「Webデザイナーになりたい」「Webデザインの基礎を身につけたい」とお考えであれば、Webデザイン試験の合格に向けて勉強してみてはいかがでしょうか。
Webデザイン試験は初心者の方でも受験しやすい検定試験であり、Webデザイナーを目指す方、もしくはエンジニアの方でデザイン領域の基礎を身につけたい場合に非常におすすめの試験です。
今回はWebデザイン試験に関する基礎知識や詳細情報、Webデザイン試験の資格取得のメリット・デメリット、Webデザイン試験合格のための学習及び対策方法についてお話しします。
目次
1.Webデザイン試験に関する基礎知識
はじめにWebデザイン試験に関する基礎知識について解説します。
Webデザイン試験とは
Webデザイン試験とは、株式会社ボーンデジタルが実施している「Web検」という資格試験の一つであり、Webデザインに関する知識とスキルが問われる検定試験です。英語での表記はCertified WebDesigner, Professionalになります。
Webデザイン
Webプロデュース
上記がWeb検で実施されている4つの検定試験であり、Webについてこれから学ぶ初心者の方が必要な知識をそれぞれ学ぶことができるようになっています。また、すでに実務でWebに関する業務を行っている場合においても、担当する分野のWeb検に挑戦することで、よりWebを活用できる知識やスキルを身につけることができるようになるでしょう。
Webデザイン試験とウェブデザイン技能検定の違い
Webデザイン試験について情報収集をしていると、「ウェブデザイン技能検定」という別の検定試験が視野に入ることもあるでしょう。
Webデザイン試験とウェブデザイン技能検定の違いとして、ウェブデザイン技能検定は1級から3級のレベルがあること、知識試験だけでなく実技試験もあること、そして2級の受験には3級の合格か2年以上の実務経験、1級の受験には2級の合格後に2年以上の実務経験が必要なことが挙げられます。
Webデザイン試験とウェブデザイン技能検定の3級は初心者向けの試験、ウェブデザイン技能検定1級と2級は実務経験のある方、実務経験や実力を証明したい方向けの試験と覚えておいてください。
Webデザイン試験の合格で目指せるキャリア
広報担当者
ホームページ管理者
上記がWebデザイン試験の合格で目指せるキャリアの一例です。Webサイトを構築し、運営するための知識やスキルが身につくことから、マーケティングや広報のスキルと相性が良いです。その他にもユーザーインターフェースのデザインを担当したり、フロントエンドエンジニアとしての道も開けてくるでしょう。
企業や組織の規模にはよるものの、コーディングなどのスキルも身につけていくことで、ホームページの管理者と編集者を任されるということも期待できます。そのため、キャリアチェンジやポジションチェンジの可能性も見えてきます。実務経験が増えればより良い条件の職場への転職なども実現できるようになるでしょう。
2.Webデザイン試験の詳細情報
次にWebデザイン試験の詳細情報について解説します。
Webデザイン試験の詳細
正式名称 | 公益社団法人全日本能率連盟登録資格 Web検定 Webデザイナー |
---|---|
試験会場 試験日時 | ・J-Testingによるリモート受験 ※随時開催 ・J-Testingテストセンターによる会場での受験 ※場所と日時の確認はこちら |
試験時間 | 90分 |
出題形式 | CBT(Computer Based Testing)方式 |
出題数 | 65問 |
合格基準 | 正解率70%以上 |
受検料 | 10,000円+税 |
前提資格 | 特になし |
試験結果 | ・リモート受験の場合は約1週間後にマイページにログインして確認 ・テストセンターでの受験の場合は受験後にディスプレイに表示 |
参考元:https://webken.jp/design/
上記がWebデザイン試験の詳細です。ご自宅や職場でのリモート受験と試験会場での受験のどちらかを選べるようになっています。随時開催となっているため、先にある程度は受験する日を決めておき、無理のない勉強計画を練るようにしましょう。
Webデザイン試験の出題範囲
試験範囲 |
