インフラエンジニアは、ITサービスを利用する私たちの生活になくてはならない存在です。
将来性は高い職種ですが、誰でもなれるとは限りません。場合によっては、インフラエンジニアの仕事内容が自分には合わない可能性もあります。
この記事では、インフラエンジニアの仕事内容や年収、向いている人の特徴を詳しく解説していきます。インフラエンジニアについて詳しく知りたい方は必見です。
ぜひ最後までご覧いただき、インフラエンジニアについての理解を深めてください。
目次
1.インフラエンジニアとは
インフラエンジニアとは、ITシステムの基盤を設計・構築・運用し、安定した環境を維持するエンジニアです。サーバーやネットワーク、データベースなどのITインフラ管理を担当し、システムのパフォーマンスやセキュリティを確保するのが主な業務です。企業の業務がスムーズに進むようにトラブル対応や最適化も求められます。
近年はAWSやAzureといったクラウド技術の普及により、従来のオンプレミス環境と組み合わせたハイブリッド運用を採用する企業も多く、柔軟な対応力が求められるケースが増えています。
2.インフラエンジニアの仕事内容
インフラエンジニアの仕事内容は主に以下の4点です。仕事内容を理解することで、インフラエンジニアを理解しやすくなるため、最後までお読みください。
要件定義
設計
構築・テスト
運用・保守
要件定義
要件定義は、システムの目的や業務要件を整理し、どのようなインフラを構築するかを決める工程です。
この段階で、クライアントや開発チームと密にコミュニケーションを取り、必要なサーバーの台数、ネットワーク構成、ストレージ容量、セキュリティ要件などを決定します。要件定義が曖昧なまま進めてしまうと、後の設計・構築フェーズで大きな手戻りが発生する可能性があるため、慎重に進めることが重要です。
場合によっては、コストや将来的な拡張性も考慮しながら、最適な技術選定を行わなければなりません。近年では、クラウド環境の導入を前提とした要件定義が増えており、オンプレミスとのハイブリッド構成をどう設計するかが課題となるケースが増えています。
設計
設計では、要件定義で決定した内容を具体的なシステム構成として設計書に落とし込む工程です。
たとえば、ハードウェアの選定、仮想化技術の導入、クラウドリソースの配置、ネットワークの詳細な設定、データベースの冗長化などを検討します。設計の良し悪しは、システムの安定性や保守性に直結するため、慎重に計画を進めなくてはなりません。
また、ドキュメントとして設計書を作成し、開発チームや運用担当者と情報を共有することも大切です。コスト管理も重要な要素となるため、システムリソースの最適化を考慮しながら設計を進める必要があります。
構築・テスト
構築は設計で決めたシステム構成をもとに、実際の環境を構築していく工程です。物理サーバーの設置やクラウド環境のセットアップ、ネットワーク機器の設定、ミドルウェアのインストールなどを行います。
テスト工程では、設計した環境が正しく動作するかを検証するため、さまざまなテストも実施されます。テストでは、基本的な接続確認に加え、負荷試験や障害対応のシミュレーションも行い、システムの安定性を確認することが重要です。
近年では、CI/CDの導入が進んでおり、コードを使ったインフラ構築の自動化が主流になっています。手作業によるミスを減らし、迅速に環境を整えるために、自動化スクリプトの活用が不可欠です。
運用・保守
システムが本番稼働を開始した後も、インフラエンジニアの役割は終わりません。運用・保守では、システムの安定稼働を維持するための監視やトラブルシューティング、定期的なメンテナンスを実施します。
例えば、サーバーのリソース状況を監視し、CPUやメモリの使用率が高くなった場合は適切に対応しなければなりません。
さらに、セキュリティの強化も重要な業務の一つであり、定期的なパッチ適用や脆弱性診断を行い、サイバー攻撃からシステムを守らなければなりません。昨今では効率的に運用・保守を行うために、監視ツールの導入やログ分析の自動化なども積極的に取り入れている企業が増えています。
3.インフラエンジニアの職種5選
インフラエンジニアは業務内容が多岐に渡るため、さまざまな職種に分かれます。それぞれの職種を解説していきます。
サーバエンジニア
