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所得税の節税【サラリーマン&個人事業主向け】知って得する控除の最強活用法と裏ワザまとめ

公開日:2025/04/15最終更新日:2025/04/15

所得税の節税には多様な手段がありますが、サラリーマンや個人事業主にとって比較的取り組みやすい方法のひとつが「控除制度の活用」であるといえます。控除を上手に使うことで納める税金を抑えることができ、実質的な手取りを増やすことが可能になります。


そこでこの記事では控除制度の基本的な仕組みとともに、会社員や個人事業主が利用できる具体的な節税方法について解説していますのでぜひご一読ください。


1.節税の基本を理解しよう

最初に節税とは何か、その仕組みについて説明します。

節税とは

節税とは税金の対象となる所得額を減らし、法律の範囲内で税負担を軽くすることです。例えば収入から一定の金額を差し引ける「控除」を活用したり、経費を正しく計上する方法があります。

控除との違いを知る

「控除」とは、税制において課税対象となる所得額や計算された税額から一定の金額を引く制度のことです。つまり、控除制度を利用することで税金の節約が可能になります。


所得税の控除には主に「所得控除」と「税額控除」の2種類があります。


所得控除は税額を計算する際に収入から一定額を差し引く仕組みで、税額控除は計算された税額から直接一定額を差し引くものです。

どちらも節税に有効ですが、一般的に税額控除の方がより大きな節税効果を得られます。

2.サラリーマンが納める所得税額はどのように計算するか?

所得税を節税する際は、税金対策後の税額を自分で確認することが重要です。計算方法を理解することで、控除を適用するタイミングや節税効果が高い制度を把握できるようになります。


この章では、サラリーマンの所得税の計算手順をご紹介します。

サラリーマンが1年間に得た所得は「給与所得」として扱われ、これに基づいて所得税の納税義務が生じます。


事業所得や雑所得は収入から必要経費を差し引いて計算しますが、給与所得者には経費が認められません。その代わりに、給与所得控除が差し引かれた額が所得として算出されます。


給与所得の計算方法と控除額は以下の通りです。

給与所得 = 収入 - 給与所得控除

次に所得控除を引き課税所得を算出します。

課税所得 = 所得 - 所得控除

そして所得税率を適用します。

所得税 = 課税所得 × 税率

最後に税額控除を差し引いて、所得税額を求めます。

申告納税額=課税所得×税率-控除額

3.個人事業主の所得税額

個人事業主は自分で税額を計算し、確定申告をして納税します。改めて解説しますが、サラリーマン(給与所得者)とおおまかには同じです。


まず1年間の所得を算出します。

所得 = 売上などの1年間の収入 - 必要経費

次に課税対象となる所得を算出します。

課税所得 = 所得 - 所得控除

そして所得税率を適用します。

所得税 = 課税所得 × 税率

もし差し引けるものがあれば、税額控除を適用します。

申告納税額=課税所得×税率-控除額

所得税を減らすためには、以下の2つの方法が有効です。

  • 所得税率がかかる「課税所得額」を低くする

  • 所得税額から直接差し引ける「税額控除」を活用する

したがって所得税の節税対策としては、所得控除と税額控除をうまく活用することが重要です。


関連記事

所得税とは?各所得の計算方法や種類を詳しく解説

4.サラリーマンの節税の最強の裏ワザ

この章ではサラリーマンの所得税の節税の最強の裏ワザをいくつかご紹介します。

特定支出控除を活用する

こちらはサラリーマンが特定の支出を行った場合に、その一定額を給与所得から控除できる仕組みです。


特定支出が適用されるかどうかの基準額は「その年の給与所得金額×1/2」です。特定支出の合計額が給与所得の半分以上であれば、給与所得控除後の所得金額から控除が可能となります。


具体的には例えば以下のような支出が特定支出控除の対象となります。

  • 通勤に必要とされる費用(一般的に認められるもの)

  • 転居にかかる費用

  • 職務に必要な技術や知識を得るための研修費

  • 職務に必要な資格を取得するための費用

  • 単身赴任の場合、勤務地と自宅間の移動費用

配偶者控除を適用する

同一の生計の配偶者がいる場合、配偶者控除を受けることができます。控除額は基本的に以下の通りです。

引用:No.1191 配偶者控除|国税庁


ただし、次のような場合には配偶者控除を利用することができません。

  • 内縁関係である場合

  • 自分の所得が1000万円を超える場合

  • 配偶者の所得が48万円超(48万円超133万円以下の場合は配偶者特別控除)