公式テキスト『ウェブの仕事力が上がる 標準ガイドブック2 Webデザイン 第3版』を中心に出題(※注) ・Webサイトの企画・設定 ・素材とデザイン ・フロントエンド制作 ・プログラミング ※注:試験問題の10%~20%は、Webに関わる人の標準知識をまとめた『ウェブの仕事力が上がる 標準ガイドブック1 Webリテラシー 第4版』から出題 |
参考元:https://webken.jp/design/
上記がWebデザイン試験の出題範囲です。公式で掲載されている試験範囲だけでは少々具体的な内容が分かりにくいため、内容が分かりにくいため、公式テキストのページに記載されている目次をチェックしながら、具体的にどのような内容が出題されるのか把握しておくと良いでしょう。
Webデザイン試験の受験者数・合格者数・合格率
受験者 | 合格者 | 合格率 | |
---|---|---|---|
受験実績(2023年度) | 82名 | 50名 | 60.9% |
受験実績(2022年度) | 92名 | 71名 | 77.2% |
受験実績(2021年度) | 101名 | 63名 | 62.4% |
受験実績(2020年度) | 110名 | 77名 | 70.0% |
参考元:https://webken.jp/about/result/
上記がWebデザイン試験の受験者数・合格者数・合格率です。
累計の合格率が63.4%であり年度により60〜70%の合格率となっており、初心者向けの試験ではあるもののきちんと勉強しないと合格できない内容であることが伺えます。
受験者数が少ないことから推測されるのは、認知度が低い可能性があることです。ただし、公式テキストの内容的にはWebデザインに関する知識やスキルが初歩から学べるようになっていることから、まずは資格試験に挑戦して基礎を身につけたい、合格することで自信をつけたいという場合には挑戦すべき価値があると言えます。
Webデザイン試験の申し込み手順
・試験会場での受験の申し込み手順
公式サイトの会場・日時選択で任意の場所と日時を指定
受験者ログインフォームから新規会員登録
登録した情報でJ-Testing IDにログイン
受験料の支払い
指定した場所と日時に受験
・リモート受験の申し込み手順
公式サイトの受験者ログインフォームで新規会員登録
登録した情報でJ-Testing IDにログイン
受験する日時を指定
受験料の支払い
指定した日時に受験
上記がWebデザイン試験の申し込み手順です。クレジットカード支払い、コンビニ支払い、Pay-easyで支払うことができます。会場で受験される場合は、受験を検討した段階で最寄りの試験会場を検索してチェックしておくと良いでしょう。
ご自宅か職場でリモート受験をする場合は「受験までの流れ」のページを参考に、試験当日に慌てないためにも、前もってリモートで受験できる環境か必ずチェックしておいてください。
また、会場受験の場合もリモート受験の場合も顔写真付きの身分証明書が必要になりますので、試験の当日に提示できるように、忘れずに準備しておきましょう。
Webデザイン試験の有効期限
Webデザイン試験の有効期限は2年間となっています。更新手続きのようなものはないため、2年の有効期限が切れたら再度受験するか検討すると良いでしょう。
また、有効期限後の再受験の有無にかかわらず、Webデザインに関する知識やスキルのアップデートは行っておくべきだと覚えておいてください。
試験に合格したタイミングから、Webに関する技術も進歩していきますし、デザインについてもその時々の時代にあった流行り廃りをしっかりと理解しながら、デザインで表現できるように学ぶことが大切です。
Webデザイン試験の難易度・勉強時間
Webデザイン試験の難易度については、出題範囲と公式テキストの目次の項目、試験時間が90分間で65問、70%以上の正答率、合格率が約60%から70%であることを踏まえると初歩的な内容ではあるものの、簡単に合格できる難易度でないことが推測できます。
1問あたりにかけられる時間はおよそ1分〜1分半ほどであり、問題によっては用語や概念の理解を求められるため、試験中の時間配分や問題を取捨選択する判断が重要です。
勉強時間については、公式テキストの「ウェブの仕事力が上がる 標準ガイドブック2 Webデザイン 第3版」のボリュームが272ページであることを踏まえると、全てが出題範囲ではないにせよ、おおよそですが50時間から100時間程度は必要となるでしょう。