サーバエンジニアは、企業のシステムを稼働させるためのサーバーの設計・構築・運用を担当する職種です。オンプレミス環境やクラウド環境でサーバーを設定し、適切な負荷分散やセキュリティ対策を施します。
具体的にはWindows ServerやLinuxの管理、VMware、Hyper-Vなどの仮想化技術を活用した環境構築、ストレージの最適化などを扱うケースがあります。
ネットワークエンジニア
ネットワークエンジニアは、社内ネットワークやインターネット接続環境を設計・構築・運用するエンジニアです。
企業のITインフラを支えるために、ルーターやスイッチ、ファイアウォールの設定を行い、安定した通信環境を提供します。特に、拠点間ネットワークの構築やVPNの設定、無線LAN環境の最適化などが主な業務です。
また、通信障害が発生した際には、トラブルシューティングを行い、迅速に復旧する必要があります。
セキュリティエンジニア
セキュリティエンジニアは、サイバー攻撃や情報漏えいのリスクから企業のシステムを守る役割を担う職種です。
主な業務は、ファイアウォールやIDS/IPSの設定、不正アクセスの監視、ログ分析、脆弱性診断などです。
具体例として、セキュリティポリシーの策定や従業員向けのセキュリティ教育を行い、組織全体のリスク管理を強化することも求められます。最近では、ゼロトラストセキュリティの導入やクラウド環境のセキュリティ対策が重要視されています。
クラウドエンジニア
クラウドエンジニアは、AWS、Azure、Google Cloudなどのクラウドプラットフォームを活用し、システムの設計・構築・運用を行う職種です。
企業のインフラ環境がクラウド化する中で、従来のオンプレミス環境とクラウド環境を統合し、最適なインフラを提供することが求められます。
具体的な業務には、以下の内容が含まれます。
クラウドインスタンスの構築
オートスケーリングの設定
Docker、Kubernetesなどのコンテナ技術の導入
クラウドセキュリティの設計
データベースエンジニア
データベースエンジニアは、企業のシステムで使用されるデータベースの設計・構築・管理を行うエンジニアです。
Oracle、MySQL、PostgreSQL、SQL Serverなどのデータベースを扱い、データの整合性やパフォーマンスの最適化を担当します。主な業務は以下のとおりです。
データのバックアップ・リストア
インデックスのチューニング
大量データ処理の最適化
障害発生時の復旧対応など
最近ではNoSQLデータベース(MongoDB、DynamoDBなど)を活用するケースも増えており、分散データベースの知識も求められるようになっています。データベーススペシャリスト試験やOracle Certified Professionalなどの資格を取得すると、専門性を証明しやすくなります。
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4.インフラエンジニアの年収
実際にインフラエンジニアの年収を会社員とフリーランスに分けて解説していきます。
会社員の場合
会社員の場合、それぞれの職種ごとでの年収は以下のとおりです。
職種 | 平均年収 |
---|---|
インフラエンジニア | 490万円 |
サーバエンジニア | 453万円 |
ネットワークエンジニア | 453万円 |
セキュリティエンジニア | 520万円 |
クラウドエンジニア | 516万円 |
データベースエンジニア | 453万円 |
インフラエンジニアの平均年収は490万円で、セキュリティエンジニア、クラウドエンジニアの次に高い年収という結果となりました。インフラエンジニアは、ITインフラ全般を対応する職種のため、より専門性が高いセキュリティや需要があるクラウド系の知識を持っているエンジニアの方が会社員として稼げているといえます。
なお、求人ボックスによると、サーバエンジニアとネットワークエンジニア、データベースエンジニアはITエンジニアでまとまっているため、それぞれの平均年収は同じとなっています。
フリーランスの場合
フリーランスとして、インフラエンジニアになった場合の報酬単価を見てみましょう。
職種 | 平均月額単価 | 年収(平均月額単価×12か月) |
---|---|---|
74.5万円 | 894万円 | |
71.6万円 | 859.2万円 | |
70万円 | 840万円 | |
78万円 | 936万円 | |
76.8万円 | 921.6万円 | |
