システム化アプリケーションの開発を行う「プログラマー」は、2024年11月現在も需要のある職業です。IT技術を活用するのが当たり前となっている現代において、設計通りにコーディングなどの業務が行えるプログラマーは、今後も欠かせない存在になるでしょう。
そんなプログラマーになるには、具体的な方法を把握して準備をすることが重要です。本記事では「プログラマーになるにはどうすればいいのか」という点を軸に、仕事内容・就職方法・必要なスキルなどを解説します。将来プログラマーになることを考えているのなら、ぜひ参考にしてください。
目次
1.プログラマーとはどんな職業?
プログラマーになるには、まずどのような職業なのか正確に把握する必要があります。以下では、プログラマーとはどんな職業なのか基本から紹介します。
システムやソフトウェア開発を行うIT職
プログラマーとは、各種システムやソフトウェア、アプリケーションの開発を担当するIT職です。設計に合わせてプログラミングなどの業務を行い、求められる形で動くようにシステムを構築するのが主な役割です。開発現場ではいわゆる下流工程で働くIT人材となり、周囲と協力してプロジェクトを進行させます。
プログラマーとして働く場合、「プログラミング」に関する知識・技術は不可欠です。担当領域や仕事内容によって必要なプログラミング言語は変わるため、将来を見据えて勉強する言語を選定するのがポイントです。
プログラマーの種類について
プログラマーにも複数の種類があり、それぞれ担当する領域が変わります。例えば以下の職種は、プログラマーに含まれます。
Webプログラマー
アプリケーションプログラマー
組み込み系プログラマー
ゲームプログラマー
オープン系プログラマー
制御系プログラマー
通信系プログラマー
汎用系プログラマー など
WebプログラマーであればWebサイトやWebサービスの開発を、組み込み系プログラマーなら電子機器の制御を行うためのシステム開発などを行います。専門的な知識・技術を身につければ、特定の領域で働けるプログラマーとして活躍を目指せます。
プログラマーとシステムエンジニア(SE)の違い
システムエンジニア(SE)とは、プロジェクトの進行やシステムの基礎設計、要件定義などを担当するIT職です。プログラミング・コーディングをメインとするプログラマーとは違い、クライアントと直接接触してヒアリングをしたり、開発計画やスケジュール調整をしたりするのがシステムエンジニア(SE)の役割となります。
上流工程で働くのがシステムエンジニア(SE)の仕事ですが、一方で開発環境によっては、プログラミングを行うこともあります。そのためプログラマーとして働いた経験を活かして、システムエンジニア(SE)にキャリアアップするケースも考えられます。
プログラマーの年収について
また「フリーランスボード」のデータによると、フリーランスのプログラマーの月額単価の平均は57.2万円です。(2024年11月時点)想定平均年収は686.1万円となり、これは国税庁の「令和4年分民間給与実態統計調査」で確認できる給与所得者の平均年収である458万円を大きく上回ります。
また、総務省統計局での発表では正社員のエンジニアの平均年収は約522万円です。正社員全体や正社員でのエンジニア、フリーランスでのプログラマーを比較してみると、フリーランスのプログラマーが一番高年収であることがわかります。
プログラマーとして働くのなら、フリーランスの案件・求人に参画することで、高収入を得られる可能性が高まります。
2.プログラマーになるには?
プログラマーになるには、どんな知識・技術が必要なのかを把握して準備をしつつ、就職活動を進めていく方法が基本となります。以下では、プログラマーになるための方法について解説します。
プログラマーという職業への理解を深める
プログラマーになるには、まずプログラマーという職業への理解を深めることが大切です。プログラマーがどんな役割を担うのか、どんな仕事をするのか、そのためにどんな知識・技術が必要なのかを知ることで、就職に向けた具体的な準備が始められます。
プログラマーを目指すのなら、プログラマーについての詳細を調べて、仕事に必要な知識・技術を学ぶ方法を選択することから考えてみましょう。プログラマーになるための勉強法については、後に詳しく解説します。
プログラマーの求人に応募する
プログラマーとして働けるスキルが身に付いたら、求人に応募して就職を目指します。求人サイトや求人エージェントを活用し、応募先を選定したうえで書類選考や面接を受けるのが基本的な流れです。プログラマーの求人は多く、例えば「求人ボックス」を参考にすると、東京都だけで64,961件の求人が見つかります。
多くの求人から選択できるため、自分にマッチする職場の特徴や求める条件を事前に設定し、就職先をある程度最初の段階で絞り込むのがポイントです。
プログラマーに必要な資格は?
