「ハードウェアエンジニアを目指している」「ハードウェアエンジニアへの転職で後悔したくない」とお考えではありませんか。
まずはハードウェアエンジニアについての理解を深めて、自分自身のスキルセットの棚卸しをしながら、じっくりとキャリア形成を考えてみることが大切です。
今回はハードウェアエンジニアに関する基礎知識、ハードウェアエンジニアのキャリアに関する詳細、ハードウェアエンジニアとその他のエンジニアとの違い、ハードウェアエンジニアに転職する際のポイント、ハードウェアエンジニアへの転職を後悔しない方法についてお話しします。
目次
1.ハードウェアエンジニアに関する基礎知識
はじめにハードウェアエンジニアに関する基礎知識について解説します。
ハードウェアエンジニアとは
ハードウェアエンジニアとは、電子機器の設計・開発・製造やアップデートに携わる「モノ作りのエキスパート」と言えるエンジニアです。自動車、家電、スマートフォンやタブレット、パソコン、医療機器など、電子的に動くもの全てがハードウェアエンジニアが関わりのある商品及び製品であると言えます。
電子機器のどれもが社会的にも、私たちの生活的にも欠かせないものばかりであり、ハードウェアエンジニアがいなければ現在の快適で便利な生活は成り立たないと言っても過言ではありません。そのため、ハードウェアエンジニアは社会的な貢献度も高く、さらなる技術的な革新によって、より豊かな生活を実現するためにも、常に必要になる存在であると言えます。
また、現在においてはIoTにも注目が集まっており、センシング技術や5Gなどの高速回線により、今までは実現できなかったような自動化技術についても非常に期待されている状況です。電子機器の開発と聞くと地味なように感じてしまう場合もありますが、実は最新の技術に触れることができ、成長とやりがいのあるエンジニアと言えるでしょう。
ハードウェアエンジニアの主な仕事内容
要件定義
設計
試作・評価
製造
保守・メンテナンス
上記がハードウェアエンジニアの主な仕事内容の一例です。基本的にはシステムやソフトウェアの開発と同等の流れであり、一番の違いは物理的なデバイスの存在があることと言えます。
そのため、例えばアプリケーション開発のように物理的な制約のない開発と比べると、利用する基盤や電子機器、それに伴うコスト、保守やメンテナンスの都合などの領域において、ハードウェアエンジニアとしての仕事が多岐にわたることを理解しておく必要があるでしょう。
また、一言にハードウェアエンジニアと言っても、主な仕事内容の全てを1人で担うということはほとんどありません。もちろん、企業や組織の規模、案件の内容にはよるものの、それぞれの工程を別々の人や部門・部署が担当するのが一般的です。
自分が担当する役割によっては、技術的な仕事に従事するだけでなく、クライアントとのコミュニケーション、デザイン担当者との打ち合わせ、エンドユーザーとの対話など、コミュニケーションを求められることもあります。
ハードウェアエンジニアに必要なスキル
電気や電子回路の知識
電子回路を設計するスキル
基盤を設計するスキル
プログラミングスキル
問題発見・問題解決スキル
コミュニケーション能力
上記がハードウェアエンジニアに必要なスキルの一例です。基本的にはハードウェアの設計ができるスキル、そしてハードウェアを動かすためのソフトウェアおよびファームウェアを構築するためのプログラミングに関するスキルが必要と言えます。
また、エンジニアとして必要である問題発見能力と問題解決能力のスキルも必要であり、より品質を高めるためにもプロジェクトメンバーやチームメンバーとのコミュニケーション、クライアントやユーザーとのコミュニケーションなども必要不可欠です。
その他にもLinux、C言語、C++、Python、2DCAD及び3DCAD、IoTなどのセンシング技術やデータの蓄積及び活用、機械学習やAI、ハードウェアを操作および設定するためのユーザーインターフェイス、ハードウェア自体のデザインなどの関連するスキルを身につけていくことで、ハードウェアエンジニアとしての実力と市場価値を高めることにつながるでしょう。
ハードウェアエンジニアになるのは難しい?
