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副業の確定申告してない人は多い?割合やペナルティのリスク、対処法、住民税の申告可否など解説

公開日:2025/03/10最終更新日:2025/03/12

本業と並行して副業をしている人の中には、確定申告をしていないケースも少なくありません。申告をしない理由としては、本業の会社に副業を知られたくない・申告方法がわからないなどさまざまな事情が考えられます。


しかし副業収入に関する確定申告を怠ると、リスクが伴います。申告漏れが発覚した場合には附帯税が課されるほか、副業が本業の会社に知られてしまったり青色申告特別控除の適用を受けられなくなったりする可能性もあります。


そこで本記事では副業の確定申告をしないことによるペナルティやリスク、申告漏れが発覚する理由についてなど詳しく解説します。

目次

1.副業とは?

副業とは、本業以外で収入を得ることを指します。アルバイト・在宅ワーク・内職など、形態を問わず本業とは別の収入源となる仕事を副業と呼びます。以下は、副業に該当する働き方の例です。

  • 本業の勤務時間外にコンビニや居酒屋などでアルバイトをする

  • 本業の勤務時間外にフードデリバリーサービスで働く

  • 本業とは別に、ハンドメイド作品をネットショップなどで販売する

  • 本業の勤務時間外にオンライン講師やWebライターとして活動する

かつては副業を禁止する企業が多かったものの、2018年に厚生労働省が「副業・兼業の促進に関するガイドライン」を策定し副業禁止の規定が見直されました。


これを機に副業を解禁する企業が増加し、会社員が本業と並行して副業を行うケースが増えています。

2.副業の確定申告しなくていい金額

副業で確定申告が必要となるのは、副業による所得が年間20万円を超えた場合です。


なお副業の確定申告を考える際には、「収入」と「所得」の違いを理解しておくことが重要です。


収入とは給与所得者の場合は源泉徴収される前のいわゆる額面金額、個人事業主(自営業・フリーランス)の場合は売上高の合計を指します。所得とは、収入から必要経費を差し引いた金額のことです。給与所得者であれば、必要経費の代わりに、給与収入に応じた給与所得控除を差し引くことができます。


それではどのような場合に確定申告が必要になるのか、より詳しく見ていきましょう。

副業の所得が20万円以上なら確定申告が必要

給与所得者が副業で年間20万円を超える所得を得た場合、勤務先での年末調整とは別に個人で確定申告をしなければなりません。給与所得者とは会社員・パート・アルバイトなど、雇用契約に基づいて給与を受け取っている人々を指します。


もし会社員が副業としてアルバイトをしている場合、つまり本業と副業の両方が給与所得である場合には年末調整を受けていない副業分の給与が合計20万円を超えると確定申告が必要となります。


ただし給与収入の合計から雑損控除・医療費控除・寄附金控除・基礎控除を除いた額が一定以下でかつ給与所得や退職所得以外の所得が20万円以下であれば、確定申告は不要となります。

20万円以下でも確定申告をしたほうがよいケースがある

副業の所得が20万円以下で確定申告が義務でない場合でも、確定申告を行ったほうが有利なケースがあります。

例えば副業の収入から所得税が源泉徴収されている場合、過剰に支払った税金が還付される可能性が高く所得が20万円以下であっても確定申告を行うことが推奨されます。


また医療費控除や雑損控除、寄附金控除などを受けたい場合は、年末調整では対応できないため収入の額や副業の有無にかかわらず確定申告が必要です。

3.実際に副業の確定申告してない人の割合は多いのか

副業をしているにも関わらず確定申告を行っていない人は、実際には多いようです。国税庁が令和5年事務年度に行った調査によると、約60万件の調査の中で申告漏れが指摘された件数は31万件以上に達しました。


全てが副業に関するものではありませんが、その中には副業を行っている人も一定数含まれていると考えられます。

4.副業で確定申告が求められる理由

この章では副業でも確定申告が求められる理由について解説します。

税法上の義務があるため

日本の税法では年間の所得が一定額を超える場合、その所得に対して所得税を納める必要があります。副業による所得も例外ではなく年間の収入が20万円を超える場合、確定申告を行い所得税を支払う義務が発生します。

