「システムエンジニアとしての実力を証明したい」「フリーランスとして成長する方法を増やしたい」とお考えであれば、エンジニア系資格の取得に向けて勉強してみてはいかがでしょうか。
国家試験や民間試験の資格の合格に向けて勉強することで、新しい知識の会得や基礎の知識の学び直しになり、実務で活用していくことでスキルとしてアピールできる実力に変換されていくので非常におすすめです。
本記事では、現役のシステムエンジニアの方、フリーランスの方やこれからシステムエンジニアを目指す方のために、システムエンジニアと資格に関する前提知識や目的別のおすすめの資格についてお話ししていきます。
目次
1.システムエンジニアと資格に関する前提知識
はじめにシステムエンジニアに関する概要や資格の大まかな種類、難易度を見極める方法、資格取得に向けて勉強する時の注意点など、システムエンジニアと関連する資格に興味をお持ちの方が理解を深めるために前提として必要な知識をチェックしておきましょう。
システムエンジニアの役割・仕事内容
システムエンジニアの役割と仕事内容は、システム開発における設計・開発・保守・運用など、システムに関する全般的な業務を担当することです。
システムエンジニアの担当区分としては、それぞれの業務や工程などの段階を担当したり、前後の業務を兼務したりするなど規模によって役割が異なります。システムの規模や開発体制の人数によっては、ほとんどの業務や工程を兼務することもあるでしょう。
また、システムエンジニアの役割や仕事内容は具体的に法などで定められてはおらず、企業や組織、もしくはプロジェクトや開発体制ごとに異なる場合もあります。そのため、システムエンジニアとして就職や転職をする場合、具体的にどのような業務を担当するのか、同じく業務範囲はどこからどこまでなのかを必ず確認するようにしましょう。
同様にプロジェクトの進捗管理やマネジメントなども業務に含まれることもあるため、技術的な知識やスキルと共に、マネジメント能力やコミュニケーション能力も求められる場合もあるということも覚えておいてください。
システムエンジニアの求人・年収・将来性
職業状況提供サイト「jobtag」によると、システムエンジニア(基盤システム)の有効求人倍率は令和5年度で2.23倍、年収の平均値が684.9万円となっています。求人倍率的には求職者にとって有利な状況であり、国税庁の発表した令和5年度分の民間の給与所得者における平均年収の460万円と比べると、年収の平均値も高く、需要があるため将来性は安定していると言えるでしょう。
また、システムエンジニアという職種は、システム開発の上流工程での実務経験と実績が増えていく立ち位置であり、同時に現場で技術的な進歩をリアルタイムに体感できる職種です。
そのため、腰を据えて働き続けることで、実務経験による成長でスキルアップしやすく、実績の積み上げでキャリアの安定化や上位ポジションへの昇進も実現しやすいことから、将来的なキャリア形成の面においても安泰と言えるでしょう。
ただし、実際に働く企業や組織、関わったプロジェクト、そして自分自身のエンジニアとしての成長の度合いによって将来性が大きく異なってくることに注意が必要です。
エンジニアとして技術的な部分で停滞をしてしまったり、実績や実力が得にくい環境だったりする場合、キャリア形成にネガティブな影響になる可能性もあるため、日々の勉強や資格の取得によって自分自身に成長を促し、積極的に転職やキャリアチェンジを考えることをおすすめします。
システムエンジニアに関連する資格の種類
システムエンジニアに関連する資格の種類として、国家資格と民間資格の2つに分けられます。具体的にはIPA(独立行政法人 情報処理推進機構)の実施する国家試験及び国家資格と、ベンダー試験を含む民間試験やで実施されている民間資格やベンダー資格です。
IPAの場合は国家試験として実施されている難易度や技術分野別の試験とともに、エンジニア領域における唯一の国家資格である「情報処理安全確保支援士試験」があります。
民間の企業やベンダーが実施している試験については、AWS認定試験Google Cloud認定資格、MicrosoftAzure認定資格などクラウドサービスに関する資格やORACLE MASTER、システムなどの資格が有名です。
その他にも特定の知識や技術ごとに様々な企業や組織が資格試験を実施しているため、自分自身の実力を証明しやすい試験を探してみたり、習得してみたい技術やスキルを出題範囲とする資格試験に挑戦してみたりすると良いでしょう。
エンジニア系資格の難易度を見極める方法
エンジニア系資格の難易度を見極めるためには、まず自分自身の技術的な知識の理解度を把握する必要があります。一番簡単な方法は、挑戦したいと考えている資格試験の過去問題を紐解いてみて、簡単に答えられるかどうかを試してみることです。
もし、問題文の意図や意味がわからない場合は挑戦したい資格が自分自身にとって難易度が高すぎると判断しましょう。
