「システム開発の上流工程に関われるようにしたい」「新規プロダクトの企画段階から参画したい」とお考えではありませんか。
ITエンジニアとして開発だけでなく、企画に関する能力や実績を得ていくことは、将来的に管理職やマネジメント職のキャリアも視野に入るため、キャリアアップを目指す方には非常におすすめです。
本記事では、エンジニアとして企画にも携わる「IT企画職」及び「企画エンジニア」を目指す方のために、年収や将来性、目指すメリットや必要なスキル、必要な知識を学ぶための資格試験など、ITエンジニアが企画職になるための方法についてお話します。
目次
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1.IT企画職・企画エンジニアに関する前提知識
ITエンジニアとして、システム開発の企画に携わる場合、エンジニア職の名称としてはSE（システムエンジニア）があります。システムエンジニアの主な役割としては上流工程から下流工程の全般にわたる業務が含まれるのが理由です。
ただし、システムエンジニアは全般的な業務が含まれるため、ある程度区別するためにIT企画職、もしくは開発エンジニア・企画エンジニアという名称を使うことがあります。または社内SEや社内システム企画という名称を用いられることもあるため、これらはエンジニアの中の役職や役割を示すものとして覚えておくと良いでしょう。
本記事では、社内SEや社内システム企画との役割を区別するために、IT企画職・企画エンジニアについて解説するスタンスを取ります。
IT企画職・企画エンジニアとは
IT企画職・企画エンジニアとは、ITエンジニアやシステムエンジニアの中でも、設計や企画に近い業務を行うエンジニアです。システム開発における上流工程を担当するのが企画エンジニア、下流工程を担当するのが開発エンジニアと本記事では区分しています。
IT企画職や企画エンジニアは、経営陣、もしくはクライアントのIT戦略に基づいて、プロジェクトやプロダクトの設計や企画の段階から業務が始まります。プロジェクトマネージャーやシステムアーキテクトとともに、もしくは自身がそれらを担いながら業務を遂行していきます。
市場調査や競合分析、経営層及びクライアントとの交渉なども担当する必要があり、ビジネスの視点や営業力、マーケティングに関する知識が必要になることが開発エンジニアとの違いと言えるでしょう。
社内SEや社内システム企画との違い
社内SEは社内のシステムに関するサポートや保守・運用を行うヘルプデスク的な役割であるタイプと、社内向け、社内専用システムやソフトウェア開発を行うタイプの2つがあります。社内システム規格の場合は、さらに企画を主軸とした業務を行う役割です。どちらも基本的には社内でのエンジニアリング業務を担当するということです。
IT企画職・企画エンジニアと社内SEや社内システム企画との違いとして、IT企画職・企画エンジニアの場合は社内や社外の区別なく企画を行う点にあります。もちろん、企業や組織の規模によっては、エンジニアとしての名称にかかわらず、同じような業務を行う場合もあるため、求人や案件でこれらの名称が使われている時は実務で何をするか、業務内容や業務範囲を必ずチェックしましょう。
IT企画職・企画エンジニアの仕事内容
IT投資計画の策定
市場調査・競合分析
IT戦略の策定
システム企画・要件定義
プロジェクトマネジメント
ベンダーコントロール
上記がIT部門の企画に関する職種・目指せる仕事内容の一例です。
それぞれの項目をIT企画職や企画エンジニアのみで担当するのではなく、プロジェクトやプロダクトに関わる他の役割の方と協力しながら進めていきます。経営陣やクライアント、そしてベンダーとの関わりを持つこともあるため、交渉力や説得力、傾聴力などのコミュニケーション能力は必須と言えるでしょう。
また、プロジェクトやプロダクトの規模によって役割や業務範囲だけでなく、権限なども異なってくることから、実際の業務の範囲についてはその都度異なる可能性があることを留意しておいてください。また、決められた範囲の業務を行うだけではなく、必要に応じて適宜柔軟に様々なことに対応していくことも求められます。
IT部門の企画に関する職種・目指せるキャリア
社内システム企画
ITストラテジスト
CTO・CIO
上記がIT部門の企画に関する職種・目指せるキャリアの一例です。
社内向けのシステムエンジニアやシステム企画へのキャリアチェンジ、もしくはシステムーアーキテクトやプロジェクトマネージャーなどのキャリアアップが視野に入ります。
実力と実績の積み上げ方次第、もしくは企業や組織の規模によってはCTO・CIOなどの経営陣に近い役職や名称のキャリアを手に入れることもできるでしょう。キャリアの属性や分野的にもマネジメントやマーケティングに近づいていくため、コンサルタント系の職種や業務も視野に入ります。