自身の総所得を正確に把握するため

確定申告をすることで、個人の一年間の総所得が明確になります。この結果適切な税率で所得税が課され、公平な税負担が確保されます。また税務署は確定申告を通じて個人の総所得を把握し、適正な税金の徴収を行います。

社会保険や福利厚生に影響を与えるため

確定申告で計算された所得税額は国や地方自治体の運営資金となり、教育・医療・社会保障・公共インフラの整備などさまざまな公共サービスの財源として使われます。

適正に税金を納めることは、社会全体の利益に貢献する重要な行為です。

罰則を回避するため

確定申告を怠り税務調査などで未申告が明らかになった場合、追徴税金に加えて無申告加算税や延滞税といったペナルティが課せられることがあります。これらのペナルティは非常に厳しく最悪の場合、刑事罰を受ける可能性もあります。

確定申告が不要となるケース

副業の収入が年間20万円以下で他の所得を合わせても確定申告の義務がない場合は、確定申告を行う必要はありません。

副業が発覚するリスクを抑えるため

確定申告をしないことで、副業が発覚するリスクがあります。


税務署は支払調書の提出や税務調査、第三者からの情報提供などさまざまな方法で副業収入を把握することができます。適切に確定申告を行うことで、不要なトラブルを避けることができます。


確定申告は個人の所得を正確に申告し、公平な税負担を果たすために必要不可欠な手続きです。副業収入があり条件を満たす場合は、法律に基づき確定申告を行い適切に税金を納めることが求められます。


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5.副業の確定申告を怠った場合の罰則

本業以外の副業で得た年間所得(すべての収入から経費を差し引いた額)が20万円を1円でも超える場合、所得税の確定申告を行う必要があります。では副業の年間所得が20万円を超えているにもかかわらず確定申告をしない場合、どのようなペナルティが発生するのでしょうか。


確定申告を行わなかった場合には本来納めるべき所得税に加えて、「無申告加算税」「延滞税」「重加算税」などが課されることがあります。

無申告加算税が課される

無申告加算税とは期限内に税金を申告しなかった場合に、本来納めるべき税額に上乗せされて課せられる税金です。無申告加算税は基本的に納付すべき税額に対して、50万円までは15%・50万円を超える部分には20%の割合で課されます。


2024年(令和6年)1月1日以降の2023年分(令和5年分)からは、50万円までは15%・50万円を超えて300万円までの部分は20%・300万円を超える部分には30%の割合が適用されます。


ただし確定申告の期限(通常は3月15日)を過ぎても、税務署による調査が行われる前に自ら申告を行えば無申告加算税が5%軽減されます。具体的には50万円までは10%・50万円を超えて300万円までの部分は15%・300万円を超える部分は25%の割合になります。


また申告期限から1か月以内に確定申告を行い納付すべき税額を法定納期限までに全額納付した場合など一定の条件を満たすと、無申告加算税は課されません。

延滞税が発生する

所得税が定められた期限までに納付されない場合、無申告加算税に加えて延滞税が課されることがあります。延滞税は法定納期限の翌日から納付日までの日数に基づいて、所定の割合で課されます。そのため時間が経過するほど、延滞税の額も増加します。

重加算税の対象になる

重加算税は、所得税に対して課せられる加算税の一つです。税務署の調査を受けた際には意図的に申告内容を偽ったり隠したりするなど、悪質だと判断された場合に適用されます。


無申告加算税の代わりに課される場合、重加算税の税率は40%です。

無申告を繰り返すとペナルティが重くなる

前述の無申告加算税について税務署の調査を受ける前に自主的に期限後申告を行うと、無申告加算税の税率が5%軽減されることを説明しました。しかし、無申告を繰り返す場合は異なります。


2023年の法改正により過去5年以内に無申告加算税や重加算税が課された後、再度無申告をした場合追加で10%の加算がされることになりました。

青色申告特別控除の適用額が減る

所得税の確定申告には、青色申告という申告方法があります。青色申告を選択することで、要件を満たす場合に最大65万円の特別控除を受けられるという大きな利点があります。


