インターネットの普及によって、消費者がさまざまな情報を入手できるようになった昨今、マーケティング業務の専門家である「マーケター」の需要も高まっていると考えられます。商品やサービスの魅力を正確に伝え、会社の利益を向上させるマーケターは、多くの業界で活躍できるポテンシャルを持つ職業です。今後も多くの案件・求人で活躍できると予想されるので、興味があるのならマーケターになる方法をこの機会にチェックしておくのがおすすめです。
本記事では「マーケターになるにはどうすればいいのか」という基本から、必要なスキルや向いている人の特徴などを解説します。
目次
1.マーケターとは?
マーケターになるには、まず「マーケターとは何か」という基本を把握することが重要です。以下を参考に、マーケターという職業の特徴を確認しておきましょう。
マーケティング業務を担う職業
マーケターとは、社内のマーケティング業務を担う職業です。商品やサービスの売上を向上させる企画を立てたり、継続して売れ続けるための仕組みを提案したりと、経営戦略を構築する重要な役割を担います。
マーケターにもいくつかの種類があり、例えば以下のような職種に分類できます。
Webマーケター
SNSマーケター
デジタルマーケター
コンテンツマーケター
リサーチャー など
それぞれのマーケターには対応する領域があり、そのなかで目標を達成するための施策を考えるのが仕事になるでしょう。WebマーケターやSNSマーケターなどは、インターネットが一般に普及した現代において、消費者とのつながりを作り上げるために欠かせないIT人材です。
マーケターの年収はどれくらい?
マーケターの年収は、「求人ボックス」のデータを参考にすると、正社員の場合で平均年収496万円となっています。(2025年4月時点)月給では41万円、初任給は24万円程度が相場です。アルバイト・パートの平均時給は1,098円、派遣社員の平均時給は1,548円となっています。
一方で、フリーランスのマーケターの場合、「フリーランスボード」のデータを参考にすると、年収の目安は963万円です。月額単価の平均も80.2万円と高いため、正社員からフリーランスのマーケターになることで、年収アップを実現できる可能性があるでしょう。
(引用元:フリーランスボード)
2.マーケターの仕事内容
マーケターになるには、基本的な仕事内容について理解を深めておくことが重要です。以下では、マーケターが担当する主な仕事内容を解説します。
マーケティング業務
マーケティングは、マーケターの基本業務の1つです。具体的には商品・サービスが継続して売れるための仕組みを考えたり、ECサイトへの集客方法を立案したりと、さまざまな業務が当てはまります。
業種ごとにマーケティング業務には違いが出ることもあり、例えばWebマーケターならデータ分析や解析を通して市場のニーズを把握し、Webを通して情報発信を行うことが業務になり得ます。その他、SNSマーケターであればSNSアカウントの運用を行いつつ、フォロワーを増やす方法やSNSユーザーが商品・サービスの購入したくなる環境構築を進めます。
実際にマーケティング業務を行ったあとには、効果を検証して改善点を見つけ出し、PDCAサイクルを回すことも仕事のうちです。新しい手法を考えたり、既存の顧客とは別の客層をターゲットにしたりと、常に変化を与え続けるのがマーケターの役割になるでしょう。
売る商品・サービスやターゲットなどによってマーケティング業務の内容は変わるため、臨機応変に対応できる人材になるのがマーケターを目指すために必要です。提案した手法
ディレクター業務
マーケティング業務を行うチームをまとめ上げ、成果を引き出すためのディレクター業務もマーケターの仕事に含まれます。マーケティング活動には多くの人材が必要になるケースもあり、ときにはチームプレイで効率良く仕事を進めなければならない状況にもなります。そんなときにはチームを統括するリーダーポジションを担当し、具体的なスケジュールの決定や進捗管理などを行うディレクターの存在が重要となるでしょう。
マーケターとして経験を積み、さらなるキャリアアップを目指すのなら、ディレクター業務を任せられる人材を目指すのが1つの道となります。マネジメントスキルやコミュニケーションスキルを磨き、チームを動かせるマーケターになることも考えてみると良いでしょう。
広告出稿・販促活動
各メディアへの広告出稿や、商品・サービスの販促活動を行うのも、マーケターの仕事です。広告の費用対効果を確認し、コスト削減などにつなげたり、ターゲットにマッチした広告をデザインしたりなど、対応する業務範囲は広いです。Webサイトに専用の販促ページを制作してアピールすることもあれば、プロモーションイベントを開催して大々的に商品・サービスを公開する方法もあります。
必要に応じてコピーライティングや動画制作など、クリエイティブな仕事を行うこともあるため、関連スキルを学んでおくとマーケターとしての評価を高めるきっかけになります。
3.マーケターになるには何をすべき?
