「JavaScriptについて体系的に学びたい」「JavaScriptに関する実力を証明したい」とお考えであれば、JavaScriptに関する資格の取得を目指してみてはいかがでしょうか。
初心者の方であればWeb開発に関する基礎を学ぶきっかけとなり、IT業界で活躍できるチャンスが手に入るでしょう。実務経験者の方であれば、資格の取得によって実力の証明をしやすくなるため、キャリアチェンジやキャリアアップが期待できます。
今回はJavaScriptに関する基礎知識、JavaScriptの実力を証明できる資格一覧、JavaScriptの資格を取得するメリット・デメリット、JavaScriptの資格の合格を目指す時の勉強方法についてお話しします。
目次
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1.JavaScriptに関する基礎知識
はじめにJavaScriptに関する基礎知識について解説します。
JavaScriptとは
JavaScriptとは、HTMLやCSSとともにWebページやWebアプリケーション、モバイルアプリケーション開発に用いられるプログラミング言語です。一昔前までJavaScriptはホームページなどの動的なアニメーション、動きのあるメニューなど、基本的には視覚効果のための技術として認識されていました。
現代においては、ECMAScriptの標準化によって、Webページの動的な要素を担うだけでなく、「サーバーサイドとクライアントサイドの両方のインタラクション」を担うこともできるようになり、Webにおける重要なプログラミング言語の1つとしての立ち位置を確立しています。
そのため、JavaScriptに習熟しているエンジニアは一定の需要があることが見込まれ、Web開発の担当者、もしくはフロントエンドエンジニアとして活躍するためにはJavaScriptの実力を証明することが重要になるのです。
JavaScriptの資格と相性の良い技術
上記がJavaScriptの資格と相性の良い技術の一例です。特にHTMLとCSSはJavascriptと密接な関係にあるため、JavaScriptの資格取得のために勉強する際に並行して学ぶ必要があります。その他の技術については、実務の現場で利用されている技術、もしくはフレームワークなどに合わせて技術を身につけていくことで、フロントエンドエンジニアとしての価値をさらに高めることにつながるでしょう。
その他にWebサイトを通じて情報発信をする技術やスキルとも相性が良いです。例えばSEOを学ぶことで、マーケティング分野での活躍が期待できるようになり、認知拡大や興味関心の育成、リードの獲得などについても知見が増えていきます。ランディングページやSNSとの連携、コンテンツマーケティングなどにも携わるようになれば、エンジニア領域だけではない部分でも活躍できるようになるということです。
JavaScriptの資格取得で目指せるキャリア
モバイルアプリケーションエンジニア
UI/UXエンジニア
ホームページ担当者
ECサイト運営担当
コンテンツディレクター
上記がJavaScriptの資格取得で目指せるキャリアの一例です。JavaScriptの資格取得だけではなく、関連する技術がスキルを身につけていくことで目指せるキャリアが広がっていくと覚えておきましょう。また、フロントエンドエンジニアの技術力が習熟していくことで、バックエンドエンジニアやその他の領域のエンジニアも目指せるようになります。
エンジニアは知識の習得次第でキャリアの広がり方に違いがあることを忘れず、積極的に知識やスキルを増やしていくこと、何よりも興味関心を持って学んでいく姿勢を持つことが大切です。そして様々なエンジニア領域で活躍した実務経験や実績が増えていくことで、上位ポジションも狙えるということをキャリア形成における1つの方向性として視野に入れておいてください。
2.JavaScriptの実力を証明できる代表的な資格一覧
Webクリエイター能力認定試験
HTML5プロフェッショナル認定試験
JS Institute Certification
CIW JavaScriptスペシャリスト
上記がJavaScriptの実力を証明できる代表的な資格一覧です。それぞれの資格について簡単に説明します。
Webクリエイター能力認定試験（日本語）
Webクリエイター能力認定試験は、サーティファイWeb利用･技術認定委員会が実施しているウェブサイト制作に必要な知識と実技が評価される検定試験です。スタンダード実技、エキスパート実技、エキスパート知識に分かれており、エキスパートの知識の部分でJavaScriptの問題が出題されます。
初心者の方であればスタンダードの試験を受験し、知識が身についたらエキスパートに挑戦しましょう。実務経験のある方はエキスパートに直接挑戦することもできますので、試験の詳しい内容を公式ページでチェックして受験するか検討してみてください。
2023年度平均合格率が87.4％と約9割近い方が合格されていることを考えると、実技試験ではあるもののしっかりと受験対策をしておけば合格できる難易度であることが推測されます。初めて資格試験に挑戦する方にもおすすめの試験と言えるでしょう。