青色申告特別控除には要件を満たすことによって、65万円・55万円・10万円の控除が適用されます。


65万円や55万円の青色申告特別控除を受けるためには、期限内に申告を行うことが必要です。しかし、所得税の確定申告の期限を過ぎてしまった場合、青色申告特別控除は最大で10万円に減額されます。


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6.副業の確定申告を忘れて税務調査が入った場合の対処法

副業の所得が20万円を超えているにもかかわらず期限内に確定申告を行わなかった場合、税務調査が行われる可能性があります。税務調査とは、国税庁が管轄する税務署などが納税者の確定申告が正確であるかどうかを確認するために実施する調査です。


では税務調査の通知を受け取った場合、どのように対応すべきでしょうか。この章では、対応方法について説明します。

税務調査に詳しい税理士に相談する

税務調査を受けることが決まった場合、まずは税務調査に精通した税理士に相談することをお勧めします。税の知識がない会社員や公務員が独力で税務調査に対応するのは非常に難しいためです。


税務調査では調査官から売上や経費に関する詳細な質問があり、必要な書類の提出も求められます。答えに困ったり、何を準備すべきか分からない場合も多いでしょう。


そのような時には、費用がかかっても税理士に相談する方が安心です。税務調査に詳しい税理士に相談すれば、調査日までに準備すべき事項についてアドバイスを受けることができます。


さらに、税理士に調査当日の立ち会いを依頼することも可能です。税理士が調査に立ち会えば、難しい質問をされた際にも適切なサポートを受けることができます。


税務調査の通知を受けたら早めに税理士を見つけて相談し、調査までに何をすべきかアドバイスをもらうのがよいと考えられます。

必要書類を整え、所得内容を確認する

税務調査では、副業の収入や経費に関する証明書類の提出が求められます。事前にこれらの書類を整理しておくことで、調査がスムーズに進むでしょう。具体的には、例えば以下のような書類が必要となります。

  • 副業の収入に関する書類(請求書・領収書・取引先からの支払調書など)

  • 副業の経費に関する書類(レシート・領収書・クレジットカード明細など)

  • 通帳のコピー

これらの書類が揃ったら年間の売上や経費を整理して、最終的な所得額を確認しておきます。内容が不明な場合は、税理士に相談して書類を確認してもらうと良いでしょう。不足している書類があれば指摘してもらい、早めに準備を進めることが重要です。


会社員の場合副業所得が20万円を超えると確定申告が必要ですが、売上に対して経費が多くかかっている場合も考えられます。売上から経費を差し引いた結果、所得が20万円以下であることが確認できた場合は証拠書類をしっかり整理しておきましょう。

期限後の申告を行う

副業の所得が確定申告が必要な金額に達している場合、税務調査を受ける前に期限後申告を行うことをお勧めします。期限後申告とは、確定申告の期限を過ぎた後に行う申告のことです。


先に述べたように税務署から指摘を受ける前に自主的に期限後申告をすれば、無申告加算税の税率が5%に軽減されます。


また延滞税は納付期限から納付日までの日数によって変動します。期限後申告を早めに行うことで無申告状態が解消され、最終的に支払う税額を抑えることができます。

7.副業の確定申告をしていないことが発覚する要因

副業で確定申告をしていないことが発覚する原因は、どのような状況にあるのでしょうか。この章では、いくつかのケースを挙げて説明します。

支払調書の提出による確認

支払調書は企業が個人事業主や法人に支払った報酬や料金の総額と、源泉徴収額を記載した書類です。


支払調書の提出は法律で義務付けられており確定申告をしないと、支払調書と申告書の内容が一致しないことになり無申告と疑われる可能性があります。

銀行口座の取引履歴からの把握

税務署は税務調査に必要な範囲で、銀行口座の調査を行うことができます。そのため、無申告の事実が銀行口座の入出金により発覚する可能性があります。


さらにこの銀行口座の調査は税務署と銀行間でのみ行われるため、口座名義人が税務調査に気づくことはほとんどありません。


かつては紙の通帳が主に使用されていましたが最近では銀行口座もデジタル化が進み税務調査もオンラインで行われるようになったため、現在では以前よりも迅速に銀行口座の調査が行われています。

