ビッグデータを活用した事業展開は、多くの企業で実践されています。しかし、どれだけ充実したデータを保有していても、それを有効に扱える人材がいなければ意味がありません。そのためデータの専門家である「データサイエンティスト」の需要は高まり、多くのプロジェクトで必要とされています。
データサイエンティストの仕事は正社員だけでなく、副業をしている人向けのものも多数あります。IT系の副業をしている人や、これから副業を始める予定の人は、データサイエンティストの案件を探してみるのがおすすめです。
本記事では、データサイエンティストの仕事を副業で行う際の基本を解説します。データサイエンティストの副業案件の特徴やメリットの他、仕事を探す方法も解説するので、ぜひ参考にしてください。
目次
1.データサイエンティストとは?
データサイエンティストの仕事を副業でするのなら、まず「データサイエンティストという職業の基本」を把握することが重要です。以下では、データサイエンティストがどんな職業なのか解説します。
データの分析を担当するプロIT人材
データサイエンティストとは、データを分析してさまざまな事業に活かすプロの人材です。ITスキルや統計の知識、情報科学理論などを使って対象のデータを分析し、企業や所属する団体にとって有益な情報を見つけ出すのが主な役割となります。
データとは情報のまとまりであり、それ単体で何かを生み出すわけではありません。データサイエンティストのようなスペシャリストが分析・加工を行い、意味を見出すことではじめて価値を持ちます。
そのためビッグデータを活用したい企業にとって、データ分析などの業務を担当できるデータサイエンティストは重要な人材となっています。
データサイエンティストの仕事内容
データサイエンティストの仕事内容には、主に以下のものがあります。
データ分析・抽出業務
データベースの構築作業
モデリング・アルゴリズムの開発
データ分析に関するプロジェクトの立ち上げ
データの可視化や評価
業務への導入およびその後の評価・改善 など
案件の内容や担当領域によって実際の業務は変わりますが、上記の仕事を請け負うことが基本です。副業の案件に関しても、上記の仕事を任されるケースが多くなるでしょう。
データアナリストやデータエンジニアとの違いは?
データサイエンティストと同じように、データアナリストやデータエンジニアもデータを使って働くIT職です。一方で、データアナリストはデータ収集と分析を専門としますが、データサイエンティストはデータ収集と分析に加えさらにITスキルや統計学の知識を活用して課題発見・解決を目指すことを業務としています。
データエンジニアは、データのインフラ構築やETLプロセスの管理が挙げられます。データエンジニアは、大量のデータが効率的に収集・保存・処理される環境を整えることを主な役割とし、データベースやデータウェアハウスの設計・最適化、データの移動や統合プロセスの管理などを主に担当します。
そのためデータサイエンティストのように本格的な分析や事業への直接的な貢献までは求められないのが基本です。このようにデータアナリストやデータエンジニアといった職業とデータサイエンティストには、仕事の内容や役割の面で大きな違いがあります。
データサイエンティストの需要は高い?
データサイエンティストの需要は高く、今後も必要とされる職業になると予想されます。ビッグデータやAIが一般的な技術となっている現在、それを活用できる専門家が欠かせなくなっている点が、需要も増加の背景にあります。
DX・クラウド・IoTなども世間に浸透したことで、人々の生活や企業の事業はデータ化が進んでいます。これらのデータをより適切な形に整備したり、分析を重ねて有益な情報として提供したりできるデータサイエンティストは、今後も多くのシーンで活躍が見込まれるでしょう。
一方で、AIの台頭によってデータサイエンティストの仕事がなくなると予想する声もあり、「やめとけ」と言われるケースもあります。しかし、AIはむしろデータサイエンティスト業務のサポートや効率化する技術として、重要な存在になる可能性に期待できます。
今後はAI技術を上手く活用できる人材になることが、データサイエンティストとして働いていくためのポイントになるでしょう。
2.データサイエンティストは副業でも働ける?
