、注意が必要です。
年金収入
雑所得は主に2つのカテゴリーに分けられ、公的年金に関連するものとそれ以外のものがあります。
国民年金・厚生年金・確定給付企業年金などは公的年金に該当します。一方、保険会社から受け取る個人年金は雑所得の「その他」として確定申告を行います。
ただし満期保険金は「一時所得」として扱われるため、雑所得には含めないように注意が必要です。
印税・講演料
書籍に対する印税やセミナー講師などの講演料は、他に本業がある場合に雑所得として扱われます。
印税や講演料を支払う側から支払調書を受け取ることもあるでしょう。自身で収入金額を正確に把握し相手との認識を一致させるためにも、支払調書に記載された金額を確認しておくことが重要です。
非営業用貸金の利息
営業用貸金に対する利子は事業所得として扱われるのに対し、個人的な貸金に対する利子は雑所得に分類されます。例えば友人に100万円を貸して、その返済時に10万円の利子も一緒に受け取った場合が該当します。
その他
これまで挙げた5つの雑所得のほかにも、国税通則法で定められた「還付加算金」や事業所得以外に該当する動産の貸付けによって得られる所得などがあります。
3.雑所得における税率と税額の計算方法
雑所得について、所得額が確定し税額を計算する際には一定の税率が適用されます。雑所得の計算方法には3つのパターンがあり、以下のように分類されます。
公的年金等
副業収入のうち営利を目的として継続的に得られるもの
公的年金等でもなく業務にも該当しないもの
これらの雑所得に関しては給与所得などの他の所得と合算して「総所得金額」を求め、そこから所得控除を差し引いて税額を計算します。さらに税額控除がある場合は、その控除額を差し引いて納付税額が決まります。
公的年金等に関するもの
公的年金等の雑所得の計算式は、収入金額から公的年金等控除額を差し引いたものとなります。「公的年金等」に該当するものは、国の年金制度に基づいて支給される年金が対象です。具体的には、次の4つが雑所得となる公的年金等です。
国民年金法・厚生年金保険法・公務員共済組合法などの法律に基づく年金
これまでの勤務により会社などから支払われる年金
確定給付企業年金法に基づいて支給される年金
外国の法令による保険または共済制度で、1.に該当する社会保険や共済制度に類似する年金
業務関連のもの
業務に関連する雑所得は、「総収入金額から必要経費を差し引いた額」として算出されます。通常、この「業務に関連するもの」には副業の収入が該当します。例えばネットショップの売上など、事業所得として認められない副業収入は雑所得として扱われます。
公的年金等でもなく業務にも該当しないもの
例えば、暗号資産や上記のFXに関する所得などが当てはまります。
その他の雑所得 = 総収入金額 - 必要経費 |
以上の式にて算出します。
4.雑所得に認められる経費
雑所得の計算において公的年金等を除く場合【収入 - 必要経費】で所得額を算出しますが、この際必要経費として認められるものはどのようなものがあるのでしょうか?基本的には事業所得や不動産所得の場合と同様で、以下のものが必要経費として認められます。
その収入を得るために直接かかった費用
その年に発生した販売費、一般管理費、その他業務に関連する費用
さらに必要経費として計上できるのは減価償却などの例外を除き、「その年において債務が確定した金額」とされています。
債務確定の考え方
「債務の確定」とは、次の3つの条件すべてを満たすものを指します。
その年の12月31日までに債務が成立していること
その債務に基づいて、具体的な給付義務が発生していること
金額が合理的に算定できること
例えば雑所得に関連する交際費・地代・家賃・水道光熱費など、家事に関わる部分は「家事関連費」と呼ばれます。これらの中で必要経費として認められるのはその業務に直接必要であり、明確に区分できる場合に限られます。
例えばガソリン代を必要経費に計上するには、業務で使用した距離や日数を継続的に記録して按分計算がされて初めて必要経費として認められます。
また「具体的な給付をすべき原因となる事実」というのは、注文した商品やサービスが実際に提供されたことを指します。その上で誰に・いつ・いくら支払うかが明確である費用だけが必要経費として計上可能です。
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5.雑所得の確定申告はどの額から必要?申告不要な場合は?