サンプル問題が用意されているので、挑戦して自分の理解度を把握するとともに、どのくらいの難易度かを体験しておくことをおすすめします。
Webクリエイター能力認定試験の詳細はこちらからご確認いただけます。
HTML5プロフェッショナル認定試験（日本語）
HTML5プロフェッショナル認定試験は、LPI-Japanが実施するHTML5、CSS、JavaScriptに関する知識が評価される検定試験です。レベル1とレベル2に分かれており、レベル2でJavaScriptに関する出題範囲になっていることから、JavaScriptの実力を証明したい場合はレベル2の合格を目指しましょう。ただし、レベル2に挑戦するためにはレベル1の合格が前提条件となっていることをあらかじめ留意しておいてください。
難易度としてはITSSのレベル2に位置付けられており、IPAの実施する基本情報技術者試験と同程度か近い難易度であることが推測されます。そのため、初心者の方の場合はレベル1であっても合格が難しい可能性があることから、WebやITに関する基礎を固めるためにITパスポートの受験、そして基本情報技術者試験の参考書を読み解くことから始めると良いでしょう。
レベル1とレベル2の両方の例題解説が公開されているので、例題の文章が読み解けるかどうか、もしくは挑戦して実力の証明になるかどうかを精査してみてください。
HTML5プロフェッショナル認定試験の詳細はこちらからご確認いただけます。
JS Institute Certification（英語）
JS Institute Certificationは、OpenEDG JS Instituteが実施するJavaScriptに関する知識が評価される資格試験です。エントリー、アソシエイト、プロフェッショナルの3つのレベルに分かれており、合格することで国際的にJavaScriptの実力があることを証明できます。
ただし、日本語対応していないため、英語が苦手な方ですと受験が難しい可能性もあることに留意が必要です。
試験範囲はJavaScriptの基本文法、オブジェクト指向の概念、イベント処理、DOM操作、API連携などを含み、レベルが上がるごとに難易度や応用範囲が広がります。特にアソシエイトやプロフェッショナルではNode.jsやテスト手法に加え、BabelやWebpackなどのビルドツールへの理解も求められ、より実務的なスキルが試される点が特徴です。
その他詳しい内容については、公式ページをご参照ください。
CIW JavaScript Specialist（英語）
CIW JavaScript Specialistは、CIWが実施するJavaScriptのスペシャリストとしての実力を証明できる資格試験です。日本国内だけでなく、グローバルに活躍したいとお考えの方に向いている試験であり、JavaScriptの実力とともに英語力もしっかりと証明できるのが魅力と言えます。
JavaScriptの基礎的な構文やイベント制御をはじめ、フォームやクッキー管理、セキュリティ対策まで幅広くカバーするのが特徴です。また、ライブラリやフレームワークとの連携、デバッグ手法、モダンな開発手法に対応できる知識が必要です。
試験準備には演習問題を通じた実践的な理解が必要です。詳しい内容は公式ホームページを確認することをおすすめします。
3.JavaScriptの資格を取得するメリット
次にJavaScriptの資格を取得するメリットについて解説します。
JavaScriptに関する基礎や応用の知識を体系的に学べる
JavaScriptの資格を取得するメリットとして、JavaScriptに関する基礎や応用の知識を体系的に学べることが挙げられます。試験ごとの出題範囲に合わせてじっくりと学ぶことで、初心者の方は基礎から、実務経験者の方は実務で学んだ知識の再学習及び紐付けとともに、基礎の強化と応用力のアップも期待できるということです。
また、エンジニアとして学ぶことが成長につながることを実感できる良い機会にもなります。特にエンジニアの成長は年収やキャリア形成にポジティブな影響を与えることから、スキルアップに対するリターンがあること、リターンがあるからこそモチベーションが上がっていくということも覚えておくと良いでしょう。
実力をアピールしやすくなりキャリアアップが期待できる
JavaScriptの資格を取得するメリットとして、実力をアピールしやすくなりキャリアアップが期待できることが挙げられます。例えば、実力はあるもののキャリアアップに繋がらずに悩んでる場合など、合格したことが評価されることでキャリアアップも期待できますし、キャリアチェンジによってより良い環境で活躍できる可能性も広がるということです。
エンジニアが自分自身の実力を証明する方法は、実務経験の年数、具体的な実績、参加したプロジェクトなど様々ありますが、客観的に示すことが難しいこともあるため、資格の合格という分かりやすい証明は強いアピール要素として将来的に役立つようになるでしょう。
JavaScriptと関わりの深い技術を習得しやすくなる
