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フリーランスは大変?甘くないって本当?やめとけと言われる理由や末路など実情を解説

公開日:2024/12/30最終更新日:2025/01/05

内閣官房によると、2020年のフリーランス人口は約462万人とのことです。フリーランスの数の多さは、大都市圏のあちこちにコワーキングスペースがあることや、フリーランス取引適正化法の施行にもうかがえます。働き方が多様化し、フリーランスにとって働きやすい環境が整備されている今、今後もフリーランスが増えると見込まれています。


その一方、「フリーランスは大変」という声や「フリーランスはやめとけ」という声もあります。このように言われる背景には、フリーランスは会社員よりも自由度が高いものの、ラクなわけではないことやフリーランスゆえの不安定さがあります。


本記事では、フリーランスが大変といわれる理由、フリーランスとして働くメリット・デメリット、フリーランスについてよくある質問などを解説します。


1.フリー ランスは大変といわれる理由とは

フリーランスとは自分のスキルや知識などを活かして、独立した働き方をしている人のことをいいます。


フリーランスは会社や公的機関に属していないため人間関係のしがらみや定められた勤務時間はないものの、仕事で周囲の助けを得ることは難しく、すべてにおいて自己責任となります。トラブルが起きても自分で解決する必要があるため、トラブル対応が苦手な人にとってはかなりの労力を消費するはずです。


また、コア業務だけでなく、営業活動、スケジュール管理、確定申告なども自分で行います。さまざまな業務をこなす中で、大変だと感じるシーンはいくらかあるでしょう。

2.フリーランスの仕事内容

フリーランスの仕事内容といっても職種によって大きく異なります。フリーランスになりたいと考えている人は、自分が従事する職業を関心や現在のスキルなどを考慮して決める必要があります。


フリーランスの仕事内容について、以下の3つの職業を解説します。

  • フリーランスエンジニア

  • フリーランスコンサルタント

  • フリーランスWebデザイナー


それぞれ確認していきましょう。

フリーランスエンジニア

エンジニアの中には会社員として働いている人だけでなく、フリーランスとして働いている人もいます。フリーランスエンジニアは会社や公的機関などの組織に所属せず、プロジェクトや案件ごとに仕事を受注するIT技術者です。


また、フリーランスエンジニアと一口でいっても、フリーランスエンジニアを職や役割によって細分化されます。

フリーランスエンジニアとして働きたい人は自分の興味やスキルを考慮し、従事する仕事を選びます。


なお、フリーランスエンジニアの働き方には在宅型と常駐型があります。在宅型は自宅など自分の好きな場所、好きな時間に仕事をするのに対し、常駐型は毎日、もしくは週に何度か契約先の企業に出社します。フリーランスエンジニアになれば在宅ワークが必ずしもできるわけではありません。

フリーランスコンサルタント

フリーランスコンサルタントは企業や個人から依頼を受け、課題解決のための方法を考え、提案を行います。いわば、企業の売上アップや課題を解決に導くプロフェッショナルな助言者です。


フリーランスコンサルタントの中にはコンサルティングファームの出身者、特定の業界で長く働いていた人などがいます。コンサルティングファームの出身者であれば自身のコンサル経験を活かし、さまざまな案件に携わります。


また、特定の業界で働いていた人は自分がよく知る業界における企業のコンサルを行うことが多いです。例えば、飲食業界出身者であれば、自分が飲食業界で働いていたからこそ分かることがあります。


フリーランスコンサルタントの働き方は自由度が高い傾向にあります。ただし、クライアント企業との打ち合わせなどもあるため、面談時間など定まった時間の業務もあります。また、フリーランスコンサルタントの中には特定の企業やプロジェクトにフルタイムでコミットする人もいます。

フリーランスWebデザイナー

フリーランスWebデザイナーは企業や個人などから依頼されたWebサイトのデザインを制作します。クライアントが思い描いているWebサイトを実現したり、クライアントのニーズを把握してイチからデザインしたりします。


