「脱サラしてフリーランスになりたい」「フリーランスになって後悔しないだろうか」とお考えではありませんか。
フリーランスと聞くと自由なイメージや稼げそうな雰囲気がありますが、会社勤めと同様に苦労することや大変なことがあるのも知っておく必要があります。まずはフリーランスについて理解を深めて、自らのキャリア形成を見つめ直すことから始めてみましょう。
本記事では、これから脱サラしてフリーランスを目指す方のために、脱サラしてフリーランスになる時の前提知識が必要なスキル、そしてメリットやデメリットとともに、独立を成功させるためのコツ、脱サラ後にフリーランスが行う手続きなどについてお話します。
目次
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1.脱サラしてフリーランスになる時の前提知識
はじめに脱サラしてフリーランスになる時の前提知識について解説します。
脱サラしてフリーランスは現実的か
脱サラしてフリーランスになるのは現実的かという点については、キャリアプランやキャリアパスの視点で考えると十分に現実的であると言えます。
そして脱サラして個人事業主になるのは現実的かという視点で見ると、全く非現実的でないことが分かります。実際に個人単位ではあるものの起業するのとほぼ同じであり、起業することは珍しくありませんし、手順と準備さえ整えば誰でも実行できるのが理由です。
ただし、脱サラしてフリーランスになること自体は現実的で、誰にでもできることですが、「フリーランスとして成功できるか」は別問題であると覚えておく必要があります。
脱サラしてフリーランスに適性のある人
脱サラしてフリーランスになる適正のある人、すなわちフリーランスとして成功できる適正のある人とは、「自分一人でいくら稼げるのかを理解し、現実を見ている人」と言えます。例えば、フリーランスが自由であり、苦労せずに稼げる夢のようなイメージを持っている人は、フリーランスとして成功することはないでしょう。
まずは現実的に自分がフリーランスになったとして、1時間でいくら稼げるのか、1週間でいくら稼げるのか、1ヶ月でいくら稼げるのかを計算してみましょう。
もしくは、1つの案件を完了するのにどれぐらいの時間が必要か、金額的にどのぐらいの案件を受注できるか、1つの案件を受注するのにどれくらい労力が必要かという視点で、いくら稼げるのか考えてみてください。
そしてどちらもゼロベースで、何のコネクションもない状態から、現実的に稼げると感じたのであれば、脱サラしてフリーランスで成功できる人と見て間違いないでしょう。
2.脱サラしてフリーランスになるために必要なスキル
脱サラしてフリーランスになった時、具体的にどのように稼げば良いのかということがわからないこともあるでしょう。そのため、次に脱サラしてフリーランスになるために必要なスキルをご紹介するとともに、それぞれをどのように活用していくかを解説します。
案件を完遂できるスキル
脱サラしてフリーランスになるために必要なスキルとして、まずは自分の実力でお金を稼ぐための、案件を完遂できるスキルが挙げられます。
フリーランスとしての収入源は、クライアントから案件を受注し、受注した案件を無事に完了させることで報酬が得られるため、案件を完遂できるスキルがないと、フリーランスとしてというより、収入がないままだと生活をすることができません。
そのため、脱サラしてフリーランスになろうと考えた時点で、無理な節約をしなくても生活水準を落とさずに済むかを精査して、ある程度貯蓄しておく必要があります。
また、フリーランスの場合は会社勤めのように1ヶ月ごとに給与が振り込まれるわけではなく、支払いが翌月、翌々月になることもあるため、自分の稼ぐためのスキルがお金になるまで、作業をして実際に振り込まれるまでの時間も計算する必要があるでしょう。
営業力(提案力・交渉力・説得力)
脱サラしてフリーランスになるために必要なスキルとして、案件を受注するための提案力や交渉力、そして説得力などの総合的な営業力が挙げられます。いわゆるクライアントワークに必要な能力です。
営業力があれば案件の受注に困ることはありませんし、時間的な調整や金額の交渉がうまくいけば、自分の好きなペースで働くことができます。ただし、営業力がなく、時間の調整ができない、安い金額でないと引き受けられないとなると、かなり大変な状況に陥ってしまうので営業力は必ず身につけておきましょう。
人脈を形成するコミュニケーション力
脱サラしてフリーランスになるために必要なスキルとして、顧客やクライアント、もしくは同業者との人脈を形成するコミュニケーション力が挙げられます。フリーランスとして顧客やクライアントと人脈を形成することができないと、単発的な仕事だけになってしまい、継続性にかけてしまうことで安定的な収入が得られなくなるとが理由です。