問題文の意図や意味が理解できる場合、そして答えがすぐにわかる場合は挑戦して合格できる難易度であることがわかります。資格試験に関する情報収集をしていると、様々な角度から難易度を推測している場合もありますが、挑戦する自分自身の知識のレベルで難易度が異なるということを加味した上で参考にすることが大切です。
難易度の指標としてはIPAの管理するスキル標準(ITSS/UISS)などもあります。自分自身がすでに合格した資格試験のスキル標準のレベルと比べて難易度を推し量るのも良いでしょう。
資格取得に向けて勉強する時の注意点
エンジニア系資格の取得に向けて勉強する時の注意点として、資格試験の合格がゴールではないということが挙げられます。同じく、試験の合格が採用の保証になったり、フリーランスとしての案件獲得が確約されたりするわけではないということも理解しておくべきです。
同時に技術的な資格試験の合格による知識の証明だけでなく、一般的な採用と同様に人柄や性格、コミュニケーション力なども採用の判断基準となることも忘れてはなりません。
また、エンジニア領域においては、資格の所持よりも実務経験、同じく実務経験の年数よりも、具体的な実力を示せる成果物やポートフォリオの方がアピールポイントとして強い場合があります。資格の取得が最低限のスタート地点であるという考え方を持つこと、もしくは難易度の高い資格試験の合格はあくまでの実力の証明の一部であり、エンジニアとしての実績や具体的な成果物の提出も合わせてアピールしていくことが重要だと覚えておいてください。
2.新卒・未経験からシステムエンジニアを目指す方におすすめの資格一覧
上記が新卒・未経験からシステムエンジニアを目指す方におすすめの資格一覧です。
システムエンジニアを目指すためにIT分野の業界や職種に就職及び転職に必要な知識がスキルを学ぶための資格とも言えます。
試験の合格や資格の取得によって、新卒や未経験でも他の応募者と比べてエンジニアとしての素養があることをアピールするため、実務経験が増やせる環境に就職するために勉強するという意識を持ちましょう。
Linux技術者認定試験をおすすめしている理由としては、ハードウェアとソフトウェアの両方の知識が学びやすくなること、OSレベルでインフラやネットワーク、データベース、セキュリティなどのベースとなるOSの扱い方などが理解しやすくなるのが理由です。
Linuxは各種プログラミング言語や開発環境の構築もしやすいOSでもあるため、様々な技術領域の知識的な基盤が構築できるのも利点と言えます。
3.得意分野を強化したいシステムエンジニアにおすすめの資格一覧
上記が得意分野を強化したいシステムエンジニアにおすすめの資格一覧です。
自分の得意分野の知識やスキルを伸ばすことに役立ちますし、資格の取得によってキャリアチェンジを望む場合のアピールにも役立つようになるでしょう。
特定の技術領域の資格の合格は、異なるエンジニア領域に挑戦するための転職を考えてる場合においても、資格の取得が心強い味方となるのは間違いありません。
同様に特定の分野のスペシャリストとしての技術力が磨かれていくことで、システムエンジニアとしての実力とともに評価され新たなプロジェクトへ参加できる可能性も高まります。同時に得意とする技術分野の実績が増えていくようになれば、自分の得意とする分野で活躍しやすく、安定したキャリアの形成につながり、安定的な収入が得られることも期待できるようになるでしょう。
4.ベンダー特化型のシステムエンジニアにおすすめの資格一覧
上記がベンダー特化型のシステムエンジニアにおすすめの資格一覧です。
おすすめしている資格はインフラ系に近い資格ではあるものの、同じように特定のベンダーに特化したエンジニアとして、ベンダー自体が実施している資格試験に挑戦するのは非常におすすめと言えます。
得意とする分野の技術を伸ばしやすくなりますし、クラウド系エンジニアとしてどこでも通用する実力の証明になるのもキャリアアップやキャリアチェンジの強みになるでしょう。
また、特定のベンダーに関する資格の場合、日本国内だけでなく海外でも通用する可能性も高くなるため、外資系のベンダーやシステム開発企業を狙う時にもおすすめと言えます。
後述するマネジメント系のスキルと合わせて取得していくことで、プロジェクトマネージャーよりもポジションの高い技術的な顧問や経営陣に近い役職、もしくはコンサルタントとして活躍することも視野に入ってくるでしょう。
5.キャリアを意識したシステムエンジニアにおすすめの資格一覧
上記がキャリアを意識したシステムエンジニアにおすすめの資格一覧です。
システムエンジニアとしてキャリアを意識する場合、上流工程の業務やマネジメント系のポジション、もしくはクライアントに近い立ち位置で働くために必要な知識がスキルが必要となります。