フリーランスWebデザイナーは自分で案件を選べるため、自分の関心に合ったWebサイトの制作に携わったり、得意分野を活かせるWebデザイン案件を選べたりします。

フリーランスWebデザイナーは在宅ワークとの相性がよいため、出社せずに働ける仕事も見つけやすいでしょう。成果物と報酬の交換となることが多いため、定められた勤務時間もなく、自分のペースで仕事ができる傾向にあります。


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3.フリーランスとして働くメリット

フリーランスは大変な部分も多いものの、会社員では得られないメリットも得られます。フリーランスとして働くメリットとして、以下の4つが挙げられます。

  • 働く時間・場所を自分で決められることが多い

  • 収入を自分次第でアップしやすい

  • 人間関係の悩みが少ない

  • 定年退職がない

それぞれ確認していきましょう。

働く時間・場所を自分で決められることが多い

フリーランスは働く時間や場所を自分で決められることが多いです。成果報酬型の契約では成果物と報酬の交換になるため、定められた勤務時間はありません。自宅などで納期までに作業を進めることになるため、自分にとってもっとも都合のよい時間に仕事ができます。


また、介護などで自宅を長時間離れにくい人にとっても働きやすい環境といえます。自宅で仕事ができるため、ケアが必要な家族を一人自宅に残すような事態も避けられます。


その他にも、フリーランスとして働いている人の中には趣味と両立している人もいます。

収入を自分次第でアップしやすい

会社員として働いていると、短期的な収入アップが難しいだけでなく、収入に上限が設けられていることがほとんどです。いくら優秀な人材であっても、給与を際限なく上げていれば、企業は人件費の予算をオーバーしてしまいます。一方、フリーランスは複数の企業と契約したり、単価が高い案件を選んだりすることで、収入を青天井に伸ばすことも可能です。


フリーランス協会が公表している「フリーランス白書 2024」によると、約16%が800万円以上の年収を得ています。

人間関係の悩みが少ない

仕事をしていると、人間関係の悩みはつきものです。学生時代のように自分の好きな人とだけ関係性を築くわけにはいきません。


ハラスメントなど過度なものに悩む人、気が合わない同僚と常に同じ空間にいることにモヤモヤしている人など、職場における人間関係の悩みはさまざまです。


一方、フリーランスは企業などの組織に在籍しているわけではないため、会社員と比べて人間関係について悩みにくい傾向にあります。取引先との会話はビジネスに関することに限られるケースも多く、雑談が苦手な人もストレスを感じにくいでしょう。


また、エンジニアやWebデザイナーの案件には完全在宅のものも多く、出社の必要がないため人間関係のトラブルは生じにくいといえます。

4.フリーランスとして働くデメリット

何かと大変と言われることも多いフリーランスですが、フリーランスとして働くことでどのようなデメリットがあるのでしょうか。


フリーランスとして働くデメリットとして、以下の4つが挙げられます。

  • 経済的に不安定で、社会的信用が低い

  • フリーランスでは生活できないかもしれない

  • 老後資金を自分で形成しなければならない

  • 確定申告を行う必要がある

それぞれ確認していきましょう。

経済的に不安定で、社会的信用が低い

フリーランスは会社員と比べて経済的に不安定、かつ社会的信用が低いといわれています。フリーランスは会社員のような安定した立場にあるわけではないため、収入が突然にして途絶える恐れもあるためです。


このため、平均以上の収入を継続的に得ている人であっても、クレジットカードの審査や住宅ローンの審査にパスできないこともあります。また、物件を借りるハードルも会社員よりも高いため、物件の選択肢が極端に限られることもあります。

フリーランスでは生活できないかもしれない

フリーランスは安定した生活が保障されるわけではありません。フリーランスとして生計を立てていた人であっても、生活していけるだけの収入を得られなくなる可能性もあります。例えば3社と契約し、50万円以上の収入を得ていた人であっても、2社との契約がほぼ同時期に終了し、生活が立ち行かなくなったケースもあります。


また、フリーランスになったものの十分な案件が見つからず生活費を稼げないため、会社員として再度働く人やアルバイトをスキマ時間に行う人もいます。

老後資金を自分で形成しなければならない

日本の年金は公的年金と国民年金の二階建て構造といわれています。しかし、フリーランスは会社員などを主な対象にしている公的年金には加入できないため、国民年金のみとなります。