医療費控除の活用

納税者や同一生計の親族が支払った医療費が一定額を超える場合に適用される制度です。控除額の計算方法は以下の通りです。

控除額 = (医療費 - 保険金で補填された金額) - 10万円

※総所得金額が200万円未満の場合、10万円の代わりに「総所得金額×5%」で計算されます。


対象期間は1月1日から12月31日までの1年間で、医療費控除の上限額は200万円です。200万円を超える医療費を支払った場合、超過分は自己負担となります。


なお、健康増進剤や美容目的の医薬品は医療費控除の対象には含まれません。

生命保険料控除・地震保険料控除を使う

生命保険や地震保険の保険料を支払っている場合、所得から一定額を控除することができます。


サラリーマンの場合は、保険会社から送付される控除証明書を基に年末調整を行うことで控除を受けることができます。


ただし支払ったすべての生命保険料や地震保険料が控除されるわけではなく、控除には限度額が設定されています。


生命保険料控除の限度額は基本的に以下のようになります。

  • 2011年12月31日以前に契約した保険

一般の生命保険料控除:5万円

個人年金保険料控除:5万円

合計:10万円

  •  2012年1月1日以降に契約した保険

一般の生命保険料控除:4万円円

個人年金保険料控除:4万円

介護医療保険料控除:4万円

合計:12万円


地震保険料控除の限度額は基本的に以下のようになります。

最大5万円まで控除(保険料が5万円以下の場合は全額控除)

セルフメディケーション税制を利用する

セルフメディケーション税制とは、個人が健康の維持や疾病予防のために自ら判断して一定の医薬品を購入した際に受けられる税制上の優遇措置です。


納税者本人または同一生計の親族が年間1万2,000円以上の対象医薬品を購入した場合に適用されます。控除額は「特定一般用医薬品の合計購入額 - 1万2,000円」(上限8万8,000円)となります。


この制度を利用する際にはいくつかの注意点があります。


まず通常の医療費控除とセルフメディケーション税制は同時に利用できないため、どちらか一方を選択する必要があります。確定申告後に変更することはできません。


さらにこの制度を適用するためには、健康維持に取り組んでいることを証明する必要があります。その証明方法としては企業・健康保険組合・市町村などが実施した健康診断の結果通知書などを提出することが求められます。

住宅ローン控除の適用

住宅ローン控除は住宅ローンを利用して住宅を購入したり、増改築した場合に所得税の税額を控除できる制度です。この控除は新築住宅だけでなく、中古住宅にも適用されます。また新築や中古物件を購入した場合だけでなく、増改築を行った場合にも対象となります。


サラリーマンの場合には初年度に限り確定申告を行う必要がありますが、その後は年末調整だけで控除を受けることができます。


住宅ローン控除額は「住宅ローンの年末時点での残高 × 控除率」で算出されます。控除率は0.7%です。なお、控除対象となる借入には限度額が設定されています。

ふるさと納税(寄附金控除)の活用

ふるさと納税はあなたが応援したい自治体に寄付を行い、自己負担額2000円を除いて、寄付した金額に対する税金の還付や控除を受けることができる制度です。


さらに寄付先の自治体から名産品や日用品などの返礼品を受け取ることができる、お得な制度でもあります。


ただし、ふるさと納税は直接的な節税にはなりません。将来支払うべき税金を前もって支払い、その分の所得控除を受ける形だからです。それでも返礼品を受け取れる点でお得であり、ぜひ活用したい制度です。


またサラリーマンなどの給与所得者で、寄付先の自治体が5団体以下の場合には「ワンストップ特例制度」を利用することで確定申告をせずにこの制度を利用することができます。

配当控除を受ける

配当控除は、法人から配当金を受け取った場合に、所得税額からその配当控除額を差し引く制度です。


国内法人から支払われる配当金については、すでにその法人が法人税を納めた後に配当が行われています。そのため、配当金に再び所得税が課税されると二重課税が発生します。


この問題を解消するために配当控除によって所得税額から配当控除額を差し引き、二重課税を調整します。


配当控除を受けるには、「総合課税」という課税方式を選択する必要があります。配当控除の計算方法は基本的には以下の通りです。

  • 総所得が1,000万円以下の場合

株などの配当所得における配当金額 × 10% + 投資信託(例えば債券など)における配当金額× 5%

  • 総所得が1,000万円を超える場合かつ投資信託の利益(配当)を引くと1,000万円以下の場合

1,000万円超の金額に対応する配当金額 × 2.5%

1,000万円超の金額を超える配当金額 × 5%

株式の配当金額 × 10%


ただし、次の場合には配当控除は適用されません。

  • 外国株式からの配当金

  • 申告不要制度や申告分離課税を選択した配当金

  • J-REITから受け取る収益分配金

iDeCoの活用

iDeCo(個人型確定拠出年金)は、証券会社に資金を預けて運用しながら老後資金を積み立てるための制度です。預けた資金は、原則として60歳以降に一時金または年金形式で受け取ることができます。