効率的な学習法としては、まずは用語や基本概念をしっかり押さえることが重要です。その後、模擬問題や過去問を解いて、出題形式や頻出テーマを把握しましょう。
特に、デザインに関する基本的な原則(配色、レイアウト、タイポグラフィなど)と、HTML/CSSなどWebの基礎技術は重要度が高いため、理解を深める学習が求められます。
ただし、受験される方のWebに関する理解度、勉強の進捗状況などによって、難易度も勉強時間も異なるということは前もって留意しておいてください。
3.Webデザイン試験の資格取得のメリット
次にWebデザイン試験の資格取得のメリットについて解説します。
Webデザインに関する知識やスキルが身につく
Webデザイン試験の資格取得のメリットとして、Webデザインに関する知識やスキルが身につくことが挙げられます。試験範囲となる公式テキストのボリュームも十分であり、問題集などを解いていくことで着実に理解が深まるようになるのが理由です。
Webデザインについては、単にデザインだけでなく、コーディングなどによってデザインをWebで表現することが求められます。そして表現によって集客を狙ったり、興味関心を引いたりするなどマーケティング領域にも関連が深いことから、転職や就職だけでなく、現在勤めている企業や組織における実務の現場でも役立てることができるようになるでしょう。
Webデザインを基軸としたキャリア形成がしやすい
Webデザイン試験の資格取得のメリットとして、Webデザインを基軸としたキャリア形成がしやすいことが挙げられます。Webデザインの未経験者の方の場合、最初は与えられた内容などをサイトやコンテンツに反映していくような仕事から、ゆくゆくは自分自身で企画、または広報も含めてマーケティングなどの部門及び部署も視野に入るのが理由です。
その他にもフロントエンドエンジニアなどの領域、そしてエンジニア領域を通じてその他の技術領域での活躍、すなわち実務で触れた技術を習得していくことで、キャリアチェンジやキャリアアップも狙えるのも大きな魅力と言えるでしょう。
Webデザインに関連するスキルを身につけやすい
Webデザイン試験の資格取得のメリットとして、Webデザインに関連するスキルを身につけやすいことが挙げられます。
例えば、HTMLやCSSによるコーディング、PhotoshopやIllustrator、Figmaなどのデザインソフトウェアの習熟、プログラミング言語を学ぶことでWebアプリケーション開発分野のスキルなど様々な技術が視野に入るのが理由です。
その他にも前述したように広報やマーケティング、イベントの企画や運営、オンライン集客から実店舗への集客、新商品や新サービスの認知拡大や興味関心の育成などが挙げられます。企業や組織における事業活動において、幅広く活躍できる領域が広がり、実務経験が増えれば増えるほどスキルも増え、それに伴って成長することで報酬などもアップしていくことなども期待できるようになるでしょう。
4.Webデザイン試験の資格取得のデメリット
次にWebデザイン試験の資格取得のデメリットについて解説します。
資格の取得に勉強時間や費用のコストがかかる
Webデザイン試験の資格取得のデメリットとして、資格の取得に勉強時間や費用のコストがかかることが挙げられます。公式テキストと問題集を利用した勉強時間、それぞれの書籍の費用、受験料などがコストが発生します。
そのため、実務経験者の方で物足りないと感じた場合は別の検定試験にコストを割り振るという考え方も持つ必要があります。初心者の方で基礎から学ぶにはちょうど良いと感じた場合は、Web関連のキャリアの道が開けるというリターンがあるということを前提として、勉強時間や費用に対する投資に前向きになると良いでしょう。
ソフトウェアの操作スキルは別に学ぶ必要がある
Webデザイン試験の資格取得のデメリットとして、ソフトウェアの操作スキルは別に学ぶ必要があることが挙げられます。PhotoshopやIllustrator、FigmaもしくはHTMLやCSSを編集するためのソフトウェアの操作については、試験内容に盛り込まれていないのが理由です。