そのため、顧客やクライアントを大切にするということの本質を理解する必要があります。また、会社員勤めやアルバイトの時は「お金のために仕事をするくらいの気持ち」で接していたかもしれませんが、フリーランスの場合は顧客やクライアントの意向次第で収入が激減するという気持ちで接する必要があるので注意しなくてはなりません。
同業他社との人脈形成も同様であり、お互いに仕事のフォローや案件の紹介及び融通などができるようになると、孤独なフリーランスとしての働き方でも仲間意識を持ちながら働きやすい環境を得られるようになるので大変おすすめです。
個人事業主としての事務処理能力
脱サラしてフリーランスになるために必要なスキルとして、収入や支出、納税などの知識、法的な手続きなども含めた個人事業主としての事務処理能力が挙げられます。
フリーランスとして事務処理ができないと、収入と支出が把握できずに生活が不安定になる可能性や、確定申告などのタイミングで仕事に支障が出る可能性があるのも理由です。
特に会社勤めの方がフリーランスになる場合、ほとんどを会社にお任せしているような状況になっている可能性も高いため、経費や納税の知識とともに、簿記関連の基礎も身についていないこともあります。脱サラする前に納税や個人事業主としての法的な手続きを含めて、事務所に必要な部分の知識を覚えておきましょう。
オンとオフの切り替えスキル
脱サラしてフリーランスになるために必要なスキルとして、仕事とプライベートを切り替えるためのオンとオフの切り替えスキルが挙げられます。フリーランスは体が資本であるため、しっかりとオンとオフを切り替えていかないと、体が持たなくなってしまうのが理由です。
特にフリーランスの場合は受注した案件を完了できないと報酬を得られないと同時に、納期や期日までの作業及び業務が進まないとクライアントに迷惑をかけてしまうため、その後の契約が打ち切られてしまうことがあるのも理由です。
もちろん、人間ですので様々な事情によって調整する必要はありますが、まずは心も体も元気に働ける状態を維持するためにも、会社勤めの時よりも明確に切り替えられるように、オンとオフの切り替えスキルを意識して身につけることをおすすめします。
3.脱サラしてフリーランスになるメリット
サラリーマンを辞めるためのひとつの手段としてフリーランスを考えてる方の場合、具体的なメリットがわからないこともあるかもしれません。
では、脱サラしてフリーランスになるメリットにどのようなものがあるかいくつかあげてみます。
好きなだけ稼ぐことができる
脱サラしてフリーランスになるメリットとして、誰にも遠慮することなく、自分の好きなだけ稼げることが挙げられます。
例えば、フリーランスになりたての頃はおおよそ50万程度の金額をほとんどフルタイムで働いていたような場合においても、案件ごとの単価をアップしたり、スキルの習熟によって時間が短縮できたりすることによって、働く時間そのものを減らすこともできるということです。
もちろん、働く時間を減らさず、単価をどんどん上げていけば、それこそ青天井と呼ばれるようにいくらでも稼ぐことはできます。ただし、無理をして体を壊してしまうと生涯的な収入が激減する可能性があるので注意しましょう。
知識やスキルをフル活用できる
脱サラしてフリーランスになるメリットとして、今までの経験で得た知識やスキルをフル活用できることが挙げられます。
例えば、「最初はコンテンツ制作として文書作成を行っていた方が、WordPressへの納品をする機会を得て、WordPressの学習を進め、結果的にWordPressの構築やサイト制作の仕事を得られる」などです。
同じく趣味で3Dプリンタによる出力をしていた方が、何らかの縁で設計やデザインに携わることになり、新しい製品のプロジェクトへ参加するということも考えられます。
自分の知識やスキルが役に立てられるということは非常にやりがいを感じますし、習熟していくことや新しいスキルを身につけることが楽しくなるのも大きなメリットです。
プライベートのスケジュールを立てやすい
脱サラしてフリーランスになるメリットとして、案件の受注や期日などを上手に調整していくことで、プライベートのスケジュールを立てやすいことが挙げられます。日々のスケジュールであればさらに柔軟に調整できるため、家族のことや育児、もしくは介護がある場合でも対処しやすいのもメリットと言えるでしょう。
あまり無理をするのはおすすめできないものの、早朝や深夜なども仕事ができるため、自分のペースで作業時間を作りやすいのもメリットと言えます。フルタイムの出勤の場合も残業することもできますが、フリーランスの場合は拘束時間がないことで、時間の余裕が大幅にあることも大きなメリットということです。
経費の計上や青色申告など節税対策ができる