73.4万円 | 880.8万円 |
参考:フリーランスボード
インフラエンジニアよりも、セキュリティエンジニアやクラウドエンジニアの方が平均単価は高いという結果になりました。案件内容によっては、クラウドエンジニアとして働いても、インフラエンジニアの役割を担っている可能性もあるため、セキュリティエンジニアが一番単価が高いとは言えません。
なお、フリーランスの場合、案件ごとに報酬を得るため、あくまでも参考としてご理解ください。
5.インフラエンジニアに向いている人の4つの特徴
インフラエンジニアに向いている人の特徴は主に以下の4点です。一つずつ解説していきます。
自発的な行動ができる人
多方面とのコミュニケーションができる人
最新の技術を学んで自己学習ができる人
ストレスに強い人
自発的な行動ができる人
インフラエンジニアは、受動的に指示を待つのではなく、自ら課題を発見し、解決に向けて行動できる人が求められます。例えば、サーバーの負荷が増加している兆候を察知した際、事前にオートスケーリングの設定を見直したり、ログを分析してボトルネックを特定したりなどの対策を自主的に講じることが重要です。
システム障害が発生した場合でも、原因を特定し、迅速な復旧対応を行うためには、自発的な判断力と行動力が不可欠です。さらに、新しい技術やツールが登場した際には、積極的に試し、業務の効率化に活かせるかを検討する姿勢も求められます。
多方面とのコミュニケーションができる人
インフラエンジニアは、社内外の多くの関係者と連携しながら業務を進める必要があります。具体例として、開発チームと協力してシステム要件を決めたり、ネットワークエンジニアやセキュリティエンジニアと連携して安全な環境を構築したりする場面が多くあります。
さらに、ベンダーや外部の技術サポートと調整を行うこともあり、技術的な内容を分かりやすく伝えるスキルが重要です。障害対応の際には、トラブルの原因を正確に伝え、関係者と協力して迅速に解決策を見つけることが求められます。
特にリモートワークの増加に伴い、オンラインでのやり取りが増えているため、チャットやドキュメントを活用したコミュニケーション力も必要です。
最新の技術を学んで自己学習ができる人
IT業界は技術の進化が速く、数年ごとに新しいツールやプラットフォームが登場します。インフラエンジニアとして長く活躍するには、自己学習を習慣化し、常に新しい技術をキャッチアップすることが重要です。
特にクラウド技術の発展が著しく、AWSやAzure、Google Cloudなどのプラットフォームに関する知識は必須になりつつあります。
AWS認定資格、Cisco資格、LPICなどの資格取得もスキル向上に役立ちますが、実際に自分で環境を構築し、試行錯誤することが最も効果的な学習方法です。GitHubでコードを公開したり、技術ブログを書くことで、知識をアウトプットしながら学ぶのもおすすめです。
ストレスに強い人
ストレス耐性がある人はインフラエンジニアに向いているといえます。
インフラエンジニアの仕事は、障害対応やトラブルシューティングなど、プレッシャーのかかる場面が多いのが特徴です。例えば、システムが深夜にダウンした際には、即座に対応を求められることがあり、復旧作業が長時間に及ぶこともあります。
最近では、監視ツールや自動化スクリプトを活用することで、作業負担を軽減する取り組みも増えていますが、それでも突発的なトラブルに対応する場面は避けられません。精神的なタフさを持ちつつ、冷静に状況を判断できる能力が求められます。
6.インフラエンジニアになるために必要な8つのスキル
インフラエンジニアになるためには主に以下8つのスキルが必要です。インフラエンジニアを目指している方は必見ですので、それぞれを詳しく解説していきます。
サーバの知識やスキル
ネットワークの知識やスキル
セキュリティの知識やスキル
クラウドの知識やスキル
データベースの知識やスキル
プログラミングスキル
コミュニケーションスキル
マネジメントスキル
サーバの知識やスキル
サーバーはITインフラの中心的な要素であり、その構築・運用・管理のスキルは必須です。
具体的には、Windows ServerやLinuxの基本操作、ユーザー管理、アクセス権の設定、ログの解析といった知識が求められます。
また、VMwareやHyper-Vを使った仮想化技術やDockerやKubernetesなどを使ったコンテナ技術を活用するケースが増えており、クラウド環境と連携した運用も求められています。