そのため、IPAのシステムアーキテクトやプロジェクトマネージャーの試験、またはPMP資格のような試験に挑戦するのは非常におすすめです。
また、肩書きという意味でのポジションには興味ない場合においても、マネジメントやリーダーのポジションに必要な知識とスキルを身につけておくことで、様々なプロダクトに関われる可能性が高くなります。同様にマネジメント系の実績が増えることで、業界や業種問わず活躍できる可能性も増えますし、フリーランスとして活躍したいと考える場合にも役立つようになるでしょう。
6.システムエンジニアが資格を取得するメリットや有利になること
目的別に様々な資格があることを把握したら、次は合格のために勉強するメリットは何か、資格を取得することで何が有利になるのかを確認しておきましょう。勉強という時間や労力のコストが必要になることに対し、どのようなリターンがあるかをしっかりと理解してモチベーションを高めていくことに役立ててください。
業務効率化や最適化及び自動化が実現できる
システムエンジニアが資格を取得するために勉強することで、技術的な知識やスキルとしてできることが増え、業務効率化や最適化及び自動化が実現できることが挙げられます。すでにエンジニアの方やフリーランスとして働いている方であれば、資格を取得するために学んだことがすぐに役立つということです。
また、エンジニア領域の勉強をする場合においても、学ぶための情報収集や勉強の進捗管理など、効率的に進めることができるようになるのもメリットと言えます。
効率化や最適化及び自動化が必要になる理由としては、生産性の向上など直接的にお金に関することも大きな理由ではありますが、時間が節約できることが一番に大きなメリットと言えるでしょう。学習効率があれば同じ時間で身につく知識も増えますし、そもそも勉強する時間を増やすことができれば自分自身が成長し、実力のアップによって収入の増加も期待できます。
技術面の知識やスキルの実力を証明できる
システムエンジニアが国家試験や民間試験に挑戦して合格するメリットや有利になることで、技術面の知識やスキルの実力を証明できることが挙げられます。
エンジニアが何らかの技術をアピールする場合、特に実務経験が浅い方などはプログラミング言語や理解している技術分野を伝えることはなかなか難しく、面接や採用の判断をする相手が技術的に疎いと評価されにくいこともあります。
そのため、資格に合格することで対外的な評価が得られ、簡単に実力を証明できるのは強いメリットになるということです。
また、自分自身の知識やスキルの実力を証明できるということは、自分自身に対する対外的な評価を得られるという意味でもあり、自信に繋がるのも大きなメリットと言えるでしょう。
特に資格試験の場合は一つ一つに合格していくことで、成長している実感を得やすくなります。結果として勉強することの価値を感じられるようになれば、成長する姿勢を維持しやすいエンジニアとして活躍できるようになっていくでしょう。
他のエンジニアと意志の疎通がしやすくなる
システムエンジニアが資格取得の勉強によって、技術的な知識やスキルが増えていくことで、他のエンジニアと意志の疎通がしやすくなるというメリットが挙げられます。
技術的な知識やスキルがないと、先輩のエンジニアや経験者の方とのコミュニケーションが難しくなったりすることもありますが、対等に話すことができる知識があれば対話が可能となり、コミュニケーションから成長できる可能性も高まるというメリットです。
また、技術的な知識やスキルを持っていることが周囲に伝わることで、自分自身への評価が高まります。評価が高まるということは、新しい業務や作業を割り振ってもらえる可能性もありますし、実績に繋がる業務に携わることができれば、給与など収入面でのポジティブな影響も期待できるようになるでしょう。
同時にエンジニアとの人脈やコミュニケーションの幅が広がっていくことで、コミュニケーション力が身につき、将来的にマネジメント職へのポジションアップやキャリアアップも視野に入るようになります。
キャリアアップやキャリアチェンジに役立つ
システムエンジニアが実務経験とともに、技術的な資格を保有していることで、キャリアアップやキャリアチェンジに役立つこと、他のエンジニアや応募者との差別化につながり有利になることが挙げられます。
特に日々のエンジニアリング業務では実績につながることが難しかったり、実力の向上が評価されにくかったりするような状況において、資格の取得によるアピールがキャリアの形成にポジティブな影響を与える可能性は高いです。
また、現在勤めている企業や組織における評価が頭打ちになっているような状態であれば、転職も含めてキャリアアップやキャリアチェンジを目指すことも視野に入り、資格の合格と今までの実務経験や実績を組み合わせれば、さらに有利に転職活動を進めることができます。
同様に企業勤めではなく、フリーランスエンジニアを目指す場合においても、資格を所持していることが評価や信頼につながり、案件の獲得に有利になる可能性があることもメリットと言えるでしょう。