プログラマーに就職する際には、資格取得も有効となります。働くのに必須の資格はありませんが、持っておくと今後さまざまな場面で役立つ可能性があるでしょう。
例えば、以下の資格は、プログラマーとして働ける能力の証明につながります。
データベーススペシャリスト
Ruby技術者認定試験
PHP技術者認定試験 など
基本情報技術者試験や応用情報技術者など、汎用性の高い資格があると将来のキャリアパスに良い影響を与えることに期待できます。Ruby技術者認定試験やC言語プログラミング能力認定試験のように特定のプログラミング言語に特化した資格も、その言語を扱えるスペシャリストであることの証明になります。
未経験からでもプログラマーになれる?
プログラマーの仕事が未経験でも、仕事で活躍できる実践的なスキルがあれば、就職できる可能性はあります。「未経験可」の求人に絞って探すことで、条件にマッチする職場を探すのは難しくありません。
一方で、プログラマーの知識・技術がまったくない場合、就職は厳しいと考えられます。仮に就職できても、必要なスキルがないため仕事ができず、「きつい」と感じる可能性が高いでしょう。
そのため未経験からプログラマーを目指すのなら、仕事で使う知識・技術についてしっかりと学び、即戦力として期待してもらえるだけの準備をしておくのが重要です。
また、独学で開発言語や周辺知識を学習し、クラウドソーシングサービスなどで自身が出来る業務を行い、実務経験を身につけ就職する方法でも良いでしょう。
3.プログラマーの仕事内容とは?
プログラマーの具体的な仕事内容を把握しておくのも、就職に向けた準備の一環となります。以下では、プログラマーの主な仕事内容を紹介します。
プログラミング・コーディング業務
プログラマーは各種プログラミング言語を使い、プログラミング・コーディング業務をメインに仕事をすることが多いです。コーディングは「ソースコードを書く作業」を指し、プログラミングは「プログラム作成に関する作業全般」を意味します。
そのため業務内容がプログラミングの場合には、コーディングに加えて後に紹介するテストや不具合の修正なども仕事に含まれると考えられます。
コーディングでは設計に合わせてコードを書きますが、基本的にやり方はプログラマーに一任されます。そのため自分なりのコードの書き方を確立することで、スムーズにコーディング業務をこなせるようになるでしょう。一方で、プロジェクトによってはコーディングに関する規約が設けられているケースがあります。特定の文法や変数の使用が禁止されることもあるので、事前に詳細を確認して間違いを犯さないように備えましょう。
テストによる動作確認
作成したプログラムが正しく動くか確認するための、テスト作業もプログラマーの仕事です。例えばインプットからの処理やアウトプットが正常に動作しているか確認し、コードのエラーや意図しない挙動がないかチェックします。テストは手動での確認だけでなく、自動テストツールを使うことも一般的で、効率よく不具合を検出できます。
テスト作業には、テストの仕様書や結果を記載した報告書の作成なども含まれます。テストケースの作成は、プログラムの各機能を網羅的に検証するために重要です。プログラミングとはまた違った事務作業が必要になるため、早めに慣れて作業時間の短縮を目指すのがポイントです。
不具合報告・修正
テストの結果、不具合やバグが発生した場合には、内容を報告して修正作業を行います。不具合やバグの修正作業は「バグフィックス」と呼ばれ、プログラマーが担う重要な仕事の1つです。
不具合やバグを修正するには、原因を探して特定し、解決方法を模索する工程が必要になります。豊富な知識が求められるため、さまざまなパターンを考慮して勉強しておくのも大切です。
4.プログラマーに必要なスキル3選
プログラマーになるには、プログラミングの知識・技術以外にも身につけておくべきスキルがあります。以下では、プログラマーに必要なスキルを3つ紹介します。
論理的な思考力
プログラマーの仕事をこなすには、論理的思考力が必要になります。論理的思考力とは、物事を体系的に捉えて全体像を把握し、解決に至る筋道を考案する能力を指します。矛盾や突拍子のない考えは排除し、筋の通った思考法を実践するスキルが論理的思考力だと言えるでしょう。
プログラミングやバグフィックスなど、プログラマーの対応する業務全般で論理的思考力が必要になります。まずは論理的思考力の基本を学び、意識して実践できるように練習してみましょう。
コミュニケーションスキル
プログラマーに対して、「パソコンに向かって黙々と作業をする仕事」というイメージを持つ人も珍しくありません。しかし、実際には周囲の人と連携し、プロジェクト全体の状況を把握しつつ作業を進めていくのがプログラマーという職業の特徴です。
そのためプログラマーとして働く際には、スムーズに意思疎通が行えるコミュニケーションスキルも必要です。職場の人間関係を良好に保つことは、仕事の効率化などにつながります。積極的にコミュニケーションを取り、働きやすい環境を自分から構築していくのも、プログラマーとして活躍するためのコツです。
プログラミング言語に関する専門知識