厚生労働省が公表した「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、近年において厚生年金の加入者は毎月受給できる年金が14万円程度であるのに対し、国民年金のみの加入者は月々の年金額が5万円代にとどまっています。1カ月の生活費を5万円程度に抑えるのは難しいため、自身で貯蓄をしたり、iDeCoを活用したりと老後資金の形成が必要になるでしょう。

確定申告を行う必要がある

会社員として働いていれば自社の担当者が経理や事務をしてくれますが、フリーランスはこれらを自分で行わなければなりません。


さらに、確定申告を毎年行い、納税も自身で行います。確定申告に向けて領収書の管理、帳簿付けなどをコア業務の合間に行います。


報酬が発生しない業務が意外と多いため、労働時間が思っていたよりも長いと感じるかもしれません。


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5.フリーランスに向いている・向いていない人

フリーランスになることを検討している人は自身がフリーランスに向いているのかまずは適正を把握することが大切です。フリーランスは向いている人にとっては働きやすいものの、そうでない人にとっては大変に感じることが多いためです。


フリーランスに向いている人の特徴

  • ウリにできるスキルがある

  • 仕事とプライベートを両立したい

  • 成長意欲がある

  • 自己管理能力が高く、自分を律することができる

  • 自己投資が好き

フリーランスに向いていない人の特徴

  • 安定した暮らしを営みたい

  • 収入が不安定になることに不安を感じやすい

  • 時間にルーズ

  • 人と話すことが苦手

  • 現状維持が理想

6.フリーランスの末路

フリーランス協会の「フリーランス白書 2024」によると、フリーランス歴としてもっとも多くの回答を集めたのが2~5年未満で29.7%でした。回答者のうち10年以上と回答した人は 24.0%にとどまっています。


フリーランスとして働いた経験がある人の中には、思ったよりも収入を得られなかった人、加齢とともに仕事が減った人などもいます。フリーランスになったものの、会社員に戻ることを選択する人もいます。


フリーランスとして仕事を楽しみ、会社員時代のときよりも多くの年収を稼ぎ続けられる人もいますが、フリーランスになったもののうまくいかなかった人もいます。

7.フリーランスとして安定した暮らしを営む方法

フリーランスになれば誰もが会社員のときと同水準、もしくはそれ以上の水準の生活を得られるわけではありません。


フリーランスとして安定した暮らしを営む方法として、以下の3つが挙げられます。

  • 深い知識や高いスキルを身につける

  • エージェントを活用して求人を探す

  • 自己管理能力を高める

それぞれ確認していきましょう。

深い知識や高いスキルを身につける

フリーランスに必要なスキルはソフトスキルと技術スキルに分けられます。


ソフトスキルとはコミュニケーション能力、営業力・交渉力など職種関係なく求められるスキルのことです。フリーランスは営業をして仕事を獲得したり、クライアントとコミュニケーションを交わしながら仕事を進めたりするため、こうした力は不可欠です。


一方、技術スキルとは、その仕事を行う上で必要となるスキルのことです。例えば、ITエンジニアであれば、ITに関する知識やプログラミング言語に関する知識が必要です。あるいは、Webデザイナーであれば、基本的なデザイン知識、デザインツール利用経験、コーディングのスキルなどが求められます。会社員であれば働きながら学ぶこともできますが、フリーランスは独立して仕事できるくらいのスキルを得ていることが前提になります。

エージェントを活用して求人を探す

フリーランスが仕事を探す方法は数多くありますが、その中でもエージェントを活用して求人を探すのがおすすめです。エージェントを活用すれば自分の条件に合った仕事を紹介してもらえたり、応募書類をチェックしてもらえたりします。


特に、フリーランス初心者は自分の立ち位置を把握できるので、エージェントの活用がおすすめです。

自己管理能力を高める

フリーランスは仕事の自由度が高い分、高い自己管理能力が求められます。フリーランスは誰の目にも触れない環境で働くため、仕事の手を抜くことも、仕事を休むことも可能です。