脱サラしてフリーランスになるメリットとして、仕事をするための経費の計上による控除、青色申告、もしくは専従者控除などの節税対策を利用できることが挙げられます。
経費については法的に定められているものに限られますが、例えば事務所の家賃の一部、電気料金や通信料金なども経費に該当することもあるため、プライベートと区別はするべきではあるものの、必要な機材や環境の構築に関する経費は控除の対象になるのは大きなメリットであるのは間違いありません。
納税や簿記について学んでおくべきとお伝えした理由でもあり、しっかりとした投資とコスト削減をしていくことで、自分が得た収入や利益を守ることにつながります。
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4.脱サラしてフリーランスになるデメリット
脱サラしてフリーランスになるメリットの次に気になるのは、やはりデメリットの部分ではないでしょうか。フリーランスになるかの判断材料とするためにも、脱サラしてフリーランスになるデメリットについてもしっかりと解説します。
プライベートと仕事の区別が曖昧になりがち
脱サラしてフリーランスになるデメリットとして、安定するまでは仕事が気になってしまい、プライベートと仕事の区別が曖昧になりがちなことが挙げられます。フリーランスの場合は仕事が安定して、案件の業務に集中できる時間が作れるようになるかどうかで、時間の余裕が大きく異なるということも覚えておいてください。
特にワークスペースを別に設けずにご自宅で作業をされる場合、家庭環境で生じる生活音や家族の普段の生活によるコミュニケーションなども、曖昧になる理由になってしまいがちです。
家族や子供のお迎えの時間に合わせて集中する癖をつけたり、仕事に煮詰まった時に家事をしてストレスを発散したりもできますし、プライベートの時間であってもいいアイディアが思いついたらすぐ実行できるというメリットもあります。
フリーランスで得られる時間の余裕をしっかりと作りつつ、上手に生き方を考えていくという視点を持つことが大切です。
一人社長として全ての業務を行う必要がある
脱サラしてフリーランスになるデメリットとして、案件の受注から案件の対応、クライアントワーク、納税などの事務処理も含めて、一人社長として全ての業務を行う必要があることが挙げられます。
会社員の場合は拘束時間内で、ある程度は自分の業務に集中できますが、フリーランスの場合は集中するために多くの時間を費やさなければなりません。それこそ、特技やスキルを用いた業務はほんの一瞬に感じることもあるでしょう。
だからこそ、一人社長として一通りの業務が行えるようになると、改めて正社員として企業勤めに戻りたい場合や新しいプロジェクトに参画する際に良い評価を得られる可能性もあります。
納税の手続きや法律関係の理解が必須
脱サラしてフリーランスになるデメリットとして、学生時代や会社に勤めている時にはあまり学ぶ機会のない、納税の手続きや法律関係の理解が必須なことが挙げられます。
勤めている企業にはよるものの、一般的には年末調整で書類を提出する程度、もしくは結婚や出産などのタイミングで何らかの種類を集めて総務や担当部署に渡すだけで処理してもらえるのが理由です。
そのため、ある程度稼げることが見込める状態であれば、早い段階から税理士などに相談して、お金を払って事務処理を任せることも視野に入れておいてください。税理士に任せた方が仕事に集中できるようになり、安定的に稼げるようになった段階から、自分自身で対応するようにしてみても良いでしょう。
案件獲得に労力がかかる
脱サラしてフリーランスになるデメリットとして、最大の収入源である案件の獲得に労力がかかることが挙げられます。会社員の場合は業務を割り振ってもらうことはできますが、フリーランスの場合は自分自身で案件の情報を収集し、案件募集に応募して、案件を受注できるように何度も繰り返す必要があるのです。
労力の中でも特に辛いと感じるのが、どんなに案件獲得に時間を割り振っても、仕事が取れない時であるため、とてつもないストレスを感じることもあるでしょう。
フリーランスになる前から、自分一人で稼げるかどうかをうまく精査できていないと案件がスムーズに獲得できないこともあるため、フリーランスになってから案件を獲得するのでは遅いということでもあります。
例えば、社内規則で副業がダメな場合を除いて、会社勤めの段階から副業などで案件の獲得に挑戦してみたり、案件を獲得して業務を行った場合のシミュレーションを行ったりするなどして、フリーランスになった時の時間配分や労力を体験しておくと良いでしょう。
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5.脱サラしたフリーランスの末路や後悔は?