IT部門の企画職の求人・年収・将来性
IT部門の企画職の年収については、厚生労働省の「jobtag」のシステムエンジニア（基盤システム）のページに掲載されている金額によると平均年収が684.9万円となっています。
さらに、フリーランス求人・案件サイト「フリーランスボード」においてのフリーランスのシステムエンジニアの年収を見てみましょう。月額平均単価は64.1万円で、、年収換算すると769万円です。求人の件数も13,000件以上あり、需要が高いことが推測できるでしょう。
設計や企画を主軸とする上流工程のシステムエンジニアとしての将来性については、エンジニア領域においても中核となる業務を行う職種であることから、需要が減少していくことは考えにくいため、明るいと言えます。
一部のプログラミング領域の業務、もしくはコーディングの一部をAIに置き換えているような情報もありますが、設計や企画における人為的な介入が必要な部分においては、現段階においてAIには代替できないため、よほどの技術的革新がない限りは、上流工程を担うシステムエンジニアの需要は安泰と言っても過言ではないでしょう。
2.ITエンジニアがIT企画職を目指すメリット
次にITエンジニアが企画力を身につけて、IT企画職を目指すメリットにどのようなものがあるのか、企画力の習得に見合うリターンがあるのかについて解説します。
新しいプロダクトで貢献度を高めやすい
ITエンジニアがIT企画職を目指すメリットとして、新しいプロダクトで貢献度を高めやすいことが挙げられます。設計や企画に近いポジションでの業務を行うことから、必然的にプロダクトの中核における立ち位置になるため、様々な役割の方と協力や連携をしていく必要があるのが理由です。
また、企画段階から自分自身の意見や技術力によるアドバイスができる立ち位置にもあることから、技術的な側面での貢献度をアップさせることにもつながります。積極的な姿勢で取り組むことでエンジニアとしての評価も上がり、同時に上流工程での評価も向上していくことで、さらなるキャリアアップにもつながっていくようになるでしょう。
上流工程の実務経験を得られる
ITエンジニアがIT企画職を目指すメリットとして、上流工程の実務経験を得られることが挙げられます。一般的にはシステムエンジニアとしての役割であれば、上流工程と下流工程の両方を担うこともあるものの、企業や組織、もしくはプロジェクトやプロダクトの規模によっては、なかなか上流工程を任せてもらうことができません。
そのため、ITエンジニアとして企画力を身につけて、設計や企画に近い上流工程の業務をしたいとアピールし、実務経験を積むことができれば、自分自身の成長につながるとともに、実績にもなります。実力のアップと実績の増加により評価が向上すれば、さらに中核となる業務のポジションも期待できるようになるでしょう。
キャリアチェンジの選択肢が広がる
ITエンジニアがIT企画職を目指すメリットとして、キャリアチェンジの選択肢が広がることが挙げられます。開発系エンジニアとして尽力されてきた方が、企画力を身につけることで上流工程、すなわち企画エンジニアとしてのキャリアチェンジが視野に入り、その先のマネジメント職のサポート役なども任される可能性があるのが理由です。
エンジニア職のキャリアにおいては、普段の仕事の中でどれだけ関わってきたかがキャリアの選択肢の幅を広げる要因になるため、企画という幅広いエンジニア領域及び分野のメンバーと関わる立場は非常に有利と言えます。また、様々な人と関わる中で興味関心の出た知識やスキルを順々に身につけていくことで、さらに自分自身の成長となり、エンジニア領域に限らず、様々な領域でキャリアを選べるようになっていくでしょう。
マネジメント職へのキャリアアップが期待できる
ITエンジニアがIT企画職を目指すメリットとして、マネジメント職へのキャリアアップが期待できることが挙げられます。設計や企画の段階で業務を行うことから、上位ポジションの仕事を直接見ることもできますし、サポートする役割であるのが理由です。また、直接的に評価を得られる立ち位置にいるのもキャリアアップが期待できる要因と言えるでしょう。
同時にポジション的に言えば上司としてプロジェクトリーダー、その上に経営陣やクライアント、部下としてチームリーダーやチームメンバー、その他の管理職の方とも連携しながら業務を行っていくことで、お互いに信頼関係が構築されます。結果として、数字では表現しにくい定性的な評価の向上が期待できることから、後々のキャリアアップや新たなキャリアの形成に役立つ可能性も高いということです。
管理職やクライアントとの距離が近い