マーケターになるには、上記で紹介した情報を把握しつつ、具体的な行動を起こす必要があります。以下では、「マーケターになるには何をすべきなのか」という、必要な行動について解説します。
マーケティング業務の経験を積む
マーケターとして働く際には、実際にマーケティング業務を経験することが重要です。マーケティング業務を体験することで、「1日のなかでどのような仕事をするのか」「どんなスケジュールでプロジェクトを進めるのか」といったことが感覚でわかります。具体的な働き方を学び、自分なりにマーケティング業務を進める方法を考えられるようになることが、評価されるマーケターになる第一歩となるでしょう。
転職エージェントや転職サイトで仕事を探す
マーケターになるには、「マーケターとして雇用される」必要があります。既に別の職業・職種で働いているのなら、転職エージェントや転職サイトを活用し、マーケターの案件・求人に応募して新しい職場を見つけるのが先決です。
株式会社Faber Companyの「マーケティングの取り組みに関する実態調査【2024年版】」によると、マーケティングチームの人材は「人材はかなり足りていない」が28%、「やや足りていない」が51%となっています。合計で79%もの企業が、マーケティングチームに人材が足りていないと回答しています。
(引用元:マーケティングの取り組みに関する実態調査【2024年版】)
マーケターを求めている企業は多いと考えられるため、転職エージェントや転職サイトの求人情報を参考に、良い条件の職場を探してみましょう。
マーケターになるには大学進学が必須?
大学の経済学部には、マーケターの仕事にも関係するスキルを専門的に学べるマーケティング学科を設立している学校もあります。そのためマーケティング学科で知識・技術を身につけてから、マーケターを目指すことも1つの方法となります。
一方で、必ずしもマーケティング関連の大学・学科を卒業していないと、マーケターになれないというわけではありません。マーケターとして活躍できるスキルが身についていれば、学歴を問わない案件・求人もあります。
未経験でもマーケターになれる?
マーケティング業務が未経験でも、マーケターになれる可能性はあります。未経験でもマーケターに必要な能力があるのなら、「未経験OK」の案件・求人を探すことで、マーケターの仕事を担当できるでしょう。先の通りマーケターの人材が人手不足だと感じている企業は多いため、未経験でも採用されることは可能です。
一方で、マーケター経験者とは待遇面で差が出ることが予想されるため、早くキャリアアップできるように専門のスクールに通ったり、オンライン学習でスキルを育んだりといった方法を取るのがポイントです。
4.マーケターに必要なスキル
マーケターになるには、各業務で役立つスキルを身につけることも大切です。以下を参考に、どのようなスキルがマーケターになる際に必要なのか確認してみてください。
市場ニーズを見極める観察力
市場ニーズを見極めて計画を立案する判断力や観察力は、マーケターに欠かせないスキルです。市場は常に変化しているため、状況を正確に把握しつつ、何が求められているのか理解することがマーケターの仕事になります。最新情報をキャッチアップして知識をアップデートしつつ、市場の動向を先読みする癖をつけるのがポイントです。
消費者の目線で考える想像力
マーケターは消費者の目線に立ち、「何がほしいのか」「どんなことがしたいのか」といったことを考える想像力もスキルとして必要です。消費者の潜在的なニーズを掘り起こし、行動を予測して計画を立案するのもマーケターの仕事です。そのため商品・サービスを提供する側の視点だけでなく、消費者の視点も取り入れた施策の提案・構築が重要なスキルになります。
消費者の視点で想像するには、SNSや口コミでの意見を参考にしたり、他社製品を使っているユーザーの行動を確認したりと、さまざまな情報を集めることが肝心です。
データの分析・解析力
マーケターには各種データを分析・解析して、結論を導き出すスキルも求められます。例えば販促行動の前と後でユーザーに変化はあったのか、商品の売れ方に影響したのかといったことを、データをもとに分析・解析します。分析・解析によって得られた結論を軸に、改善点を見出して次のマーケティング企画に活かしていくことが、マーケターの基本的な業務となるでしょう。
データ分析・解析を行う際には、専用ツールなどIT関係の知識があるとスムーズに作業を進められます。AIやビッグデータなどを扱えるスキルを学び、マーケターの仕事に活かすことも考えてみましょう。
マーケターになるには資格がいる?