さらには、知識だけでなく、サーバーの負荷分散やリソース管理、障害発生時のトラブルシューティングができるスキルがあることも重要です。
ネットワークの知識やスキル
インフラエンジニアとして、ネットワークの基礎知識は欠かせません。TCP/IPやOSI参照モデルなどネットワークの基礎知識を身につける必要があります。
さらには、LAN、WAN、VPN、ファイアウォール、ルーター、スイッチの仕組みを理解し、適切なネットワーク設計ができることが求められます。
また、通信の最適化やトラフィック管理、ネットワーク障害時の対応スキルも必要です。近年では、SDNやクラウドネットワークの技術も重要になっており、最新情報をキャッチアップする能力も求められています。
セキュリティの知識やスキル
サイバー攻撃が増加している現在、インフラエンジニアにはセキュリティ対策のスキルが強く求められます。
ファイアウォール、IDS/IPS、不正アクセス防止、ログ監視、脆弱性診断などの知識が必要です。ゼロトラストセキュリティの考え方を理解し、適切なアクセス制御やデータ保護を行うことも重要です。
一例として、クラウド環境ではIAMの設定ミスがセキュリティリスクにつながるため、慎重な管理が必要です。CISSPやCompTIA Security+などの資格を取得すると、セキュリティエンジニアとしてのスキルをアピールできます。
クラウドの知識やスキル
近年、企業のシステムはオンプレミスからクラウド環境へ移行する傾向にあります。そのため、AWS、Azure、Google Cloudといったクラウドプラットフォームの知識が必須となっています。
特に、仮想マシン、ストレージ、ネットワーク、コンテナサービス、サーバーレスアーキテクチャの活用方法を理解し、コスト最適化を考慮した設計ができることが求められます。
データベースの知識やスキル
データベースの運用管理もインフラエンジニアの重要な業務の一つです。
MySQL、PostgreSQL、Oracle、SQL ServerなどのRDBMSの基本操作や、インデックスの最適化、バックアップ・リストア、障害対応のスキルが求められます。また、NoSQLデータベースを扱う機会も増えており、用途に応じたデータベースの選定能力も必要です。
プログラミングスキル
インフラエンジニアにもプログラミングの知識が求められます。
シェルスクリプトやPython、PowerShellなどを活用して、サーバーやネットワークの管理を自動化するスキルがあると、業務の効率化が図れます。
ログ分析や監視ツールのカスタマイズなどでも、スクリプトを書く力が重要です。
コミュニケーションスキル
インフラエンジニアは、システムの設計・構築・運用に関わる多くの人と協力しながら業務を進めるため、コミュニケーション能力が不可欠です。
開発チームやネットワークエンジニア、セキュリティ担当者と円滑に連携し、要件を的確に把握する必要があります。
また、トラブル発生時には、問題の状況を分かりやすく説明し、迅速に解決策を見つけることが重要です。
マネジメントスキル
インフラエンジニアとしてのキャリアが進むと、プロジェクトマネージャーやリーダーとしての役割が求められることがあります。その際、チームをまとめ、タスクを適切に管理するマネジメントスキルが必要です。
具体的には以下の能力が求められるケースが多くあります。
プロジェクトの進行管理、
コスト管理
リスク管理
システムの安定運用を確保する力
マルチタスク能力
的確な意思決定力
7.インフラエンジニアになるために必要な資格一覧
インフラエンジニアになるために必要な資格はありませんが、持っていることで技術力を高めたり、転職時のアピールになったりする場面があります。ぜひ最後までお読みください。
基本情報技術者試験/応用情報技術者試験
基本情報技術者試験と応用情報技術者試験は、日本のIT業界で広く認知されている国家資格です。
基本情報技術者試験では、ITの基礎知識として、コンピュータの仕組み、ネットワーク、セキュリティ、プログラミングの基礎を学べます。インフラエンジニアを目指すなら、まず基本情報技術者試験の取得を目指すのがおすすめです。