ハードウェアエンジニアになるのが難しいかどうかという点については、目指す方自身の興味関心の度合いや技術的な知識及びスキルの習得を楽しめるかどうかで大きく異なります。ハードウェアエンジニアと言っても、その他の職種とそう変わりはありません。仕事をするために必要な知識とスキルを備えて、自分の仕事にやりがいや誇りを持っていれば難しくないと言えるでしょう。
ハードウェアエンジニアが難しいというイメージを持たれるのは、名称的にはハードエンジニアではあるものの、ハードウェアに関する知識がスキルだけでなく、ソフトウェアについても理解が必要ですし、ネットワークやデータベース、セキュリティに関する知識も必要なことが理由として挙げられます。
ハードウェアエンジニアというよりもエンジニアとしての働き方や生き方が身につくようになれば、難しい職業ではないということがわかるでしょう。
2.ハードウェアエンジニアのキャリアに関する詳細
次にハードウェアエンジニアのキャリアに関する詳細について解説します。
ハードウェアエンジニアの年収
ハードウェアエンジニアの正社員の年収はおおよそ400万から600万が平均的な数値となっています。
フリーランス求人・案件を取り扱っている「フリーランスボード」では、フリーランスのハードウェアエンジニアの月額平均単価は約65~70万円で年収に換算すると約780〜840万円です。
ただし、あくまでも平均的な金額であり、企業の規模や案件の内容によっては、1000万近い年収が設定されていることもあるため、ハードウェアエンジニアとして稼ぎたいと思う方には非常に夢のあるエンジニア領域であるのは間違いありません。
ただし、実務経験や実績、知識やスキル次第で大きく年収の金額が変わってしまうという点は他のエンジニアと同じであるということは理解しておく必要があります。
例えば、実務経験と実績のある方と、初めてハードウェアエンジニアとして働くという方では年収に大きな開きがあるということはあらかじめ留意しておき、どちらの場合においても実績と実力の積み重ねがそのまま、自分自身の年収に影響するなということを覚えておいてください。
ハードウェアエンジニアの将来性
ハードウェアエンジニアの将来性は極めて明るいものと言えます。これから先の未来においても、ハードウェアやデバイスが社会の形成や普通の生活において、必ず必要となること、同時に新しい技術が生み出されることで、新しいハードウェアやデバイスが開発されるためにもう欠かせない存在だからです。
また、昨今ではIoTによる影響だけでなく、センシング技術の進化、コンピュータやデータ転送速度の高速化によって、今まで人間にしかできなかったことができるようになってきました。
ドローンや専用車両の自動運転による配達
ファミレスなどでロボットでの配膳
ロボットによる倉庫整理やピッキング
ドローンによる肥料や農薬の散布
工業機械や農業機械の自動運転
建築機械のリモート操作
高精度な診断装置や遠隔医療システム
介護事業におけるパワーアシスト装置
例えば上記は一例ですが、今までたくさんの人が必要だった分野においても、技術革新によって安全かつ少人数での効率化や最適化が進んでいます。
そのどれもがハードウェアエンジニアの存在なくしては、さらなる進化ができない技術でもあることから、単に快適で便利な未来の想像のためだけでなく、深刻化する労働人口の減少に対処するためにも、ハードウェアエンジニアは必要とされることから、ハードウェアエンジニアの将来性は極めて明るいと言えるのです。
ハードウェアエンジニアの汎用性
ハードウェアエンジニアの汎用性は非常に高く、実力や実績、実務経験に応じて、キャリアチェンジや転職にとても有利です。ハードウェアの強みは、ハードウェアエンジニアに求められる知識やスキルが幅広いことがバックグラウンドにあります。
前述したようにハードウェアに関する知識やスキルだけでなく、ソフトウェアやファームウェアについても習熟していけるようになりますし、同じく関連するスキルを身につけていくこと、もしくは興味関心を持った技術領域を伸ばしやすくなるのが理由です。
エンジニア領域全般に言えることですが、ハードウェアエンジニアは職業名というよりも役割や立ち位置、業務範囲を示す言葉であること、一言にハードウェアエンジニアと言っても、回路設計、基板設計、FPGA設計、組み込みソフトウェア開発、テスト、評価など対応する技術領域が異なってくることもあります。
しかし、関連する技術を理解していなければ仕事にならないことから、仕事をするために技術を覚えていくというサイクルが形成されることで成長が促され、実力が積み重なっていき、汎用性が高くなっていくのです。
ハードウェアエンジニアに関連するキャリア・職種
回路設計エンジニア
基板設計エンジニア
FPGAエンジニア
IoTエンジニア
ファームウェアエンジニア
テストエンジニア
プロダクトエンジニア