データサイエンティストは専門的な職業ですが、副業で仕事ができる可能性もあります。以下では、データサイエンティストは副業でも働けるの解説します。
データサイエンティストは副業向けの案件も多い
データサイエンティストの仕事は、副業向けの案件も多くあります。例えば「フリーランスボード」でデータサイエンティストの案件を検索してみると、多くの求人がヒットします。
なかには短時間で対応できる副業向きの仕事もあるため、本業と並行して働くことも可能です。
「週1だけ」「土日のみ」といった働き方も可能
データサイエンティストの仕事のなかには、「週1だけ」「土日のみ」といった副業案件もあります。本業が忙しくてなかなか時間が取れない人でも、副業からデータサイエンティストの仕事を始めることが可能です。
「週1だけ」「土日のみ」といった案件は比較的対応しやすい点が魅力ですが、請け負う仕事の数を増やしすぎると疲労が蓄積されて、本業に支障が出る恐れがあります。
睡眠不足などによって体調を崩す原因にもなり得るため、「週1だけ」「土日のみ」の案件でも、しっかりとスケジュールを調整して無理のない範囲で対応するように心がけましょう。
データサイエンティストの副業における単価相場
データサイエンティストの副業を始める際には、事前に単価相場を把握しておくのも大切です。「フリーランスボード」の情報を参考にすると、データサイエンティストの案件・求人における月額単価の平均は80.9万円となっています。(2024年10月時点)
年収の目安は971万円となり、これは国税庁の「令和4年分 民間給与実態統計調査」で公表されている給与所得者の平均給与の458万円を大きく上回ります。
「フリーランスボード」の情報では、エンジニア職種全体の月額平均単価は69.5万円です。データサイエンティストはその数値よりも11万円以上高いため、IT業界のなかでも高収入である職種だと言えるでしょう。
副業は資格があった方が有利?
データサイエンティストの副業をする場合、特別な資格は必要ありません。そのため仮に無資格でも、副業で高収入を得ることは可能です。一方で、資格があると優先して案件に採用されたり、収入が上がったりと副業をするうえで有利になるケースもあります。
そのため案件を探しつつ、同時にデータサイエンティストの資格取得を目指すのも1つの方法です。
データサイエンティストの仕事に役立つ資格は複数あり、例えば以下の資格取得がおすすめです。
データサイエンス数学ストラテジスト
データベーススペシャリスト試験
資格を取得できればスキルのアピールになるだけでなく、勉強の過程で実践的な知識を学ぶことができます。データサイエンティストとして自信を持って働くきっかけを得られるため、初めて副業にチャレンジする人は資格取得を優先することも考えられます。
3.データサイエンティストの副業は未経験でも対応できる?
データサイエンティストの副業を始めたいけれど、「未経験だから諦めている」という人もいるでしょう。以下では、データサイエンティストの副業は未経験でも始められるのか解説します。
未経験から始めるのは難しい
結論から言うと、未経験からいきなりデータサイエンティストの副業を始めるのは難しいのが現状です。データサイエンティストの仕事では専門的な知識の他、実践で得た経験が求められるケースがあります。
特に即戦力で事業に貢献してもらいたい企業は、未経験のデータサイエンティストを採用することは少ないでしょう。
一方で、すべての副業案件が未経験を採用しないわけではありません。簡単な作業を中心とした仕事を担当し、少しずつデータサイエンティストとしての経験を重ねていく方法もあります。
未経験で仕事を探すのならスキルアップが必要
未経験からデータサイエンティストの副業案件を探すのなら、日々スキルアップを目指して行動するのがコツです。データサイエンティストとして働けるスキルを習得できれば、未経験からでも本格的な業務を担当できる可能性があります。
データサイエンティストに必要なスキルと、効率良く能力アップを実現する方法をチェックし、将来に備えるのもおすすめです。
4.データサイエンティストに必要なスキル
データサイエンティストとして働く際には、必要とされるスキルがいくつかあります。以下では、データサイエンティストの副業をこなすために身につけておきたい重要なスキルを紹介します。
数学や統計に関する知識
データサイエンティストの業務には、数学や統計に関する知識が不可欠です。データ分析では統計処理や数理モデルの作成など、専門知識を活用した業務が行われます。確率・微積分・行列などの知識を使うシーンも多いため、幅広い数学の知識が求められるのが基本です。
データベースに関する知識
担当領域であるデータベースの知識も、専門的な部分まで学んでおく必要があります。IT業界で一般的に活用されている「リレーショナルデータベースマネジメントシステム(RDBMS)」の知識の他、特定のフォーマットでは管理が不可能なランダム性のあるデータベース「NoSQL」などの知識が役立ちます。
データベースの基礎を学ぶと同時に、業務上の操作を行うためのプログラミング言語である「SQL」を習得するのも副業を開始する際には重要です。
AIやディープラーニングの知識
データサイエンティストの副業を担当するのなら、AIやディープラーニングの知識も必要になります。ビッグデータを効率良く処理して分析していくには、AIの手を借りることが基本です。
データ処理のタスクやデータ同士の関連性などを学ばせるディープラーニングの知識も、データサイエンティストの仕事では欠かせないものになるでしょう。