応用情報技術者試験は、基本情報技術者試験の内容をより深く学び、IT戦略やプロジェクト管理など、実務に活かせる知識を身につけられます。特に、設計や運用に携わるインフラエンジニアにとって、ネットワークやセキュリティの知識が役立つため、キャリアアップを目指すなら取得を検討すると良いでしょう。
基本情報技術者試験はこちらから、応用情報技術者試験はこちらから詳細がご確認いただけます。
LPIC/LinuC
LPICとLinuCは、Linuxのスキルを証明する資格です。インフラエンジニアとしてサーバーを扱う場合、Linuxの知識は必須となるため、これらの資格を取得することで、実務での対応力を高められます。
LPICは国際的に認知されている資格で、以下の3つのレベルに分かれます。
LPIC-1(初級)
LPIC-2(中級)
LPIC-3(上級)
一方でLinuCは日本市場向けに最適化された資格であり、特に日本国内の企業で評価されることが多いです。どちらの資格も、Linuxサーバーの管理、シェルスクリプト、ネットワーク設定、セキュリティ対策などのスキルを学べる資格です。
LinuCはこちらから詳細がご確認いただけます。
CCNA/CCNP
ネットワークの知識は、インフラエンジニアにとって必須スキルの一つです。ネットワーク機器のシェア率が世界でNo,1のCiscoが提供するCCNAとCCNPは、ネットワークエンジニアとしての技術力を証明する資格です。
CCNAは、ネットワークの基礎を学ぶための資格で、以下のような幅広い知識を身につけられます。
ルーティング
スイッチング
セキュリティ
ワイヤレスネットワークなど、
これからインフラエンジニアを目指す人にとって、ネットワークの基礎を学ぶ良い機会となります。
CCNPは、より高度なネットワークの設計・運用スキルを証明する資格であり、ネットワークの最適化やトラブルシューティングのスキルを身につけられます。大規模なネットワークを管理する企業やネットワークの専門家として活躍したい場合は、CCNPの取得を目指すのもおすすめです。
CCNAはこちらから、CCNPはこちらから詳細がご確認いただけます。
AWS 認定ソリューションアーキテクト
クラウド環境の利用が増えている現在、AWSの知識はインフラエンジニアにとって必須になりつつあります。AWS 認定ソリューションアーキテクトは、AWSの基本的なサービスを理解し、クラウド環境の設計・構築ができるスキルを証明する資格です。
AWS環境でのサーバーやネットワークの設計、セキュリティ対策、コスト最適化の知識を身につけられるため、クラウドエンジニアやインフラエンジニアとしてのキャリアアップに役立ちます。特に、企業がクラウド移行を進める中で、AWSの知識を持つエンジニアは市場価値が高いため、取得しておくと有利になるでしょう。
AWS 認定ソリューションアーキテクトはこちらから詳細がご確認いただけます。
オラクルマスター
データベース管理を担当するインフラエンジニアにとって、オラクルマスターは重要な資格の一つです。オラクルマスターは、Oracle Databaseの管理スキルを証明する資格で以下4つのレベルがあります。
Bronze
Silver
Gold
Platinum
未経験からインフラエンジニアを目指す方は、基本的なデータベースの操作やSQLの基礎を学べるBronzeの取得がおすすめです。
データベースの深い知識を身につけたい方は、データベースの高度な設計・運用スキルが問われるGold以上の取得を目指すのもおすすめです。大規模なシステムを運用する企業では、オラクルデータベースが広く使用されているため、この資格を取得することで、データベースエンジニアとしてのスキルを証明できます。
オラクルマスターはこちらから詳細がご確認いただけます。
8.未経験からインフラエンジニアに転職する方法
未経験からでもインフラエンジニアに転職する方法を解説します。効率よく転職を進めるためにも最後までお読みください。
自己学習を行う
資格を取得する
未経験可の求人に応募する
自己学習を行う
インフラエンジニアに必要な知識を身につけるためには、自己学習が欠かせません。
まずは、サーバーやネットワーク、クラウド、セキュリティなどの基本概念を理解することから始めましょう。UdemyやYouTubeなどのオンラインの学習プラットフォームや書籍を活用すると効果的です。
特に、仮想環境を構築して実際にサーバーやネットワークの設定を試してみることで、理論だけでなく実践的なスキルも磨けます。自己学習の際には、GitHubなどでコードや設定ファイルを公開し、ポートフォリオを作成すると、転職時のアピールポイントになります。