税務署による調査や指摘

税務調査はランダムで行われるわけではありませんが、無申告が発覚していなくても税務署が調査に入ることがあります。例えば過去に確定申告で不備が指摘されたり、過少申告が疑われたりした場合などです。


また申告漏れが多い企業・事業主・業績が好調な業種などでは、税務調査を受けやすい傾向があります。

第三者からの通報や情報提供

無申告は、第三者から税務署への情報提供によって発覚することがあります。


身近な友人や家族からの情報提供だけでなく、現在ではSNSに投稿された内容が原因で無申告が発覚することもあります。


例えば副業の税金を支払っていないことや確定申告をしていないことをSNSでほのめかし、その情報が第三者の目に留まった場合などです。


国税庁はホームページで課税や徴収漏れに関する情報提供を呼びかけており、そのため誰でも簡単に情報提供フォームを通じて無申告に関する情報を提供できます。

8.確定申告をしてない人が多い理由

この章では副業を行っていても確定申告をしていない人が多い理由について解説します。

確定申告に関する知識が十分でないため

確定申告が必要だということを知らない人が多いことが、主な理由の一つです。特に給与所得者は税金が源泉徴収で処理されているため、副業収入や医療費控除などで確定申告が必要な条件に気づかないことがあります。

手続きが煩雑で手間がかかると感じるため

確定申告の準備には時間と労力が必要なため、仕事や家庭の忙しさを理由に後回しにされることも少なくないと考えられます。「時間がない」「手間がかかる」といった理由で、申告を避ける人もいます。

副業が本業の職場に知られるのを避けたいから

本業の職場で「副業禁止」の規定がある場合、確定申告をすることで副業をしていることが発覚するのを避けたいと考え申告をしない人もいます。

確定申告に必要な書類を用意できないため

確定申告に必要な書類、例えば領収書が整っていないために申告を避ける人もいます。書類が揃わないと収入や支出の金額が正確に把握できず、確定申告書の記入が困難になるからです。

確定申告をしなくても問題にならないと思っているため

「申告しなくてもばれないだろう」と考えて確定申告をしない人もいます。また確定申告をすると税金を支払うことになるため、ばれなければ申告したくないという理由で避ける人もいるようです。


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9.副業の確定申告のやり方

副業で確定申告を行う際の基本的な手順は以下の通りです。それぞれのステップを順番に確認していきましょう。

必要書類を準備する

確定申告書を作成するには、事前に準備しておくべき書類があります。主な必要書類は以下の通りです。

  • 給与所得の源泉徴収票や報酬の支払調書など、本業・副業の収入に関する書類

  • 収支内訳書(白色申告の場合)または青色申告決算書(青色申告の場合)

  • 所得税の過剰に支払った分を還付してもらう場合のための、振込先の銀行口座情報

  • 各種控除を受ける場合、その証明書(例:生命保険料控除証明書)

  • マイナンバーカード(またはマイナンバーが記載された書類)

所得額と税額を計算する

確定申告書を作成するために必要な書類を整えたら1月1日から12月31日までの1年間に得た収入や、その収入を得るためにかかった経費をまとめ所得金額や所得税額を計算する必要があります。


まず、所得金額を求めます。所得金額は1年間の収入総額から、必要経費や仕入れにかかった費用などを差し引くことで算出できます。


次にその所得金額から、基礎控除・扶養控除・社会保険料控除・生命保険料控除などの各種控除を引いた金額が課税所得金額となります。


この課税所得金額を基に国税庁が提供する「所得税の速算表」を使い、「課税所得金額×税率-控除額」で算出されるのが所得税額で税率と控除額は課税所得金額に応じて7段階に分かれています。


さらに所得税額から直接差し引くことができる税額控除もあり、例えば配当控除や住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)などがあります。