AIやディープラーニングを学ぶ際には、これらを操作するためのプログラミング言語である「Python」の勉強をするのもポイントです。
課題の発見・定義などを行うビジネススキル
データサイエンティストには、データ分析の結果を事業に活かすビジネススキルも求められます。具体的にはデータ分析の結果から抽出した課題と解決方法を提示したり、現状の企業やプロジェクトが抱える見えない問題を可視化して定義したりといったスキルが、データサイエンティストの副業では必要になるでしょう。
副業でデータサイエンティストの仕事をする場合、案件ごとに多くの人と関わることになります。スムーズに業務をこなせるように、周囲の人たちとコミュニケーションを取って協力し合える関係を構築できる能力も、重要なビジネススキルとして数えられます。
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5.データサイエンティストの副業をするメリット
データサイエンティストの副業を行うことには、多くのメリットがあります。
以下では、データサイエンティストの副業をすることで得られるメリットを解説します。
収入源を増やせる
データサイエンティストの副業を行うことで、収入源を1つ増やせるのは大きなメリットです。本業の収入に副業の分がプラスされれば、年収を大幅にアップさせることも可能です。
現状の収入に満足していない人は、副業を通して年収アップを目指すのも1つの方法となります。
データサイエンティストの副業収入が安定し、実績を重ねてより多くの案件を確保できるようになれば、本業として取り組むことも考えられるようになるでしょう。
将来性のあるスキルを学びつつ収入を得られる
データサイエンティストは先の解説通り、将来性のある職業です。そのため副業で経験を積んでいくことで、将来に役立つスキルを収入を得ながら学べます。収入の確保と将来に備えたスキルアップを両立できる点は、データサイエンティストに限らず副業全体のメリットだと言えるでしょう。
なかでもデータサイエンティストの副業は単価が高いものが多いため、収入を大幅に増やしつつスキルアップを図れる点が魅力です。
人脈を広げることで独立などのキャリアを検討できる
データサイエンティストの副業を行うことで、仕事関係の人脈を広げられる点もメリットです。人脈が広がると仕事の紹介を受けてビジネスチャンスを得る機会が増えたり、新しいことに挑戦するきっかけを得られたりします。
そういった将来につながる人間関係を構築できるのも、データサイエンティストの副業をする理由になるでしょう。
6.データサイエンティストの副業を探す方法
データサイエンティストの副業を探す場合、いくつかの方法が検討できます。以下では、データサイエンティストの副業を探すおすすめの方法を解説します。
クラウドソーシングサービスを使う
データサイエンティストの副業案件は、クラウドワークスやランサーズなどクラウドソーシングサービスを使用することで見つけられます。データの処理・分析などの業務を委託する案件を探し、応募して採用されることで実際に仕事を始められます。
最初のころは実績が少ないため、低報酬の案件しか請け負えない可能性もあります。しかし、少しずつ実績を重ねて評価を得ることで、高報酬かつ重要な仕事を担う案件に挑戦できるようになるでしょう。
未経験の人はクラウドソーシングサービスを活用し、データサイエンティストの実績を獲得していく方法も考えられます。
最初からデータサイエンティストの仕事を受けるのが難しい場合には、データアナリストやデータエンジニアの仕事を受けて、データ関連の業務に慣れるのもおすすめの方法です。
副業・フリーランス向けの案件紹介サイトを活用する
副業・フリーランス向けの案件紹介サイトには、データサイエンティストの仕事が多数掲載されています。多くの情報をまとめて検索できる案件紹介サイトを利用することで、自分に合った仕事に出会いやすくなるでしょう。
「フリーランスボード」では、データサイエンティストの案件・求人が4,000件以上掲載されています。(2024年10月時点)「週1だけ」や「土日のみ」といった、希望する条件を絞り込んで副業案件を探すことも可能です。この機会に「フリーランスボード」を活用して、データサイエンティストの副業を始めてみるのもおすすめです。
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7.まとめ
多くの情報を処理して有益に活用することが求められる現代において、データサイエンティストの存在は欠かせないものになっています。その需要・将来性は高く評価されていて、今後も多くの業界でデータサイエンティストが活躍すると考えられるでしょう。
そんな需要の高いデータサイエンティストの仕事は、副業で請け負うことも可能です。「週1だけ」「土日のみ」といった条件を決めることで、本業や普段の生活を優先しつつデータサイエンティストの副業にチャレンジできます。
副業で経験を重ねることで、フリーランスのデータサイエンティストとして働くキャリアも考えられるようになります。フリーランスになればより多くの時間をデータサイエンティストの業務に使えるため、高収入を実現するきっかけになり得るでしょう。
「フリーランスボード」にはフリーランス向けの案件・仕事も多数掲載されているので、ぜひこの機会に詳細を確認してみてください。
本記事が皆様にとって少しでもお役に立てますと幸いです。