資格を取得する
未経験者がインフラエンジニアに転職する際、資格取得は大きな武器となります。資格は客観的にスキルの証明となり、採用担当者にアピールできます。
まずは基本情報技術者試験やLPIC-1、CCNAなどの基礎的な資格取得を目指しましょう。これらの資格を取得することで、ITの基礎知識やネットワークの基本を理解していることを示せます。
さらに、AWS 認定クラウドプラクティショナーやAWS 認定ソリューションアーキテクト – アソシエイトなどのクラウド関連の資格を取得することで、クラウド環境でのインフラ運用スキルをアピールできます。
資格取得に向けた勉強を通じて、実践的なスキルが身につき、転職活動を有利に進めることが可能です。
未経験可の求人に応募する
未経験からインフラエンジニアになるためには、未経験可の求人を積極的に探すことが大切です。
特に、IT業界は人材不足が続いており、未経験者を歓迎する企業も多く存在します。求人サイトや転職エージェントを利用して、未経験者歓迎の求人を見つけるのがおすすめです。
未経験可の求人では、基礎的なIT知識や学ぶ意欲が重視されるため、自己学習の成果や取得した資格をアピールすることが重要です。
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9.インフラエンジニアのキャリアアッププラン4選
インフラエンジニアのキャリアアッププランは主に以下の4つです。それぞれを解説していきますので、ぜひとも参考にしてください。
マネジメント職
ITスペシャリスト
ITコンサルタント
フリーランス
マネジメント職
インフラエンジニアとしての経験を積んだ後、チームを率いるマネジメント職に進む道があります。
プロジェクトマネージャーやIT部門の管理職として、システム運用の計画立案、チームのマネジメント、コスト管理などを担当する職種です。
マネジメント職に求められるスキルは、技術力だけではありません。チームメンバーとのコミュニケーション能力や、プロジェクトの進行管理、トラブル発生時の意思決定力が必要になります。
マネジメント職に進むことで、より大規模なプロジェクトに関与でき、企業の経営戦略にも関わる機会が増えます。技術の現場を離れるケースもありますが、組織全体のIT戦略を考える仕事に興味がある人には向いているキャリアパスです。
ITスペシャリスト
技術力を極める道として、ITスペシャリストになる選択肢があります。特定の分野(ネットワーク、クラウド、セキュリティ、データベースなど)で専門性を深め、社内外で高い技術力を発揮できるエンジニア職の1つです。
ITスペシャリストは、特定の技術分野で業界トップレベルの知識を持つことが求められるため、最新技術のキャッチアップが欠かせません。専門性が高いほど市場価値も上がり、高待遇の仕事を得やすくなります。
ITコンサルタント
インフラエンジニアの知識を活かし、ITコンサルタントとして企業のシステム設計や運用改善のアドバイスを行う道もあります。
コンサルタントの仕事は、企業のIT課題を分析し、最適なソリューションを提案することです。特に、クラウド移行やシステムの最適化、セキュリティ対策の分野で活躍できる機会が増えています。
エンジニア経験を活かしながら、より戦略的な視点で企業のIT環境を改善したい人にとって、ITコンサルタントは魅力的なキャリアパスです。
フリーランス
フリーランスとして独立し、自由な働き方を選ぶのもキャリアアップの一つの方法です。リモートワークが普及したことで、企業に所属せずにプロジェクト単位で働くスタイルが一般的になりつつあります。
フリーランスとして成功するには、専門的なスキルに加え、営業力や自己管理能力も必要です。自分で案件を獲得し、適切な報酬を交渉する能力が求められます。フリーランスエンジニアの案件は以下のサイトを利用するのがおすすめです。
10.インフラエンジニアによくある5つの質問
インフラエンジニアに関するよくある質問として以下5つを解説します。
インフラエンジニアになるのはやめとけと言われる理由は?
インフラエンジニアが楽すぎるといわれる理由は?
インフラエンジニアが底辺と言われる理由は?
システムエンジニアとの違いは?
ITサービスとは?
インフラエンジニアになるのはやめとけと言われる理由は?