これらの控除を所得税額から差し引いた金額が、最終的な申告納税額となります。

確定申告書を作成する

所得金額と所得税の計算が完了したら、確定申告書を作成します。主に4つの作成方法について説明します。

確定申告ソフトを活用する

確定申告書の作成方法の一つとして、専用の確定申告ソフトを使用する方法があります。この方法では帳簿付けに慣れていない方でも青色申告に必要な複式簿記帳簿や青色決算申告書、白色申告に必要な収支内訳書などを簡単に作成することができます。

国税庁の「確定申告書等作成コーナー」を利用する

「確定申告書等作成コーナー」は、国税庁が提供する確定申告用のオンラインシステムです。「作成開始」ボタンをクリックし、指示に従って必要な数字を入力することで確定申告書を作成できます。


さらにe-Taxを利用すれば、申告書の提出も一度の操作で完了します。またマイナポータルと連携することで控除証明書などの関連データを一括で取得し、確定申告書の該当項目に自動で反映させることも可能です。

手書きで作成する

確定申告書は手書きで作成することもできます。しかし手書きの場合はすべての計算を自分で行う必要があり、書き間違いや計算ミスが起こりやすいため十分に注意して正確に記入することが求められます。

税理士など専門家に依頼する

確定申告を税理士などの専門家に依頼する方法もあります。税理士事務所の中には、記帳代行から確定申告書の作成まで一貫して対応しているところも多くあります。


費用はかかりますが税の専門家に依頼することで申告内容の正確性が向上し、節税に関するアドバイスを受けることができるメリットもあります。

確定申告書を提出する

確定申告書の作成が完了したら、税務署に提出します。


提出方法にはe-Tax・郵送・税務署への直接持参のいずれかがあります。それぞれの方法について詳しく見ていきましょう。

e-Tax(電子申告)を利用する

e-Taxは国税に関連する申告・申請・納税をインターネット上で行うための、国税庁が提供しているシステムです。


24時間いつでも受付が可能で、確定申告書は提出期限である3月15日(もし土日祝日にあたる場合は翌平日)の24時まで提出することができます。


2024年度の所得税申告の提出期限は、2025年3月17日(月)です。 また最大65万円の青色申告特別控除を受けるためには、e-Taxを使用して申告するか適切な電子帳簿を保存する必要があります。

郵送で送付する

郵送で提出する場合、納税地を担当する税務署またはその税務署が業務センター化している場合は業務センターに確定申告に必要な書類一式を送付します。


消印の日付が提出日として認められるため3月15日(もし土日祝日にあたる場合は翌平日)の消印が押されていれば、期限内に提出されたと見なされます。


郵送提出は、郵便または信書便を使用する必要があります。信書便に対応していない宅配便などの配送サービスは利用できないので注意が必要です。


郵送時には確定申告書とその添付書類の控えを作成し、保管しておくことをおすすめします。住宅ローン・自動車ローン・賃貸契約など、後日申告書の控えが必要となる場面があるかもしれません。


 なお2025年1月以降には返信用封筒を同封すれば、収受日付と税務署(業務センター)の名称が記載されたリーフレットが返送されることとなっています。

税務署へ直接持参する

確定申告書は、納税地を管轄する税務署に直接提出することも可能です。税務署の窓口が開いている時間帯には直接窓口で提出することができますが、開庁時間外に提出する場合は時間外収受箱を利用することができます。


確定申告の期間中は税務署の窓口が非常に混雑することが予想されるため、早めに準備を整えておくことが賢明です。


またこの場合でも窓口で申告書を提出する際に申し出れば、一定期間にわたって収受日付と税務署名が記載されたリーフレットを受け取ることができます。


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10.確定申告してない人の住民税の申告手続き

副業で得た所得が20万円以下で確定申告が不要な場合でも、住民税の申告は市区町村の役所で行う必要があります。ただし、確定申告を行った場合は、たとえ所得が20万円以下でも住民税の申告は不要です。