脱サラしたフリーランスの末路や後悔といった言葉が、脱サラしてフリーランスをする時の情報収集で目に入ることがあります。その他にも仕事が怖い、フリーランスで結婚して後悔、もしくは結婚している状態でフリーランスになって後悔したといったようなことも目にしたことがあるかもしれません。
ただし、何らかに挑戦して失敗することや後悔をすることはフリーランスに限ったことではないということをまずは理解する必要があります。
また、脱サラしたフリーランスに関連するネガティブなサジェストワードやコンテンツは「ネガティビティバイアス」によるサイトへの訪問を狙っているのが理由です。もちろん、全てが虚偽ではないものの、全てが真実ではないと考える必要もあるでしょう。
難しいのが最もらしいような書き方をしている場合もあり、そうした失敗をしたくないために余計に閲覧したくなってしまうことです。
ネガティブな情報をもし目にしてしまった場合は反面教師にすること、挑戦する前から失敗した情報を鵜呑みにして諦めないことをおすすめします。
もう1点、お伝えするとすれば、成功した人は成功した方法を話さないということ、楽しいことを全ては説明しないことを覚えておいてください。同時に成功したことだけを強調するような情報についても、鵜呑みにして情報商材などを買わないようにしましょう。
6.脱サラしてフリーランスへの独立を成功に導く心構え
ここまでお読みいただいた方であれば、脱サラしてフリーランスになることがゴールではなく、独立して成功することがゴールであり、同時に第一歩であると伝わったのではないでしょうか。この章では実際に脱サラしてフリーランスになったことを後悔しないためにも、独立を成功に導く心構えについて解説します。
脱サラしてフリーランスは自由で不自由
フリーランスで成功したいと考えるのであれば、フリーランスは自由であるとともに、不自由であることを理解しておきましょう。
不自由とは簡単に言えば、フリーランスの競争であるという点に収束されます。同業者でありライバルがたくさんいるという意味であり、自由に案件を獲得できるようになるスキルがなければ、常に不自由な状態です。
まずは案件を自由に獲得できるか、その次に単価を調整できるようになるか、そして1つの案件を終わらせる時間を短縮できるかなどが自由への近道と言えるでしょう。
フリーランスとして自由になるためには実績と実力が必要ということ、そして顧客やクライアントとの友好関係を結ぶこと、人脈の形成も含めて信頼を得られることが大切だと覚えておいてください。
会社勤めの方が絶対に楽だと理解しておく
会社勤めの方が絶対に楽だと理解しておくことは、フリーランスとして成功するためにとても大切な要素です。フリーランスの方が楽なら企業や組織は必要がないというのは明白であるため、誰も会社勤めなんかしません。
なぜ、企業や組織に属するかといえば、人と人の集まりによってお金や仕事、ノウハウなどを集約させることで、個人ではできないことをみんなでできるようになるのが大きなメリットであるからです。そしてすでに利益や売り上げを作れる状態の企業や組織に属した方が、フリーランスで全部やるよりも絶対に楽であるのは間違いありません。
この部分をしっかりと理解すれば、フリーランスで全部やることができれば、自分の能力でお金が稼げるようになります。自分一人でやるために最初は安定しないのは当然ですし、失敗するというリスクがあるということも理解できるようになるでしょう。
収入が増えても生活の質を上げすぎない
どの職種のフリーランスになるかにはよるものの、ご自身の経験やスキルによって、明らかに最低賃金を大きく上回るような時給を稼げる場合は、会社員時代よりも収入が大きく増える可能性があります。
結果として、収入が増えると良い生活をしたくなります。ただし、生活の質を上げすぎてしまうと、何らかの事情によって案件が途切れた時にとても困ってしまうので注意しなくてはなりません。
実際に自分自身の職種や業務には関係ないと思っていても、海外の社会情勢やちょっとした変化によって大きな影響を受け、取引先が外部への発注を制限したり、同じ分野の業務がAIなどで置き換えられたりといったようなことも考えられます。
もちろん、複数年にわたって安定的に売り上げが作れるようになり、他の影響を受けにくい状態を維持できる場合は別ですが、いきなり高い車を購入したり、マンションを一括で購入したりするようなことはなるべく避けた方が無難と言えるでしょう。
トラブルを楽しむぐらいがちょうどいい
フリーランスで独立して成功したいと考えるのであれば、リスクを受け入れることも大切ですし、トラブルを楽しむぐらいがちょうどいいということも知っておきましょう。また、収入が不安定であること自体も慣れてくれば不安になることもありません。