「インフラエンジニアはやめとけ」と言われる理由はいくつかありますが、主に以下の点が挙げられます。
勤務時間が不規則になりやすい
最新技術のキャッチアップが必要
責任が大きい
インフラエンジニアはシステムの安定運用を担当するため、障害対応が発生すると深夜や休日でも対応しなければならない場合があります。特に24時間稼働のシステムを運用する企業では、夜間対応やシフト勤務が求められることもあり、つらいと感じる人も少なくありません。
また、ITインフラの技術は日々進化しており、クラウドやセキュリティの最新動向を常に学ぶ必要があります。学習を怠ると市場価値が低下し、キャリアアップが難しくなる可能性があります。
さらに、システムが停止すると企業の業務に大きな影響を与えるため、プレッシャーを感じることが多い職種です。特に銀行や医療機関などの重要システムを担当する場合、ミスが許されない環境での業務が求められます。
インフラエンジニアが楽すぎるといわれる理由は?
「インフラエンジニアは楽すぎる」と言われることもありますが、これは特定の状況に限られます。例えば、以下のようなケースでは、業務の負担が比較的軽くなることがあります。
自動化が進んでいる環境
安定したシステムの運用
近年はITインフラ環境でも自動化が進み、手作業の運用が減少しているため、担当者の負担が軽減できることで、作業が「楽」に感じることもあります。
さらには、ITインフラ機器自体の性能が上がっているため、昔ほど故障しにくくなったことで、安定したシステムの運用がしやすくなったことも、インフラエンジニアの仕事が楽といえる要素の1つです。
結局のところ、インフラエンジニアの仕事が「楽かどうか」は、環境や業務内容によって異なります。
インフラエンジニアが底辺と言われる理由は?
一部で「インフラエンジニアは底辺」と言われる主な理由は以下の点が挙げられます。
単純作業が多いと見られがち
プログラミングに比べて目立ちにくい
給与が低いケースがある
物理サーバーの設置やケーブル配線など、手作業が発生することがあるため、プログラマーに比べて「作業員的な仕事」と見られる場合があります。しかし、実際には高度な設計や運用のスキルが求められるため、単純作業だけではありません。
他にも、インフラエンジニアは、システムの基盤を支える仕事ですが、目に見える成果が少ないため、評価されにくいことがあります。しかし、企業のIT環境にとって不可欠な存在であり、高度な技術を持つエンジニアは高く評価されます。
初期のインフラエンジニアは、運用監視などの業務からスタートすることが多く、給与が比較的低めに設定されることがあります。しかし、クラウドスキルやネットワークの専門知識を身につけることで、高収入を目指すことも可能です。
実際には、インフラエンジニアはIT業界で非常に重要な役割を担っており、決して底辺ではありません。スキルを磨けば、マネジメント職やITスペシャリストとしてキャリアアップできます。
システムエンジニアとの違いは?
システムエンジニアとインフラエンジニアは、どちらもIT業界で活躍する職種ですが、担当する業務が異なります。
システムエンジニア: アプリケーションやソフトウェアの設計・開発を担当。プログラミングが主な業務
インフラエンジニア: サーバー、ネットワーク、クラウド、セキュリティなど、システムの基盤を構築・運用が主な業務
簡単に言えば、システムエンジニアはシステムを作る人、インフラエンジニアはシステムを支える人 といえるでしょう。
ITサービスとは?
ITサービスとは、IT技術を活用して提供されるサービスのことです。具体的には、以下のようなものがあります。
クラウドサービス(AWS、Azure、Google Cloud)
SaaS(Software as a Service):Google Workspace、Microsoft 365 など
ネットワークサービス(VPN、データセンター接続)
セキュリティサービス(ウイルス対策、ファイアウォール)
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11.まとめ
今回はインフラエンジニアについて、仕事内容や主な職種、年収、求められるスキルをお話ししました。さらには、未経験からインフラエンジニアになる方法やキャリアアッププランも合わせて解説していきました。
インフラエンジニアはITサービスを利用する上で、必要不可欠な存在です。クラウド技術の発展やセキュリティ対策など今後もよりインフラエンジニアが必要となる場面は増えると予想されるため、将来性が高い職種です。
最後までお読みいただきありがとうございました。
本記事が皆様にとって少しでもお役に立てますと幸いです。