JavaScriptの資格を取得するメリットとして、JavaScriptと関わりの深い技術を習得しやすくなることが挙げられます。HTMLやCSSはもちろんのこと、WordPressなどのCMS、CMSのカスタマイズが可能となるPHP、フロントエンドエンジニアの領域からバックエンドエンジニアの領域まで、知識が増えていくことで視野が広がっていくのが理由です。
また、技術的なスキルが身についていくことで、企業や組織におけるホームページ運営の担当者、合わせてSNSによる情報発信の担当者、SEOやマーケティング、コンテンツ制作、ECサイトの運営、ランディングページの作成などWebサイトを通じて情報発信をする役割なども近くなってきます。まさにWebの領域で様々なことに携われるようになる基盤が整うのは大きなメリットであるのは間違いないでしょう。
4.JavaScriptの資格を取得するデメリット
次にJavaScriptの資格を取得するデメリットについて解説します。
資格取得に勉強時間や費用などのコストが発生する
JavaScriptの資格を取得するデメリットとして、資格取得に勉強時間や費用などのコストが発生することが挙げられます。JavaScriptの試験の難易度に応じた勉強時間、それぞれの受験料や参考書及び技術書などの自己投資が必要になるということです。
また、英語のみの資格試験の場合、英語力に不安がある方は英語の勉強をする必要もあるでしょう。そのため、JavaScriptのみの資格を取得するための勉強時間やコストに対するリターンが見合わないと感じてしまうことも考えられます。
ただし、試験の合格に向けて勉強することは自身の成長になるということは忘れてはなりません。すぐに合格できなくても技術的なことを学ぶことで視野も広がりますし、新しい技術に興味関心を持つことができれば、さらなるスキルアップの材料にもなるということも覚えておいてください。
JavaScriptの資格単体では評価されにくい
JavaScriptの資格を取得するデメリットとして、JavaScriptの資格単体では評価されにくいことが挙げられます。Web開発においてはJavaScriptはとても重要な存在ではあるものの、やはりHTMLやCSS、もしくはシステム開発の実務経験がないと差別化がしにくいということです。
そのため、JavaScriptの資格の勉強をするとともに、初心者の方であればITパスポート試験の合格、実務経験者であれば基本情報技術者試験や応用情報技術者試験の合格を目指すことをおすすめします。同時にHTMLやCSSに関する実力を証明できる資格を取得してみたり、ポートフォリオとなる成果物を作成してみたりするなどしてアピールできるポイントを増やしていきましょう。
資格取得が実務経験の代替にはなりにくい
JavaScriptの資格を取得するデメリットとして、資格取得が実務経験の代替にはなりにくいことが挙げられます。JavaScriptをはじめとするHTMLやCSSはエンジニアを目指す方でも挑戦しやすい領域であり、参入障壁が低いため、実務経験はないけれど採用されたいというタイミングで強みにはならないという意味です。
現実問題として雇用する側、もしくはクライアントとして何かを依頼する場合においても、経験者の方が即戦力として採用しやすいですし、ある程度の品質が担保されることが期待できるのも理由と言えるでしょう。ただし、誰でも最初は実務経験がない状態です。そのため、JavaScriptの資格の取得によってWebの業界で活躍したいという場合は、まずは資格に合格した上で、採用のプロセスをクリアするための努力をしていくと良いでしょう。
5.JavaScriptの資格の合格を目指す時の勉強方法
次にJavaScriptの資格の合格を目指す時の勉強方法について解説します。
過去問やサンプル問題に挑戦して理解度を把握する
JavaScriptの資格の合格に向けて、まずは過去問やサンプル問題に挑戦して理解度を把握することから始めましょう。過去問やサンプル問題の問題文を読んで、内容が理解できるようであれば、すぐに正答できなくても、試験に挑戦する基礎があることが把握できるようになります。
もし、問題文を読んでもよくわからない、専門用語がきちんと理解できていないという場合はWebやITの基礎から学ぶことから始めましょう。初心者の方の場合はIPAの実施しているITパスポート、もしくは基本情報技術者試験の参考書がおすすめです。
問題文の内容が理解できる方、実務経験のある方の場合は試験ごとに発売されている参考書の購入、もしくは出題範囲に含まれている技術書の購入を検討してみてください。
JavaScriptを学べるオンラインサービスを利用する
JavaScriptの資格の合格を目指す時、Progateやpaizaラーニング、UdemyのようなJavaScriptを学べるオンラインサービスを利用するのがおすすめです。ユーザーインターフェースも見やすくなっており、わかりやすく、楽しみながら勉強を進めることができます。気に入ったオンラインサービスに対しては、自分への投資と考えて積極的に課金することも検討してみてください。
