インフラエンジニアの面接では、質問された意図を正しく汲み取り、回答を伝えなければなりません。特に未経験の方では、何を質問されているのかわからない場合もあり、あらかじめ対策を講じなければ、面接が失敗に終わってしまう可能性があります。
インフラエンジニアは、我々が普段利用しているシステムが安定して利用できるように日々対応しているエンジニアです。トラブル発生時にはすぐに対応しており、システム利用に欠かせない職種です。難しい職種ではありますが、未経験者でも熱意やアピールを上手く行うことで採用されやすくなっています。
この記事では未経験インフラエンジニアが面接でよく聞かれる質問と回答例・面接で見られるポイント・面接前にやっておくべきことを詳しく解説します。これからインフラエンジニアの面接を受ける未経験の方が不安に感じている内容を払しょくする記事となっています。
ぜひ最後までご覧いただき、面接を成功させてください。
目次
1.未経験のインフラエンジニアが面接でよく聞かれる質問と回答例
未経験でインフラエンジニアの面接に挑む際、よく聞かれる質問と回答例を紹介します。
回答例を参考にして自分なりの答えを用意していくことで、面接を成功に導きやすくなります。
自己紹介と経歴の例文
転職理由の例文
志望動機の例文
未経験をカバーするために取り組んでいることの例文
キャリアプランや将来像の例文
長所や短所の例文
逆質問の例文
自己紹介と経歴の例文
自己紹介と経歴は、面接で聞かれやすい質問です。好印象を持ってもらうためにも、ハキハキと話しましょう。さらに、インフラエンジニアを志望する理由や意欲が伝わるように答えることで面接官に好印象を与えることができます。
主な回答例は以下のとおりです。
○○○○です。 私は現職でIT業界の営業職に従事し、多くのお客様にIT商材を販売しております。その際、エンジニアの方々に同席してもらうことがありました。その中で、私では汲み取れなかったことでも、エンジニアがヒアリングを行うことで、お客様の課題が整理されることが多々あり、エンジニア業務に興味を持ちました。 現在は、システムの根幹を担うクラウドやネットワーク、セキュリティなどシステム導入に欠かせない職種であるインフラエンジニアを志望しています。 |
転職理由の例文
転職理由は、「自社に適した人材か」「同じ理由で退職しないか」など転職の目的を明確にするために質問されます。ネガティブな回答は避け、ポジティブな内容で答えることで企業側の印象をよくします。
回答例は以下のとおりです。
インフラエンジニアとして働くために転職を決意しました。これまでは営業職でIT商品を販売してきましたが、より多くのお客様の要望に応えられるエンジニアになりたいと考えたからです。自社で異動しエンジニアとなる道も検討しましたが、より多くのお客様に貢献できる御社を志望しました。 |
志望動機の例文
面接企業のインフラエンジニアを志望している理由を伝えます。企業側は、インフラエンジニアの適性や情熱を知りたいと考えています。他の企業やインフラエンジニアでなくてもよいと思われないように、明確に伝えることが大切です。
主な回答例は以下です。
より多くのお客様に貢献している御社に惹かれ志望しました。私はこれまで金融企業の営業として働いており、その際、IT企業のインフラエンジニアとして働いている方と接する機会があり、インフラエンジニアの仕事に興味を持ち始めました。
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未経験をカバーするために取り組んでいることの例文
未経験だから転職してからインフラエンジニアになろうと考えるのはやめましょう。自発的に行っている資格取得や学習状況などを答えることで、企業側から積極的な姿勢を評価されやすくなり、転職を成功させることにつながります。
主な回答例は以下のとおりです。
私は現在インフラエンジニアの理解を深めるため、AWS試験のクラウドプラクティショナーの学習を進めております。来月に合格できるよう1日最低1時間の学習時間を確保しております。 |
キャリアプランや将来像の例文
キャリアプランや将来像を質問される場合があります。これらを聞く理由は、あなたが求めているプランを会社が提供できるかを確認するためです。
5年後、10年後どのように活躍したいのかを具体的に話せるようにまとめることで、転職が成功しやすくなります。
参考回答例は以下です。
インフラエンジニアとして5年後には、プロジェクトリーダーとして、ITインフラの設計から運用まで任せられる人材を目指したいと考えております。さらに10年後にはITインフラだけでなく、システムやアプリケーション全体を考慮したプロジェクトを進められるマネージャーになりたいと考えています。 |
長所と短所の例文
長所や短所もよく聞かれる質問の1つです。長所はあなたの印象が企業側の印象と一致するかを確認しています。短所はあなた自身が短所を理解して改善や成長しているかを確認するために聞かれます。どちらも論理立てて回答できるようにしましょう。
回答例は以下のとおりです。
私の強みは「コツコツと継続的に取り組む力」です。これまでの経験でも、長期的なプロジェクトや業務において、粘り強く成果を出す姿勢が評価されてきました。この特性を活かし、システムの安定稼働や業務効率化に貢献できると考えております。