マーケターになるのに、特別な資格は必要ありません。そのため仮に無資格でも、マーケターとして業務を担当することは可能です。一方で、未経験者やマーケターとしての実績が少ないフリーランスは、資格を取得して自身のスキルを客観的にアピールする方法が考えられます。例えば以下の資格は、マーケターになる際に役立てられるでしょう。
Google Analytics Individual Qualification (GAIQ) など
マーケティング全般の知識や、データ解析に関係するスキルを保有している人材は、マーケターとして高く評価される可能性があります。上記の資格はマーケターの能力を示す1つのきっかけになるため、早めに取得して転職や独立に活かすのもおすすめです。
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5.マーケターに向いている人
マーケターを目指すのなら、どんな人材が仕事に向いているのか把握し、自分自身の特徴と比較しておくことも重要です。以下では、マーケターに向いている人の特徴について解説します。
トレンドや最新情報の収集が得意
トレンドや最新情報に敏感で、普段から情報収集を行っている人ほど、マーケターに向いています。マーケターはこれからやってくる流行を先取りし、消費者を導いて売上に貢献するのが役割の1つです。将来の市場を予測して具体的なプランを立てるには、まず情報を収集して自分なりに理解し、業務に活かすことが求められるでしょう。
ただ情報を集めるのではなく、マーケティング業務に使いやすいようにデータ化できる人も、マーケターとして活躍できる人材だと言えます。また、数字やデータに強く、スムーズに内容を理解できる人も、マーケターとして活躍できるでしょう。
マルチタスクが得意
複数の作業を並行して行うマルチタスクが得意な人も、マーケターに向いています。マーケターは複数のプロジェクトを同時に進行する役割を担うこともあるため、全体を俯瞰して作業の効率化を図るスキルも重要です。
マルチタスクではただ作業を同時に進めるだけでなく、それぞれに目標を設定して、どのように達成するのかをきちんと計画して動かなければなりません。スケジュールを管理し、チームのメンバーに業務を割り振るマネジメントスキルが必要になることもあるため、周囲を上手く巻き込んでいく能力を磨いておくのもおすすめです。
新しいことも積極的に学習できる
新しい技術やコンテンツにも積極的に携わり、勉強していける人ほど、マーケターに向いていると言えます。新しい技術の誕生や社会的な出来事を発端に、市場の流れが大きく変わることも考えられます。そんなときにも冷静に状況を把握し、最新の技術・知識を踏まえてプロジェクトを組み上げられる能力がマーケターには必要です。
新しい技術・知識について自分なりに分析し、マーケティング業務に活かせる形でデータ化することもマーケターの業務になり得ます。新しい領域に挑戦する場合、失敗も増えると予想されます。めげずにトライアンドエラーをくり返し、少しずつ進んでいく感覚を意識できるかどうかも、マーケターに向いている人の特徴です。
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6.まとめ
商品・サービスを売り続ける仕組みや環境を構築するマーケターは、あらゆる業界・職場に欠かせない人材です。今後もマーケターの需要は高まり、高待遇で迎えられる案件・求人が増える可能性もあるでしょう。マーケターに興味があるのなら、仕事内容や必要なスキルをチェックし、就職・転職に向けて準備を進めてみてはいかがでしょうか。
フリーランスのマーケターとして働く道もあるため、実績とスキルを身につけつつ、将来的に独立するキャリアプランを立てるのもおすすめです。
本記事が皆様にとって少しでもお役に立てますと幸いです。
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