技術的な視野が広がり、成長しやすくなる
システムエンジニアが試験の合格に向けて勉強することの最大のメリット及び有利になることは、技術的な視野が広がり、成長しやすくなることです。エンジニアは普段の仕事でも実務経験として様々なことを学ぶ要素はありますが、直接的に開発や業務に関係のない技術に触れないまま時間が過ぎてしまうことがあります。
そのため、自分自身の実力の証明や新しい知識及びスキルの習得のために資格試験に挑戦することは、新しい技術に触れること、技術的な視野が広がることに非常に役立つのです。
特に自分自身でキャリアに変化がない、スキルアップや成長ができていない場合、エンジニアとしての停滞が始まっている可能性もあります。エンジニアとして学ぶきっかけを作るため、キャリアアップやキャリアチェンジのためではなくても成長するために資格の取得を目指すことは非常におすすめと言えます。
7.システムエンジニアと資格に関するよくある質問
最後にシステムエンジニアを目指す方やスキルアップのために資格について知りたい方が悩みがちなポイントとして、よくある質問とその回答をご紹介します。
未経験からシステムエンジニアを目指すには何が必要ですか?
未経験の方がシステムエンジニアを目指す場合、IT業界で働くための技術的な知識の土台が必要です。エンジニアと言ってもその他の職業と同じであり、最低限覚えておかなければならないような知識があり、エンジニアの場合は技術的な知識が必要になります。
また、パソコンを過不足なく使えること、OSやソフトウェアの基本的な操作ができることなども最低限必要となるでしょう。
そして技術や知識を身につけるためには、今回紹介した資格試験に挑戦して合格することが近道になります。ただし、技術や知識だけではシステムエンジニアになることは難しい可能性もあるため、技術や知識を身につけた上で、未経験でも応募可能なエンジニア職への求人応募や、IT系企業への就職することを目指してみると良いでしょう。
システムエンジニアに資格がいらないと言われる理由は?
システムエンジニアに資格がいらないと言われる理由は、システムエンジニアが弁護士や税理士のような業務独占資格が存在しないのが理由です。システムエンジニアも含むエンジニア系の業種のほとんどは資格がなくても業務を行うことができます。
システム開発の現場においては資格の有無も大切ではあるものの、実務経験や即戦力として役立つかどうかが重視されるのも理由と言えるでしょう。
また、資格がいらない=勉強しなくても良いということではありません。資格がなくてもシステムエンジニアになることはできますが、勉強をせず、知識もスキルもないような状態ではシステムエンジニアとして活躍することは難しいでしょう。
就職を目指す大学生向けのシステムエンジニアの資格は?
大学生や専門学生、もしくは高校生の方が就職に向けて技術系の資格の取得を検討しているのであれば、まずはIPAの資格を一つ一つ確実に合格していくことをおすすめします。エンジニアとしての基礎となる技術的な知識が身についてることをアピールできた方が有利です。同様に資格試験の合格に向けて努力をしていく姿勢もポジティブな評価につながるでしょう。
また、ある程度実務経験や実績がある場合、自分自身の実力を証明するためにIPAの高度試験に挑戦したり、難易度の高い民間のベンダー資格に挑戦してみても良いでしょう。
学生という短い時間の間に合格できるかどうかを基準として、挑戦する資格試験を検討すると良いでしょう。また、勉強によって得た技術や知識を駆使して、ポートフォリオとなる成果物を作成することで実務で作業ができるというアピールになるため、就職の時に有利になる可能性があるのでおすすめです。
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8.まとめ
本記事では、システムエンジニアを目指す方やフリーランスとしてスキルアップを目指す方のために、システムエンジニアにおすすめの資格を紹介しながら、資格を取得するメリットや有利になることなどについてお話ししました。
技術関連の資格取得を目指していくことで、合格の有無に関わらず知識の総量が増えていきます。エンジニアとして実務で働く中、増えた知識がスキルに変換され、スキルアップとエンジニアとしての実力が向上するのは間違いありません。
技術的な知識を増やすこと自体が、自分自身のキャリア形成になるということを理解し、システムエンジニアとしての成長と、キャリアアップやポジションアップによる収入のアップを両立していくことをおすすめします。
最後までお読みいただきありがとうございました。
本記事が皆様にとって少しでもお役に立てますと幸いです。
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