サラリーマンの場合には原則として「年末調整を受けた給与所得」以外の所得が20万円以下であれば、確定申告をする必要はありません。
例えば副業としてネットショップで商品を販売し、経費を差し引いた後の雑所得が15万円の場合には確定申告は不要となります。しかしこれに加えて一時所得が10万円あって合計で25万円となった場合は、確定申告が必要になります。
一方給与所得がないフリーランスの場合には、雑所得を含めた所得が基礎控除額の48万円を超えると確定申告が必要です。そのため、個人事業主やフリーランスの多くは確定申告が必要となることが考えられます。
雑所得に関しては公的年金等とそれ以外の所得で異なる扱いがあるため、これらを区別して説明する必要があります。
公的年金等に関する収入
公的年金等に関しては、「公的年金等に係る確定申告不要制度」が適用されます。
具体的には公的年金等の受給者で「公的年金等の収入金額の合計が400万円以下でさらにその公的年金等の全額が源泉徴収の対象となっている場合、かつ公的年金等に係る雑所得以外の所得が20万円以下」であれば、確定申告は不要です。
なお納めすぎた税金がある場合、確定申告を行うことで還付を受けることができます。
年間の雑所得が20万円を超える場合は確定申告が必要
副業による雑所得が年間で20万円を超える場合は、確定申告が必要です。ただし雑所得の総額が20万円以下であれば、確定申告は不要です。
とはいえ副業の収入に対して源泉徴収が行われている場合には、確定申告を行うことで税金が還付される可能性があるため申告することをおすすめします。
また医療費控除など年末調整では反映できない控除を受けるために確定申告をする場合、副業の所得が20万円以下であってもその所得も合わせて申告する必要があります。
さらに確定申告を行わない場合でも副業の所得があるなら、居住地の市区町村に対して住民税の申告が求められます。
加えて副業で適格請求書保存方式(インボイス制度)に対応して適格請求書発行事業者の登録を行った場合には、消費税の課税事業者となるため消費税の納付が必要となります。
インボイス登録をした場合には所得が20万円以下であっても、消費税の申告・納付や帳簿の管理が必要であることを理解しておきましょう。
収入規模によっては、領収書の保管や収支内訳書の提出が求められる
雑所得に関する確定申告を行う際には、場合によっては領収書の保存や添付書類が求められることがあります。
2022年の確定申告から2年前の副業における収入が一定額を超える場合、現金預金取引に関連する書類(領収書や請求書など)の保管や「収支内訳書」の提出が必要になりました。この際注意すべき点は、対象となるのは所得ではなく収入金額であるということです。
さらに適格請求書発行事業者として登録している場合には、消費税法に基づき帳簿の作成や適格請求書(インボイス)の発行・保存が義務付けられますので注意が必要です。
雑所得の確定申告では、経費を正確に計上することが重要
雑所得においても必要経費が認められることがあります。必要経費として計上できる金額は以下の通りです。
必要経費として計上可能なもの
収入を得るためにかかった費用の総額やその年に発生した販売費・一般管理費・その他の業務関連費用が含まれます。具体的に、雑所得で経費として計上できる費用には以下のようなものがあります。
雑所得における経費として認められる費用の例
業務に使用するパソコンやスマートフォン、タブレットの購入費用
打ち合わせや取材にかかる交通費や飲食費
コワーキングスペースの利用料金
コピー用紙や文房具などの事務用品費
自宅を仕事場として使用している場合の水道代や電気代、家賃の一部
雑所得と事業所得の確定申告の相違点
副業による所得が事業所得か雑所得かは事業の規模・投入する時間・継続性の観点から総合的に判断されます。副業の所得の大半は雑所得に分類されますが、事業所得として認識される場合もあります。
副業が事業所得とみなされる場合、青色申告を選択して確定申告を行うことができます。青色申告には事前の申請が必要ですが事業に関するすべての収入と支出を正確に記帳して申告するため、帳簿の信頼性が高く主に4つの特典があります。
青色申告で受けられる主なメリット
最大65万円の青色申告特別控除が適用される
家族に支払った給与を必要経費として計上可能