上記がハードウェアエンジニアに関連するキャリア・職種の一例です。その他にもシステムエンジニアやソフトウェアエンジニアなど、ハードウェアの枠組みを超えて異なる技術領域のエンジニアのキャリアも視野に入ってくるでしょう。
そもそも、エンジニア自体が身につけたスキルによってキャリアチェンジをしやすい職業でもあることから、ご自身の成長がキャリアチェンジの可能性を広げていくということは理解しておくべきです。
また、業界ごとに必要とされるデバイスやハードウェアは異なるものの、根本的な部分においてはハードウェアの知識やスキルはどの業界でも流用できるものです。そのため、ハードウェアエンジニアとして様々な業界での実績を積み上げていくことができれば、より意義のある大きなプロジェクトへの参画も視野に入るようになり、安定して実績を積み上げていくことができるようになるでしょう。
同時に、実務経験や実績が評価されることで、プロジェクトマネージャーなどの上位ポジションも視野に入ってきます。自分自身が直接的に技術的な業務を行うだけでなく、プロジェクトを管理し、クライアントやメンバーとのコミュニケーションを行い、新しい商品や製品を世の中に広めていくことができるようになるのです。
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3.ハードウェアエンジニアとその他のエンジニアとの違い
次にハードウェアエンジニアとその他のエンジニアとの違いについて解説します。
システムエンジニアとの違い
ハードウェアエンジニアとシステムエンジニアとの違いは、システムエンジニアは「システム全体」の設計・開発・運用・保守を行うことが挙げられます。立ち位置としてはハードウェアエンジニアの1つ上であり、ハードウェアとソフトウェアも含めた全般的なシステムの構築を行うことが役割です。
ハードウェアエンジニアと言っても、必ずしもデバイスとファームウェアだけで完結するようなプロジェクト及びプロダクトばかりではありません。例えば、メーカーやブランドにおいて開発する商品、スマートフォンや専用のデバイスによるオンラインで提供するサービス、その他にもゲーム機なども含めて、企業の特徴に合わせて全般的なシステム構築を行うことがハードウェアエンジニアとの違いと言えるでしょう。
ソフトウェアエンジニアとの違い
ハードウェアエンジニアとソフトウェアエンジニアとの違いとして、ソフトウェアエンジニアは基本的にはユーザーが直接的に触れるデバイスという意味でのハードウェアによる制約がないことが挙げられます。昨今ではクラウドコンピューティングの利用などにより、ソフトウェアを稼働させるためのOSやシステムによる制約もほとんどありません。
ただし、ソフトウェアエンジニアとして関わるプロジェクトによっては、ハードウェアエンジニアとの連携やハードウェアに関する知識も必要になります。
例えば、スマートフォンやタブレットのアプリケーション開発、パソコンのソフトウェアの開発などにおいては、それぞれのデバイスごとのスペック、もしくはOSのバージョンという制約があることから、ソフトウェアやエンジニアにおいてもある意味デバイスによる制約はゼロではないと言えるでしょう。
組み込み系エンジニアとの違い
ハードウェアエンジニアと組み込み系エンジニアとの違いとして、ハードウェアエンジニアがデバイスに関する全般的な構築をすることが役割なことに対し、組み込み系エンジニアはデバイスとファームウェアの部分を担当するのが役割であることと言えます。
要件や設計された基盤をもとに、電子回路の組み込みやセンサーなどの選定を行い、ファームウェアによって実際に動く状態にすることが業務の範囲と言えるでしょう。
ただし、ハードウェアエンジニアと組み込み系エンジニアは区別されないこともあります。企業やプロジェクトの規模によってはどちらも両方の役割を担うこともあり、逆に細分化されて細かな業務範囲のみということもあるので求人や案件の内容は細かくチェックすることが大切です。
組み込み系エンジニアは物理的なデバイスとファームウェアの部分の知識とスキルが求められることから、ハードウェアエンジニアのコアとなる技術が得られる役割とも言えるでしょう。
IoTエンジニアのと違い
ハードウェアエンジニアとIoTエンジニアの違いは、IoTを基軸としたデバイス開発をするか否かという点にあります。ハードウェアエンジニアとIoTエンジニアが担う業務範囲はほとんど同じであり、開発するデバイスがIoTかどうか、もしくは所属する企業や参画したプロジェクトの内容によって呼び方が変わると考えてみて良いでしょう。
ただし、クラウドサービスやデータベース、ネットワーク、モバイル通信回線など、従来のハードウェアエンジニアの知識と共に、オンラインでデバイスを活用するための知識やスキルは必要です。
4.ハードウェアエンジニアに転職する際のポイント