預け入れる金額は自分で設定でき、掛金の全額が所得控除の対象となります。また資産を受け取る際にも控除を適用でき、運用益には税金がかからないというメリットもあります。


ただし一部の金融商品には元本保証がなく、運用時に手数料が発生することに注意が必要です。

NISA(少額投資非課税制度)の利用

NISAは投資によって得られた運用益に対して、一定期間・一定額まで非課税になる制度です。2024年1月からは一本化され、非課税期間が無期限となりました。


新NISAでは年間投資上限額が引き上げられつみたて投資枠は120万円、成長投資枠は240万円に増額され、より非課税で資産形成が進めやすくなります。新NISAでは両方の枠を併用可能になり、合わせて最大1,800万円まで非課税で投資ができるようになります。


ただし、投資には元本割れのリスクが伴うことを忘れないようにしましょう。


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5.個人事業主の所得税を減らす節税の方法

前章でご紹介したサラリーマン向けに紹介した各種控除制度は特定支出控除を除いて、個人事業主も節税対策として活用できます。


この章ではそれに加えて、個人事業主が利用できる他の節税対策もご紹介します。

青色申告を行う

青色申告を行うことで最大65万円の青色申告特別控除を受けられ、節税効果があります。課税所得が最大65万円減少するため、その分の税負担も大きく軽減されます。


青色申告特別控除を受けるためにはいくつかの条件があり、それによって控除額が最大65万円・55万円・10万円になります。

最大65万円:55万円の条件を満たしつつe-Taxを利用した電子申告または、優良な電子帳簿保存をしている場合

最大55万円:複式簿記で記帳し、貸借対照表と損益計算書を添付して期限内に申告を行うこと

最大10万円:所得税の青色申告承認申請書を提出し、その年に青色申告が承認されていること。


複式簿記が難しいと感じる方には、会計ソフトを使用すると良いかもしれません。日々の取引を入力するだけで帳簿を自動で作成してくれるので非常に便利です。e-Taxにも対応しているものもあり、最大65万円の特別控除を適用できます。


また青色申告をすることで、青色申告特別控除以外にも以下のような節税メリットもあります。

  • 赤字を最大3年間繰り越せる

  • 家族の給与を経費にできる

  • 少額減価償却資産の特例が利用できる

個人事業を始めたばかりで赤字になることも少なくないと考えられますが、たとえば1年目に400万円の赤字・2年目に200万円の黒字・3年目に400万円の黒字が出た場合を考えてみます。


1年目は赤字なので所得税は0円で2年目も赤字の繰越があるため所得税は0円となります。3年目には2年目に繰越せなかった赤字200万円を差し引いて、200万円の所得に対してのみ所得税が課税されます。


さらに青色申告では配偶者や親族を「青色事業専従者」として届け出ることで、その人たちへの給与を経費として計上できます。白色申告の場合専従者控除には上限がありますが、青色申告ではその上限がないため、経費にできる金額が増えると考えられます。


なお青色申告を行うには「所得税の青色申告承認申請書」を申告を希望する年の3月15日までに、または開業届を提出してから2ヶ月以内に提出することが必要です。

30万円未満の固定資産は一括で経費計上

通常10万円以上のものを購入した場合、固定資産として扱って耐用年数に応じて減価償却を行う必要があります。


例えば25万円の資産を5年間定額法で減価償却する場合には年間に経費として計上できるのは5万円となり、減価償却には時間がかかります。


個人事業主が知っておくべきなのが「少額減価償却資産の特例」です。少額減価償却資産の特例とは10万円以上30万円未満の減価償却資産は、取得した事業年度に全額を費用として計上できる制度です。


対象は 青色申告を行っている個人事業主や中小企業等です。事業年度ごとの上限は300万円です。


申告方法は確定申告時に「少額減価償却資産の取得価額に関する明細書」を添付します。ただし青色申告決算書に「減価償却の計算」で少額減価償却資産の取得価額合計額を記載し、別途保存している旨を記録することでも対応可能です。


この特例を利用すると30万円未満の減価償却資産をその年度内に全額経費として計上できるため、減価償却で少しずつ経費にする方法よりも早く経費に計上でき節税に役立ちます。