赤字を最大3年間持ち越せる
少額減価償却資産に関する特例が利用できる
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6.雑所得の確定申告に必要な書類
雑所得を確定申告する際に気をつけるべき点は、状況によっては添付書類が必要となったり請求書を長期間保管しなければならないことです。
副業に関する雑所得の確定申告は2021年までの分については、確定申告書に収入や費用の総額を記入するだけで済んでいました。
しかし上記のように税制改正により2022年以降の申告からは、副業に伴う雑所得が特定の条件を満たす場合には「収支内訳書」の提出が求められ領収書などの保存が義務付けられるようになりましたのでこの章で具体的に解説します。
業務に関連する前々年の副業による雑所得の収入が300万円と1,000万円で区分されており注意が必要なのは、所得額ではなく収入額であることです。
副業による業務関連の雑所得の収入金額が前々年分で300万円以下の場合
希望すれば、実際にお金の受け渡しがあった時点で収入や必要経費を計上できる「現金主義の特例」を適用することが可能です。
副業による業務関連の雑所得の収入金額が前々年分で300万円を超える場合
帳簿の作成や収支内訳書の提出は必要ありませんが、取引に関連する領収書や請求書などの書類を5年間保管しなければなりません。
副業による業務関連の雑所得の収入金額が前々年分で1,000万円を超える場合
領収書などを5年間保管するだけでなく帳簿を作成し、確定申告書には「収支内訳書」などの収入と必要経費を記載した書類を添付する必要があります。
収入金額 | 領収書等の保存義務 | 収支内訳書の作成義務 |
---|---|---|
300万円以下 | なし | なし |
300万円超 1,000万円以下 | あり | なし |
1,000万円超 | あり | あり |
7.雑所得が20万円以下なら住民税申告は不要?
確定申告を行った人はその情報が市区町村に通知されるため、再度住民税の申告をする必要はありません。その他、住民税の申告が不要なケースには以下のようなものがあります。
前年の所得が給与所得のみで、勤務先から給与支払報告書が提出された人
前年の雑所得が公的年金等のみで、年金支払者から公的年金等支払報告書が提出された人
前年の雑所得が住民税の課税基準以下(年収が約100万円以下など市区町村によって異なる)である人
これらのケースでは住民税の申告義務はありませんが、非課税証明書が必要なケースなどでは市役所などで住民税の申告を行う必要がある場合もあります。
雑所得のみの人は所得にかかわらず、確定申告をすることで住民税の申告も行っていることになります。
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8.雑所得の確定申告の手順
雑所得の確定申告の方法(確定申告書の作成方法)には、主に3つの選択肢があります。まず、①②③のいずれかの方法を選ぶことを決めましょう。
① 確定申告書作成コーナーで申請
国税庁のWebサイトには「確定申告書等作成コーナー」があり、必要な情報を入力することで雑所得の確定申告書を簡単に作成できます。
国が提供している公式なツールであるという利点がありますが、直感的な使いやすさに欠けるため、デメリットと言えます。つまり一般企業が提供する確定申告ソフトの方が、使いやすくわかりやすい傾向があります。
確定申告書作成コーナーのメリットには以下の点があります。
国の公式ツールなので安心感がある
画面の指示に従って入力することで簡単に作成でき、納税額も自動で計算される
雑所得があるものの、収支計算がそれほど複雑でない方や経費が少ない方に適している
確定申告書等作成コーナーで作成した確定申告書は印刷して税務署に持参する他、インターネットを通じて税務署に送信する方法(e-Tax)や税務署に郵送する方法も利用できます。
なお、e-Taxを利用するためには事前の準備が必要です。
② 確定申告アプリやソフトで作成
確定申告アプリや確定申告ソフトはスマートフォンアプリやパソコンから申告書等の様式に従った入力画面に必要な情報を入力することで、申告用データを作成できるアプリケーションです。