次にハードウェアエンジニアに転職する際のポイントについて解説します。
「ハードウェアエンジニア やめとけ」という言葉を鵜呑みにしない
ハードウェアエンジニアに転職する際のポイントとして、「ハードウェアエンジニア やめとけ」という言葉を鵜呑みにしないことが挙げられます。ハードウェアエンジニアについて情報収集をしていると、ハードウェアエンジニア やめとけというサジェストキーワードとともに、ハードウェアエンジニアに関するネガティブな情報が目に入ってしまうこともあるでしょう。
しかし、ハードウェアエンジニアに限らないネガティブな理由が散見されることから、鵜呑みにしてハードウェアエンジニアの道を閉ざしてしまうのはおすすめできません。特にネガティブな情報は閲覧する方の不安煽り立てるようなタイトルになっており、クリックやタップされやすいためにの目的とは違った意図で使われていることもあるため、ネガティブな情報を見て自分自身をネガティブな状態にしないように注意してください。
未経験の方がハードウェアエンジニアを目指す場合の注意点
未経験の方がハードウェアエンジニアを目指す場合の注意点として、誰しも最初は未経験であるということを前提とすることが挙げられます。特にハードウェアエンジニアの場合はハードウェアに関する知識やスキルを身につけるだけでなく、ソフトウェアやファームウェア、LinuxなどのOSも関係してくるため学ぶ範囲が広くて挫折してしまいがちです。
まずはハードウェアに関する知識やスキルを身につけたら、未経験者でも応募できる求人などに挑戦して実務経験を積むことから始めましょう。
また、最初からハードウェアエンジニアを目指すのではなく、自分が興味関心のある技術領域や得意とするスキルに合わせてエンジニアを選ぶのもおすすめです。エンジニアはほとんどが密接に関連する技術であることから、第一歩を踏み出すことから始めてみることが大切です。
ハードウェアエンジニアになるためのキャリアパス
技術系の科目のある大学や専門学校からの就職
未経験で技術やスキルを身につけた上での転職
他のエンジニア領域からハードウェア領域への転職
上記がハードウェアエンジニアになるためのキャリアパスの一例です。すでにハードウェアエンジニアとしての実務経験がある場合においても、技術やスキルを身につけて転職したり、その他のエンジニア領域のスキルを伸ばして、新しい環境に挑戦するということもキャリアパスとして視野に入ります。
また、現在の環境を変える場合において、今までの実務経験や実績とは異なる業界や業種でのハードウェアエンジニアを目指すのもキャリアプランの一つとして考えてみても良いでしょう。
その他にもフリーランスエンジニアとして案件を獲得して実績を積み上げてみたり、ひとつひとつのプロジェクトに参加しながら実績と実力をアップしていったりするというキャリア形成もハードウェアエンジニアとしてのキャリアを確固たるものにしたい場合におすすめです。
同様に個人でハードウェアの開発を行い、その実績をポートフォリオとしてアピールポイントにした上で求人や案件への挑戦をする方法もあります。具体的な実績があれば採用する側も判断しやすいですし、個人一人で1つのハードウェアを設計・開発・製造、そして製品に戻りますが販売に至るまでの過程をこなすことができれば、かなり市場価値の高い存在としての評価を得られるでしょう。
ハードウェアエンジニアに関連する資格を取得する
上記がハードウェアエンジニアに関連するおすすめの資格の一例です。未経験者の方であれば、IPAの実施している基本情報技術者試験や応用情報技術者試験の合格に向けて勉強し、技術的な基礎を身につけることから始めてみましょう。
実務経験者であれば、エンベデッドシステムスペシャリスト試験やハードウェアエンジニアに関連の深い専門的な試験に挑戦し、実力の証明とするのもおすすめです。
ただし、資格試験への挑戦と合格はご自身の実力の証明と共に成長の材料にはなるものの、合格することがゴールではないということ、合格したからと言って必ずしも採用や案件の獲得が約束されるものではないことを留意しておきましょう。
資格試験の合格によって実力を証明するとともに、自分の得意とする技術領域のアピール、実績やスキルセットの棚卸し、そして求人や案件とのミスマッチを起こさないよう十分に精査することを意識することが大切です。
5.ハードウェアエンジニアへの転職を後悔しない方法
次にハードウェアエンジニアへの転職を後悔しない方法について解説します。
自己分析と企業研究を行う
ハードウェアエンジニアとして実務経験のある方が、再度ハードウェアエンジニアへの転職をするタイミングで後悔しないためにも、まずは後悔の原因が環境なのか自分なのか分析することから始めましょう。原因を特定する時は感情的に考えるのではなく、論理的かつ客観的に考えることが大切です。