また、老舗のサイトである「とほほのJavaScript入門(JavaScriptリファレンス)」もおすすめです。もし、その他のオンラインサービスやサイトを参考にする場合の注意点として、最新の情報に更新されているかどうか、記事やコンテンツが古い情報のままではないかを必ずチェックしましょう。
オンラインサービスやサイトを参考にしながら、出題範囲を網羅的に学んでいくことで、JavaScriptに関する基礎固めと応用ができる基盤が身につくようになるでしょう。
書籍を購入する場合は著者との相性をチェックする
JavaScriptの資格の合格に向けて、受験する試験の出題範囲に合わせて書籍を購入する必要があります。参考書や技術書を購入する際、著者とご自身の相性によって、知識の理解度が大幅に異なるということを覚えておきましょう。具体的には文章が読みやすいかどうか、自分自身の理解度に合っているかをを基軸として相性をチェックし、勉強する際の敷居を少しでも下げるイメージで探すようにすることです。
資格試験の勉強においては、勉強する際の教材によってモチベーションも変わってきますし、必要になる勉強時間にも差が出てきます。簡単に言えば、書籍が難しすぎるとわからなくて進まないですし、やる気が削がれるということです。
まずは読みやすい著者を見つけて、技術的な知識の基盤を整えた上で難しい参考書や技術書を購入するという流れを作ると勉強がスムーズになるでしょう。
6.JavaScriptの資格に関するFAQ
次にJavaScriptの資格に関するFAQをいくつかご紹介します。
JavaScriptの資格は、就職や転職に有利ですか？
JavaScriptの資格は就職や転職に有利になる可能性は十分にあります。初心者の方であれば「必要な基礎を身につけようとする姿勢」が評価される可能性が高いこと、実務経験者の方であれば「学び直す姿勢と実力の証明」が評価につながる可能性が高くなるでしょう。
ただし、エンジニアに限らず、就職や転職は資格の取得だけで成功させるものではありません。今までの経験や勤めたい企業及び組織に対する思いなど、しっかりとコミュニケーションで伝えられるようにすること、自分自身がどのようなエンジニアを目指すのかなども伝えられるように前もって準備しておくことが大切です。
どのJavaScriptの資格がおすすめですか？
初心者の方であればWebクリエイター能力認定試験がおすすめです。実務経験者の方であればHTML5プロフェッショナル認定試験のレベル1とレベル2の合格を目指すと良いでしょう。
グローバルに働けるようにしたい、英語力をアピールしたいということであれば、JS Institute CertificationやCIW JavaScript Specialistの受験も前向きに検討するべきと言えます。
また、JavaScriptの資格だけでなく、その他の資格の受験と合格を目指すことも重要です。特に初心者の方の場合はITパスポート試験や基本情報技術者試験について学ぶことで、エンジニアとしてWebやITの業界で働く際に必ず役立ちます。実務経験者の方であればIPAの高度試験の受験や合格を目指してみることで、エンジニアとしての実力をさらに証明しやすくなるでしょう。
JavaScriptの資格を取得しないとエンジニアになることはできませんか？
JavaScriptの資格は認可や許可のための免許などではないので、資格を取得しなければエンジニアになれないということはありません。ただし、JavaScriptも含めWebやITの業界で働くために必要な知識を備えていない状態で、就職や転職をすることは難しいということも知っておく必要があります。
JavaScriptの資格の合格に向けて学ぶこと自体が、エンジニアとしての第一歩であるということを理解し、資格の取得がエンジニアになれるかどうかの可否を決めるのではないと覚えておきましょう。
また、資格の取得自体が受験される方の精神的な自信を支える要素には必ずなります。そのため、合格を目指して勉強すること、成長を実感するという体験を得ることが重要であると覚えておいてください。
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7.まとめ
今回はJavaScriptに関する基礎知識、JavaScriptの実力を証明できる資格一覧、JavaScriptの資格を取得するメリット・デメリット、JavaScriptの資格の合格を目指す時の勉強方法についてお話ししました。
JavaScriptはHTMLやCSSとともに、現代でもWeb開発で主役といえる存在です。ウェブサイトやホームページの作成だけでなく、モバイルアプリケーション開発などの現場でも活躍できる可能性が高まります。同時にJavaScriptに関連の深い知識やスキルを吸収しやすくなり、ご自身の成長とスキルアップ、キャリアチェンジやキャリアアップも実現できるようになりますので、是非とも資格の取得に向けて勉強を頑張ってみてください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
本記事が皆様にとって少しでもお役に立てますと幸いです。