ITエンジニアがIT企画職を目指すメリットとして、管理職やクライアントとの距離が近いことが挙げられます。管理職やクライアントとの距離が近いということは、自分自身を直接的にアピールできるチャンスも多いということであり、人事などの評価を介して伝わる評価よりも、強く自分を主張することができるのが理由です。
もちろん、良い部分だけでなく、悪い部分もすぐに見える立場でもあることから、勢いだけで主張したり、実力不足で職務を全うできなかったりするようなことは逆効果になります。
エンジニアとしての技術力を鍛えていくこと、企画力とともにコミュニケーション領域のスキルも磨いていくことを意識し、何よりも自分自身のことを把握した上で、そつなく何でもしっかりとこなせるような働き方を身につけていくことが大切です。
3.IT企画職・企画エンジニアに求められる知識やスキル
次にITエンジニアの方が、IT企画職や企画エンジニアを目指す時の指標として、具体的にどのような知識やスキルが求められているのか、それぞれのスキルがどのように業務で必要なのかについて簡単に解説します。
経営・ビジネス、マーケティング分野の知識
IT企画職・企画エンジニアに求められる知識として、経営・ビジネス、マーケティング分野の知識が挙げられます。IT技術を用いたシステムの開発は、事業活動における課題や問題の解決及び改善、最適化や効率化、コストダウンなど、経営層の目線も必要であり、ビジネスやマーケティング分野の知識も含めて、お金に対する知識とノウハウも必要になるということです。
特に事業活動やビジネスにおいては、基本的にお金を基軸としたデータ及び数値が目標や指標となることもあり、経営やビジネス、マーケティングに疎いままではITに関する企画職としての実力を発揮することはできません。技術とともにビジネスについても習熟していることが求められると覚えておいてください。
現状把握・分析スキル
IT企画職・企画エンジニアに求められるスキルとして、現状把握・分析スキルが挙げられます。経営陣やクライアントから得られた情報をもとに、提示された課題や問題だけでなく、状況を分析した上での柄や問題の抽出を行い、さらに現場や実務担当者、管理者や管理職とのヒアリングを経て、課題や問題の解決に向けた情報を収集するために必要です。
同時に現状把握や分析のスキルは、プロジェクトやプロダクトの進捗状況の把握や管理にも役立ちます。課題や問題の解決がスムーズになることで、進捗状況もスムーズになりますし、システムやサービスの質の向上も期待できるようになるでしょう。また、改善点が見つかりやすくなるため、より状況を良くするための材料が多く見つけられるのも強みになると言えます。
課題解決・企画立案スキル
IT企画職・企画エンジニアに求められるスキルとして、課題解決・企画立案スキルが挙げられます。現状把握と分析によって得られた情報をもとに、具体的な解決案、そして企画に落とし込んで合意形成の材料となる立案のスキルが必要になるということです。
IT分野における企画においては、結果に至るための経緯もとても重要ではありますが、やはり経営陣やクライアントが欲しいのは結果です。そのため、解決した結果がどうなるのか、企画立案の内容がどういう結果を出すのかを明確にすること、かつ現実性が高いことが求められます。この場合においても、技術的知見とビジネス的視野の両方が必要であり、企画した内容を分かりやすく伝えるための言語化能力についても鍛えておくことが重要となるでしょう。
プレゼンテーションスキル
IT企画職・企画エンジニアに求められるスキルとして、プレゼンテーションスキルが挙げられます。企画立案したアイデアを経営陣やクライアントに伝えて、合意形成を得るために必須のスキルと言えるでしょう。どんなに良いアイデアでも伝え方次第で合意形成ができない場合もあることから、提案力と共に説得力も身につけていく必要があるでしょう。
また、プレゼンテーション及び提案をする中で、具体的に技術的な説明ができるスキルも必要です。解決の数字や結果を述べるだけでなく、解決に至る経緯で必要な技術、その技術を使うための金銭的なコストや学習コストなども含めて、導入から運用もイメージした説明ができることも求められます。
コミュニケーションスキル
IT企画職・企画エンジニアに求められるスキルとして、コミュニケーションスキルが挙げられます。提案した内容に合意形成ができた場合においても、より良い結果につなげるため、より改善の効果を最大限に発揮するために関係各所と綿密にコミュニケーションを行い、ヒアリングをしてさらなる情報収集を行う必要があります。