トラブルは自分自身に非がある場合を除けば、顧客やクライアントと協力し解決するのがほとんどです。どちらかが困ったことをお互いがフォローするといったようなことは、人間関係として自然ですし、そういったことが増えることで人脈が形成され、信頼を得ることにもつながります。解決できなければ問題にはなりますが、トラブルを解決していくこと、すなわち問題発見能力や問題解決能力、論理的思考力などを身につけて対処できるようにしていきましょう。
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7.脱サラ後にフリーランスが行うこと
脱サラしてフリーランスになることを現実問題として捉えることができたら、次は具体的にどのような手続きが必要なのかを理解しておく必要があります。スムーズにフリーランスとして働き始めるためにも、手続きが遅れたり忘れることがないようしっかりとチェックしておいてください。
年金の切替
会社員の場合は厚生年金ですが、フリーランスの場合は国民年金になるので切り替える必要があります。お近くの市区町村の窓口に出向いて、切り替えるための手続きをしっかりと行いましょう。
また、会社側から書類をもらわないと手続きが済まないこともあるので、何が必要かはきちんとメモしておき、書類に不足がないようにすること、後回しにして忘れたりしないようにすることが大切です。
健康保険の切替
会社員の場合は企業の健康保険などに入ってる可能性がありますが、フリーランスの場合は国民健康保険に入る必要があります。そのため、国民年金と同様に市区町村の窓口で切り替えるようにしましょう。
また、会社員勤めの時の健康保険は一定期間、任意継続することもできます。
例えば、退職の理由ではないにせよ怪我や病気の場合、もしくは出産などが控えている場合は任意継続することで、国民健康保険よりも手厚い保証を受けられる可能性があるので、ご自身の状況に合わせて任意継続するか検討してください。
詳しくは会社や市区町村の窓口に相談して、確実な情報を得て手続きすることをおすすめします。
任意保険の加入
年金や健康保険など公的な手続きとは別に、フリーランスとして、すなわち個人事業主として任意保険への加入も早い段階で検討しておきましょう。自分が働けなくなった時のために積み立てておくような保険や共済に入っておくことで、かなり安心感がありますし、何かあった時に立ち直りやすくなります。
労災保険(特別加入)
損害賠償保険
所得保障保険
上記はフリーランスになる時に入っておいた方が良い任意保険の一例です。もちろん、任意保険であるため任意ですが、退職する前から適当な任意保険を探しておき、退職したタイミングで加入すること、そしてフリーランスとして働くために必ず支払うものだと考えて、支払いを怠らないようにしましょう。
税務署へ必要書類の提出
フリーランスとして仕事をするために開業届を税務署に出す必要があります。また、確定申告をする必要もあるため、退職前後の書類や領収書等々はなるべく全て残しておくようにしましょう。書類の不備で前職の職場に連絡する必要が出てきたり、市区町村の窓口に何度も行かなければならなかったりするようなことがないように注意すべきです。
同時にフリーランスとして働くために納税や法律の知識が浅い場合、同じく簿記の知識がないもしくは苦手だと考えている場合は、必ず税務署に相談しましょう。税務署は分からない人にもしっかりと説明してくれますし、納税のために必要なサポートは惜しむことなく対応してくれるので安心です。
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8.まとめ
本記事では脱サラしてフリーランスになりたいとお考えの方のために、フリーランスについて前もって知っておくべきこと、見落としがちなことなどについてお話しました。
脱サラしてフリーランスになるのは「大変なのだろうか」と不安になってしまうこともあるでしょう。実際には会社勤めでもフリーランスでも、大変なことは大変です。だからこそ、どちらの方が自分が成長できるか、将来的に稼げるのはどちらかといったような視点で、じっくりとキャリア形成を考えることをおすすめします。
現代では正社員からフリーランス、フリーランスから正社員というキャリア形成も珍しくありません。むしろ、多様な働き方に対応できる人材として成長することが、将来的な安定につながる可能性があることも視野に入れておくと良いでしょう。
最後までお読みいただきありがとうございました。
本記事が皆様にとって少しでもお役に立てますと幸いです。