以前の税制改正により、即時償却や一括償却資産の対象から「貸付けの用に供した資産」(主要な事業として行われるものを除く)が除外されました。この場合は、通常の減価償却を行うことになります。


ただしリース業やレンタル業など貸付けを行っている事業者が保有する固定資産は、少額減価償却資産の特例を利用できます。


少額減価償却資産の特例は白色申告をしている個人事業主には適用されないため、注意が必要です。

中小企業倒産防止共済(経営セーフティ共済)の掛金を利用した節税

経営セーフティ共済は取引先が倒産した場合に、無担保・無保証人で掛け金の最大10倍まで借り入れができる制度です。また掛金は最大800万円まで積み立てが可能で、支払った年には経費として計上できます。


掛け金は月額5,000円から20万円の範囲で設定でき、解約時には解約手当金を受け取ることができます。


ただし40ヶ月未満で解約した場合、返還される金額は掛け金の総額を下回る可能性があるため注意が必要です。


また解約手当金は受け取る際に雑収入として課税されるため、利益を繰延べる効果がある点も考慮しなければなりません。


赤字の年度に解約を行うとほとんど課税されない場合もあり、節税の効果が期待できます。万が一に備えたいという個人事業主の方は、これを検討する価値があるかもしれません。

小規模企業共済を活用して節税

小規模企業共済は個人事業主や小規模企業の経営者が退職金を積み立てるための制度で、これは中小機構という政府機関によって運営されています。


この共済の掛け金は月額1,000円から70,000円の範囲で設定でき、年間最大84万円まで掛け金の全額が小規模企業共済等掛金控除として所得控除されるため節税に役立ちます。


退職や廃業時には積み立てた掛け金に応じた共済金を受け取ることができ、受け取り方法によって税制上の取り扱いが異なります。


一括受け取りの場合は退職金として扱われ分割受け取りの場合は公的年金等の雑所得として扱われるため、受け取り時にも税制上のメリットがあります。


老後のために貯蓄をしておきたい個人事業主の方には、節税をしながら退職金を積み立てられるので非常におすすめです。


会社員としても働いている方はこの制度に加入できないため、注意が必要です。

経費として計上できる税金を把握しておこう

税金の中には、経費として計上できるものがあります。個人事業主が経費に計上できる税金は以下の通りです。

  • 印紙税

  • 個人事業税

  • 固定資産税

  • 自動車税

  • 登録免許税

これらの税金は「租税公課(そぜいこうか)」という勘定科目を用いて経費として計上します。


自動車をプライベートと事業で兼用している場合は、後ほど詳しく説明する「家事按分」の考え方を適用し事業で使用した分のみ経費にしましょう。

会社設立による節税効果

個人事業から法人に移行すると、事業に関連する税金が所得税から法人税に変更されます。


所得税と法人税では計算方法や税率が異なるため、税制上の違いを活かすことで個人事業主よりも税負担を軽減できることがあります。


ただし、法人化には新たに会社設立費用や決算書類作成などのコストと手間がかかる点を考慮する必要があります。


メリットとデメリットをしっかりと比較し、法人化が適切かどうかを判断することが重要です。

経費前払いで節税

原則として前払費用はまず資産として計上し、その後役務の提供を受けた分だけ経費に計上します。


しかし「短期前払費用の特例」を利用すれば、特定の条件を満たした場合に資産に計上せずに支払い時にその全額を経費として処理することができます。つまりこの特例を利用すれば、収益と対応させずにそのまま経費にできるのです。


短期前払費用の特例の条件は以下の通りです。

  • 支払日から1年以内に役務の提供を受けること

  • 実際に費用を事業年度末までに支払っていること

  • 継続して役務の提供を受けること

  • 継続して同様の経理処理を行うこと

重要な点は「役務の提供を受ける」という点であり、資産の譲渡にかかる費用はこの特例の対象外となります。


例えば新聞購読料は対象外ですが(新聞が手元に届くことが資産譲渡にあたるため)、電子版新聞の購読料は対象となります。


個人事業主が利用できる代表的な例としては、次のようなものがあります。

  • サーバーの利用料

  • 保険料

  • 家賃や駐車場代

  • 電子版の新聞の年間購読料

さらにこの特例を利用する際には、毎年同様の契約更新と経費処理が必要です。


「今年は利益が多いから年払いにしよう」といった一時的な変更は認められません。特例を使った場合その後も毎年同じ方法で経費処理を行うことが求められますので、その点も注意が必要です。