ただし、Webデザイン試験の試験範囲については、知識的な部分の基礎が身につくということは間違いありません。Webデザイン試験の試験を第一歩とし、次にソフトウェアの操作のスキルを身につけること、HTMLやCSSの理解を深めることなど、段階的に自分自身を成長させていくための材料として勉強のモチベーションを上げていくと良いでしょう。
実務経験者の実力の証明には向かない
Webデザイン試験の資格取得のデメリットとして、実務経験者の実力の証明には向かないことが挙げられます。例えば、Webサイトの運営経験がある方、Webデザインをコーディングできる方が、今までの経験や実力を強いアピールポイントにはしにくいということです。
実務経験のある方の場合は冒頭で紹介した「ウェブデザイン技能検定」の3級から1級の合格を目指すことも検討してみてください。
ただし、Webデザインについて学び直したい方、もしくはなんとなく理解はしているけれども体系的には学んだことがない方には向いている内容でもあります。その場合は試験の合格に向けて勉強するとともに、実際にWebサイトを構築するなどして実力を証明できるポートフォリオを用意すると良いでしょう。
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5.Webデザイン試験合格のための学習及び対策方法
次にWebデザイン試験合格のための学習及び対策方法について解説します。
「サンプル問題無料ダウンロード」を利用して理解度を把握する
Webデザイン試験合格に向けて、まずは「サンプル問題無料ダウンロード」を利用して理解度を把握することから始めましょう。Webデザイン試験は初心者にも挑戦しやすい試験ではあるものの、受験される方のWebに関する理解度によっては難しい場合もあるのが理由です。
例えば、問題文を見ても全くわからない、専門的な用語ばかりに感じてしまい難しすぎるという場合は、さらに基礎から学ぶことを検討しましょう。
公式で紹介されているテキストや問題集で勉強する
サンプル問題で受験に対する手応えを感じたら、公式で紹介されているテキストや問題集を購入して勉強しましょう。テキストだけでもかなりのボリュームがあるので、余裕を持って学んでいくことが大切です。問題集を繰り返し解いていくことが試験対策にもなりますので、正答率を高めるというイメージを持ちながら問題を解いていきましょう。
公式で紹介されているテキストや問題集だけで物足りないと感じた場合、インターネットで情報収集をする時は最新の情報かどうかを精査するとともに、試験範囲を学ぶ上で必要かどうかをチェックするようにしてください。特に古い情報を見てしまうとテキストとの違いで混同して誤った理解になってしまうこともありますので十分に注意しましょう。
メーカーやブランドの公式ページを見て学ぶのもおすすめ
Webデザインについての理解を深めるためにも、大手メーカーや有名ブランドの公式ページを見て学ぶのもおすすめです。ブラウザでソースを表示してHTMLのタブをチェックしたり、ソースの中にあるCSSのリンクをクリックしてどのような仕組みになっているのか見ることで、ホームページのデザインと仕組みの両方が理解しやすくなります。
同時に、大手メーカーや有名ブランドの公式ページを見ることで、将来的に自分がどのような仕事をするのかといったことが見えてくるようになるのもおすすめの理由です。Webサイトを構築・運営するということがどのようなことかを理解できるようになれば、勉強の進捗状況も良くなり、学習意欲も向上するようになってくるでしょう。
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6.まとめ
今回はWebデザイン試験に関する基礎知識や詳細情報、Webデザイン試験の資格取得のメリット・デメリット、Webデザイン試験合格のための学習及び対策方法についてお話ししました。
Webデザイン試験はWebデザイナーになる第一歩として最適な試験と言えます。また、エンジニアの方でデザインに苦手意識がある場合においても、じっくりと学ぶことでデザインについて理解が深まるのも大きな利点と言えるでしょう。キャリアチェンジやキャリアアップの可能性も広がりますので、是非とも合格に向けて勉強を頑張ってみてください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
本記事が皆様にとって少しでもお役に立てますと幸いです。