例えば、職場環境やプロジェクトの状態などがネガティブな原因として判明している場合、やはり環境そのものを変えるしか方法はありません。その場合は企業分析を行い新しい環境の場所に身を置きましょう。
企業研究を行うことで転職先のビジョンや成長戦略を把握し、自身のキャリアプランとの相乗効果を見込めます。また、社風や実務環境を理解しておけば、入社後のミスマッチを最小限にできるでしょう。特にハードウェアエンジニアの場合は、取り扱う製品やテクノロジーの方向性を事前に掴むことが重要です。
後悔の原因が自分の場合は、自分に何が足りないのか、どの要素が抜け落ちているのかを精査しましょう。成長できる状態を維持できるようになったら、キャリアアップとキャリアチェンジを目指して転職活動を行うようにすると良いでしょう。
労働条件を確認する
ハードウェアエンジニアへの転職を後悔しないためにも、転職時は労働条件や業務範囲を必ず確認するようにしましょう。特に職場環境やプロジェクトの状態がネガティブで転職を考えている場合、転職したのに同じような状況、もしくはさらに悪化したということも考えられるのが理由です。
もちろん、働き始めて見ないとわからないこともありますが、転職時の契約条件である程度推測し、面接時に自分の役割を明確にすることは最低限必要であると覚えておいてください。
ハードウェアエンジニアに限ったことではありませんが、人手不足、クライアントに振り回される、職場環境が悪い、コミュニケーション不足、前任者の引き継ぎ資料がない、OJTと言いながら本人に任せきりなどの状況は想定しうることです。
しかし、全ての企業やプロジェクトがネガティブ、もしくはブラックな状態であるとは限りません。働き始めて違うと感じたらすぐに転職を考えて行動することも、将来的なキャリア形成やQOLの向上において重要であると考えるようにしましょう。
やりがいを再認識する
ハードウェアエンジニアを目指す方、もしくはハードウェアエンジニアとしての実務経験がある方の場合が後悔する、もしくは後悔したくないと考える場合、ハードウェアエンジニアとしてのやりがいを忘れてしまっている可能性が非常に高いです。そのため、ハードウェアエンジニアとしてのやりがいを再認識することが非常に大切になります。
例えばものづくりが楽しい、自分で考えたものが現実化することが嬉しいなどのようなやりがいや目指していた理由などを思い出すことで、後悔しないポジティブな気持ちで転職活動に取り組むことができるようになるでしょう。
ただし、やりがいだけではなく年収や働きやすい環境もしっかりと重視するようにして、働きやすく、長く続けやすく、成長できる環境に身を置けるように柔軟に行動することをおすすめします。
活躍したい領域を明確にする
ハードウェアエンジニアの転職で後悔しないためにも、ハードウェアのどの領域で活躍したいか明確にすることが大事だということも覚えておきましょう。自分の興味関心のある分野、得意とする分野、もしくは関わり合いたいと考える業界や業種の部分でミスマッチが起きていると、ハードウェアエンジニアとしての業務を行っていてもやりがいを感じることはできません。
例えば、最新のIoT技術について実践的に学びながら成長していきたい、もしくは社会的に重要となる技術領域を伸ばすために貢献したい、または身近な分かりやすい家電やスマートホームのような領域をもっと便利にしたいといった形で明確にすることで、本来自分自身が携わりたい仕事が可視化されます。
自分が本来したい仕事のために自分に何が足りないのかが把握できるようにもなるため、資格の取得を目指してみたり、実際に電子基板や電子回路、センサーなどをはんだ付けなどして物理的なデバイスを作ったりするなどの行動に移ることができれば、ハードウェアエンジニアとしてさらに成長できるようになり、成長によってより良い環境と年収のアップなどが実現できるようになるでしょう。
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6.まとめ
今回はハードウェアエンジニアに関する基礎知識、ハードウェアエンジニアのキャリアに関する詳細、ハードウェアエンジニアとその他のエンジニアとの違い、ハードウェアエンジニアに転職する際のポイント、ハードウェアエンジニアへの転職を後悔しない方法についてお話ししました。
ハードウェアエンジニアはハードウェアとソフトウェアの両方の知識やスキルが必要であることから、とても大変であると同時に、やりがいのある仕事であるのは間違いありません。ハードウェアエンジニアへの転職を後悔しないためにも、自分自身の得意とする技術や興味関心の深い分野を見つめ直し、より良い環境で仕事ができるようにポジティブに行動してみてください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
本記事が皆様にとって少しでもお役に立てますと幸いです。