御社のチームの一員として成長しながら、貢献できるよう努めてまいりますので、よろしくお願いいたします。 |
逆質問の例文
面接の最後でよく聞かれる質問として逆質問があります。必ず質問する必要はありませんが、入社の意欲を見られやすいため、最低でも1つはした方が評価が上がりやすくおすすめです。入社前に知りたい情報や実際に働く環境を確認しやすい場ですので、積極的に活用しましょう。
逆質問の例は以下です。
貴社に入社するまでに身につけておいた方がよい知識やスキルはありますか
現在注目しているインフラ技術やツールはありますか
インフラエンジニアのチームはどのような人員構成でしょうか
貴社のインフラチームの大きな課題や目標は何でしょうか
女性エンジニアの働き方の取り組みがあれば教えてください
定期的な勉強会や研修などは行われているでしょうか
スキルアップのための支援制度はありますか
2.未経験のインフラエンジニアが面接で見られるポイント
未経験のインフラエンジニアが面接で見られる4つのポイントを解説します。
インフラエンジニアの適性があるか
コミュニケーション力があるか
ビジネスマナーがあるか
自社への適性があるか
企業側は面接を通して、自社のインフラエンジニアに相応しいか判断します。あらかじめこれらのポイントを理解したうえで、面接に臨みましょう。
インフラエンジニアの適性があるか
未経験からインフラエンジニアになる場合、適性があるか見られます。インフラエンジニアの仕事は24時間365日安定したシステムを提供することです。
ささいな設定ミスが大規模なトラブルを引き起こす場合があるため、誰でもできる仕事ではありません。これまでの職歴や経験からインフラエンジニアの仕事に直結するようなスキルを説明することで、適性があると判断されやすくなります。
また、未経験からインフラエンジニアになりたい方は、経験者のインフラエンジニアと比べると採用されにくい立場です。より立場をよくするためには、未経験をカバーできる行動をしているかが重要です。
企業側に未経験でも貢献できると思ってもらえるように、行動していることを伝えましょう。
コミュニケーション力があるか
インフラエンジニアにはコミュニケーション力が見られるポイントの1つです。自社のチームメンバーや取引先担当者の要望を正しく聞き出せるかなど必要となる場面が多々あります。
さらに、トラブル発生時には、現在の状況を正しく伝える能力も必要なため、企業側はコミュニケーション力があるかを見ています。
面接時の会話だけでなく、コミュニケーション力があることがわかる体験談を用意し、伝えるようにしましょう。
ビジネスマナーがあるか
未経験のインフラエンジニア志望であっても社会人としてのマナーは重要です。クライアント先で業務を行うこともあるため、基本的なビジネスマナーやスキルは採用の必須条件となります。
採用後ビジネスマナーがないことで自社に不利益を与えることがない人材かを企業側は確認しています。
主なビジネスマナーは以下のとおりです。
挨拶
身だしなみ
言葉遣い
態度
ビジネスマナーが不安な方は、これらだけでも意識して面接に臨むようにしましょう。
自社への適性があるか
企業側はインフラエンジニアとしての適性だけでなく、自社の雰囲気と合っているかを見ています。自社への適性が低いと短期間で辞めてしまう可能性が高くなってしまうため、企業は中長期で働ける方を求めています。
事前に面接企業の雰囲気を調べて自分に合うか確認するようにしましょう。ネット上の情報を調べるだけでなく、転職エージェントなどを上手く使うのがおすすめです。
3.未経験のインフラエンジニアが面接でやってはいけないこと
未経験のインフラエンジニアが面接時にやってはいけないことは以下の4点です。
回答例の通りに答えること
論理的思考がないと感じさせる発言
コミュニケーション力がないと感じさせる発言
熱意や意欲が感じられない発言
これらを一つでもやってしまうと企業側からの評価は下がってしまい、面接が失敗する可能性が高くなります。転職を成功させるためにも必ず理解してから面接に臨みましょう。
回答例の通りに答えること
回答例の通りに答えることは絶対にやめましょう。回答例はあくまで参考です。自身の経歴やスキルも違います。
自分の考えや言葉をまとめることで説得力が増し、企業側からの印象もよくなります。
例文はあくまでも参考として扱い、自分の言葉で伝えるようにしましょう。
論理的思考がないと感じられる発言
エンジニアは論理的思考が求められる職種です。具体的な根拠がなく、主観的な理由のみで説明すると論理性がないと思われてしまい、評価が下がってしまいます。
筋道を立て伝わりやすいよう体験談を交えるなどのようにわかりやすく説明しましょう。
コミュニケーション力がないと感じさせる発言
コミュニケーション力はインフラエンジニアに求められるスキルのため、ないと感じさせる発言はマイナス評価です。面接官の質問の意図を理解して、結論から丁寧に答えるようにしましょう。
緊張で上手く答えられない場合は、その旨を伝えても問題ありません。自分の考えをわかりやすく伝えることが大切です。決して自分が伝えて満足することのないようにしましょう。