しかし、質の低い仕事しかできなかったり、納期までに終わらせられなかったりすると、次の仕事につながることはないでしょう。また、納期に大幅に遅れれば依頼が停止される可能性もあります。こうなれば、収入を得られませんので、生活が立ち行かなくなります。


さらに、フリーランスは病気にならないよう体調管理を心掛ける必要があります。会社員であれば病気やケガで仕事ができなくなったら給料の3分の2を傷病手当によって1年半にわたってカバーできますが、フリーランスにはこうした救済策がありません。体調を崩さないように、睡眠や休息、食事などに気遣う必要があります。


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8.フリーランスについてよくある質問

フリーランスへの転身を検討している人、フリーランス初心者の中には、フリーランスについて疑問を抱えている人もいます。


そこでここでは、フリーランスについてよくある以下4つの質問に回答します。

  • フリーランスはやめとけと言われるのはなぜですか?

  • フリーランスが向いてなかった場合はどうしたらよいですか?

  • 知人が「フリーランスは楽しすぎ」といっていましたが本当ですか?

  • フリーランスと会社員ってどっちが大変?

それぞれ確認していきましょう。

フリーランスはやめとけと言われるのはなぜですか?

フリーランスはやめとけと言われる理由はいくつかあります。その中でも、社会的信用の低さが指摘されることが多いです。フリーランスは会社員のように企業と安定した雇用関係にないため収入が不安定になりがちです。クレジットカードの審査や住宅ローンの審査に通りにくいだけでなく、賃貸物件の審査にも通らないことがあります。


また、人によっては一人で作業することに孤独を感じたり、事務作業がつらいと感じたりすることがあります。

フリーランスが向いてなかった場合はどうしたらよいですか?

すべての人がフリーランスとして働き続けているわけではありません。収入の不安定さやキャリアへの不安などから会社員に戻る人もいます。フリーランスから正社員になるには準備が必要であるものの、不可能ではありません。


フリーランスが向いていないと感じたら、希望するキャリアや現在の収入を考慮しつつ、他の働き方も探してみてください。

知人が「フリーランスは楽しすぎ」といっていましたが本当ですか?

フリーランスとして働いている人の中には楽しいと感じている人もいます。働く時間や場所を自分で選べるため、おしゃれなカフェで作業したり、旅をしながら仕事をしたりすることもできます。また、収入は自分次第でアップできるため、収入を大幅に上げていくことに喜びを感じる人もいます。


とはいえ、フリーランスには楽しさだけでなく、大変なこともあります。安定した生活を好む人、消極的な性格で営業が苦手な人は、フリーランスとして楽しさよりも不安が上まわることもあります。

フリーランスと会社員ってどっちが大変?

フリーランスと会社員のどちらが大変かは人によって感じ方が異なるため一概にはいえません。フリーランスの方が大変だと思う人もいれば、会社員の方が大変だと思う人もいます。


例えば、自分の都合に合わせて働きたい人、介護や育児をしながら働きたい人は会社員として決まった時間に毎日出社することを大変だと感じるでしょう。あるいは、定まった給与が毎月ほしい人にとっては、数カ月先の月給も不透明なフリーランスは大変だと思うはずです。


フリーランスと会社員にはどちらにもメリットとデメリットがあるので、自分が何に価値を置くかでどちらがよいか変わってきます。


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9.まとめ

いずれの働き方においても、大変なことやデメリットに感じることはあります。フリーランスも同様で、柔軟性の高い働き方ができたとしてもラクなわけではありません。むしろ、フリーランスは甘くないといえるでしょう。


フリーランスになることを検討している人は、自分がなぜフリーランスになりたいのか考えてみることをおすすめします。やってみたい仕事がある人、フリーランスだからこそ活かせるスキルがある人、大幅な収入アップを見込める人は、フリーランスになっても後悔はしにくいでしょう。一方、自由度が高い、ラクそうなどといった理由だけでフリーランスを目指すのは危険です。


本記事が皆様にとって少しでもお役に立てますと幸いです。

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