また、合意形成以前においても、傾聴力や交渉力など、相手の話を聞いて、的確かつ対象に交渉していける能力も必要であるため、常日頃からコミュニケーションスキルを磨くという意識を持って対話していくことが大切です。同時に相手に話しかけてもらいやすい態度、姿勢、物腰、見た目など、信頼関係を構築するための工夫もできるようにしておくと良いでしょう。
IT技術に関する知識やノウハウ
IT企画職・企画エンジニアに求められる知識として、IT技術に関する知識やノウハウが挙げられます。今まで説明したスキルを活かせるかどうかは、IT技術に関する知識やノウハウがどれだけ蓄積されているかで大きく異なるため、技術的な知識が備わってることが大前提であると覚えておいてください。
また、企画職は経営陣やクライアントとのコミュニケーションだけが必要なのではありません。実務の現場で業務を行うエンジニア、エンジニアをまとめるリーダー、リーダーをまとめるプロジェクトマネージャーなど、様々な技術的立場の方と話す必要があることを理解し、日常的に情報収集と情報のアップデートを行っていくことをおすすめします。
4.IT企画職・企画エンジニアを目指す時におすすめな資格
次にITエンジニアの方が、IT企画職や企画エンジニアを目指す時に、何から学べば良いか悩んだ時のために、エンジニア領域の知識的な基盤となる資格、または上流工程に関わる基礎や知識が学べる資格として、IPA（独立行政法人 情報処理推進機構）の国家試験から4つご紹介します。
応用情報技術者試験
応用情報技術者試験とは、IPAの実施する試験の中でもITパスポート試験、基本情報技術者試験の次に難しい国家試験です。情報技術に関する基礎や応用に関する知識が必要であり、技術的な面だけでなく経営戦略に基づいた企画及び要件定義などについても理解しておく必要があります。
IT企画職を目指すために必要な技術的な知識の土台を作るのに最適な資格であることから、すでにITエンジニアとしての実務経験がある方でも合格を目指して受験し、技術者としての知識が備わっていることをアピールするのに役立ちます。
ITストラテジスト試験
ITストラテジスト試験とは、IPAの高度情報処理技術者試験の1つであり、ITを活用して事業活動の高度化や最適化、改革や推進を行える実力を備えていることが問われる国家試験です。業種ごとの特性を踏まえて最適化を実施する知識やスキルが求められることから、分析力や技術的な提案力に関する知識的な土台が身につくようになります。
また、経営戦略などビジネス面の改革などに限らず、新しい製品やサービスの創出についても企画・推進できることも含まれるため、将来的に上位のポジションを狙いたい方におすすめの資格と言えるでしょう。
システムアーキテクト試験
システムアーキテクト試験とは、IPAの高度情報処理技術者試験の1つであり、システム開発における上流工程の設計や企画、システムアーキテクチャに関する担当者としての実力が求められる国家試験です。設計や企画とともに開発を指導する立場としての役割を担っており、企画職でありつつもマネジメント領域も担当する方に必要な知識を学ぶことができます。
ITに関する全般的な知識が求められることから、様々なことに興味を持ち、将来的に業界や業種問わず、同時に異なる分野のエンジニア領域の技術者と関わり合いを持つ時に必要な知識も手に入るでしょう。
ITサービスマネージャ試験
ITサービスマネージャ試験とは、IPAの高度情報処理技術者試験の1つであり、ITサービスの提供における安全性や信頼性を維持及び向上させるための知識やスキルが問われる国家試験です。事業活動の課題や問題を解決するために最適なサービスを選定する役割も担っており、分析力や提案力とともに技術的な知見についても必須と言えるでしょう。
IT企画職として必要な技術的な知識が身につくこと、設計や企画の次の段階でもある保守や運用についても学べることも、将来的に役立つ要素として挑戦すべき価値があると言えます。
5.IT企画職・企画エンジニアになるには
次にIT企画職や企画エンジニアを目指す方のために、それぞれの立場からどのように目指すべきか、どのような方法やキャリアパスがあるのかについて簡単に解説します。
エンジニア職からIT企画職へのキャリアチェンジ
IT企画職や企画エンジニアを目指す方法として、エンジニア職からIT企画職へのキャリアチェンジが挙げられます。エンジニアとして技術的な知識やスキルを身につけながら、周囲との信頼関係を構築し、ビジネス領域のスキルを習得していくことでIT企画職を目指す流れです。
開発エンジニアから企画エンジニアにキャリアチェンジするという意味でもあり、開発と企画の両方に強いエンジニアとしてアピールしやすくなります。時系列とともにプロジェクトへの参加やそれに伴う実績の積み上げによって、キャリアアップも視野に入ってくるでしょう。