熱意や意欲が感じられない発言
企業の研修制度を利用する発言や入社してから学ぶ発言は、熱意や意欲が感じられないため避けましょう。受け身な姿勢は評価が下がってしまいます。
転職を成功させるためにも、「資格取得のため学習を進めている」「独学でインフラ構築をしている」などの自主的に学ぶ姿勢を伝えることが重要です。
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4.未経験のインフラエンジニアが面接前にやっておくべきこと
未経験のインフラエンジニアが面接前にやっておくべきことを5つ解説します。
自己分析
企業研究
キャリアプランの明確化
インフラエンジニアへの理解
模擬面接
面接後に後悔することのないように、事前にしっかりと行っておきましょう。それぞれを解説していきます。
自己分析
自分に合った転職先を探す上で自己分析は欠かせません。過去の経験から自分の長所や短所、スキルなどを整理することで、自分自身を深く知ることができます。
アピールポイントを見つけたり、転職の軸を決めたりするのに役立ちます。
自己分析の主なやり方は以下のとおりです。
Step | やるべきこと | やり方 |
---|---|---|
Step1 | スキルやキャリアを整理する | ・今までの経験してきたキャリアや獲得したスキルを振り返る ・失敗したときにどう克服したかも整理する ・5W1Hを利用する |
Step2 | 興味関心を振り返る | ・プライベートで興味関心があることを振り返る ・培ったスキルがあれば書き出す |
Step3 | 自分の性格を分析する | ・感覚的に行動するタイプか論理的に行動するタイプか ・一人で作業したいタイプか、チームで作業したいタイプか |
Step4 | 将来実現したいことを明確にする | ・実現したい目標を書き出す ・実現できそうな転職先を探す |
Step5 | 自分の特徴をまとめる | ・Step1~4で見えてきた特徴をまとめる ・どのキーワードが当てはまるか見つける |
企業研究
面接を受ける企業のホームページには目を通しておきましょう。特に見るべき箇所は以下です。
会社概要
企業理念
サービス概要
求める人材
これらを頭に入れ、他の企業との違いを理解することで企業研究は進みます。
また、企業のSNSを見るのもおすすめです。面接時に研究した内容を伝えることで企業からは好印象を持ってくれる可能性が高くなります。
キャリアプランの明確化
キャリアプランを明確化することで未経験でもインフラエンジニアの志望度が高いことを伝えやすくなります。
インフラエンジニアの主なキャリアプランは以下のとおりです。
キャリアプラン | 役割 | 必要なスキル |
---|---|---|
マネージャー | ・プロジェクトの責任者 ・現場に関わる機会は少ないが、プロジェクト全体のマネジメントが主な業務 | ・リーダーシップ ・マネジメント力 ・コミュニケーション力 ・ITインフラの知識 |
スペシャリスト | ・専門性の高いエンジニア | ・特化したITインフラの知識 ・サーバー ・ネットワーク ・セキュリティ ・クラウドなど |
ITコンサルタント | ・顧客のIT課題や要望に応えるエンジニア | ・コミュニケーション力 ・ヒアリング力 ・プレゼンテーション力 ・IT全般の知識 |
また、将来像を叶えるためのステップを伝えるのも面接には効果的です。たとえば、10年後にはマネージャーとなれるように、1年で一人前となり、5年でプロジェクトリーダーとしてステップアップしたいと考えています。
インフラエンジニアへの理解
未経験の場合、インフラエンジニアの理解を深めることで面接を有利に進めやすくなります。理解を深める方法は主に以下のとおりです。
書籍やインターネット上から情報を集める
資格を取得する
自力でサーバーやネットワークを構築する
おすすめの資格は以下です。
これらすべての資格を取得するのは難しいです。一つだけでも十分企業側へのアピールになります。資格の学習を通してインフラエンジニアへの理解を深めましょう。
模擬面接
いきなり本番面接を行うのは危険です。頭で回答内容を覚えていても、上手く説明できなければ意味がありません。実際の面接になると、緊張で頭の中が真っ白になり上手く話せず、失敗に終わってしまいやすいからです。
事前に模擬面接を行い、本番での受け答えを円滑にできるようにしましょう。実際の状況を想定して、時間を気にしながら行うことで、より本番に近い練習になります。スマートフォンで撮影し、以下の視点を確認するとより効果的です。
話す内容
姿勢や目線
話し方
身振り手振り
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4.まとめ
今回はインフラエンジニアの面接対策として、よく聞かれる質問と回答例、面接で見られやすいポイント、面接前に実施すべきことをお話ししました。
インフラエンジニアは未経験者でもなることは可能です。この記事で紹介した面接対策だけでなく、自分自身が今まで経験したスキルや能力を組み合わせることで、より転職できる可能性が高くなります。
最後までお読みいただきありがとうございました。
本記事が皆様にとって少しでもお役に立てますと幸いです。