家賃や光熱費を一部経費として計上する節税方法

家事按分とは個人事業主が家賃や光熱費などで支払った費用のうち、事業で使用した割合を経費として計上する方法のことです。


例えば個人事業主Aさんが毎月10万円の家賃を支払っている場合、Aさんは自宅を事務所としても使用しており、事業で使用している面積は約30%だとします。この場合、10万円×30%=3万円を毎月経費として計上できます。


また以下のような費用も家事按分を用いて、事業で使用した割合分を経費として計上できる可能性があります。

  • 家賃

  • 光熱費

  • 通信費

  • 自動車関連費

家事按分は面積だけでなく使用している時間やコンセントの数など、合理的に説明できる基準があれば適用できます。自動車の場合には走行距離に応じて自動車の減価償却費・保険料・ガソリン代・修理代・駐車場代なども経費として計上できます。


個人事業主の方は普段から支払いをする際に「これは経費になるか?」という視点を持つことで、節税につながります。


また領収書を受け取り、しっかり保管することも忘れずに行いましょう。


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6.所得税を効果的に節税するための重要ポイント

各種の控除や税制優遇制度を活用することで、所得税の負担を軽減することができるとこれまで解説してきました。


しかしこれらを適用するためには一定の条件を満たす必要があり、効果的に節税するためには事前にいくつかの重要なポイントを確認しておくことが大切です。


そこでこの章では所得税対策における重要なポイントをご紹介します。

節税の上限額を確認する

控除や税制優遇制度は税金を軽減するための有益な仕組みですが、無制限に適用できるわけではなくほとんどの場合には上限額が設定されています。


例えばふるさと納税における所得税の控除額は基本的に総所得金額等の40%が上限となっています。この上限を超えた分は自己負担となるため注意が必要です。


節税制度を過度に活用しようとすると、逆に無駄な出費が増えることもあります。


これらの制度は税負担を軽減するためのものであり、適切に活用することが重要です。

確定申告をしっかり行う

サラリーマンは通常会社で年末調整が行われるため、個別に確定申告をする必要はありません。


しかし適用する節税制度の内容や条件によっては、確定申告が必要になることがあります。たとえば住宅ローン控除を初めて利用する場合やワンストップ特例の条件に当てはまらないふるさと納税や医療費控除を利用する場合などです。


確定申告には申告期限があるため、遅れないように早めに準備を進めることが大切です。


申告・納税の期限は原則以下の通りです。

  • 申告・納税期限:2月16日~3月15日

  • 還付申告期限: 5年以内

税金に関する知識を高める

所得控除・税額控除・税制優遇制度などの税務に関する知識を身につけることで、自分の状況に応じた税金対策が実践できます。「税金に関する書籍を読む」「セミナーに参加する」「税務相談を利用する」といったステップから始めてみましょう。


なお税務署では確定申告書の確認や簡単な相談には応じてくれますが、申告代行や節税方法の提案といったサービスは提供していませんので注意しましょう。


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7.まとめ

控除制度の活用や必要経費の計上といった税制上認められている方法を上手に使うことは、サラリーマンや個人事業主が手軽に実践できる節税策のひとつです。


税金の負担を軽減できればその分手取りが増え、日々の生活に余裕が生まれますし貯蓄や投資に回す資金も確保しやすくなります。


またiDeCoやNISAといった、節税と資産形成の両方に役立つ制度も活用すれば、将来の経済的安定にもつながります。目先の節税だけでなく長期的な資産形成も視野に入れて、これらの制度を上手に利用していきましょう。


本記事が皆様にとって少しでもお役に立てますと幸いです。


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目次

1.節税の基本を理解しよう

節税とは

控除との違いを知る

2.サラリーマンが納める所得税額はどのように計算するか?

3.個人事業主の所得税額

4.サラリーマンの節税の最強の裏ワザ

特定支出控除を活用する

配偶者控除を適用する

医療費控除の活用

生命保険料控除・地震保険料控除を使う

セルフメディケーション税制を利用する

住宅ローン控除の適用

ふるさと納税(寄附金控除)の活用

配当控除を受ける

iDeCoの活用

NISA(少額投資非課税制度)の利用

5.個人事業主の所得税を減らす節税の方法

青色申告を行う

30万円未満の固定資産は一括で経費計上

中小企業倒産防止共済(経営セーフティ共済)の掛金を利用した節税

小規模企業共済を活用して節税

経費として計上できる税金を把握しておこう

会社設立による節税効果

経費前払いで節税

家賃や光熱費を一部経費として計上する節税方法

6.所得税を効果的に節税するための重要ポイント

節税の上限額を確認する

確定申告をしっかり行う

税金に関する知識を高める

7.まとめ