また、自分自身が開発現場でのエンジニアの苦労や気持ちも理解していることから、プロダクトやプロジェクトにおけるマネジメントに携わる場合において、実務の現場への理解の深い良いリーダーとして成長できる可能性も高くなるでしょう。
他業種・他業界の企画職からIT企画職への転職
IT企画職や企画エンジニアを目指す方法として、他業種・他業界の企画職からIT企画職への転職があります。技術関連の知識やスキルを身につけていくことで、企画職としてのスキルをIT業界で活用していくということです。そのため、営業力やビジネスの知識はあっても、技術的な知識がないと苦労する可能性もあります。
ただし、企画系の営業やマーケティング担当など、コミュニケーションも必要とする実務経験がある方であれば、転職したタイミングから周囲の技術者とコミュニケーションを取り、技術的な要素を吸収していくことで補うことは難しくありません。最低限のコミュニケーションを行えるようにするためにも、技術関連の資格取得を目指し、いくつか合格しておくと転職後もスムーズです。
新卒・未経験からIT企画職へのキャリアパス
新卒・未経験からIT企画職へのキャリアパスを考える場合、どちらもエンジニアや営業及び企画の実務経験がないことを前提に組み立てていく必要があります。まずはITパスポート試験や基本情報技術者試験の合格を目指して勉強していくこと、同時にビジネスやマーケティング、マネジメント分野についても勉強をしていく必要があるでしょう。
そのため、いきなりIT企画職を目指すというよりも、まずはエンジニアになること、もしくは営業職から企画部門などを目指すことなど、どちらかの分野において実務経験を積むことから始めてみても良いかもしれません。
6.IT企画職・企画エンジニアに関するよくある質問
最後にIT企画職を目指す方が疑問に思うことや悩みがちなことについて、よくある質問としてまとめましたのでぜひご一読ください。
プログラミングや開発系業務からは遠のいてしまいますか？
規模にはよるもののプログラミングや開発系業務からは遠のいてしまう可能性はあります。そのため、エンジニアとして直接的に現場での業務を行いたい、現場に近い場所で働きたいという方には企画系のエンジニア職は向かない可能性があると覚えておいてください。
ただし、実務でのプログラミングや開発業務に強いエンジニアの方が、現場との意思の疎通がしやすく、認識の乖離が少ない存在として、むしろ上流工程で必要とされていることもあります。直接的にプログラミングをすることは少なくなっても、現場との関わりは減ることはなく、むしろ深まっていくということも知っておいてください。
経営やビジネス分野に疎いとIT企画職にはなれませんか？
ITエンジニアの方の中には、技術的なことには強くても、経営やビジネス、営業やマーケティングは苦手という方は一定数いらっしゃいます。ただし、苦手意識や疎いという気持ちがあっても、知識や情報として学んで身につけていくことができれば、技術的な基盤があればIT企画職になることは可能です。
むしろ、経営やビジネス、営業やマーケティングを技術的な知見を持ちながらゼロベースで学ぶことができるためエンジニアとしての論理的思考や問題発見・解決能力と結びつけることができれば、早い段階で活躍できる可能性もあります。同じくエンジニアとしての情報収集能力や学ぶ姿勢を発揮すれば、技術を学ぶようにビジネス分野の知識も習得しやすいということも覚えておいてください。
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7.まとめ
本記事では、ITエンジニアの方が企画職を目指す際に必要な情報をご紹介するとともに、IT企画職になるためのキャリアチェンジ・転職・キャリアパスについてお話ししました。
システム開発における上流工程の企画や設計、もしくは新規プロダクトにおける企画に関する仕事は、プロジェクトや物事の中核となる仕事であるため、非常にやりがいがあり、貢献度が高く評価されます。
実績が積み上がることでさらに大きなプロジェクトやプロダクトに関われるようにもなるため、キャリアアップを目指しながら、新しい商品やサービスの開発による社会貢献をしたい方に非常におすすめです。将来的にはプロジェクトマネージャーも含めて、マネジメント職や管理職、その先の経営層までキャリアとして視野に入りますので、エンジニアの実力とともに企画力を身につけて、是非ともキャリアアップに役立ててみてください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
本記事が皆様にとって少しでもお役に立てますと幸いです。
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