簿記や会計の知識がない方でも使いやすく設計されているため、副業や雑所得の確定申告に特におすすめです。
確定申告アプリや確定申告ソフトのメリットは以下の通りです。
直感的に操作でき、確定申告書の作成や提出が容易
クレジットカードや銀行口座と連携可能で仕訳作業がスムーズに行える確定申告が初めての方・フリーランスの方・長期的に副業を希望する方に適している
一方で確定申告ソフトのデメリットとして一般企業が提供しているため一部機能(青色申告決算書の作成など)が有料であったり、無料版の場合でも広告が表示されることが一般的です。
③ 手書きで申告書を作成
紙の確定申告書を利用して手書きで申告する方法です。
雑所得の確定申告も手書きで行うことができます。確定申告書を入手する主な方法は以下の通りです。
税務署に直接取りに行く
税務署から郵送で取り寄せる
確定申告の時期に設置される申告相談会場で受け取る
自宅やコンビニで印刷する
ただし紙の確定申告書は計算ミスや記入ミスのリスクが高いため、初心者にはあまりおすすめできない方法です。しかし、以下のようなメリットもあります。
申告期間中であれば、税務署に申告書を持ち込みながら相談しつつ作成できる
時間がかかるものの、確定申告を完了させる達成感を味わえる
パソコンが苦手な方や、税務署の担当者と丁寧にやり取りしながら確定申告を行いたい方に適している
また作成内容に関して疑問がある場合は税務署に直接相談することや、国税局電話相談センターなどに電話で問い合わせることも可能です。
9.雑所得と事業所得・一時所得の違いとは?
この章では雑所得と事業所得・一時所得の違いについて考えてみます。
事業所得との違いについて
事業所得:生計を支えるための活動規模(例:本格的なハンドメイド商品の販売)
雑所得:趣味やちょっとした収入を得るための活動(例:余暇に作った商品の販売)
副業は一般的に雑所得として分類されることが多く、事業の規模・独立性・継続性・反復性を考慮して判断されます。
副業の中で、アルバイトの収入などは正社員と同様に給与所得に分類されます。またマンション経営から得られる賃貸収入は不動産所得として、株式や債券の譲渡による利益は「株式等の譲渡所得」として申告することになります。
副収入が雑所得になるか事業所得になるかについては税法で明確な基準が定められているわけではなく、実態を総合的に考慮して判断されます。
事業所得は事業主がリスクを引き受け自らの判断で事業を運営し、その活動が継続的かつ反復的である場合に初めて「事業」として客観的に認識されます。これは他に職業を持っていても副業として行っている場合も同様で、その状況が確認できれば事業所得として扱われます。
フリーランスも本業以外から収入を得ることがありますが、ここで重要なのはその収入が「事業所得」であるのか「雑所得」であるのかという点です。事業所得に関連する収入は通常問題なく事業所得として扱われますが、事業と無関係な収入で雑所得の場合には注意が必要です。
一時所得との違いについて
一時所得は利子所得・配当所得・不動産所得・事業所得・給与所得・退職所得・山林所得・譲渡所得を除く、一時的な性質を持つ所得を指します。
具体的には競馬や競輪や競艇などの払戻金・懸賞やクイズ番組の賞金・生命保険や損害保険の満期返戻金などがこれに含まれます。
一時所得は総収入額からその収入を得るために支出した金額や特別控除額(最高50万円)を引いた額となります。総所得金額に含まれる金額は、一時所得の金額に対して1/2を掛けたものです。
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10.まとめ
ここまで雑所得の確定申告について解説してきましたが、雑所得とは10種類の所得の中で他の9種類には当てはまらない所得を指します。具体的には公的年金や恩給・非営業用の貸金利子・原稿料・印税・講演料などが含まれます。
給与所得や年金を受け取っている場合、雑所得が20万円を超えると確定申告が必要になります。それ以外のケースでは48万円を超えた時点で確定申告を行わなければなりません。
一定額以上の雑所得を得ている場合は確定申告に備えて正確な課税所得や、それに伴う税率や控除額を早めに確認しておくことが重要です。
本記事が皆様にとって少しでもお役に立てますと幸いです。