住民税の申告をしなかった場合には税務署の調査対象になる可能性があり、納付が遅れた期間に応じて延滞税が課されるため、注意が必要です。


個人事業主・アルバイト・パート・副業で投資をしている方の申告方法については、以下で詳しく解説します。

個人事業主の場合

個人事業主として活動している場合、副業所得が20万円を超えると確定申告が必要となります。20万円以下の場合は確定申告は不要ですが、住民税の申告は必要です。


確定申告を行う際には所得税と一緒に住民税も申告できるため、別途の手続きは必要ありません。

アルバイト・パートの場合

副業でアルバイトやパートをしている場合、アルバイト先で源泉徴収されているかどうかによって申告方法が異なります。


副業先で源泉徴収されている場合は源泉徴収票を取得し、それを元に住民税の申告を行います。源泉徴収がされていない場合は、給与明細などを基に申告することになります。


また単発のバイトや配達員の場合、雇用契約を結んでいれば源泉徴収が行われますが雇用契約がない場合は源泉徴収されません。

フリーランスの場合

企業に雇用されておらず個人事業主として開業していない場合の副業収入は雑所得に分類され、原則として確定申告または窓口での申告が必要です。ただし収入を得た業務の内容によっては、非課税となり申告が不要な場合もあります。

フリマアプリでの販売収益

フリマアプリで得た利益は雑所得に該当し、確定申告または窓口で住民税の申告が必要です。しかし不要な物品を販売した場合には非課税となり、住民税が課されないこともあります。


不要品には家具・家電・通勤用の自動車・衣類など、日常生活に必要な物が含まれます。例えばサイズが合わなくなった衣類を売却しただけの場合、「生活用動産の譲渡による所得」として住民税の申告は基本的に不要です。


源泉徴収票が発行された後に住民税を申告します。一方源泉徴収がない口座では、自分で利益額や控除額を確認し申告しなければなりません。


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11.まとめ

副業で確定申告をしていない人は、実際には少なくないとされています。その中には副業によるものも一定数含まれているようです。


しかし確定申告をしていないことが発覚すると、附帯税の課税や本業の会社への通知などさまざまなリスクが生じる可能性があります。最悪の場合、刑事罰につながることも考えられます。


給与所得者の場合副業による年間所得が20万円を超えると確定申告が必要となるため、忘れずに期限内に申告しましょう。


本記事が皆様にとって少しでもお役に立てますと幸いです。

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目次

1.副業とは?

2.副業の確定申告しなくていい金額

副業の所得が20万円以上なら確定申告が必要

20万円以下でも確定申告をしたほうがよいケースがある

3.実際に副業の確定申告してない人の割合は多いのか

4.副業で確定申告が求められる理由

税法上の義務があるため

自身の総所得を正確に把握するため

社会保険や福利厚生に影響を与えるため

罰則を回避するため

確定申告が不要となるケース

副業が発覚するリスクを抑えるため

5.副業の確定申告を怠った場合の罰則

無申告加算税が課される

延滞税が発生する

重加算税の対象になる

無申告を繰り返すとペナルティが重くなる

青色申告特別控除の適用額が減る

6.副業の確定申告を忘れて税務調査が入った場合の対処法

税務調査に詳しい税理士に相談する

必要書類を整え、所得内容を確認する

期限後の申告を行う

7.副業の確定申告をしていないことが発覚する要因

支払調書の提出による確認

銀行口座の取引履歴からの把握

税務署による調査や指摘

第三者からの通報や情報提供

8.確定申告をしてない人が多い理由

確定申告に関する知識が十分でないため

手続きが煩雑で手間がかかると感じるため

副業が本業の職場に知られるのを避けたいから

確定申告に必要な書類を用意できないため

確定申告をしなくても問題にならないと思っているため

9.副業の確定申告のやり方

必要書類を準備する

所得額と税額を計算する

確定申告書を作成する

確定申告ソフトを活用する

国税庁の「確定申告書等作成コーナー」を利用する

手書きで作成する

税理士など専門家に依頼する

確定申告書を提出する

e-Tax(電子申告)を利用する

郵送で送付する

税務署へ直接持参する

10.確定申告してない人の住民税の申告手続き

個人事業主の場合

アルバイト・パートの場合

フリーランスの場合

フリマアプリでの販売収益

11.まとめ