プログラミング言語に関する専門知識も、プログラマーに欠かせないスキルの1つです。プログラミングで使用する言語は多数あり、多くの言語に精通しているほどプログラマーとして高く評価される可能性があります。
HTML、C言語、Java、JavaScript、Python、PHP、Rubyなどの言語が、プログラマーの仕事で使用されます。また、Apple製品で使われるiOSアプリやmacOSアプリの開発には、Swiftという専門性の高いプログラミング言語が必要です。プログラミング言語を学ぶほど、担当できる領域を広げられるので、将来のキャリアパスにもつながるでしょう。
5.プログラマーになるための勉強法
プログラマーになるには、専門的な知識・技術を学ぶ必要があります。以下では、プログラマーになるためのおすすめの勉強法を紹介します。
独学で就職に必要な勉強をする
プログラマーに必要な知識・技術は、独学で学ぶことも可能です。プログラミングに関する書籍やネット上のサービスを活用し、一から勉強するのも1つの方法となります。
独学は自分のペースで勉強できるメリットがありますが、分からないことはすべて自分で調べる必要があったり、モチベーションを維持したりするのが難しい面が課題になるでしょう。
大学や専門学校に進学する
プログラマーになるために、大学や専門学校に進学する方法も考えられます。大学や専門学校であれば、プログラマーになるための勉強を体系的に学べます。技術を身につけるための実習も受けられるので、就職に向けてのスキルアップを効率良く行えるでしょう。
大学や専門学校は就職支援も手厚く、要望に合わせて仕事の紹介や面接対策などを行ってくれるのもメリットです。
スクールや職業訓練で学ぶ
IT系のスクールや職業訓練を通して、プログラミングスキルを学ぶことも可能です。大学や専門学校よりも短い期間でスキルアップを狙えるので、なるべく早くプログラマーになりたい人におすすめです。
一方で、IT系のスクールなどは積極的に学ぶ姿勢が必要になるため、常に学習意欲を高める工夫が求められるでしょう。
フリーランスとして簡単な案件を請け負ってみる
プログラマーとしてある程度スキルを身につけたなら、フリーランスとして簡単な案件を請け負って経験を積むのも勉強法としておすすめです。クラウドワークスやランサーズなどのクラウドソーシングサイトには、簡単な作業を依頼しているクライアントも多いです。
作業内容が簡単な分、報酬も安くなりますが、プログラマーとしての実績を重ねていくことで、少しずつ単価を上げていくことも可能となります。最初から正社員や派遣社員を目指すのではなく、フリーランスのプログラマーからスタートすることもぜひ検討してみてください。
6.プログラマーに向いている人の特徴
プログラマーになるには、「向いている人の特徴」をチェックし、自分の特性と照らし合わせるのも必要なプロセスになります。以下では、プログラマーに向いている人の特徴について解説します。
新しいことを積極的に学べる人
プログラマーは、常に進化し続けるIT業界に身を置いて働くことになります。過去に学んだ知識・技術がいつの間にか陳腐化し、職場で使うには非効率的なものになってしまうことも珍しくありません。
そのため自分から新しい知識・技術を学び、積極的にスキルアップを目指せる人ほど、プログラマーに向いています。
周囲と協力して仕事ができる人
先の解説通り、プログラマーとして働く際にはコミュニケーションスキルが必要になります。ただコミュニケーションがうまく取れるだけでなく、周囲と協力できる人や、お互いに助け合える関係性を作れる人が、プログラマーに向いていると言えるでしょう。
プログラマーとして就職したときには、積極的に同職種の先輩・同僚やシステムエンジニア(SE)と交流し、協力できる体制を整えることを意識するのがポイントです。
責任感が強い人
プログラマーの仕事は、プロジェクトの進捗を決める重要なものです。そのため責任感を持って臨むことができる人ほど、プログラマーに向いている人材になるでしょう。責任感を持つこととは、仕事を完璧にこなすという意味ではなく、間違いなどがあっても柔軟に対応して問題を拡大させない姿勢を指すと考えられます。
仮にミスがあっても責任を持って対応できるプログラマーになれれば、周囲から信頼されて評価を高めることができるでしょう。
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7.まとめ
プログラマーになるには、まず職種の特徴や仕事内容、必要なスキルなどを把握して就職の準備を進めるのがポイントです。そのうえでプログラマーの求人を探して応募し、自分の実力を発揮できる職場に就職するのが基本的な流れとなるでしょう。
これからプログラマーを目指す人は、上記の流れを軸にして、今の自分に足りないものを補うことから始めてみると良いでしょう。
プログラマーになるのなら、フリーランスとして働くことも選択肢の1つになります。「フリーランスボード」には、フリーランスプログラマーの求人・案件が多数あり、経験やスキルに合わせて簡単検索が可能です。この機会に「フリーランスボード」で求人・案件をチェックし、フリーランスプログラマーになるための準備を進めるのもおすすめです。
本記事が皆様にとって少しでもお役に立てますと幸いです。